バリックの音楽ひとりごと

クラシック音楽の音楽鑑賞をメインにした、音楽なんでも日記です

2016年は結構、無理で残念な年でした。

3オケの定期会員になり、加えてN響にも数回のコンサートに行っていました。確かブログにしていないコンサートも多くはないですが4~5回あるかな。書かないと忘れてしまうのでいかんです。と言いつつ海外出張が多いため、定期演奏会は妻と他の人に行ってもらい・・・外タレは行かず・・・多分・・・覚えていません。海外では一度だけ行ったムーティ・イスラエルフィルは不発でした。

そんな中で、良かったベスト5演奏は次の通りでしょうか。
○ スクロバチェフスキ/読響: ブルックナー8番
○ パユ/読響: ハチャトゥリアン フルート協奏曲(指揮:カラビッツ)
○ 山中千尋/N響: ラプソディー・イン・ブルー(指揮者は忘れました)
○ ヤルヴィ/N響: 展覧会の絵
○ カンブルラン/読響: マーラー5番

はずれは次の演奏者でしたか。
○ 五嶋みどり(バイオリン)
○ イエルク・デムス(ピアノ)
○ ポストリッジ(テノール)
○ 都響
○ イスラエルフィル

こうやって振り返ると2015年の方が名演奏が多かった気がします・・・というか2016年は数がやたらと増えたせいで、演奏会の幅が下の方に広がっただけかもしれませんが・・・ほんとうに間抜けでしたね。しかし五嶋みどりもデムスも読響の定期のスケジュールに入っていて、期待して行った演奏会でしたから・・・まあ期待が大きすぎたという事もあります。

都響の定期会員はやめます。東フィルと読響だけにします。N響はやはり虫食いで紅白歌合戦ホール以外のホールで行こうかと思っておりますが・・・1月はクリーブランドに行くことになっていますが、予定があえば、クリーブランド交響楽団に寄らせていただこうかと思います。

東フィルの名演を聞きたいですよね・・・トゥーランドット以来、名演奏を聞いていない気がします。2月18日のヴェルディのレクイエムは、バッティストーニ指揮で合唱団が新国立とかであれば名演に間違いないですが・・・まあ素人集団-新宿文化センター合唱団でどこまでオケに負けない演奏ができるでしょうかね?バッティストーニは死ぬほどオケを鳴らそうとする指揮者ですからね。オケを乗り越えて、客席に痺れるヴェルディ合唱を届かせることができるかどうかがカギですね。

いやはや今年は、成果なく疲れました。来年は一つぐらい成果を出したい。

今日の演奏者
指揮: リッカルド・ムーティ
オケ: イスラエル・フィルハーモニック

今日の演目
ロッシーニ: 「絹のはしご」序曲
ブラームス: 交響曲第2番
(休憩)
シューベルト: 「未完成」
メンデルスゾーン: 「真夏の夜の夢」からノクターンとスケルツオ
ウェーバー: 「オベロン」序曲

本日のホール
チャールズ・ブロンフマン・オーディトリアム
ローウィ・ホール

本日の演奏会はイスラエル・フィル創設80周年週特別演奏会のプレミアでした。ラッキーなことに、昨日チケットが手配できたのでした。ムーティだからかどうかわかりませんが、チケットが手に入ったのは本当にラッキーだったのだなとわかるぐらいに、客席にはただの1席も空きがないように見えました。

80周年記念という事で、ホールにつくと飲み物をくばっていてヴィオニエなどを飲んでしまいました。カーメル・ワイナリーのワイン。大勢の観客と思しき人々はすでに集まっていて、賑やかな様相を見せております。なんだかやはりお祭り気分です。それは客席の中でもそうなのでした・・・

演奏はというと、順番がなんでそうなったのか全く分からないような順番でした。ふつうはメインはブラ2であり、その曲が最後のはずが、ブラ2は前半の2曲目でした。やはり80周年祭なので順番を変えたのですかね?

前半の2曲はあまり感動もなく淡々としていて、オーケストラは、ムーティの「ガツン」を求める指揮ぶりにもあまり応えていない感じでした。ムーティは以前NHKの番組の中で「派手さを求めてはいけない、スコアに忠実でないと」と言っていたのをみた事がありました。その時すでに70歳を超えていたはずです。その時でも若かりし事のギラギラとした雰囲気は全くなかったのを思い出しましたが、今日のムーティはギラギラこそは求めないものの、「キラキラ」は求めたと思います。オケはあんまり応えていた感じがしませんでした。

何といっても、第4楽章のフィナーレでのトロンボーンのバス、セカンド、トップと、下降スケールをフォルテシモで引き継いでいくのですが、ここは「さらに強く上に!そしてさらに!」というこれぞブラ2のフィナーレ、トロンボーンの真骨頂、という部分がありますが、ムーティの「もっと!」という指揮にも関わらず、トップが落ち込んでしまった。高い音なのでフォルテシモで入るのは難しいのですが、あれはフォルテでもなかったですね。耳をすましてしまいましたから。

やわらかい音しか出せない?出さない?のはオケの体質だとわかったのは、後半の未完成でわかりました、未完成は逆に素晴らしく集中した感のある演奏でした。未完成が、こういう音楽だというのがわかりました。本当に暗い音楽でした。 こんな情景の音楽です。
第1楽章
- 薄暗い情景、しかし空気は澄んでいる
- そこに一縷の響きが聞こえてくる
- 一瞬木漏れ日がさす事がある事もあるが、澄んで暗い
- 自分は薄暗い森に住む住人
- たまに森の外から笑い声が聞こえてくる
- 楽しそうだ
- でも自分はこの薄暗い森の住人

第2楽章
- 森は平和だ、のんびりと時間が流れる
- 時として外の人が入ってきて荒らしたりすることがある
- その時は強い決意で立ち向かう
- しかし森は平和だ
- しかし孤独だ
- そうだ、孤独だ
- 孤独を脱しなければ、強い決意をもって
- 森を出て戦いを挑もう
- いや、それでも森は平和だ
- 自分は森の住人だ

このシューベルトは秀逸でした。少なくとも上のような情景が目に浮かびました。

メンデルスゾーンとウェーバーはホルンが活躍するわけですが、トップの人は、病気じゃなないかと思えるほど状態は75度傾斜して吹いていましたが、都響の有馬さんなみでした。上手でした。あの吹き方をみると、ホルン吹きは多分、体系の左右差があるのだろうなあと思いました。この方はシングルのBb管を吹いてました。

全体を通じてイスラエル・フィルは弦とティンパニは上手でしたが、管楽器は都響程度でした。全国800万人の人口で、プロオケはこの一つなのです。有名なユダヤ人演奏家は数え切れないほど多いですが、あまりこのオケにとどまっている人はいないのでしょうか。もうちょっと、どころかかなり高い水準の演奏を期待していました。かの1985年のNHKホールでのバーンスタインのマーラーの9番のときのように。しょうがないか、場所も時間も人も違うのですね。30年前ですからね。

しかしなんといっても、このホールはいただけませんでした。というか演奏ぶち壊しのホールです。
リアルなオケはそこに見えていますが、なんとスピーカーからも音を出していたのです。最初は「おーマイクがたくさん入っている。カメラも入っている。録画するのかな?」と思っていのですが、それとは関係なく、天井からぶら3か所にぶら下がっているPAからも音を出していました。まさか?と思いましたが、そのまさかでした。
israle phil

あれではオーケストラはうまくならないでしょうね。指揮者は生の音を聞いていますが、観客は多少生音も届いているのでしょうが、マイクで拾った音量をバランス調整された音を聞いているというのは、かなり興ざめでした。もう二度と行きますまい。ホールの上を見上げると銀の反響板のようなものがついていますが、これ実は反響板でもなんでもなく、天井の機材隠しでした。金属の板に小さい穴がぼこぼこと開けてあって、はっきりと上の構造や機材が見えました。なのでホールとしては、クラシック専用ではないのでしょう。だからPAも使わねばならないのかもしれませんが、逆に斬新な手法なのでしょうか?N響もやっているのでしょうか?・・・いやはや。

今日の観客はとくに定期公演の人々ではないので、かなりいろいろな人々だったのでしょう。華やかな雰囲気だったという事は申し添えますが、オケのチューニングが始まっても、トップサイドの人がこちらを睨みつけていても、観客の騒々しさというのはいやはや中東ですよ。指揮者が出てきて指揮棒を上げるまで静かにならないのですから。この人々の常識は私の常識ではないので、そこは仕方ないと思いつつ、自分など呆れて笑っていました。

今日だけなのか、いつもそうなのか知る由もありませんが、大きなモニターが左右にありまして、演奏者指揮者の様子を移していました・・・ホール全体はサントリーホールの半分程度だと思います。かの観客の様子にムーティが呆れている様子も写っていました。

仕事の合間に面白いものを見せていただきました。




本日の演奏者
ピアノソロ: イーヴォ・ポゴレリッチ
指揮: オレグ・カエターニ
コンマス: 小森谷さん

今日の曲目 
ムソルグスキー(ショスタコーヴィチ編): 「ペルシャの女奴隷たちの踊り」(ホヴァンシチナから)
ボロディン: 交響曲第2番 ロ短調
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 ハ短調

ホール
サントリーホール、座席は一階中央席

ギリギリですべり込みました。一見して今日は観客が多かったです。やはりポゴレリッチ効果でしょうね。
か、最後に滑り込んだら否が応でも自分以外の人はすでに座っているわけだから、10分前に座っている時より多くの人が目に入るのか?まあどうでもいいです。でも見回すと空きがあまりありませんでした。

ホヴァンシチナの「ペルシャの女奴隷たちの踊り」なんて曲は初めて聞きました。テンポが今一つ理由なく変わる感じの曲でした。チェロ?のピチカートにホルンの半音違いのロングトーンを載せたり、ウルトラ長いコールアングレのソロなど、確かに中東っぽくもありました、、、しかしなんだかよくわからないうちに終わりました。

ボロディンの交響曲第2番は、ボロディンの最も有名な曲です。あんな重厚な響きの音楽でしたか?ボロディンは明らかにロマン派後期から印象派の音楽ですが、1楽章を除くと結構洗練された音楽ですよね。1楽章はそれはそれであの、押しまくる短調の音楽は好きな人が多いのです。4楽章は、3拍子と2拍子のいれ混じるような非常に元気のいい音楽ですが読響にしてはノリが良かったですね。今日の読響は、非常に素晴らしかった。

しかしやはり圧巻はラフマニノフでした。

ポゴレリッチが登場する前に、すでにピアノの前に黒づくめの女性が座っていたので、楽譜を載せるのだということは分かりました。なんだか驚きました。「あの、ポゴレリッチは楽譜を見るのか?」と。今までに楽譜を載せたピアニストはイレーナ・メジューエワ一人しか見たことが無かったし、彼女は超有名人でもないので、その時は別段何も思いませんでしたが、さすがにポゴレリッチが楽譜を見るのかと知って一瞬興ざめしました、、、が、どうもそれはその一瞬でした。演奏中楽譜は広げてはいました、そして譜めくりもしましたが、ポゴレリッチの演奏は結局暗譜でした。

ポゴレリッチは、一楽章を何気なく始めてしまったのでこちらが慌てました。あと2秒ぐらいで心の準備ができたのですが、その2秒の差で慌てました。最初の出だしを聞き逃してしまった印象がぬぐえません。それはともかく、全楽章非常にテンポを動かす演奏でした。そんなに意外性のあるテンポの動かし方でもありませんでしたが。

むしろところどころに殊更にアクセントを付ける演奏はやや意外性がありました。自分はそれが楽譜の指定なのか、ポゴレリッチの独特の解釈なのか全く知りませんが、これまでの演奏とは違う感じなので多分ピアニストの解釈だったのだろうと思います。

ポゴレリッチという人は、これまで小柄で華奢だと思っていましたが、全く逆でした。体格的にはコンマスの小森谷さんの1.5倍ぐらいはある感じがしました。背も高くがたいも太い背格好でした。神経質そうな表情ではあったのではありましたが、あの体格は全く意外でした。手も大きく、そういう体格のピアニストなので、音量はかなり出ていたと思います。そして音色もアタックが強いために乾いた音色の感じがしました。調整で音色が変わるのかどうかは自分は全く知る由もありませんので。

全体的にはポゴレリッチは、もう縦横無尽に弾きこなしていました。やはりショパンコンクールを騒がした超有名人なのでした。ピアノは背格好が大きい人が有利ですね。マツーエフみたいに、ドヤ顔ピアニストは嫌ですが、ポゴレリッチは余裕でピアノからフォルテシモまでの表情を作り出していたと思います。オケも素晴らしく、ピアノと一体となっていました。あー素晴らしかった。

アンコールをやりました。ラフマニノフの2楽章をやったのです。
1楽章と3楽章は非常にダイナミックでドラマチックな音楽です。愛と情熱と生きる喜びに満ちた音楽ですが、2楽章は回想の音楽です。遠い過去に思いをはせて、楽しかった事、やるせない事も思い出すのですが、最後には過去に決別するという静かな決意で終わるという音楽です。3楽章はアタッカで入りますが、新しい決意で新しい世界に踏み出すべく、非常に軽いステップで始まるという展開なのですが、その2楽章のみをアンコールでやりました。もちろんオーケストラも一緒です。

静かにしんみりと終わるのですが、3楽章のトゥッティで終わるのと同じように、あるいはそれ以上に幸せな時間を持てたなあと思いで今日のコンサートは終わりました。いやあ素晴らしかった。
勝手評価:100点

読響はやはり弦と太鼓とホルンとフルートはやはり秀逸です。逆に管楽器で気になるのが、オーボエとクラリネットです。今日はクラの藤井さんは調子が悪かったのでしょうか?ソロの音は硬いし、転んじゃってテンポがしらけるし、オーボエは音程が決まっていないのがちょっと気になりました。まあいいんですけどね。全体が素晴らしかったわけだから。

指揮者のカエターニも2度立たせましたが、今日のホルンの日橋さんはとんでもない若者です。ノーミスで、かつあの音色とダイナミックレンジ。ベルリンフィルのようなメジャーリーガーに行くというなら行ってもいいですが、N響などにはいかないでもらいたいですね。今日の最優秀演奏者はもちろん彼です。

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