あまりも暗いラノベを書いていたので、反動でこれを書き始めました。暗いラノベ→http://blog.livedoor.jp/barusukye-samuikuninomahousyuozyo/

明るいラノベ挿絵05

 

 僕とミュウレは借りていたDVDを返しにいく途中で泣いている女の子に出会いました。

「たく、メソメソ泣きやがって、うざいわね正法くん」

 こいつはほんとに同性には辛くあたる。

「お譲ちゃん、どうしたんだい?」

 一応声をかけてみる。背は低いが小学生ではないらしい。もしかすると僕と同い歳かもしれない。

「うえええん、うえええん」

 泣いてばかりで困っていると、ミュウレが少女の前に。

「かまって欲しいだけよ。さっさといきましょう」

 僕の腕を引っ張てゆく。と、反対からも少女が腕を掴んでいた。

「うえええん、うええええん」

 どうやらかまっては欲しいみたいだ。

 つくづく嫌そうな顔をするミュウレをなだめて、少女をとりあえず空き地に連れてゆく。

 

「どうしたんだい?」

「ひっく、ひっく、私は五人組の魔法少女なんですが、あまりにもキャラが立っていなくて…人気がないんです」

 たしかに少女の服はけっこう奇抜だった。黄色を基調にしているし、フリルのミニスカにスパッツ。性的な割りにガードが堅い印象を与える。

「はぁ、魔法少女ね…ミュウレ、お前の同族じゃないのか」

「何か勘違いしていない。私は未来の国からやってきた猫型ロボットよ」

 猫の要素どこにもねーし。

「最近では追加の魔法少女が加入してきて、また影が薄くなってしまって…」

 面倒臭そうにミュウレが助言をあたえる。

「よし、スパッツ脱げ!パンツで戦え。そうすりゃ人気も鰻登りだ。パンツじゃんくてレオタードていいはるんだぞ。じゃないと規制がはいるかなな」

 もの凄く的確な助言。しかし黄色い魔法少女は頭を振るう。

「無理です!恥ずかしいです!」

「そんな格好でうろうろしてて恥ずかしいもクソのないわ! 」

 また涙を浮かべる黄色い魔法少女。

「ったく、はい、私がいつも常備してる下剤よ。こんどの戦いの前にこれを仲間に飲ませなさい。人数減ったら目立てるでしょう」

 目の前に出された下剤のビンを黄色い魔法少女は嬉しそうに受け取る。

「ありがとうございます!」 

 そういって、風のように去ってゆく。

「さあ、ツタヤでDVDを返したら、今度はエイリアンVSプレデターを借りましょう」

 僕たちは何事もなかったかのようにツタヤを目指す。

明るいラノベ挿絵04
 

 今日もぶらぶらミュウレは歩いていました。

「あら、あなた日本人なのに何その髪」

 地毛なんだけど…。と思いつつ振りかえると黒髪の女の子が立っていました。

「あなたね!最近、福島正法くんにつきまとっている女は!」

 どうやらケンカを売ってるようです。

「なんか文句あんの?このどブスが」

 ミュウレも容赦はないです。

「なによ!あんた名前は!」

「そっちが先に名乗りなさいよ」

「私は虎子よ!海藤虎子!」

 勇ましい。しかし女子に虎子て名づける親って。

「ミュウレよ」

「何その名前?本名をいいなさい!」

「はぁ?これが私の名前なんだけど!」

 虎子の眉間に深い皺ができる。

「そんな名前あるわけないわ!さては通名ね!」

 なんだか面倒臭い人みたいです。若いのに。

「あなたは福島くんの家に上がりこんで、そのうち色仕掛けで家自体を乗っ取るつもりね!」

 飛躍しすぎだろう。

「はいはい、わかったわよ。この腐れ処女が!」

 今度は虎子の顔がみるみる赤くなってゆきます。

「はあああ!そんあ、まだ処女で当たり前じゃない!美しい体のままだからいいじゃない!」

「美しい?眉毛の手入れもわかんねーだけでしょ。どうせ腋や足だって手入れしてないからボーボーだろうけどね」

 虎子の手が震えている。どうやらほんとうらしい。

「この…この淫乱、ビッチが…」  

「男に相手にされてないだけでしょ。一生処女でいろ」

 そういって、ミュウレは去っていきました。


 翌日。

「なあ、ミュウレ。幼馴染が寝込んでるんだが、お見舞いに何もっていったらいいかな?」

 珍しく僕はミュウレに聞いてみる。

「そうね、脱毛器具がいいんじゃない」

 やっぱり役にたたなかった。

明るいラノベ挿絵03

 

 僕の部屋を開けると、ミュウレがなぜかいた。

「何してるんだ?」

「いや、エロ本の探査を…」

 こいつのせいで僕のプライバシーはどんどん侵食されている。

「ミュウレ、この前の垂直離着陸ターなんだけど、飛んでるのを担任の先生が見てたんだが、それで二度と飛ぶなって」

 ミュウレの顔がどんどん怒りに染まってゆく。

「何ですって!どこのどいつよ!」


 で、なんとミュウレが学校に乗り込んでいった。

「おら!出てこい!正法くんの担任はどこのどいつじゃ!」

 職員室が騒然になる。ピンクの髪の少女が怒鳴りながら入ってきたら、誰だって驚くだろう。

「あなた誰ですか!」

 ミュウレの前に、僕の担任が出てくる。

「あなたね!正法くんに飛ぶなっていったの!」

「あなたね、あんな危険なモノを渡したのは!落ちたらどうするの!」

「何いってるの!あれは通常の単独回転翼ターより安全なのよ!」

 ミュウレも負けていない。けっこう怖いことで有名な僕の担任教師と対峙してひくことがない。

「落ちないって保障がどこにあるの!それにあなたは誰ですか!」

「未来からやってきたロボット!ミュウレよ!!」

 先生の顔がさらに怪訝になる。まあ、そうだろう。

「ロボットですって!あれね!人間から仕事を奪い、最終的には自我に目覚めて人間を支配するきね!」

 先生も偏ってるなぁ。

「え?駄目なの」

 え?

「あの空飛ぶ機械もあなたのものね!恐ろしい!武力侵攻する気ね!」

 確かに隣県まで飛べるけどさ、すごい飛躍だと思う。

「なんでもかんでも戦争に結びつけないでください!」

「まわりの人が脅威に感じたら、それは駄目です!」

 はたから見てて、話がずれてる気がするんだが。

 いがみ合う二人はもう一触即発。

「この、偏向教師が!ならあなたにはこれがお似合いよ!」

「なんですって!」

 ミュウレは呪文も唱えずに道具を取り出す。

「お前にはこの腐ったメガネがお似合いよ!」

 いきなり、ミュウレが先生のメガネをとりかえる。

「な、なにを!」 

 先生は新しいメガネを外そうとするが、その手を止める。なぜか僕をずっと見ている。

「はぁあぁあ、何これ!すごい!」

 先生の顔が紅潮してゆく。一体何が。

「あれはBLメガネ、全てが×に見えてしまう道具よ!」

 まったく意味がわからん。

 だが、先生はずっと悶えている。内股をすりすりしたり、胸を弄ったり。

「腐った教育には腐ったメガネよ!」

「あああ!教頭×校長!オラオラ体育教師×ヘタレ国語教師!枯れ数学教師×勝気な福島くん!」

明るいラノベ挿絵BL

↑このページのトップヘ