※20170923 表題変更
野球選手の強化を目指す当サイト「ヤキュウモーション」、バッティング編では当面、単発的なページを用意します。
今回はバットスイングにおける後足について、日本での定説を否定する選手達の動作を観察します。
まずは過去のニュース記事における、埼玉西武ライオンズの主砲おかわり君こと中村剛也選手の発言から。
バットスイングについて、日本で常識だと考えられ選手に教えられてきた基本は、本文中にもあるように後足(=これまで軸足と呼ばれてきた足)の母指球中心に地面をねじる動作です。
他にも中田翔選手、筒香嘉智選手、秋山翔吾選手らプロ野球を代表する強打者はもちろん、育成段階の高校野球でもチーム単位で母指球ねじりを「基本」として徹底指導し、全選手100%地面ねじりスイングであるケースも珍しくない。
後足、軸足を力強くねじり、バットスイングと打球に力を伝える。これが常識であり基本であり最も力を生み出せる動作であると考えられていました。
たしかに中村選手も、速球でタイミングが遅れた際など、場合によっては後足をねじってスイングしているものの、
一方で冒頭記事のように、後足を浮かせてスイング、そしてただスイングするだけでなくホームランを叩き込む場合も多数存在する。
この中村選手はタイミングに応じ後足の「ねじり」と「フロート」両方を行っているものの、これに対し後足の「フロート」を標準動作として行っている選手も大勢存在します。
一般に後足を浮かせる=フロート型というと、真っ先にイチロー選手が思い浮かばれるところですが、
これらプロ野球を代表するスラッガータイプの選手達も、大勢が後足フロートを行っている。
そして、日本人よりもその割合が多いようにさえ感じるのが外国人選手。それも日本でプレーするMLB未満の選手ではなく、紛れもないMLBの強打者達。
190cm100kg前後の巨漢たちが、軸足に体重を残しているかのように評されるスイングにおいて、完全なフロートを行っている。
本ページでは、その優劣について触れることはしません。フロート型・ねじり型いずれについても(日本だけでなくMLBでも)両者とも超一流選手はいくらでも存在し、実績としてその優劣を判定するデータは存在しないため。
今回考えるとすれば、この後足の使い方についても、野球動作の指導世界に溢れる「短絡的同一視」の一つであること。
MLB選手を見て、体が後ろに反り返っている、これは後足に体重を残している=後足でねじっているに違いない、
後足に体重を残している、これは後足を「軸足」として使っているに違いない、
一流選手が「体をコマのように回す」と説明している、これは後足をフロートさせるのは望ましくなく、ねじってその場で回転するのが望ましいに違いない、
これら抽象的な思い込みの結果、本来フロート型であった選手に対しても、スイングが安定しない、パワーがない、走り打ちになる、これらの本質的ではない理由でねじりタイプの徹底指導を施し、動作変更が行われるケースが多々生じる。
例えばイチロー選手がねじり打ちを強要されていた場合、今ほどの成績を残せていたかどうか。
プロ野球を頂点とした日本の全野球世代で当然の如く行われる、連続のトスバッティングや重心を深く落としたスイング練習などで、この後足ねじりは強固に固定化されていく。
後足がフロートしても、体をコマのように回すことは可能、中心軸で回っているかのように打つことも可能、後ろに体重を残しているようかのように打つことも可能、重量級の選手がスイングすることも可能、そして日本プロ野球・MLBを代表するレベルの豪打を行うことも可能であり、フロート型はねじり型に矯正されるような動作ではなく、一方のねじり型も基本として教わる存在でも有りません。
・サイトトップページ(野球の動作分析と強化指導方法、参考写真)
野球選手の強化を目指す当サイト「ヤキュウモーション」、バッティング編では当面、単発的なページを用意します。
今回はバットスイングにおける後足について、日本での定説を否定する選手達の動作を観察します。
1. 後足の「フロート型」と「母指球ねじり型」 |
まずは過去のニュース記事における、埼玉西武ライオンズの主砲おかわり君こと中村剛也選手の発言から。
おかわり「浮かす右足」で11本柵越え!強烈パワーのバロメーター
スポニチアネックス 2015年2月9日(月)8時23分配信
最終スイングだった。強烈な回転運動から放たれた西武・中村の打球は、決して狭くはない南郷スタジアム(中堅122、両翼100メートル)の左中間席後方に設置された防球ネットに突き刺さった。キャンプ序盤のフリー打撃ながら34スイングで11本の柵越え。「ここまで順調です」と笑った。
08年から昨年までの7年間で5度も本塁打王に輝く和製大砲。規格外の飛距離を生むのがインパクトの瞬間の「浮く右足」だ。「気が付いたのは7、8年前。それまでは無意識でした」と言う。通常、右打者は軸足の右足を地面に接地したまま、こするように爪先を投手方向に向けて回すが、中村は一瞬だけ浮き、空中で爪先が投手方向を向き着地する。摩擦が減ることで体を鋭く回転させることが可能で、瞬間的に102キロの体重を投手寄りにぶつけることで爆発的な飛距離を生む。
中村は「シーズンが近づけば、もっと右足が上がってくる」と話すなど右足の動きは調子のバロメーターでもある。「うまく口で説明できないけど、例えば車と車が正面でぶつかると後ろのタイヤは浮きますよね。だからパワーは伝わっているのかな、と思う。右足が浮くと確実に体の回転は速くなります」と話す。
右肘痛に苦しんだ昨季はスタメン落ちする試合もあった。シーズン通して4番の責務を果たせず、チームも5位だった。オフに遊離軟骨除去のクリーニング手術を受けた右肘の状態も良好。今季に懸ける思いは強い。
田辺監督も中村について「開幕戦で万全の状態でいてくれればいい。心配はしていない」と全幅の信頼を寄せる。目指すは7年ぶりのリーグ優勝と日本一。中村の右足が浮けば、チームも浮上する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150209-00000073-spnannex-base
スポニチアネックス 2015年2月9日(月)8時23分配信
最終スイングだった。強烈な回転運動から放たれた西武・中村の打球は、決して狭くはない南郷スタジアム(中堅122、両翼100メートル)の左中間席後方に設置された防球ネットに突き刺さった。キャンプ序盤のフリー打撃ながら34スイングで11本の柵越え。「ここまで順調です」と笑った。
08年から昨年までの7年間で5度も本塁打王に輝く和製大砲。規格外の飛距離を生むのがインパクトの瞬間の「浮く右足」だ。「気が付いたのは7、8年前。それまでは無意識でした」と言う。通常、右打者は軸足の右足を地面に接地したまま、こするように爪先を投手方向に向けて回すが、中村は一瞬だけ浮き、空中で爪先が投手方向を向き着地する。摩擦が減ることで体を鋭く回転させることが可能で、瞬間的に102キロの体重を投手寄りにぶつけることで爆発的な飛距離を生む。
中村は「シーズンが近づけば、もっと右足が上がってくる」と話すなど右足の動きは調子のバロメーターでもある。「うまく口で説明できないけど、例えば車と車が正面でぶつかると後ろのタイヤは浮きますよね。だからパワーは伝わっているのかな、と思う。右足が浮くと確実に体の回転は速くなります」と話す。
右肘痛に苦しんだ昨季はスタメン落ちする試合もあった。シーズン通して4番の責務を果たせず、チームも5位だった。オフに遊離軟骨除去のクリーニング手術を受けた右肘の状態も良好。今季に懸ける思いは強い。
田辺監督も中村について「開幕戦で万全の状態でいてくれればいい。心配はしていない」と全幅の信頼を寄せる。目指すは7年ぶりのリーグ優勝と日本一。中村の右足が浮けば、チームも浮上する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150209-00000073-spnannex-base
バットスイングについて、日本で常識だと考えられ選手に教えられてきた基本は、本文中にもあるように後足(=これまで軸足と呼ばれてきた足)の母指球中心に地面をねじる動作です。
母指球ねじりの代表例:松井秀喜選手
他にも中田翔選手、筒香嘉智選手、秋山翔吾選手らプロ野球を代表する強打者はもちろん、育成段階の高校野球でもチーム単位で母指球ねじりを「基本」として徹底指導し、全選手100%地面ねじりスイングであるケースも珍しくない。
後足、軸足を力強くねじり、バットスイングと打球に力を伝える。これが常識であり基本であり最も力を生み出せる動作であると考えられていました。
たしかに中村選手も、速球でタイミングが遅れた際など、場合によっては後足をねじってスイングしているものの、
一方で冒頭記事のように、後足を浮かせてスイング、そしてただスイングするだけでなくホームランを叩き込む場合も多数存在する。
この中村選手はタイミングに応じ後足の「ねじり」と「フロート」両方を行っているものの、これに対し後足の「フロート」を標準動作として行っている選手も大勢存在します。
一般に後足を浮かせる=フロート型というと、真っ先にイチロー選手が思い浮かばれるところですが、
これらプロ野球を代表するスラッガータイプの選手達も、大勢が後足フロートを行っている。
そして、日本人よりもその割合が多いようにさえ感じるのが外国人選手。それも日本でプレーするMLB未満の選手ではなく、紛れもないMLBの強打者達。
190cm100kg前後の巨漢たちが、軸足に体重を残しているかのように評されるスイングにおいて、完全なフロートを行っている。
※「フロート型」と「ねじり型」のイメージ
本ページでは、その優劣について触れることはしません。フロート型・ねじり型いずれについても(日本だけでなくMLBでも)両者とも超一流選手はいくらでも存在し、実績としてその優劣を判定するデータは存在しないため。
今回考えるとすれば、この後足の使い方についても、野球動作の指導世界に溢れる「短絡的同一視」の一つであること。
MLB選手を見て、体が後ろに反り返っている、これは後足に体重を残している=後足でねじっているに違いない、
後足に体重を残している、これは後足を「軸足」として使っているに違いない、
一流選手が「体をコマのように回す」と説明している、これは後足をフロートさせるのは望ましくなく、ねじってその場で回転するのが望ましいに違いない、
これら抽象的な思い込みの結果、本来フロート型であった選手に対しても、スイングが安定しない、パワーがない、走り打ちになる、これらの本質的ではない理由でねじりタイプの徹底指導を施し、動作変更が行われるケースが多々生じる。
例えばイチロー選手がねじり打ちを強要されていた場合、今ほどの成績を残せていたかどうか。
プロ野球を頂点とした日本の全野球世代で当然の如く行われる、連続のトスバッティングや重心を深く落としたスイング練習などで、この後足ねじりは強固に固定化されていく。
後足がフロートしても、体をコマのように回すことは可能、中心軸で回っているかのように打つことも可能、後ろに体重を残しているようかのように打つことも可能、重量級の選手がスイングすることも可能、そして日本プロ野球・MLBを代表するレベルの豪打を行うことも可能であり、フロート型はねじり型に矯正されるような動作ではなく、一方のねじり型も基本として教わる存在でも有りません。
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