提携する地雷撤去団体MAGの機械チームが活動する地雷原へスタディツアーの参加者を案内してきました。
機械チームは、テラ・ルネッサンスが今年4月から資金提供を行い1年分の活動費をまかなっています。
機械チームの使っている機械の名前はボブキャット、山猫です。
このボブキャットは、対人地雷が使われているところで、金属探知機を使う手作業での撤去チームや地雷探知犬チームが撤去活動をできるように、地雷原に生えている障害となる草木を取り除き、準備をするためのものです。
もちろん草木を除去しているときに対人地雷が爆発しても機械は問題なく、壊れないようになっています。
ただ、対戦車地雷の使われている地雷原では対戦車地雷は威力が大きく機械が壊れてしまうために使えません。
この機械を使うことで、地雷撤去で最も時間のかかる地雷原に生えている草木などの障害物を除去する作業を安全に効率的にできます。
この機械は遠隔操作で操縦士が操作するため作業員は安全に作業できます。
このバッタンバン州ラタナック・モンドル郡スダウ区スヴァイ・ソー村の地雷原は、幹線道路から数100mしか入ったところではありませんが、まだ地雷原が残っている場所でした。
そこで、このボブキャットが整備した土地を地雷探知犬チームが探知をして、今朝1個の対人地雷が見つかっていました。
これは、MD-82Bというベトナム製の小さな地雷。
地雷探知犬は、火薬の匂いで地雷や不発弾を見つけるため地雷の少ないところでは、非常に効率的に撤去作業ができます。
爆破処理では、珍しくスイッチの接触が悪かったのか、参加者がボタンを押してもなかなか爆発しませんでしたが、無事爆破処理が完了しました。
映像ではこの爆破音の威力がなかなか伝わりませんが、小さな地雷にもかかわらず大きな音に参加者のみなさんは驚いていました。
地雷の一つの特徴に無差別性というのがあります。
大人や子ども、女性、日本人、カンボジア人関係なく、爆発します。
その人が地雷に関心があろうとなかろうと、踏めば爆発するのです。
カンボジアでは、面積で言えばまだ半分の地雷原が残っています。
カンボジアで残されている対人地雷の地雷原の面積は2015年末の時点で、860㎢と推定されています。
そして、地雷だけでなく紛争残存物に汚染されている面積は、1,640㎢になります。
2015年1年間に撤去された面積は、147㎢。2014年からは96.22㎢の増加になります。
この急激な増加の理由は、ノン・テクニカル・サーベイという方法で、金属探知機や地雷探知犬、機械などの機材による探知によらず、村人たちへの聞き取り調査や土地の使用状況から判断して地雷がないと判断した面積が70.38㎢あったことです。
カンボジアでは、地雷だけでなく、隣国ベトナム戦争に巻き込まれた際に米軍によって落とされた大量のクラスター爆弾などの不発弾に汚染されている土地も広大に残っています。
クラスター爆弾に汚染されているとされている面積は、334㎢。
こちらの撤去もまだ注目されていませんが進めていく必要があり、MAGでは数年前からカンボジアの東部ラタナキリ州での活動を開始しています。
この撤去が進まなければ、村人たちが安心して生活をしていくことはできません。
私たちの村人たちへのサポートもこの地雷撤去から始まるのです。