脚本家 百地優子、デビュー作!

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観る側も、作る側も、高齢化著しい、「後期高齢者産業」ともいえるピンク映画であるが、私がこのジャンルにハマるようになったこの一年半、ピンク映画自体を取り巻く環境も、悲観的なことだけではないと思わせてくれるような、目には見えないけれど決して悪い方向には向かっていない、そんなかすかな希望の兆しが見え隠れしているような気がしてならない。

それは、監督の池島ゆたかや、脚本家の小松公典、女優の倖田李梨といった一部の作り手が、観客やファンと地道で積極的な交流を持ち、一部のファン達がその思いを受け止めて、ブログなどで外に向けて情報を発信するという、それぞれの立場での、草の根活動のささやかな成果なのかもしれない。

もしかしたら、単なる気のせいかもしれないけど。

とはいえ、作り手にも、ファンにも、新たな血が必要であることだけは、疑いようがない。
新たな作り手、新たなファンが生まれない限り、この後期高齢者の如きピンク映画という映画ジャンルは、動脈硬化を起こして、死に至るのを待つだけになるのだから。

そんな危機感を持ち、自分にできることはないかと模索していた脚本家 小松公典が、自ら率いる謎の集団(笑)「オコメダーズ」のプロジェクトとして取り組んだのが、新たな脚本家をプロデュースすることだった。
そして、その企みは、11月4日から公開される加藤義一監督最新作『OL適齢期 おしゃぶり同棲中』として結実した。


百地優子(ももち ゆうこ)。
それが、本作で脚本家デビューを果たした新人の名だ。
彼女は、「もち」というハンドル・ネームで、女子の視点からピンク映画を紹介する「桃色映画ばなし」というブログをやっている。※http://blog.livedoor.jp/mochi_pink/

今回、当BATTLE BABESでは、ファンサイドから作り手の世界へ一歩踏み出そうとしている、この新人脚本家にインタヴューを試みた。

~ムスメ同然に思っている君が、百地優子として、脚本家デビューしたことは、自分のことのように嬉しいよ。
まずは、君のような若い娘さんが、ピンク映画を見るようになったきっかけは何だったの?


「最初に観たのは、瀬々敬久監督の『ユダ』(2004)。「映画芸術」の一位だったので、どんな映画かと思って。
それが面白かったので、調べたら、ピンク映画というジャンルがあるというのを知って。池袋の新文芸坐などで、瀬々監督などの特集上映を見るようになりました。初めの頃は、ピンク四天王(瀬々、佐藤寿保、サトウトシキ、佐野和宏)や女池充監督の作品などを観ていました。」

~どちらかというと、作家性の強い作品を追いかけていた、と。

「その後、2009年6月に開催された「2008年度ピンク映画大賞」授賞式で、池島ゆたか監督の『NEXT』(公開題『超いんらん やればやるほどいい気持ち』(2008))を観て、凄く感動して。その日のうちに、mixiをやってらした池島監督にメッセージを送ってしまいました。」

~そうやって、池島監督とマイミクになったわけだ(笑)
その頃は、まだ上野オークラでピンク映画を観ていたわけじゃなかったの?


「そうなんです。昨年の2月に池島監督の『STAGE』(公開題『欲望の酒場 濡れ匂う色おんな』(2010))を観に行ったのが、初オークラ。」

~ブログ「桃色映画ばなし」を始めたきっかけは?

「私はもともと、映画を作りたくて、いつかピンク映画の脚本を書ければいいなあとか思っていたんです。そのためには、ピンク映画をなくしちゃいけない、と。ピンク映画の面白さを多くの人に知ってもらって、広めなきゃ、と。そのために、ブログを始めたんです。」

~なるほど。百地さんは、また、「ピンク女子会」という活動をやっていますね。

「これまでに2回開催しました。一回目は、私と面識のある人だけが集まったんですが、2回目は、ツイッターやフェースブックで反響があって、初対面の方も来て下さいました。」

~確実に広がってるね。

「今後は、定期的に開催して、女の子が普通に「○○監督の新作、面白かったよね」とか言える場になればいいなあと思ってます。「ピンク映画」が特別な映画じゃなくて、「映画」の選択肢の一つになるような会にしたいですね。」
※ピンク女子会(mixiコミュニティー:http://mixi.jp/view_community.pl?id=5516847

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『OL適齢期』より あずみ恋×津田篤


~そんな、ピンク映画ファンから、ついに作り手側に足を踏み入れたわけだけれど、そのきっかけは?

「今年のピンク映画大賞の打ち上げで、小松(公典)さんに、やってみないかと、お声をかけていただいたのがきっかけです。最初は、加藤(義一)監督から、「同棲しているカップルのもとに、男の浮気相手が乗り込んできて、女の子同士が仲良くなる話を」ということだったんですが。結局、4~5回書き直しをしました。小松さんからも、いろいろ指導をいただきました。」

~小松さんから指導を受けて、どうでした?

「プロの仕事を目のあたりにすることができました。たとえば、シーンのつなぎ方でも、私のは、箇条書きみたいになっているのだけれど、小松さんの手にかかるとストーリーを紡ぐというか、エピソードが繋がっていくんです。」

~そんな脚本デビュー作『OL適齢期』(シナリオタイトル『マリッジブルー』)の見どころは?

「シリアスで、ギャグなしの岡田智宏さん(笑)。それと、新人のあずみ恋が可愛いです。それから、私も出ています。同窓会のシーンで、一番目立っている女が私です(笑)。
女の目線で表現した部分などを楽しんでもらえればありがたいです。」
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『OL適齢期』より


~今後の抱負は?

「まずは、一人前になりたいです。一人で任せてもらえるようなライターになりたい。」

~友松直之監督作品にも、書いたとか?

「はい、亜紗美さん主演の『赤頭巾VS狼男軍団』とか、ナースものとか、何本か書かせてもらいました。」

~亜紗美の赤頭巾!!

「日本刀を持った亜紗美さんが、狼男と戦う話です。」

~亜紗美の主演映画のシナリオを書くことが実は私の秘かな夢だったのですが、先を越されてしまった!!
うらやましすぎる(笑)。
これからの活躍も、期待しています!!


ということで、今後、当BATTLE BABESでも、百地優子の活動を見守っていきたいと思う。
「プロとして、一歩を踏み出したからには、テッペンを獲れ」。それが私からのはなむけの言葉だ。

OL適齢期1


さて、そんな『OL適齢期』であるが、見どころはもうひとつ。
インタヴューの中で、百地さんも語っているように、あずみ恋である。
デヴュー時のキャッチフレーズが、「現役予備校生」!!
って、おい!!(笑)
今でも現役予備校生なのかどうかわからないが(笑)。
・・・・・・・てか、いま、彼女の公式ブログを見たら、やっぱり『現役予備校生AV女優 あずみ恋公式ブログ』になっていたよ!!いい加減に、大学行けよ!!(笑)

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そんなキャッチフレーズはともかく(笑)、間違いなく彼女は、本年ピンク映画デヴューした女優の中で、最高のツンデレ!!
タカピーかと思えば、乙女に豹変!!このギャップがたまらない。
芝居もうまい!!
本作品でも、後半の切なさ爆発の演技には、胸倉を掴まれたぞ!
なんと、すでに次回作も撮影完了!!更には、第三作目も準備中という噂だ!!
来年も、あずみ恋からは目が離せない!!
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しじみ×あずみ恋

っていうか、とりあえず来年が来る前に、現在上野オークラ劇場で公開中の『OL適齢期』で、あずみ恋に恋してこい!!

『OL適齢期 おしゃぶり同棲中』
監督:加藤義一
脚本:百地優子(脚本協力:近藤力(小松公典))
撮影:創優和
出演:あずみ恋、しじみ、酒井あずさ、岡田智宏、津田篤、サーモン鮭山


11月10日まで、上野オークラ劇場にて公開中。
その後、全国順次公開。