第五章 2013年2月7日
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撮影2日目

この日は、撮影最終日。
波多野結衣が登場するシーンのみの撮影となる。
ということで、女優は波多野さんただひとり(笑)。
あとは、那波隆史、牧村耕次、なかみつせいじ、太田始という男性キャスト。
スタッフも前日のメンバーで女っ気なし!!
まさに、紅一点状態の波多野結衣である。
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ジョガースタイルの波多野結衣

まずは、スタジオ近くの公園で、ジョギングする牧村耕治をジョガー姿で尾行する波多野結衣、という屋外撮影。
そして、スタジオに戻って、監禁された波多野結衣を太田始が犯す場面、その現場に牧村、なかみつが登場するシーンが撮影される。

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左から那波隆史、牧村耕次

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監禁された波多野さんのシーンを演出中の関根監督(左)

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左から、太田始、森山翔吾、波多野結衣

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ナイフで波多野さんを脅す太田さん。刃先は潰してあるが、怪我をしないように現場は緊張する。

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波多野さんは押し倒されて、お約束の展開に(笑)

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関根監督@カラミを演出中

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カラミの体勢で、監督の指示を受ける波多野、太田

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そこへ牧村耕次登場!

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やはり、牧村さんが出てくると、画面が締まる

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そして、なかみつせいじ登場

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待機中のなかみつさん。絵になるなあ


今回は、女優とのカラミがなかった牧村耕次、なかみつせいじという現在のピンク映画を代表する二大俳優。
しかし、二人が登場するだけで、現場に心地よい緊張が走る。
自分の出番になってセットに入った途端に、その役になりきっている。
もちろん、台本を手にしたりはしていない。
まさにプロだ。
台本通りセリフを喋っても、それが時に、関根監督が予想もしていないニュアンスで表現される。
そこにまた、監督が注文を出す。
まるで手練のミュージシャンたちが、セッションをを楽しんでいるかのような、心地よさと、スリリングさ。
しかし、しっかりと主旋律は外さない。


次の場面は、波多野結衣と那波隆史のカラミ。
同じセットを使い、2つのシチュエーションが撮影される。
ひとつは、波多野が妄想する那波とのセックス。
もうひとつは、ラストのカラミである。
同じセットを使うのだから、カラミもまとめて撮って、編集で2シーン分に分ければよさそうなものだが、そこは、やはりピンク映画。
エロが命であるからこそ、それぞれのカラミをそれぞれ独立したものとして丹念に撮影していく。
まずは、ラストのラブシーンから撮影。
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カラミの合間にカメラを向けると、しっかりカメラ目線でピースサインをしてくれる波多野さん(笑)本当に、サービス精神あふれる素敵な女優だ。
そして、妄想ラブシーンの撮影。
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いよいよ、残すは、名優なかみつせいじとの芝居場面のみとなる。
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なかみつせいじを相手に、堂々の芝居を見せる波多野結衣。クールな表情も素敵だ。

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そして、20時。
オールアップ。
スタジオでの、俳優を使うすべての撮影が終了した。


特筆すべきは、撮影のスピードである。
前日も、朝7時に新宿集合、19時過ぎにはスタジオ撤収。
低予算映画に付き物のように語られる「夜を徹しての過酷な撮影」というものは、関根組の現場には存在しない。
初日の撮影に、現場応援として参加した田中康文監督も、この現場の速さには驚いていた。
(田中監督の現場は過酷だという噂がwwwww)
2日目のこの日も、9時集合、20時撤収。
ただし、スタジオでの撮影終了後、「ブツ撮り」と呼ばれる、小道具の撮影や、インサートされる外景の撮影などが行われるため、監督、キャメラマンは場所を移して、引き続き作業をすることになる。
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現場が早い、というのには、いくつかの理由がある。
まずは、予算の関係。
ピンク映画の300万の予算の中で、フィルム代、現像代、俳優への出演料、スタジオ代、スタッフへのギャラ、アフレコやダビングに使用する録音スタジオ代、弁当代など、すべてを賄わなくてはならない。
基本的に、出演料などの人件費も、スタジオ代も、拘束・使用する日数、時間によって増減する。
従って、俳優の拘束日数、スタジオの使用時間は短いほどいい訳だ。
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ブラで目隠しするお茶目な波多野さん。ってか、ブラ、でかっ!!(笑)

そこで、予算に収まるようなシナリオが作られる。
ここでのポイントは、場面転換を極力少なくするということだ。
撮影する場所が増えれば、それにかかる移動時間、スタジオ代などの経費がかかるからだ。
当然、登場人物の数も、ポイントとなる。
メイキングレポpart1で紹介した、『映画は、キャスティングとシナリオの段階で、ほぼ決まる』という、関根監督の言葉は、こういう経済的な側面も指しているのだ。

短時間の撮影現場は、役者陣のテンションをキープしたまま、作品作りに臨めるという利点もある。
主に、そう言う理由で、、関根組の撮影現場は、スピード重視なわけだ。
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今回レポした関根組の現場は、ピンク映画という低予算映画の現場の一つの例であって、全てではない。
現在、OP映画の制作本数は年間35本程度。
それをレギュラーと言われる監督たちが、年間3~4本ずつ担当している。
現在のOPレギュラー監督は、関根和美、池島ゆたか、浜野佐知、渡邉元嗣、山崎邦紀、竹洞哲也、加藤義一、後藤大輔、荒木太郎、清水大敬、吉行由実、田中康文といった面々。ここに、年1~2本のペースで国沢実、友松直之、森山茂雄が加わるというのが、ここ数年のパターンだ。
それぞれの監督に、それぞれ独自の現場がある。
ある者は、納得いくまで、徹夜覚悟の撮影を敢行し、ある者はロケにこだわり、ある者は監督料返上で作品にすべてを注ぎ込む。
皆、それぞれの想いを抱いてピンク映画というジャンル映画に真摯に対峙している。
共通しているのは、どの監督も皆、映画を愛し、ピンク映画を愛しているということだ。

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特別公開!次回関根組『和服女将の乱れ髪』での波多野結衣!!

波多野結衣は、関根組次回作『和服女将の乱れ髪』にも主演。既に9月公開が決定している。
共演は、山口真里、小倉もも(桃宮もも)、なかみつせいじ、森山翔吾、竹本泰志、那波隆史。
本作は、関根和美お得意の、男と女の人情噺。
期待は高まる。
しかし、上野オークラ劇場のHPで、次回作のタイトルが発表されるというのは異例。
それだけ、波多野結衣に対する大蔵映画の期待は大きいということなのだろう。
ついでに言えば、池島ゆたか監督も大絶賛(笑)
何度も言うが、近年稀に見る、まさに「美人女優」という言葉が相応しい彼女。
今後もピンク映画での活躍を祈りたい。
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関根監督&波多野結衣