2010年10月27日

ベルギービールクラブ紀行(4日目 2010年6月8日)

訪問先
  シメイ Chi may 醸造所
  ディベント Orval 醸造所

4日目はいよいよ「トラピスト」2大ブランドの日です。
まずはCHIMAYへ。CHIMAYについては日本でも販売されているし、赤・青・白の3種類ともに手軽に飲めるのでこの報告では中身については「略」です。そこで、このCHIMAYについて特に忘れられない深い印象を持った事を記しておきます。

それは
(1)完全に修道僧によって統制されているビールであること
(2)醸造所周囲の土壌、水質など環境管理が厳しく行われていること
(3)以上を前提として、また思想として使用される水・麦芽・ホップを含め「造る」ことのこだわりを、彼は(説明してくれたSTEVE MARANGONさん)「哲学」と言っていた事です。

もちろん、今まで全く知らなかったCHIMAY BLACK!・・・これは修道僧向けに造っている4.5%程度の低アルコールビール・・・ をご馳走になり、さらにランチまでご馳走になったからではありません。(ご紹介いただいた方には感謝)

2010-6-8
シメイカフェ集合写真


 そんなわけで、多くを語らずに次ぎの目的地であるディベントのORVALへ行きましょう。
ORVALはワロン地方独特の起伏のある土地の谷あいで大きな池の先に静かにたたずむ感じでありました。CHIMAYからはフランスに入りまたベルギーに戻り、地域的にはこの辺はフランスとの国境地帯です。
ORVALのあの独特なさわやかでコクのあるホップ味は、1次発酵後に乾燥ホップの俵を発酵槽に入れ2次発酵を行うことによるものでした。
このORVALはCHIMAYと異なり、修道院内での設備で醸造しています。
くやしいけど、このビールは「おいしい!」ですね。また、あのフランス革命で徹底的に破壊された遺跡は、シトシト降る雨の中とてもいい雰囲気でした。
考えてみれば、この国はローマから始まりノルマン、フランス、オーストリア、スペインなど異民族の統治を受け入れながら、壮絶な宗教戦争、フランス革命、産業革命、2度の大戦を経ている強靭な国です。こんな中で、カソリックの一宗派であるトラピスト修道院では「何も変えない」頑固一筋なビール造りが続けられてきたのですね。・・・この日は深い重たいビールと気持ちが重なり、ついつい冷蔵庫のビールが減っていました。


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