【明日(10月22日)の衆議院解散総選挙を強く意識した安倍晋三専用『御用作家たち』は,この「傾国政権」に役立だせるための御用本を制作・発売し,その広告を日本経済新聞に出している】

 【自分だけのみみっちい利害のための「この国を傾国」させる首相をヨイショする作家・執筆者たち
(※)の〈哀れ〉】

 【戦争中に国家全体主義・皇国史観を大礼賛していた物書きが大勢(ワンサと)いたが,「彼ら」
(上の※)も同罪であり,意識的に安倍晋三「1強政治」にへばりつき,盛んにゴマを摺り,加担している醜悪さ】

 【従軍慰安婦問題に観る安倍晋三の政治家としての欠格性,歴史の事実を絶対的に否定したがる「傲慢と幼稚」】



 ①「小池氏へ身内から異論次々 希望苦戦で民進出身の前職ら 衆院選」(『朝日新聞』2017年10月21日4面から)

 〔10月〕22日投開票の衆院選で,希望の党の候補者たちから小池百合子代表の発言や党運営へのありようへの異論や指摘が相次いでいる。報道各社の情勢調査で同党の苦戦が伝えられるなか,結果によっては小池氏への反発が強まる可能性もある。
 小池百合子綠のタヌキ画像松原仁と小池百合子画像
  出所1)左側画像は,https://ameblo.jp/1058bb/entry-12314964117.html
  出所2)右側画像は2017年10月13日,https://www.youtube.com/watch?v=mHBeRfRXPOE

 「小池代表の発言で一気に支持率が下がる不安定な党ではいけない」。20日朝,結党メンバーで前職の松原 仁氏(東京3区)が街頭で訴えた。念頭にあるのは,希望に民進党が合流するさいに小池氏がもち出した「排除の論理」だ。「日本は和をもって貴しとなす国だ」と苦言を呈したうえで,「1人に頼りすぎる政党はきわめて異常」と指摘。党運営を集団指導体制にすべきだとの考えを示した。
 補注)この「和」という漢字にこめられ期待されている含意には,まえもって十分な注意が必要である。小池百合子の「排除の論理」に関しても実は,この和が “負的に活用されていなかった” とはいえず,むしろこちらの “悪い面” における「和の効用」が前面に全面に出ていたはずである。

 和の意味にはたしかに「ある集団において,たがいの関係に納得し安定している様子」という説明がある。


 だが,衆議院解散総選挙において「希望の〔ない〕党」の躍進が大いに期待されていた当初とは,事情が大きく様変わりしたいまごろにもなって,この「和」の意味をとりだして松原 仁のように「これまでにはイケナイ推移」があったと批判的に発言したところで,しょせんは,その後におけるご都合主義的な見解である。

 〔記事に戻る→〕 異論の多くは,民進出身の前職らによるものだ。田嶋 要氏(千葉1区)は〔10月〕19日夜,街頭で「できたばかりの希望を実際に運営するのは民進出身の中堅だ」と演説。「小池さんが自民党との連立や憲法9条改悪をおこなようであれば,希望にはいられない」と訴えた。升田世喜男氏(青森1区)も各地の街頭演説で「希望が自民の補完勢力だったならば,わかりしだい離党する」と明言している。

 希望との合流を決めた前原誠司・民進代表側近の小川淳也氏(香川1区)は19日の街頭演説で,「この新党,第2自民党になるくらいならいらんと思う」と指摘。立憲民主党の名前まで挙げて,「もう一回,野党は再合流に向けて大きな固まりを作り直していかないといかん」と述べた。(引用終わり)

 2017年9月29日のことであった。「希望の党」代表小池百合子が高慢チキさをまる出しにして,こういい放っていた。民進党を解体するといっても,その党員全員を受け入れることは「さらさらない」と断言した。この発言は民進党議員の神経を逆なでしていた。ところが,この発言に対してただちに反発したり批判したりする声が,民進党議員たち〔の多数派〕から上がっていなかった。

 衆議院解散総選挙を明日(10月22日投票日)に迎えているけれども,今日までにおける情勢の経過は,「小池百合子の人気」が急速にしぼんできた傾向を明示していた。この下落ぶりを踏まえてなのかようやく,民進党に所属していた議員(立候補者)たちからは,切羽詰まった気分に追いこまれたなかで,前段のような反発や批判が出ていた。もっとも,いまごろにもなってそのように「小池百合子に対する抗言」をしたところで,すでに手遅れだという印象を避けられない。

 結局,小池百合子は民進党の議員集団を2つに割ってしまい,現状の選挙制度「小選挙区比例代表並立制」のもとでは,自民党を利するための選挙態勢を,わざわざ野党勢力側にもちこんだ。ユリノミクスなどと自分の政治手法を呼称している小池であったが,これでは,アホノミクス(アベノクライシス・ダメノミクス)を喜ばせると同時に,日本の政治をさらにマスマス悪い方途に押しやるための「ユスリミクス」でしかありえない。

 小池百合子は,政治家として活躍ぶり(?)の推移のなかで,「東京大改革のジャンヌダルク」から「傲慢なマリーアントワネット」「傾国の魔女」へと,めざましく「大変身」してきた。「改革のジャンヌダルク」の形容ならまだしも,「傾国の魔女だ」と形容された小池の「政治家としての経歴」については「政界渡り鳥」「シロアリ女王」とまでも尊称(損称?)されているほど,まったく芳しくない。

 それらの呼称から集約して指摘できるそうな “小池百合子の実像” は,けっして好ましいものではなくなっている。このたび実施される衆議院解散総選挙の直前になって,より鮮明になってきた小池の立場,いいかえれば「安倍晋三への〈第5列〉」な協力ぶりは,21世紀の日本政治史において忘れられない記録となって留められるに違いない。

 ②「最終盤,熱き首都 衆院選」(『朝日新聞』2017年10月21日朝刊39面から)

 衆院選終盤を迎え,各党が首都・東京の戦いに注力している。7月の都議選では小池百合子都知事が地域政党「都民ファーストの会」を率いて圧勝したが,情勢は変化しそうだ。東京の小選挙区・比例区を合わせた42議席は全議席数の1割弱。各党とも最後の追いこみに必死だ。 (中略)

 1) 希望 都議選再現狙う
 「安倍1強政治を許してはならない」。〔10月〕20日夜,遊説先の福島県から帰京した希望の小池代表は,墨田区のJR錦糸町駅前で,民進党の前原誠司代表と並んで政権批判を繰り広げた。「知事選も都議選も皆様の1票1票が押し上げてくれた」と支持を訴えた。

 都議選で都民ファーストの会が一気に最大会派に急伸した東京は,希望にとって「本拠地」。小池氏は街頭で「都議会が変わった。つぎは国政を」と訴えてきた。ただ,同会都議の多くは議員経験が少なく選挙活動にも不慣れ。劣勢と報じられ,「都議選と雰囲気は違う」と同会幹部は危機感を隠さない。

 2) 立憲 大規模集会で気勢
 立憲民主党の枝野幸男代表は19日夜,東京・秋葉原で「暮らしの声に寄り添った政治へ第一歩を踏み出そう」と群衆を前に声を張り上げた。公示後,「東京大作戦」と銘打った2度目の都内での大規模集会だ。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
IWJ2017年10月14日枝野新宿演説
出所)これは2017年10月14日に新宿駅前で14時に
    開始された枝野幸男代表の演説を聴く聴衆たち,
 数千人単位で人びとが集まっていた。
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/401273

 民進は都議選で,民主党だった4年前より10議席減の5議席になった。しかし,この衆院選で都連幹部は「立憲民主に変わり,支持者が戻ってきた」と手応えを語る。枝野氏も「もう一押しでひっくり返せる選挙区が多い」と意気ごむ。

 3) 共産 比例をてこ入れ
 共産党の志位和夫委員長も最終日の21日,渋谷区などで遊説する。都議選では2議席増と存在感を示した。今回,「とくに比例区で前回以上の得票をめざす」(都委員会幹部)と支持拡大に躍起だ。

 ③「改憲議論 加速も 選挙後どうなる 憲法,9条改正の接点探る」(『日本経済新聞』2017年10月21日朝刊3面)

 a) 衆院選は〔10月〕22日に投開票を迎える。 日本経済新聞社の終盤情勢調査では与党が優勢を保つ。希望の党や日本維新の会をくわえると,憲法改正に前向きな勢力が改憲の発議に必要な3分の2以上の議席を確保する勢いだ。選挙後に改憲議論が加速しそうだ。野党では希望が政権批判の受け皿になりきれずに失速。民進党の再結集をめざす動きもあり流動化の公算が大きい。
 補注)ここで注意したいのは,小池百合子の「希望の党」の基本的な性格が「自民党の翼賛政党」にみいだせる事実である。この事実は,当然のごとく指摘されているし,報道もされている。むろん,前段の報道のなかにも指摘されていたように,自民の補完勢力になることを否定する民進党出身の候補者も多くいる。問題は,彼らがこんどの選挙で当選できたあと,どのように対応していくかである。
『日本経済新聞』2017年10月21日朝刊3面衆議院解散総選挙画像
〔記事に戻る→〕 衆院の3分の2の議席は310。日本経済新聞社の終盤情勢調査では自民,公明両党で3分の2を確保できるかは微妙だ。自公が3分の2を維持すれば,政権が信任されたとして安倍晋三首相が改憲に向けアクセルを踏みなおす可能性が高い。

 2020年の新憲法施行をめざす当初スケジュールを踏まえ,〔2017〕年内に自民の独自改憲案をまとめ,来〔2018〕年の通常国会での発議を探る向きもある。

 自民は公約で,自衛隊明記や教育無償化など4つの改憲項目をかかげた。首相は自衛隊を憲法に明確に位置づける9条改正を本命視する。3分の2に達する政党の組みあわせをにらみながら,9条改正の具体的な条文でどこまで他党と接点を探れるかが焦点になる。

 公明は「(世論調査で)半分以上がまだ自衛隊を憲法に書くことに理解を示していない」(山口那津男代表)と慎重だ。首相が9条改正をめざすなら,まずは公明との調整を要する。自公が3分の2に届かない場合,維新の協力をいれば上回る可能性がある。維新は9条改正に前向きなため,首相は維新との連携を探るとみられる。

 自公維で3分の2に達しなければ希望をくわえた4党で改憲をめざす動きになりそうだ。小池百合子代表は選挙戦で自衛隊明記の主張と一線を画してきた。自民,希望,維新が共通して改憲項目にかかげた教育無償化が議題になる可能性がある。
 補注)小池百合子は希望の党の立場が今後においてどのように変化するかを,必ずしも自分で十分に語っていない(おそらく隠している)。しかし,どうみても第2自民党である本性は隠せていない。この本性の点からみれば,民進党から転じてきて,このたびの選挙で当選することになる議員たちと,すんなり折りあいがつき,さらに問題なく仲よく同居できるか疑問がある。

 各党で共通の改憲項目があるだけで,条文のすりあわせは手つかず。実際の条文づくりは高いハードルになる見通しだ。立憲民主党が野党第1党になれば改憲慎重派が勢いを増すとの観測がある。公明はかねて憲法改正には野党第1党の協力が不可欠との立場で,論議のペースにも影響しそうだ。

 b) 政局,くすぶる野党再々編。 衆院選で与党が過半数(233)を大幅に上回って勝利するとの見方が強まるなか,野党再々編論がくすぶりはじめた。焦点になるのは,希望の党と立憲民主党の議席数だ。希望が公示前の57議席を割りこめば,代表を務める小池百合子東京都知事の求心力低下は必至だ。

 民進党に残る参院議員らのあいだで,合流を主導した民進の前原誠司代表の自発的辞任や代表解任を求める声が強まる可能性もある。前原氏は参院も含めた希望への合流を探るが,民進の再結集や立憲民主との連携を探る動きもある。
 補注)ここでは,さきに指摘していた松原 仁の「和」発言に,再度注目したい。「参院も含めた希望への合流を探るが,民進の再結集や立憲民主との連携」という点は,その〈和の精神〉でいけば不可能ではないという主張であった。だが,まえもって不協和音を惹起させていただけでなく,さらに野党勢力の分裂状態に拍車をかける役目を,それも目一杯に果たしてきた,いわば「主演男優と女優」である「前原誠司と小池百合子」の〈失策:罪〉は重い。

 立憲民主が希望の議席数を上回り,野党第1党になれば,立憲民主を軸にした再編という展開も想定される。民進党籍を残して無所属で出馬した前議員や参院民進党の一部では立憲民主に合流したり,統一会派を組んだりする案も浮上する。ただ,立憲民主の枝野幸男代表は「新しく立てた旗をかかげて前に進む」と民進の再結集には否定的だ。
 補注)枝野幸男の立憲民主党代表は,無所属で立候補した民進党の議員たちに対して,一定の距離を置くかのような発言をしている。いずれにせよ,安倍晋三1強(狂・凶)政治の体制が変えられるのかについては,いまのところきびしい最先しか読めない。

 与党は安倍晋三首相が自民,公明両党で過半数を勝敗ラインにかかげる。過半数割れした場合,首相は辞任する考えを示している。ただ,各社の情勢調査では過半数を大幅に上回る結果で,首相が退陣を迫られる可能性は低いとの見方が大勢だ。

 ③ 安倍晋三君が絶対に否定したかった旧日本軍「従軍慰安婦(性的奴隷)」は,日中戦争開始以後 “絶対に存在していた” が,それでもまっこうから否定できるこの首相の感性は虚妄そのもの

 a) 安倍晋三は,従軍慰安婦問題があたかも日本の歴史のなかで存在しなかったかのように,それもしゃかりきになって全面否定したがっていた。だが,それは無理難題というべき以前において「戦争の歴史に対する間違った認識」であった。敗戦後の日本における米軍兵士用の国策的な売春施設設営は,敗戦まで旧日本軍が関与してきた従軍慰安婦制度の延長・応用であったからこそ,ただちに準備・提供できていた。
 補注)ウィキペディアには “RAA” について,こう書いてある。それは,Recreation and Amusement Association(特殊慰安施設協会-ただし直訳すると「余暇・娯楽協会」-)」の頭文字であるが,この特殊慰安施設協会は第2次世界大戦後,連合国軍占領下の “日本政府によって作られた慰安所” であった。連合国軍兵士による強姦や性暴力を防ぐために設置された。日本政府は最大で5万5000人の売春婦を募集し,短期間の間設置した。
    特殊慰安施設協会募集ビラ
   出所)https://www.youtube.com/watch?v=qTU_nnJQT_0
 なぜ,敗戦直後にそのようなRAAがすぐに占領軍のために用意できたかといえば,日本はすでにそのための運営方法に関する経験を豊富に蓄積してきたからであった。それが従軍慰安婦の問題として,いまなお,20世紀において蓄積させてきた「日本の〈負の歴史〉」を意味している。しかし,安倍晋三は,この歴史の事実が「美しい:この国」にとって不名誉な出来事の記録である点を「頭のなかでは理解している」からこそ,その事実・記録を必死になって否定してきた。

 とはいえ,RAAのごとき敗戦後史的な「歴史の事実・記録」を否定することは,安倍晋三君であってもできない。それと同様に,敗戦以前における戦地に置いていた慰安所施設も否定することも,もとよりできない。安倍君が1人で認めたくないといったところで,「事実は事実として」歴史のなかに存在していた。歴史研究家が従軍慰安婦の問題を理論的・実証的に解明・分析してきている。関連文献は末尾に「アマゾン広告」を借りて,その主要なものを挙げておく。

 在日特権の問題をあげつらった在特会の関係者を『在日特権? 〔そんなモノ〕あるか ボケ!』と罵倒した著作が,野間易通『「在日特権」の虚構』(増補版,河出書房新社,2015年2月)であった。これを真似ていえば「従軍慰安問題がなかった? ボケが歴史もなにもしらないで,なにをいうか,アホ!」となる。

 末尾に挙げた文献のどの1冊でもいい,それを読んでからでもなお,まだ否定したい場合は,その旨を具体的(理論的・歴史的)に反証するための論理を,自分なり用意・構築しておかねばなるまい。安倍晋三のように「ボクが認めたくないから否定する」だけであって,その自分の立場を裏づけるための議論がないのであれば,説得力ゼロである。それこそお話にもなっていない。

 b) ここでは関連するある記事をつぎに参照しておくが,これは「まっとうな議論」を展開している。なお文体は引用者のほうで適宜に補正した。その記事の題名は,「RAAの話題をドヤ顔で持ち出す人は「従軍慰安婦」の基本書すら読んでない」(『誰かの妄想・はてなブログ版』2013年3月17日)である。

 --ここのコメント欄に登場する各氏(※)は,なんの根拠もなく,「RAAだって結局はアメリカの意向でできて」とかデマを垂れ流していた。RAAは,東久邇宮内閣が成立した1945年8月17日の翌日〔この日付に注意〕,内務省警保局長・橋本政美が各庁・府県長官宛に発した「進駐軍特殊慰安施設について」と題する電報から始まる。それが敗戦後初の内閣が最初にやったこと,つまり「連合軍将兵の下の世話だった」であった。

 8月17日・18日の時点では連合国軍はまだ上陸しておらず,公式には1945年8月28日に来た。つまり,日本政府は,連合国軍が上陸している以前から要求されてもいない性欲処理を,みずから申し出た。〔前段の〕各氏(※)は,この程度の事実すらしらない。「慰安婦問題」否認論者のほとんどが同レベルである。

 そして,彼ら(※)は慰安婦問題の基本書すらろくに読んでおらず,慰安婦問題について大した知識もない。なぜならRAAに関する記述は,吉見義明氏の『従軍慰安婦』 (岩波新書,1995年)にはもちろん,千田夏光氏の『従軍慰安婦- “声なき女” 八万人の告発-』(双葉社,1973年)にも,すでに載っていた有名な事実だからである。

 イ)  吉見『従軍慰安婦』(196-202頁)
 連合国軍が日本に進駐するのは8月28日であり,その前の8月18日,日本政府はみずから進んで連合国軍用の慰安所の設置を指示していた。国民のなかに恐怖感が広がり,騒ぎが大きくなって,ただちに動き出していた。軍慰安所制度をもっていただけに動きはすばやかった。(中略)

 日本政府によって推進され,業者を使って開設された連合国軍用慰安所は,間もなくして消滅した。だが,連合国軍が進駐した地域の多くの人びとがその設置を要望し,短期間のうちに全国主要都市に設置されていった。また,連合国軍も短期間とはいえ,これを受け入れていた(その後もアメリカ軍基地の周辺の売春施設がなくならなかった)。

 結局,日本人も連合国軍も,戦争中の従軍慰安婦制度を人権侵害問題として捉えるという意識が希薄なまま,推移していくことになった。

 ロ)  千田『従軍慰安婦』(209-211頁)
  “慰安婦” の歴史は昭和13〔1938〕年早春に生まれ,昭和20年夏の敗戦により終末を告げた。だが,こうした慰安婦の密着性・その必要性を考えるのは “軍” だけの発想ではなかった。戦後に明らかとなったが,日本為政者にも明確にあった。

 その象徴的な現われが,内務省(警察)と大蔵省が共同して,敗戦直後に作りあげた “特殊慰安施設協会” (略称RAA)である。この協会は,日本の降伏により全面進駐してくる連合軍が『戦勝国軍隊として,かつて日本軍が占領地でやったと同様な行為を展開する』とまず考え,それを前提に作られていた。すなわち,連合軍将兵による日本婦女子へ手当たりしだいの暴行の阻止である。(中略)

 女性の数は当初2万人で,のちに5万人をこえたという。もちろん,このなかに朝鮮人女性は1人もいない。できることならすべてを朝鮮人女性にゆだねたいというのが願いだったかもしれない。だが,敗戦とともに朝鮮は植民地でも国土でもなくなっていた。朝鮮総督の命令命令一下,警官隊を動員して若い婦女子を思いのまま集めえたのは夢物語になっていた。吐きかけた唾がかえって来たのである。

 一方,所要の経費,すなわち女性を集める費用や施設費は概算で5千万円と見積られた。この金は大蔵省の口ききで,勧銀から3千3百万円が融資され,右から左に支出された。3千万円は現在の貨幣価値にして5百億円以上にはなる。そして,「これだけの金で日本女性の貞操が守れるなら安い」と,当事の主計局長だった池田勇人(のちの首相)が語ったという話も伝えられている。融資は無担保だったという。

 ハ)  旧日本軍慰安婦の総数
 RAAが正式に消滅したのは,1949年4月22日であった。連合軍用慰安所としては,1946年3月27日の封鎖で事実上消滅していた。このわずか7ヶ月間に,連合軍用慰安婦として売春を強要された女性は,最盛期で7万人といわれている。

 わずか7ヶ月間,占領軍兵力40万~50万に対して,7万人の慰安婦であったことを考えると,1937年7月から1945年8月までの8年間で300万人の日本軍に対して20万人の慰安婦というのは推定値としてもとくにおかしくはない。むしろ20万人でも少ないのではないかと思わされる。

 その点では,旧日本軍における慰安婦数を少なくとも2万人程度という秦 郁彦の推定は現実離れしている。
 註記)http://scopedog.hatenablog.com/entry/20130317/1363532913
 補注)秦 郁彦のそうした論法は,常套的に駆使される彼なりの学的(?)な手法であった。吉見義明と秦は直接に議論をしてもいるが,吉見のほうが圧倒的に理にかなった立場から発言していた。

 ④ 自民党応援団である作家・執筆者たち,いいかえれば,安倍晋三の専制・独裁的政治を支援するその者たちが『日本経済新聞』に出した “自著の「広告」” に関連する議論

 最近,③ に関連する以下の報道があった。

 a)「慰安婦報道めぐる名誉毀損訴訟,朝日新聞社が勝訴」(THE ASAHI SIMBUN DIGITAL,2017年4月27日23時25分)

 朝日新聞の慰安婦報道で誤った事実が世界に広まり名誉が傷つけられ,また米グレンデール市に慰安婦像が設置されて,在米日本人が市民生活上の損害を受けたなどとして,同市近郊に住む在米日本人を含む2557人が朝日新聞社に対し損害賠償などを求めた訴訟の判決で,東京地裁は〔2017年4月〕27日,原告の請求を棄却した。

 佐久間健吉裁判長は,記事は名誉毀損にも在米日本人らへの不法行為にもあたらない,と判断した。原告側は控訴する方針。訴えの対象は「慰安婦にするため女性を無理やり連行した」とする吉田清治氏の証言に関する記事など朝日新聞記事49本と英字版記事5本。

 佐久間裁判長は判決で「記事の対象は旧日本軍や政府であり原告ら現在の特定個人ではない。問題となっている名誉が原告ら個人に帰属するとの評価は困難」とし,「報道で日本人の名誉が傷つけられた」とする原告の主張を退けた。また,報道機関の報道について「受け手の『知る権利』に奉仕するもので,受け手はそのなかから主体的に取捨選択し社会生活に反映する」と位置づけた。

 それを踏まえて「記事が,国際社会や国連関係機関,米国社会や韓国社会などにおける慰安婦問題の認識や見解になんら事実上の影響も与えなかったということはできない」とする一方で,「国際社会も多元的で,慰安婦問題の認識や見解は多様に存在する。いかなる要因がどの程度影響を及ぼしているかの具体的な特定はきわめて困難」と指摘した。

 そのうえで,在米の原告が慰安婦像設置の際に受けた嫌がらせなどの損害については「責任が記事掲載の結果にあるとは評価できない」と結論づけた。朝日新聞の慰安婦報道をめぐっては,3つのグループが朝日新聞社に対し集団訴訟を起こした。いずれも東京地裁や高裁の判決で請求が棄却されている。(後略)
 註記)http://digital.asahi.com/articles/ASK4W51LVK4WUTIL03H.html

 b)「慰安婦報道訴訟 本社の勝訴確定」(THE ASAHI SIMBUN DIGITAL,2017年10月18日01時30分)

 朝日新聞の慰安婦に関する報道で「国民の名誉が傷つけられた」として,国内外の56人が1人1万円の慰謝料を朝日新聞社に求めた訴訟で,朝日新聞社を勝訴とした二審・東京高裁判決が確定した。原告側が〔2017年10月〕13日の期限までに上告しなかった。一連の報道をめぐる訴訟で,判決が確定するのは初めて。

 訴訟で対象になったのは,慰安婦にするため女性を無理やり連行したとする故吉田清治氏の証言記事など,1982~94年に掲載された計13本の記事。昨〔2016〕年7月の一審・東京地裁判決は「記事は旧日本軍や政府に対する報道や論評で,原告に対する名誉毀損には当たらない」と判断。今〔2017〕年9月の二審・東京高裁判決も一審判決を支持し,原告の控訴を棄却した。

 朝日新聞の慰安婦報道をめぐっては,3つのグループが朝日新聞社に対し集団訴訟を起こしていた。
 註記)http://digital.asahi.com/articles/ASKBK5GMGKBKUTIL02R.html
 補記)安倍晋三が従軍慰安婦問題で朝日新聞社に難詰を突きつけてきた問題に関連しては,別途,元朝日新聞記者植村 隆が訴訟を起こしていた。最新の情報として,つぎの記述を紹介しておく。

☆ 2017年10月13日金曜日 東京第10回口頭弁論 ☆
= なおも「論評」といい逃れる被告側の逃げ道をふさいだ =


 「植村裁判を支える市民の会」。不当なバッシングを許さない! 植村 隆さんの名誉回復を求め,表現の自由と民主主義を守るために,ともにたたかう市民のネットワーク!

 東京訴訟で今〔2017〕年最後となる第10回口頭弁論が10月11日,東京地裁で開かれた。傍聴券の抽選はなかったが,専修大・藤森ゼミの学生など初めて傍聴に参加する人も多く,同地裁でもっとも大きい103号法廷は満席となった。遅れてきた数人は入場できずに「立ち見はだめですか」と残念がる一幕もあった。次回から抽選が復活する見通しだ。壇上の裁判官たちは,傍聴席を埋め尽くした老若男女が真剣に耳を傾けている姿を目の当たりにして,植村さん支援の熱意が続いていることを実感したはずだ。今後も傍聴をぜひお願いしたい。

 ⅰ)「論評」の前提となっている事実の記述は「論評」ではない
 午後3時前に開廷。被告の西岡〔力〕氏・文春側は主任の喜田村洋一弁護士が欠席し,若い弁護士ひとりだけ。原告側弁護団は植村さんを囲むように10人が顔をそろえた。原告が提出した準備書面や証拠説明書を確認したあと,原告弁護団事務局長の神原元弁護士が第9準備書面の要旨を朗読した。

 裁判の焦点である「捏造」という表現が名誉棄損にあたるかどうかをめぐって,被告側は「『捏造』というのは事実の摘示ではなく,意見ないし論評」であると主張している。いい逃れとしか思えないような主張だが,神原弁護士は切れ味のよい2段構えの反論を展開した。「捏造」という表現が「意見ないし論評」に当たるがどうかは別としても,その「論評」の前提になった事実摘示そのものが「不法行為にあたる」という主張だ。

 たとえば,「(植村さんが)義理のお母さんの起こした裁判を有利にするために,紙面を使って意図的なウソを書いた」と西岡氏は書いている。「捏造」という言葉こそ使っていないが,「意図的にウソを書いた」という記述は「意見ないし論評」ではなく明らかに事実として書いている。新聞記者が利己的な動機で読者をだます記事を書いた,ということを「事実」として述べているわけだ。

 神原弁護士は「これは証拠によって存否を決めることができる問題です」と指摘。被告側が「意見ないし論評」といい逃れる抜け道をピシャリとふさいだ。

 ⅱ)社会的評価を低下させる記述じたいが不法行為にあたる
 ほかにも,「(金 学順さんの)キーセンへの身売りをしらなかったなどありえない。分かっていながら都合が悪いので意図的に書かなかったとしかいいようがない。」などという西岡氏の記述をとりあげて,これは植村記者の社会的評価を低下させることを狙っており,「それじたいが不法行為にあたる」と断言した。

 もうひとつの論点は,西岡氏と文春側は,なにをどこまで立証するつもりなのか,という点だ。

 週刊文春の記事は,植村さんが就任先の大学で「慰安婦問題についてとり組みたい」と述べたと書いているが,被告側はこの点を立証していく意思を示した。神原弁護士は「この点は,被告・週刊文春が植村さんに対するバッシングを故意にあおった部分であり,重要な意味をもちます」と指摘。取材にあたった週刊文春のT記者の取材メモの提出を求めた。

 植村さんは当時そのような言動をしていないので,いったいどうやって「立証」するつもりか,被告側のお手並み拝見というところだ。この「立証」の要求に対して,被告側弁護士は「もちかえって検討します」と答えただけ。原裁判長は被告側に11月13日までに回答を提出するよう求めた。こんど度は被告側が,どんな「取材」をしたのか・しなかったのか,その手の内を明らかにする番だ。

 次回(第11回口頭弁論)は来〔2017〕年1月31日午後3時半から。

 裁判のあと,午後4時から参議院議員会館で報告集会が開かれ,神原弁護士と植村氏が報告,楊井人文氏(弁護士,日本報道検証機構代表理事)が「フェイクニュースにどう向き合うか」と題して講演した。
 註記)http://sasaerukai.blogspot.jp/

 〔本ブログ内の記述本論に戻る→〕  森友学園の小学校新設申請「問題」と追究してきた『朝日新聞』が「憎くて憎くてしかたがない」,これはもちろん安倍晋三の個人的な感情でしないが,その感情をわざわざこのように「アベ御用作家」たちが,それも衆議院解散総選挙(10月22日)の直前に,大々的な新聞広告も出して〈喧伝〉している。選挙への影響を与えたい意図が,ありありで,みえみえの出版物の広告である。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
『日本経済新聞』2017年10月20日朝刊5面髙橋洋一広告

『日本経済新聞』2017年10月21日朝刊27 面小川榮太郎広告
出所)『日本経済新聞』2017年10月20日(上)と21日(下)。
髙橋洋一は無責任にもアベノミクスのアホノミクス的な
空虚さを否定し,
小川榮太郎はこの本なりに「自分の珍説を捏造した」と
受けとめておくが,要は
デタラメをモットーとするネトウヨ的な言説を展示。

 ウソも百度いえばホントになるかもしれないと確信し,その邪悪な目標をめざして,もっぱら人間の感情面にのみ訴えるための出版物を制作し発売していた。こうした本の書き手たちは,はたして自分自身小川榮太郎表紙が本気で,その内容に確信を抱いているのか?

 要は,安倍晋三のために必死の形相でヨイショする本を公刊している。これら本の広告も,端的にいうまでもなく,明白なる「選挙運動の1種」である。

 小川榮太郎は以前,『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎,2013年7月)という題名のやはり〈ヨイショ本〉を公刊していた。このへんの論点については,本ブログは以下の記述をおこなっていた。「こんな人」がまだ,この国の首相を続けるのか? 自民党支持者でも過半数(調査結果によるが,6割以上・8割以上の事例もあるほど)が,安倍晋三を嫌っている。自民党に対してはまだしも,「アベだけはもう嫌い,だめダ」といっている。
 補注)こういうことである。「自民党は支持するけど安倍首相は嫌い,という有権者が相当数いそうで」ある。
 註記)「比例区に異変アリ 立憲民主党に無党派殺到し全員当選も」『日刊ゲンダイ』2017年10月21日,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/215963/2

 

 本ブログの 2016年06月12日
  主題「いまごろ安倍晋三用のヨイショ本を発行してなんになる? 参議院選挙用に出版された腰巾着記者山口敬之の応援演説『本』の空しさ」

  副題「新聞社や放送局の特定の記者たちが,あの首相べったりに張りつき,ゴマを摺り摺りしている。このような『マスコミ関係者』は,まさにマスゴミと呼ぶにふさわしい」
  ⇒ http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1058368630.html

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 【下降線をたどり,低迷していくばかりの日本の政治と経済】

 【安倍晋三の政治は自民党1強のせいで,この首相をかぎりなく傲慢・高慢にさせており,その程度の過酷さはいま,まさしくこの国を確実に大きく傾国させつつある】

 【安倍晋三の続投を国民たちの大部分(6割以上)は望んでいない】

 【最近の経済・産業・経営でいえば,代表的な製造業である東芝
(大規模な不正経理)から日産(国内出荷を停止後も4工場で無資格検査継続)・神戸製鋼(アルミ・銅製品などの強度不足,データの改ざんが発覚)へと,日本企業のヘタレ度は並たいていではなく,軒並みに一流会社を確実に蝕んでいる】



 ① まえおきの記述
   -安倍晋三に政権を任せられる事由はすでになにもない-


 昨日〔2017年10月19日〕の記述では,郷原信郎のブログ(『郷原信郎が斬る』)から「本当に,『こんな首相』を信任して良いのか」2017年10月19日」を紹介した。

 要は,この日本国の政治・行政がひどい状態になっていて,安倍晋三の手前勝手だらけにのみ進行中であり,それもひどく深刻な事態に落ちこんでいる事態を批判していたその郷原のきびしい意見を引用して,本ブログなりにも議論をくわえてみた。

 『郷原信郎が斬る』はさきの2017年10月12日にも先行させて「『籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。』は, “首相失格の暴言” 」という題名を付した記述もおこなっていた。

 そのように郷原信郎は,安倍晋三というこの国の首相にあっては「総理大臣を務める資格・力量・識見・理念・常識」のなにもかもが不足・欠落している事実を,まっこうから指摘し批判していた。

 ところが,この郷原の安倍晋三「非難」をとりあげていたのは,例によってというべきか,『朝日新聞』と『毎日新聞』などに限定されていた(『郷原信郎が斬る』2017年10月19日)。郷原信郎は今年6月上旬に「新聞史上最悪の不祥事」だと読売を斬ってもいた。これまた真正面から読売新聞社をきびしく批判していた。それゆえ『読売新聞』のほうでは,安倍を批判した郷原のブログ記事をとりあげるわけもなかった。

 読売新聞社・産経新聞社の2社は露骨に安倍晋三を支援する新聞社であって,「社会の木鐸」たらんとする新聞社としては,最初からなにか大事な1点を足下の土台からは,完全に欠落させている。安倍晋三「応援団」であるこれら新聞社を言論機関して評価するに,はたして,いかほどの社会的な価値がありうるのか?

 その種の疑問が抱かれて当然も当然である。というのは,日本という国をひたすら悪くしているばかりである安倍の「政治と〔もしかしたら多分〕経済〔も〕」の立場に,みずからの社会的使命などいっさい忘れ,それも相当にみっともないかっこうで,協力を惜しまないでいるのが『読売新聞』や『産経新聞』の基本的な立場だからである。
安倍晋三画像国難は私だ
出所)https://tr.twipple.jp/h/fb/0b/国難x演説.html

安倍晋三こそ国難画像
出所)以上2点,https://twitter.com/hashtag/安倍は止めろ

自民党ポスター2017年10月20日『日本経済新聞』ウェブから
出所)自民党ポスターのパロディー版。
 最近では「この安倍晋三首相そのものが国難(国辱)」だとまで非難されているくらいである。いまではあちこちで,「売国奴の政治家だ」(もちろんその売り先はアメリカであるが)と蔑称されてもいるこの安倍晋三という総理大臣は,その座にこれからもさらに長く留まることになれば,この国の落ち目傾向はまさしく「傾国の魔女(小池百合子に贈られた尊称?)」ならぬ「傾国の魔男」の役目をよりよく(悪く)果たすに違いなく,しかもその加速度をさらにつけている最中である。

 10月22日に実施される衆議院解散総選挙を控えて安倍晋三が叫んでいる演説の内容は,「北朝鮮ミサイル問題」に触れることを忘れていないが,この問題を故意に必要以上に誇張する話法であり,ほかに本当の底意である憲法改定問題を隠し,煙幕を張るために利用されている。つぎの図解は,選挙が開始されて各党の党首が第1声としてなにを話題にしたかを,『時事通信』が作成した図解を借りて紹介してみた。
2017年10月22日衆議院各党首演説内容
  出所)https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_election-syugiin20171010j-30-w660

 自民党総裁でもある安倍晋三のこの演説内容は,これを時間配分の順位でみると主に,イ)  経済問題ではすでに失敗が明白になっているアベノミクス,ロ)  政治問題では被災者を本格的には救済するつもりなどなく,なるべく早めにその存在を解消させたい東電福島第1原発事故関連,そして,ハ)  北朝鮮問題の順番になっている。

 以上3つの演説内容はすべて,実質的な政策・対応のあり方として評価すると,ほとんど効果を挙げていないか,あるいは不全のままに終始してきた問題をとりあげていた。北朝鮮ミサイル問題をかかげないと “衆議院解散総選挙を有利に戦えない” みたいにして話題にとりあげたがる「安倍晋三の演説内容」は,実は空虚さに「満ちている」。

 つぎの ② は,1年半前の『リテラ』の記事を紹介する。北朝鮮問題の解決に関して事実を評価すると,実際にはなにひとつ尽力も貢献もしていないし,できもしていなかった彼(安倍晋三)の政治家としての問題性が,この記事によって根本より剔抉(てっけつ)されている。なお,文中に登場する蓮池 透は,今回の選挙に立候補した天木直人(『新党憲法9条』代表)の応援演説をしている。
蓮池透の天木直人応援演説
  出所)北朝鮮拉致被害者を見殺しにした安倍晋三 / 2017年10月14日 立川駅前 新党憲法9条 天木直人 ✕ 蓮池透の応援演説(4/4),http://kenpo9.com/

 ②「『安倍さんは拉致被害者に北朝鮮に戻れといった』身内の自民党ヤジ議員がポロリ!  安倍は『議員バッジかける』と否定してたのに」(『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2016.04.05

 「私が申し上げていることが真実であることはバッジをかけて申しあげます。私のいっていることが違っていたら,私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」。今〔2016〕年1月12日の衆院予算委員会で,日本の内閣総理大臣である安倍晋三氏がこう断言したのをご記憶だろうか。これは「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)元副代表の蓮池 透氏の著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)への反論だった。
 補注)安倍晋三は,森友学園の小学校新設申請「問題」や加計学園の獣医学部認可「問題」に対しても,自分になにか関与した問題があったとしたら「政治家である立場」も辞めると「豪語」していた。だが,いままでは「モリ・かけ問題」に対する隠蔽工作しかしたことしかない。それも国会における自民党の勢力にかまけて,どこまで “しらぬ・ぞんぜぬ” フリを押しとおしてきた。

 蓮池氏は同書で,安倍首相が実際は拉致被害者たちを北朝鮮に帰そうとしていたにもかかわらず,自分が止めたかのような嘘をついたと書いていた。この記述を,民主党(当時)の緒方林太郎議員が国会質問でもち出すと,安倍首相はいつものごとく逆ギレして,「拉致問題を利用したことも,ウソをついたこともない」としたうえ,冒頭のような大見得を切ったのだ。

勝木勇人画像 しかし,やはり安倍首相はウソつきだった。その証拠がなんと “身内” からも飛び出してしまった。その “身内” とは,自民党所属の札幌市議・勝木勇人氏。そう,〔2016年〕3月29日の札幌市議会本会議で安保関連法廃止を訴えた共産党の小形香織市議に対して,「精神鑑定を受けた方がいいんじゃないのか」という下劣で差別的なヤジをとばしたことが問題になっている議員だ。
 出所)右側画像は,http://www010.upp.so-net.ne.jp/fruit-1/

 このヤジは全国的な批判を浴び,ワイドショーでもとりあげられる事態となった。4月4日に勝木市議は謝罪するに至ったが,自民党は勝木市議の処分も検討していると伝えられる。そんな品位の欠片もない勝木市議だが,実はいまから13年ほど前の2003年1月30日,自身のブログに「安倍晋三官房副長官の話」という見出しでこんなことを書きこんでいた。
  (安倍晋三氏は)地村さんたちには,最初,「とにかく一度北朝鮮に戻って,子供を連れて帰国するべきだ」という話をしたそうです。しかし,地村さんたちは,この申し入れを断固拒否したそうです。「一度戻ったら二度と帰国はできない」ということだったそうです。

 「私(安倍)他,政府の人間がたくさん同行すれば,変なことにはならないでしょう」というと,「みんなで一緒にいっても,突然銃をもった者が部屋に入って来て,われわれを引き離そうとしたら,どうしますか? 安倍さんたちは,その場でなにができますか? 自衛隊も一緒にいってくれるなら話は別ですが,」といわれ,結局,彼らのいうとおりにしたそうです。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
    勝木勇人の2003年北朝鮮訪問安倍晋三発言記録
  出所)https://twitter.com/tama6si/status/718098372532375552
 これは同〔2003〕年の1月14日に札幌でおこなわれた「安倍晋三先生を囲む会」に出席した勝木市議が,この席で安倍氏自身が発言した内容として紹介しているものだ。つまり,当時,安倍氏は地村保志氏ら拉致被害者に対して「とにかく一度北朝鮮に戻れ」といったことをみずから認めて吹聴していたことになる。そして地村さんら拉致被害者がそれを拒否,結果,日本に残ることになったことも。

 この勝木市議のブログの内容と,蓮池 透氏が著書〔『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』〕で書いた “事実” は見事に一致している。あらためて繰り返しておくが,蓮池氏は著書のなかで,「安倍氏が北朝鮮に戻るという拉致被害者たちを説得し,身体を張ってそれを止めた」というのは大ウソだと指摘し,安倍氏をこう批判している。
  「あえて強調したい。安倍,中山(恭子・拉致被害者家族担当内閣官房参与【当時】)両氏は,弟たちを一度たりとも止めようとしなかった。止めたのは私なのだ」。「世間では北朝鮮に対して当初から強硬な姿勢をとりつづけてきたと思われている安倍首相は,実は平壌で日本人奪還を主張したわけではない。 (中略)

 安倍首相は拉致被害者の帰国後,むしろ一貫して,彼らを北朝鮮に戻すことを既定路線として主張していた。弟を筆頭に拉致被害者たちが北朝鮮に戻ることを拒むようになったのをみて,まさにその流れに乗ったのだ。そうして自分の政治的パワーを増大させようとしたとしか思えない」。
 冒頭の安倍氏の「国会議員を辞めますよ」との発言ののちも,蓮池氏は本サイトのインタビューで,同様の事実を指摘している
  「安倍さんには,あなたがいつ説得などしたのか? と訊きたくなりましたよ。本にも書きましたが,弟を説得したのは私であって,安倍さんじゃない。実際に電話のひとつもなかったんですから」。

 「当時,政府は5人のスケジュールをびっちりと埋めて作っていましたし,『一時帰国』を変更不可能なものとして進めていたのです。家族たちのあいだでは『帰りのチャーター便はどうするのか?』と,北朝鮮に戻すことを前提に具体的な話し合いまでもたれていたのです」。

 「また,政府はこうもいっていました。『今回は一時帰国だけど,次回は子どもも含めて全員が帰ってきますよ』と。安倍さんも一貫して,5人を北朝鮮に戻すことを既定路線として主張していた」。
 蓮池氏はまた,これまで著書に書いたり,講演などで語ってきたことはすべて自身の体験であり,それを否定した安倍首相こそ “大ウソつきだ” と批判したが,そのことが勝木市議のブログによっても証明されたかたちだ。しかも,勝木市議は姑息なことに,自分のヤジ騒動をきっかけにブログのこの記述がクローズアップされた〔2016〕4月になって削除している。おそらく,これは自民党か官邸が命じて削除させたのではないだろうか。

 しかし,あとになってごまかそうとしてももう遅い。安倍首相はあれだけハッキリと国民の前で「ウソなら議員を辞める」と明言したのだ。総理大臣が国権の最高機関である国会で発した言葉は重い。安倍首相は国民との約束を守って即座に議員辞職をすべきである。
 註記)http://lite-ra.com/2016/04/post-2133.html
    http://lite-ra.com/2016/04/post-2133_2.html
    http://lite-ra.com/2016/04/post-2133_3.html

 ③ 自民党所属の札幌市議・勝木勇人のブログ,2003年1月30日「安倍晋三官房副長官の話」から「該当する段落全体」をあらためて引用

◆ 安倍晋三官房副長官の話 ◆
= http://megalodon.jp/2016-0330-1834-02/www010.upp.so-net.ne.jp/fruit-1/abe.shinzou.html =

 そんな話のほかに,北朝鮮の今後の展開に関する予測やら国内事情やら,興味深い話が盛りだくさんでした。

 「日本人は北朝鮮は時間の問題で,そのうち必ず崩壊すると思ってるようですが,これは米国がそうしたいと思っているだけのことであり,そうなるかどうかは,周辺国の態度をみなければわからない。ロシアや中国はキム・ジョンイルの政権こそ支持しないかもしれないが,北朝鮮が崩壊することを望んではいないし,そうならないための援助も続けるはずであり,北朝鮮はそう簡単にはなくならないと思います」というような予測も出てました。

 拉致被害者の話になり,地村さんたちには最初,「とにかく一度北朝鮮に戻って,子供を連れて帰国するべきだ」という話をしたそうです。しかし,地村さんたちは,この申し入れを断固拒否したそうです。「一度戻ったら二度と帰国はできない」ということだったそうです。

 「私(安倍)ほか,政府の人間がたくさん同行すれば,変なことにはならないでしょう」というと,「みんなで一緒にいっても,突然銃をもった者が部屋に入って来て,われわれを引き離そうとしたらどうしますか? 安倍さんたちはその場でなにができますか? 自衛隊もいっしょにいってくれるなら話は別ですが」といわれ,結局,彼らのいうとおりにしたそうです。

 子供が残されてしまった件については,「どうして連れてこなかったのか?」ということを聞いてみたそうです。すると「むこうでも子供を連れていきたいかどうかなんども尋ねられましたが,連れていきたいと答えると帰国できないと思った」そうです。彼らは拉致されて以来,なんどもその手の誘い水を向けられ,そのたびに「日本になど帰りたくない。私は北朝鮮に永住したいし,日本などは大嫌いだ」といいつづけていたそうです。

 それをいいつづけたから今日まで生き延びられたそうで,一度北朝鮮に戻ったら「日本になど戻りたくない」といいつづけ,日本の悪口をいいつづけなくてはならないそうです。むこうでは,家族単位で処刑された拉致被害者は数え切れないほどたくさんいるそうです。(北朝鮮では処刑というのはつねに家族単位でおこなわれるそうです。親だけ殺すとその子供は反政府意識をもつから,という理由だと思われます。)

 ちなにみ,北朝鮮では子供は6歳になると親元を離されるそうで,地村さんたちも子供と会うのは年に1度か2度くらいだったそうです。そういう事情があるなら彼らの子供たちはすでに,あの国の洗脳を受けているうえに日本語もしゃべれないし,親子の情も通いあわないような状況なのかと思われます。

 だから「子供と会いたい」とか「連れて帰って欲しい」というようなことは口には出してますが,そのために自分の命をかけるつもりにはなれないのでしょう。もっとも,曽我さんだけは,アメリカ人とのハーフの子をもっていたためか,ずっと子供と一緒に暮らしていたそうです。(引用終わり)

 かくのごとしであって,うそ・イツワリなどは日常茶飯事であるのが,政治家である安倍晋三が無意識的にも常用できる話法なのである。この安倍も「政治家はウソをついてもいい,むしろウソに騙されるほうが悪い」という言語空間:世界に定住できている人間である。したがって,前段に引用したごとき政治家としての行動における「うそ・イツワリなどは五万でも五億でも平然とつける」人物の1人である。

 ④「〈社説余滴〉首相こそ,胸を張れますか」(坪井ゆづる稿『朝日新聞』2017年10月20日朝刊「オピニオン」)
坪井ゆづる画像資料
 いったい,なにをいい出したのか。目の前にいる安倍晋三首相の返答に耳を疑った。日本記者クラブ主催の〔10月〕8日の党首討論会で,首相はいきなり朝日新聞を批判した。同クラブ企画委員の私の質問は,加計学園の獣医学部問題。愛媛県今治市の国家戦略特区での新設を,首相は今年1月20日まで知らなかったという国会答弁について,「イエスかノーか」で問うた。
 出所)右側画像資料は,https://www.2nn.jp/seijinewsplus/1507524545/

 首相はこれに答えず,特区を審議した民間議員が国会で「プロセスには一点の曇りもない」と述べたことを,「朝日新聞は報道もしておられない」と決めつけてきた。「しています」と返すと,首相は「いや,ほとんどしておられない。しているというのはちょっとですよ。ほんのちょっと。アリバイ作りにしかしておられない」。

 特区の旗を振った加戸守行前愛媛県知事についても「証言されたつぎの日にはまったくしておられない」と続けた。これにも「しています」と反論すると,首相は「本当に胸を張って(記事に)しているということができますか」と聞いてきた。「できます」と答えると,「ぜひ国民の皆さん,新聞をよくファクトチェックして」といった。

 意に沿わぬ事実は「フェイクニュースだ」といわんばかりだった。翌日〔10月9日〕の朝刊で,同僚が首相の間違いをきちんと記事にした。民間議員については「3月以降,10回以上掲載」。加戸氏の発言も国会翌日に見出しを立てて報じていた。あらためて首相の対応について考えてみる。まず指摘すべきは,その不誠実さだ。質問をかわすような新聞批判は「丁寧な説明」とはいえない。「アリバイ作り」などと記事の分量をもち出したのは,論理のすり替えだ。

 問題は特区の選定で,首相やその周辺が指示したり官僚が忖度したりして,行政の公正性がゆがめられたかどうかだ。選定の過程に関与していない加戸氏の記事が少ないのは当たりまえではないか。首相の言葉のはしばしに,加計問題を追いつづけるメディアへのいら立ちがにじんでいた。きっと,都議選で演説にヤジを飛ばしてきた人びとに思わず叫んだ「こんな人たち」と同じようにみていたのだろう。

 「胸を張って」いえますかという逆質問に,そんな本音が表われていた。あのとき,問い返すべきだった。「首相こそ,胸を張って質問に答えているのですか」と。(つぼいゆづる,政治社説担当)(引用終わり)

 この坪井ゆづるの安倍晋三との問答に対する「批判」は,前段に紹介した『郷原信郎が斬る』と同旨であり,異なる点はない。要は,安倍晋三という首相の「幼稚と傲慢」「暗愚と無知」「欺瞞と粗暴」でしかない内政・外交の基本姿勢が,恥ずかしげもなく堂々と吐露されている。

 もっとも,安倍晋三自身は「吐露している」という気持であるよりも,自分のいいたいことだけを〔ある意味では〕バカ正直に語っていたに過ぎない。ただし,安倍は自分の放っている言辞の,いったいどのあたりが「バカ」に正直になっているか,どうやら全然理解できていない。実はそこにこそ,本当のバカにできないほどにバカらしい〈彼の本性〉が潜んでいる。

 だが,かといって,こうしたバカさ加減をそのままバカだといって,バカにしただけで放置することはできない。なぜなら,なんといっても「こんな人」がこの国の首相である。迷惑千万どころか,冒頭の太赤字でも書いたように,危険がいっぱいである「傾国の魔男」なのである。

 いずれにせよ,安倍晋三が〔自分のオトモダチ以外の〕他者に対して露骨に嫌悪しつつ表現する態度・姿勢にうかがえるのは,「世襲3代目の政治家」のせいもあるのか,完璧なまでに常識を欠いた「不躾と無礼」である。それと同時にまた安倍は,国家最高権力者の立場からの「粗暴さ:権柄尽く」も,その政治力に悪用しつつ,いつも発揮させてもいる。彼の言動は,そうした自身に固有であるデタラメ精神をけっして隠そうとはせず,いつも剥き出しにしてきた。

 だから,本日〔10月20日〕に広告の出されていた『週刊現代』2017年11月4日号の見出しには,つぎのような宣伝文句も書かれていた。国民・市民・庶民たちは安倍晋三にはすっかり倦んでいる。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
『朝日新聞』2017年10月20日朝刊23面週刊現代11月4日号広告

 ⑤ 原発事故被災者にとって安倍晋三政権とはフェイクそのもの

 安倍晋三は,東電福島第1原発事故現場について,それも完全なるフェイク(虚偽)を語った。 “under  control” などといった「迷せりふ」を披露していた。けれども,原子力の「本物の使い手」(つまり魔法使いである悪魔自身)でなければ,けっして吐けないような奇説を安倍は口にしていた。

 本日の『朝日新聞』朝刊は社会面で,こういう見出しの記事を報じていた。

  「『復興進んだ』といわれても」,
  「被災地の暮らし,遠い再生  衆院選」,
  「『政治家,口だけ』嘆く住民」。

 この最後の見出しがつけられた段落からのみ,以下の引用しておく。

★「政治家,口だけ」嘆く住民 ★

 東京電力福島第1原発が立つ福島県双葉町と大熊町は,いまも全町避難が続いている。与党候補は国家プロジェクトの「福島イノベーション・コースト」構想を訴え,野党候補は避難者への継続支援を主張する。

 双葉町から避難する佐々木守綱さん(65歳)は町をパトロールする仕事に就いているが,自宅のなかはネズミにかじられ,庭はイノシシにほじくり返された。帰還の見通しは立たない。
石原伸晃金目でしょ発言画像
 「ショックだった。バカにしている」。今〔2017〕年4月,今村雅弘復興相(当時)が東日本大震災をめぐり,「東北でよかった」などと発言して辞任した。除染で出た汚染土を保管する「中間貯蔵施設」の用地交渉をめぐり,石原伸晃環境相(同)は2014年6月,「最後は金目(かねめ)でしょ」といい,被災者を傷つけた。
 出所)画像は,https://twitter.com/kentaro_s1980/status/478461081182949376

 佐々木さんは「政治家は口では『被災者に寄り添う』というが,自分のことしか考えていないのではないか」と話し,強調した。「イノシシが平然と歩いてんだ。草木で荒れた田んぼもみてほしい。被災地を本当にしっている候補を応援したい」。

 政治家の言葉の軽さを嘆く声は多い。民主党政権下で野田佳彦首相(同)は2011年末,「原発事故は収束に至った」と宣言し,反発を招いた。政権が代わって2013年9月,安倍首相は東京五輪の招致演説で原発の汚染水について,「状況はコントロールされている」と世界にアピールし,批判が相次いだ。

 大熊町から避難する木幡 仁さん(66歳)は「五輪なんてもってのほかだ」と憤る。「政府は町全域の除染にとり組もうとしない。これで復興ができるわけない」。

 第1原発から約15キロの距離にある同県南相馬市小高区。昨〔2016〕年7月に避難指示が解除され,「双葉屋旅館」を再開した小林友子さん(64歳)は「あらゆる復興政策が東京五輪に間に合わせるようなかたちで進められているようだ」と違和感を口にする。住民の多くは帰還できていない。「ハード面を焦って整備するのではなく,住民が安心して暮らしを続けていけること。それこそが真の復興だと思う」。(引用終わり)

 その結果,つぎのごとき経済事象が起きている。とりわけ,東電福島第1原発事故の被災者にとっては,マイナスにしかなりえない経済の動向である。

◆ 建設資材,相次ぎ値上がり 五輪や首都圏再開発で需要増 ◆
= nikkei.com 2017/9/3 0:00 =


 2020年の東京五輪開催や首都圏再開発工事の本格化を控え,鋼材や木材といった建設資材が値上がりしている。ビル建設に使うH形鋼は新日鉄住金が打ち出した値上げが半分近く浸透。内装用の合板は最大手セイホクグループが3%値上げする。建設コストの押し上げにつながりそうだ。

 新日鉄住金は,原料価格上昇や需要増を受けて2016年秋から段階的に値上げを発表。H形鋼の上げ幅(合計1トン2万5000円)のうち,流通市場で半分弱(8000~9000円)の価格転嫁が進み,H形鋼の流通価格は約15%上昇した。同社は自動車や家電に使う亜鉛めっき鋼板でも8月末に1トン2000~5000円の値上げを表明した。

 ビルやマンションの内装材に使う国産針葉樹合板は,セイホクが9月契約分から標準品(厚さ12ミリ)の出荷価格を1枚1030円と7カ月ぶりに30円(3%)引き上げる。原木の調達価格上昇分を転嫁する。流通市場では基礎工事に使う型枠用輸入合板が,7月から標準品で3%値上がりした。

 首都圏では生コンクリートの需要が拡大。流通価格は6月に約1年半ぶりに200円(1.5%)上昇した。原料となるセメント各社も東日本大震災の復興工事で需要が増えた2013年以来の値上げを検討している。
 註記)https://www.nikkei.com/article/DGXLASDJ31H1R_R30C17A8EA5000/

 アベノミクス(およびアベノポリティックス)の成果がはっきり出ている次元:要因があったとすれば,これらの領域における変化(物価値上げ)であって,庶民の生活にとってみれば直接・間接をとわず,単なる「マイナス要因」の出現にしかなっていない。この種の厚保化粧的なゴマカシ政治:ウソノミクスばかりが,成功裏に進行中である。

 ⑥ 日本共産党の選挙用ビラ(配達された新聞への折りこみ広告として)の紹介など

 つぎの画像資料は,本日〔10月20日〕配達された新聞朝刊のなかに入っていたチラシの1枚である。日本共産党がこのたびの選挙では,立憲民主党に対する候補者調整(とりさげ)をおこなっている関係もあって,国民・有権者たちに向かいこのようなチラシを配付している。なかでも,在日朝鮮人3世の辛 淑玉(신 숙옥,Shin Su-gok,しん・すご,日本名 新山節子:にいやま・せつこ,1959年1月16日)が登場している点が注目される。
2017年10月20日日本共産党ビラ2 (2)
2017年10月20日日本共産党ビラ2 (1)

 辛 淑玉は,人材育成コンサルタント,フリーライター,政治活動家で,のりこえねっと共同代表であると紹介されているが,この在日朝鮮人がこのように日本共産党の選挙用チラシに登場している姿は,日本人たちにとってどのような印象を与えるか,みものである。

 いつも定説のように解説してきた点であるが,辛のような在日はもともと「日本国の市民権」を有していた。ところが,敗戦後史における事情,より正確にいえば「日本政府当局」側の通達行政で,その旧日本国籍を剥奪するという国際法違反の不当な措置が恣意的に強行された。その結果,戦前・戦中から日本に居住してきた在日韓国・朝鮮人とその子孫たちから,その「国籍」をとりあげていた。

 このような歴史事情をも配慮に入れたうえで,この日本共産党の選挙用チラシをながめてみる余地がある。アホノミクスの命名者である浜 矩子も出ている。最近,著作の「内容説明」としては,「ぼくはいかにして天皇主義者になったのか。立憲デモクラシーとの共生を考える待望のウチダ流天皇論」と謳われている著作を公刊した内田 樹も登場している。共産党は天皇を否定しなくなったから,このチラシに内田も顔を出しているのか?

 それはともかくつぎに,本日『日本経済新聞』朝刊(25面)に出されていたやはり日本共産党の選挙用広告には,どのような人物が応援のために出ていたかも参照しておきたい。こちらには辛 淑玉はいない。どうしてか? こういった疑問をいだいてみたしだい……。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
『日本経済新聞』2017年10月20日朝刊25面共産党広告

 なお,今日(10月20日)は天皇の配偶者の誕生日である。また『朝日新聞』朝刊1面冒頭記事は,見出しは,こういうものであった。

  ※『天皇陛下退位,2019年3月末 即位・新元号,4月1日 政府最終調整』

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 【補 遺(※参考記事)2点】

 ※-1 「『北朝鮮拉致問題を政治利用するな!』 選挙で拉致被害者家族をフル活用する安倍首相に『救う会』元幹部が怒りの告発!」『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2017.10.20,
    ⇒ http://lite-ra.com/2017/10/post-3525.html

 ※-2 中村文則稿「『この選挙は決定的な岐路に』中村文則が警鐘『この選挙は日本の決定的な岐路になる』 このまま自公が圧勝すれば,安倍政権の横暴をすべて認めたことになってしまう」『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2017.10.19,
   ⇒ http://lite-ra.com/2017/10/post-3524.html


 【郷原信郎が怒りをこめて訴える安倍晋三のデタラメ政治,国家の私物化,つまり専制的独裁の基本姿勢】

 【10月22日衆議院解散総選挙は,よくよく考えて投票すべきだと郷原はいっている】



 ① 郷原信郎の怒り

 本ブログ筆者は,本日のノルマ(こちらのブログ『社会科学者の随想』を書く仕事)は果たしていたつもりであった。だが,その後に『郷原信郎が斬る』を読んでみて,これは紹介しておくべき価値があると感じた。他方で,天木直人は東京都第21区から衆議院解散総選挙に立候補していて,毎日どこかで街頭演説をしている。ところが,10月17・18日に,こういう不穏な動きがあったと報告していた。
 
◆ 立川駅での街頭演説取り止めについて ◆
=『天木直人のブログ』2017-10-19 =


 一昨日(17日)と昨日(18日),立川駅の街頭演説にさいし,同一人物の不審な選挙妨害にあいました。とくに昨日の街頭演説は身の危険を感じるものでした。明らかに意図的な選挙妨害です。私の街頭演説は,運転手を兼ねた側近と,2,3人のボランティアでおこなっており,演説時はまったくの1人でおこなうことがつねです。

 さすがに,これ以上立川駅で街頭演説を続けることは危険だと判断し,明日から品川駅の街頭演説は最終日までいっさいとりやめることにしました。残された選挙期間は団地などの場所を特定しない場所での街頭演説でおこなうことにしましたので,告知しないことをご了承ください。動画を配信して選挙活動を最後まで報告させていただきます。
 註記)http://kenpo9.com/archives/2714

 他方では,安倍晋三のように街頭演説で飛んで来るヤジが怖くて「ステルス戦闘機」並みに,神出鬼没かどうかしらぬが,日時と場所を予告してから街頭演説に出ることができなくなっている。しかも,屈強な多数の警備陣に護られて街頭(国民・市民たちの前)に出ているにもかかわらず,当人にはよほどヤジが応えているらしく,ひどく嫌がっていると伝えられている。
都議選安倍やめろ横断膜画像
出所)この画像に写っているのは「安倍やめろ!
の横断幕,2017年7月1日秋葉原駅前で,
http://www.sankei.com/politics/photos/170701/plt1707010048-p4.html
 それにくらべて天木直人の場合,危険性をじかに感じとって街頭演説の日時と場所を予告できなくなっていると報告していた。安倍晋三のほうでは,都議選での応援演説のさい受けたヤジなどに,たいそうへこんだ気分になっている様子があって,ヤジを飛ばすのは選挙妨害になるといきり立ってもいた。そのように反応するのであれば,まず天木直人の選挙運動に対する警備陣(所轄の警察署からの数名の派遣で十分である)を援助してあげたらどうか。

 安倍晋三は自分のことになると異様なまで神経質になれるものの,他者同業者の立場を慮ることはほとんできない「子ども的感覚の持主」である。

 ②『郷原信郎が斬る』2017年10月19日の紹介

 10月22日の衆議院解散総選挙を控えてなるべく多くの人たちにも,この郷原信郎の「安倍晋三批判」を読んでほしいと考え,以下に全文を引用しておく。ただし,文中に張られているリンクそのもの(【 】で囲んである文句)は無視(解消)してあるので,さらに興味のある人はじかにのぞいてもほしいと希望する。なお,小見出しには連番を振った。

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  ★ 本当に,「こんな首相」を信任して良いのか ★
= 投稿日: 2017年10月19日 投稿者: nobuogohara =
https://nobuogohara.com/2017/10/19/


 1)「緑のたぬき」の “化けの皮” が剥がれ,安倍自民圧勝の情勢

 衆議院選挙の投票日まであと3日,各紙の情勢予測では,「自民300議席に迫る勢い」と,安倍首相率いる自民党の圧勝が予想されている。しかし,世論調査で「安倍首相に首相を続けてほしくない」との回答が50%近くに上っており,また,内閣支持率は30%台に低下し,不支持率を下回っている。「自民圧勝」の情勢は,けっしして安倍首相が支持されているからではない。

 最大の原因は,衆議院解散直前に「希望の党」を設立し,みずから代表に就任した小池百合子東京都知事の “化けの皮” が剥がれたことにある。都議選圧勝で最高潮に達した小池氏の人気は,民進党リベラル派議員を「排除」するという小池氏自身の言葉や,音喜多都議と上田都議が「都民ファースト」から離脱し,閉鎖的で不透明な党の実態を暴露したことなどによって大きく低下した。さらに,「政権交代」をめざして国政政党を立ち上げたのに,代表の小池氏が衆院選に出馬せず,「希望の党」は首班指名候補すら示せないまま衆院選に突入したことで,小池氏への期待は失望に変わった。

 私は昨〔2016〕年11月以降,ブログ等で,小池都政を徹底批判してきた。都議選の直後には,【 “自民歴史的惨敗” の副産物「小池王国」の重大な危険-代表辞任は「都民への裏切り」】と小池氏を批判した。そういう意味では,「小池劇場」を舞台に,都民・国民に異常な人気を博してきた小池氏の実像が正しく認識されることじたいは,歓迎すべきことである。そして,小池氏に化かされ,「緑」に染まってしまった民進党系の前議員の多くが「希望の党」もろとも惨敗するのは自業自得だ。しかし,問題は,それが「自民党の圧勝」という選挙結果をもたらしてしまうことだ。

 【 “憲政史上最低・最悪の解散” をおこなおうとする「愚」】でも述べたように,今回の衆議院解散は,現時点で国民の審判を仰ぐ理由も「大義」もないのに,国会での森友・加計学園疑惑追及を回避するための党利党略でおこなわれたものであり,憲法が内閣に認めている解散権を大きく逸脱した「最低・最悪の解散」だ。

 疑惑隠しのため解散を強行した安倍首相への批判から,自民党が大きく議席を減らすことが予想されていたが,「希望の党」の結成,民進党の事実上の解党によって,野党は壊滅,その「希望の党」も化けの皮が剥がれて惨敗必至の状況となり,結局「最低・最悪の解散」をおこなった安倍首相が,選挙で圧勝して国民から「信任」を受けることになりかねない状況になっている。

 しかし,本当に,それでよいのであろうか。

 10月11日のテレビ朝日「報道ステーション」の党首討論での安倍首相の発言に関しては,【「籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」は, “首相失格の暴言” 】で,一国の首相として,いかにありえない暴言であるかを批判した。それに対しては,大きな反響があり,朝日・毎日・共同通信・週刊朝日などでもとりあげられたが,安倍首相の正確な発言内容が把握できたので,籠池氏の事件や解散に至る経緯も踏まえて安倍首相の発言内容を整理してみたところ,その発言の “恐るべき意図” が明らかになった。

 2)安倍首相発言の“恐るべき意図”

 安倍首相の発言は,後藤キャスターの「総理にお伺いしたいんですが,この森友・加計学園というのは,最高責任者としての結果責任が問われている。森友問題については,交渉経過を総理の指示によって検証する,そういうお考えはないのでしょうか。」との質問に対しておこなわれた。(以下で番号 ① ② ③ および下線は筆者〔郷原信郎〕)
   まず森友学園の問題なんですが,私が一回も,お目にかかっていないということは,これは,はっきりしています。私がいっさい指示していないということも明らかになっています。うちの妻が直接頼んでいないということも,これも明らかになっていると思います。

 あと,問題は,松井さんがいわれたように,① 籠池さんじたいが詐欺で逮捕され起訴されました。これは,まさにこれから司法の場に移っていくんだろうと思います。

 値段が適正だったかどうかも,財務省が,これは民間の方々から訴えられているわけでありますから,捜査当局が明らかにしていくんだろうなと思います。

 ② こういう詐欺を働く人物の作った学校で,妻が名誉校長を引き受けたことは,これはやっぱり問題があったと。③ やはり,こういう人だから騙されてしまったんだろうと……。
 この発言の第1の問題は,行政府の長であり,検察に対しても法務大臣を通して指揮監督をおこないうる立場にある首相が,検察が逮捕・起訴した事件に言及した上で(下線 ① ),「『こういう詐欺』を働く人物」と決めつける発言をした(下線 ② )ことだ。籠池氏は,検察に逮捕され身柄拘束中だが,取調べに対して完全黙秘しており,公判で弁解・主張をおこなって公正な審理を受けようとしている。このような被告人の起訴事実について,一国の総理大臣が,「詐欺を働く人物」と決めつけることは,「推定無罪の原則」を首相みずからが破るものであり,絶対に許されない

 第2に,安倍首相は,森友・加計学園問題について「丁寧な説明」をすると繰り返し述べながら,野党に国会召集を要求されても応じず,臨時国会の冒頭解散によって国会での説明の場をみずから失わせた。そして,国会に代わって,森友・加計問題についての「説明の場」となったテレビの党首討論の場で,安倍首相がおこなった「説明」が,「籠池氏は詐欺を働く人物であり(下線 ② ),そういう人物だから妻の昭恵氏が騙されて(名誉校長になった)(下線 ③ )」というものだった。

 そして,安倍首相が森友学園問題について,上記の「説明」をおこなうことが可能になったのは,まさに検察が籠池氏を詐欺罪で逮捕・起訴したからだ。

 検察の逮捕・起訴に関しては,籠池氏自身が逮捕前から「国策捜査」だと批判し,マスコミ等からもそのような指摘が相次いだ。その逮捕事実が,告発事実の補助金適正化法違反ではなく詐欺であったことは,従来の検察実務の常識に反する(【検察はなぜ “常識外れの籠池夫妻逮捕” に至ったのか】【検察は,籠池氏を詐欺で起訴してはならない】。また,大阪府からの補助金の不正受給も,通常は「行政指導」の対象であり,刑事事件でとりあげるような問題ではない。

 検察が「常識的な判断」をおこなっていれば,安倍首相が,上記のような「森友学園問題についての説明」をおこなうことはできなかった。籠池氏に対する検察の逮捕・起訴は,法務大臣を通じて検察を指揮しうる(あるいいは「検察から忖度される」)立場にある安倍首相自身を利するものだった。安倍首相の発言は,そのことをみずから認めるものなのである。

 一国の首相が推定無罪の原則を無視する発言をおこなったことだけでも,「首相失格」であることは明らかだが,それ以上に問題なのは,その「籠池氏が詐欺を働くような人物だから妻が騙された」という,森友学園問題に対する「説明」は,検察の籠池氏逮捕・起訴によって初めて可能になったということだ。安倍首相の発言は,検察の国策捜査をみずから認めたに等しいのである。

 3)刑事司法が政治権力のための道具として悪用される恐れ

 安倍首相と籠池氏は,もともと敵対関係にあったわけではない。少なくとも,森友学園問題が国会で追及されるまでは,安倍首相の妻昭恵氏は籠池夫妻と親密な関係にあり,安倍首相自身も,国会答弁で「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」と述べていた(2月17日衆院予算委員会)。
森友学園安倍昭恵あいさつ画像
   出所)http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/ec25b5c56a3130264bf0c3b424794752
 ところが,籠池氏が,森友学園の小学校設置認可申請をとり下げた後,3月16日に「安倍首相から100万円の寄付を受けていた」との発言をおこなった時点以降,自民党は「安倍首相を侮辱した」として籠池氏を証人喚問,3月29日には,大阪地検が籠池氏に対する補助金適正化法違反の告発を受理したと大々的に報じられ,7月28日,国会が閉会し安倍首相の記者会見が終了した直後に強制捜査着手,そして,7月31日に,籠池氏夫妻が逮捕され,さらに大阪府等からの補助金不正受給について再逮捕。籠池氏は,詐欺の犯罪者として処罰される方向で事態が進行していった。

 そして,今回の安倍首相の発言があり,行政府の長である首相が籠池氏が逮捕・起訴された事実に関して「詐欺を働く人物」と明言したことで,少なくとも検察は今後,籠池氏側・弁護人側からいかなる主張がなされようと,首相の意向に反して「籠池氏の詐欺」を否定する対応をとることは困難になるそして,有罪率99.9%と,検察の判断がほぼそのまま司法判断となる日本の刑事司法においては,結局のところ「籠池氏の詐欺」が否定される余地は事実上なくなるのだ。

 今回の安倍首相発言が容認されれば,今後の日本では,首相に敵対する側にまわった人間を,籠池氏と同様に刑事事件で逮捕・起訴することで,「犯罪者」として「口封じ」をすることが可能とな『朝日新聞』2017年7月6日朝刊「こんな人たち」安倍発言る。まさに,刑事司法が権力の道具になってしまいかねない。このような発言を,公共の電波による党首討論で堂々とおこなった首相が,選挙で国民の信任を受けるなどということは,絶対にあってはならない。

 4)「こんな首相」を信任してよいのか
 今〔2017〕年7月都議選での街頭演説で安倍首相は,「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫び,国民からの強い反発を受けた。今回の選挙に関しては,本記事で述べた,党首討論での安倍首相発言がいかなる意図によるもので,いかなる意味をもつものかを,あらためて認識したうえで,「こんな首相」を本当に信任してもよいのかということを真剣に考えていただきたい。

 ③ 郷原信郎のいいたい点

 一言でいえば,司法の世界までも私物化している安倍晋三の傲岸不遜な「首相としての専制・独裁的な思考方式」が,森友学園の小学校新設申請「問題」などの真相が明らかになればただちに「みずから政治生命を絶たれること必至である」事情のなかで,強権的に推進されている。
小池百合子画像9
出所)https://www.youtube.com/watch?v=LG2Y3CacQMQ

 「緑のたぬき」こと,「希望の党」の代表だという東京都知事の小池百合子がいままで国政に与えてきた激動は,まことに罪深い。安倍晋三「1強〔凶・狂〕」政治に手を貸す結果を生んだのである。聞くところによると,衆議院解散総選挙の投票日をはさんだ日程(10月21~25日),小池はフランス・パリに主張する予定が組まれているという。

 その点については,小池側近の若狭 勝衆院議員の新党構想を警戒する安倍晋三首相サイドが,小池氏の出張日程も考慮して10月22日投開票で衆院解散のスケジュールを練ったとの憶測も流れていた。それにしても小池は,安倍のデタラメ政治に対して「第5列」の役目を,遺憾なく遂行中である。「希望の党」がどれほど議員数を当選させようがさせまいが,野党勢力をわざわざ拙速にも分断させるという大愚を犯した。

 ④ 衆議院解散総選挙に関するツイート関連の情報

   「立憲民主・共産,自民に迫る(ツイッターでは)」(nikkei.com  2017/10/19 11:37)

 〔10月〕22日投開票の衆院選で,ツイッター上の話題では第1党の自民党に,立憲民主党と共産党が迫る勢いとなっている。日本中でツイッターに投稿されたすべてのつぶやきから党名に触れたものをみると,自民党が20万超,共産党も20万近辺。2つの老舗政党に対し,結党間もない立憲民主党が一気に追い上げ,共産党との2位争いを演じている。
 註記)https://www.nikkei.com/article/DGXZZO22436280Z11C17A0000000/?n_cid=NMAIL004
( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
com2017年10月19日各党ツイッター数比較
出所)https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/shuin2017-tweet/

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 【あの元TBS記者とこの日本国首相との抱合としての「ビューティ・ペア(ダーティ・カップル?)」の実在,そして,嘘八百なども平気の平左でまくしたてていれば,それが事実になるかのように強説・詭弁できる,この2人による「虚偽の空想的な言説」の大々的な展開】

 【「フェイク的な記者」と「ポスト・トゥルース的な首相」とが,幸わせ的に野合できている〈虚偽の意識〉でもって,ご都合的にデッチあげられた「韓国軍慰安婦問題」】

 【『戦場と性の問題』はもっと真剣に「歴史の事実」を追究して論じるべき歴史問題】

 【フェイク記事「ベトナム派遣の韓国軍に慰安婦」を創作:捏造した,山口敬之みずから起こしていた「レイプ事件騒動」については,国家体制側がこの山口に手を貸して助けることで,相手=被害者(伊藤詩織)からの訴えをかわしつつあった】

山口敬之の安倍晋三礼賛図書画像
出所)https://www.dailyshincho.jp/article/2017/10181701/?photo=1

 【だが,伊藤側が著書『ブラック・ボックス』を公刊(2017年10月18日発売)したことによって,日本社会のなかで関心を再度巻き起こされれば窮地に追いこまれる】



 ①「文春スクープ『韓国軍に慰安婦』記事に捏造疑惑 山口敬之のもう一つの“罪”」(『YAHOO! JAPAN ニュース』10/18(水) 17:01配信,https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171018-00531654-shincho-soci『総合ニュースサイトデイリー新潮(週刊新潮 × 新潮45)』)

 a) 伊藤詩織さん(28歳)によってレイプ行為を告発された山口敬之・元TBSワシントン支局長(51歳)。その山口氏が保守派の論客として頭角を現わすきっかけとなった『週刊文春』の記事に,捏造疑惑が浮上した。
『週刊文春』2015年4月2日号山口敬之記事
 件(くだん)の記事は(上掲の画像参照),TBS時代の山口氏が『週刊文春』2015年4月2日号に寄稿した「〈歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!  米機密公文書が暴く朴 槿恵の“急所”〉。“ベトナム戦争当時,韓国軍が南ベトナム各地で慰安所を経営していた」である註記)

 その記事は,慰安婦問題における韓国の加害者としての側面を取り上げたものだ。山口氏はアメリカ政府の公文書に当たったほか,関係者への取材をし,慰安所の存在や韓国軍の蛮行を裏付ける証言をえた,としている。
 註記)山口敬之が書いたその記事は,たとえば,つぎに紹介されている。「歴史的スクープ! 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた」『Brain erasing head -備忘録代わりのコピペ保存ブログです。』2017年1月30日,http://blog.livedoor.jp/slowinfastout/archives/8797898.html このブロガーの書き方は,いかにも安倍晋三・山口敬之寄りであり,こちらの「味方です」という筆致・論調を漂わせていた。

 b) 一読すれば,なんの綻びもないように映るこの “スクープ” 記事は,大宅壮一ノンフィクション賞の候補作にもなった。だが実態は,嘘や勘違い,そして捏造が絡みあったシロモノだったのだ。たとえば,山口氏が問題の根拠として記事でとりあげた米国の公文書に「慰安所」や「慰安婦」という単語はない。売春宿として利用された施設の存在を示す記述はあっても,それが韓国兵専用であったとは読みとれないのだ。

 また,当初TBSでの放送を狙っていた山口氏を中心とする取材班が接触した,ベトナム従軍経験者であるアンドリュー・フィンレイソン元大佐(73歳)の証言にも問題が。記事の中で山口氏は「サイゴンをはじめ南ベトナム各地を転戦。 (中略)  韓国軍の実情に詳しかった」とその経歴を紹介しているが,『週刊新潮』」の取材にフィンレイソン氏自身はこう答える。
  「そんなことは一度もいっていません。私はサイゴンでは戦闘に参加しておらず,現地をよくしっているわけではない。韓国軍海兵隊と過ごしたのもわずか2時間だったと思います」。この応答だけで,インタビューにふさわしくない相手だというのがよく分かる。
 また,山口氏は「米軍司令官が指摘している韓国の慰安所とは,韓国軍の兵士に奉仕するための大きな性的施設です。韓国兵士にセックスを提供するための施設です。それ以外の何ものでもありません」とフィンレイソン氏に “断言” させているが,「私は取材時に慰安所(Comfort  Station)という言葉を使っていない。そういう用語が出ていたならば,発言に気を付けていたでしょう」(同)。(『週刊新潮』のみ,画面 クリックで 拡大・可 ↓  )
週刊新潮2017年10月16日号目次吊り広告
山口敬之左遷記事

 c) 伝聞にもとづいた推測を取材で答えただけのフィンレイソン氏が,記事では “慰安所の証言者” に仕立てあげられてしまっているというのだ。
  「私は取材の最中になんどもいいました。自分は,このことについて,自分の目や耳でたしかめた情報をもっているわけではないということを。だから彼のやり方にはとても失望している。プロのジャーナリストがするとは想定外です」(同)。
 取材では,山口氏の記事に “安倍総理の援護” を狙った虚報発信の可能性があることも明らかに。10月19日発売の『週刊新潮』にて,本件を詳しく検証した特集記事を掲載する。フィンレイソン氏へのインタビュー動画は19日公開予定。
 付記)以上は『週刊新潮』2017年10月26日号掲載の記事。

 ② 有田芳生のツイート

  “有田芳生@aritayoshifu” が,こうつぶやいていた(午後 0:35 · 2017年10月18日)。

 --朝日新聞に大きな広告が掲載されました。文藝春秋の本気で「売ろう」とする意思が現われています。発売前,初刷り部数に加えて2万部増刷したと聞いています。山口敬之元TBS記者による所業のおぞましさ。性犯罪への対応でも日本が後進国であることを明らかにする優れたノンフィクションです。
 補注)これは分かりにくい点があるつぶやきであるが,これは,伊藤詩織『ブラック・ボックス』(2017年10月18日,文藝春秋発売)の広告が,同日の『朝日新聞』朝刊3面に出たことを指している(すぐ下にかかげておく)。本ブログでは昨日(同日)にくわしい記述をした問題であった。
『朝日新聞』2017年10月18日朝刊3面伊藤詩織広告
 ところが,『文藝春秋』2015年4月2日号に山口敬之が寄稿した「〈歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた!  米機密公文書が暴く朴 槿恵の急所〉。ベトナム戦争当時,韓国軍が南ベトナム各地で慰安所を経営していた」という記事はデタラメだったというのが,本ブログ内でいまとりあげ議論している問題であった。

 以上,山口敬之が『文藝春秋』に寄稿した記事が捏造の疑いがもたれるとしたら,前段までに記述されていた諸点の《相互の関係》は,それではいったい「どうなっている」か(?)と,かなり考えあぐねるほかなくなる。頭の中身がグラグラと揺すられる感じさえもさせられる。


 〔有田芳生のツイートに戻る→〕 山口敬之元TBS記者の所業のおぞましさ。公開された詳細なメールは「権力」そのものの居直りです。さらに警察,病院,ホットラインの無神経さにも唖然とさせられます。発売前に増刷が決まったそうです。多くの読者をえて,現実を変える世論にしましょう。 (link: https://twitter.com/aritayoshifu/status/919898459959836672) twitter.com/aritayoshifu/s…
 註記)https://mobile.twitter.com/aritayoshifu/status/920493396560453637

 ③ 山口敬之の過去など

 1)山口敬之の下半身問題
  こういう記事があったが,いまではほぼ全文が削除されている。「山口敬之氏に準強姦報道 TBS時代は社内不倫の噂も?」『ライブドアニュース』(2017-05-31 12:27)である。現在でもまだ削除されずに読める「冒頭の部分」を,ともかく引用する。
   警察の下半身 “忖度” はあったのか。元TBSワシントン支局長でジャーナリストの山口敬之氏(51歳)に「昏睡レイプされた」と主張するジャーナリストの詩織さん(28歳=実名だが,姓は非公表〔いまは公表されている,「伊藤」姓〕)が〔5月〕29日,都内で異例の “顔出し会見” をおこなった。

 詩織さんは「(同氏が)不起訴なのは納得がいかない」と検察審査会に不服を申し立てた。山口氏は安倍晋三首相(62歳)に近いフリー記者のために,捜査の過程で「何らかの忖度が働いた……。(以下の段落は,削除されているので「後略」状態となる)
 註記)http://ceron.jp/url/news.livedoor.com/article/detail/13135820/
 そこで,関連する記事を検索してみるとたとえば,いまから5ヶ月前に記述されていた,つぎの見出しの記事がみつかる。なお,① の記事も『週刊新潮』の報道であった。

 2)「安倍政権御用達・乳首レイパー山口敬之,嘘発見器もかけられた !?    “逮捕揉み消し” を裏付ける情報が次々暴露,泥沼不倫のゲスすぎる顛末も…!」(『TOCANA』2017.05.16)

   先日,『週刊新潮』(2017年5月18日号)が「被害女性が告発!『警視庁刑事部長』が握り潰した『安倍総理』ベッタリ記者の『準強姦逮捕状』」による衝撃スクープ」を発表。その闇があまりにも深いことはトカナ(『TOCANA』)でもすでにお伝えしたが,ザッと概要をまとめよう。

 『週刊新潮』によると,安倍政権のスーパーヨイショ御用記者である元TBS社員山口敬之が,2015年に海外でジャーナリスト活動を展開する27歳女性(事件当時大学生)を避妊具も付けずに,乳首から血が滲むほどレイプしたと被害女性が暴露。その年の6月には「準強姦」の逮捕状が発付されたのだが,あわや逮捕寸前という時に急展開, “逮捕取りやめ” が警視庁幹部の判断により下された。

 記事では,そこに “圧力や揉み消し” の存在があったことを臭わせている。本サイト「トカナ」はそれにくわえて独自ルートから入手した情報を公開。山口氏が過去にTBS局員Aさんと社内不倫をし,戸籍謄本まで偽造して女性を騙していた件を掲載。激怒した不倫相手の女性が,その怒りをTBSドラマに丸々ぶつけていたことを伝えた。

 そしていま,さらなる追加情報が入ってきたのでお伝えしよう。『週刊新潮』も報じたとおり,この事件の捜査に動いていたのは高輪署だった。署は,6月に逮捕状を出し,そして山口氏が米国から帰国する8日,成田空港で逮捕執行のため捜査員が待ち構えたのだが,その直前,上層部からストップがかかった。決裁したのは警視庁の中村 格刑事部長(当時)。所轄が扱う準強姦事件に,警視庁刑事部長が介入するのは異例中の異例とされている。

 「私が聞いた話によると,その後高輪署で捜査を担当していた刑事が別の所轄に異動させられたそうです。春と秋が通常の異動なのに対し,イレギュラーな時期だったことから,これまでの捜査資料もすべて高輪署に置いていかなければならないので, “この件について,なにも捜査させないための異動だった” とみる人も少なくなかったようです」(事情通)。

 「それだけではありません。高輪署は,当然山口の逮捕後に自宅のガサ入れやポリグラフ検査(通称・嘘発見器による検査)をするはずだったのですが,中村刑事部長は『起訴に耐えない捜査』として異例介入。中村部長指揮事件として本部の捜査一課に,自宅のガサ入れとポリグラフを指示。所轄に “裏付け捜査” をさせずに事件を握り潰した可能性が囁かれています」(同)。
山口敬之・中村格・伊藤詩織画像
出所)山口敬之・伊藤詩織・中村 格,
http://blog.livedoor.jp/matrix_zero1/archives/2115341.html

 つまり,山口氏の準強姦容疑での逮捕をめぐって,異例づくしの展開があったということだ。「また,中村元刑事部長は『週刊新潮』の取材に対して,忖度や圧力を否定していますが,中村部長と山口氏は親しかったと聞いています」(同)。中村元刑事部長は,第2次安倍政権発足時に菅 義偉官房長官の秘書官をつとめたほど,政府から信頼をえている警察官僚である。しかも,山口氏とも面識があるとなれば,忖度や圧力の否定も説得力に欠ける。

 さらに,別の事情通は山口氏に関してこう語る。「TBS局員のAさんと付きあうために,戸籍謄本を偽造したのはもちろん,その後,婚姻届まで出しにいったと聞いています。もちろん弾かれて不倫がバレたわけですが,いったいなぜすぐにバレる嘘をついたのか……山口さんはクレイジーとしかいいようがありませんね」。

 2017年5月10日,山口氏は『週刊新潮』のスキャンダル〔記事の報道〕を受けて「フェイスブック」で反論〔していた〕。フェイスブック上の知人に,「私の見解と対処方針をしっかりお伝えしたいと考えています」と記したうえで,「私は法に触れることはいっさいしていない」と断言した。
山口敬之と安倍昭恵画像
出所)http://www.asyura2.com/17/senkyo225/msg/822.html

 しかし,この投稿に対して,安倍昭恵夫人が即座に「いいね!」ボタンを押したことで,山口氏の説得力は泡と消える。 “安倍政権との癒着” がまさにこの「いいね!」で証明されてしまったからである。もっとも信頼し,身を捧げてきた身内からまさかのブーメランを喰らった山口氏。同レベルの人間が集まり,おたがいの傷を舐めて揉み消しあっているのが安倍政権なのかもしれない。
 註記)http://tocana.jp/2017/05/post_13227_entry.html
    http://tocana.jp/2017/05/post_13227_entry_2.html

 3)山口敬之の準強姦〔レイプ行為〕のための手口
 このあたりからの記述は,以前の記憶がある人であれば一度は読んだことのある「山口敬之マター(準強姦事件)」に関する筋書きの描写となる。しかし,ここまでの記述をあらためて「今日の時点」において受けとめ,その「安倍晋三一族郎党・夜郎自大政権」の本質を再考する材料にしておきたい。

 10月22日には衆議院解散総選挙の投票日が来る。いまのところの予想ではまた,自民党が大勝ちしそうな様相である。このまま,日本の政治がアベ流の「幼稚と傲慢」「暗愚と無知」「欺瞞と粗暴」の内政・外交が継続されていくとしたら,ますますトンデモな国家体制に突きすすんでいき,近いうちには絶壁から落ちてしまうハメにもなりかねない。
  ★-1 アベノミクス(アホノミクス)が破綻し,ハイパー・インフレーションが起こされてしまうかもしれない。
 
  ★-2 アベノポリティックス(アベノクライシス)のせいで,日本の政治体制が完全に非民主政の国家になってしまい,戦前・戦中よりも重症のファッショ体制になるかもしれない。  
 さて,つぎに引用するのは「安倍首相のお友達ジャーナリスト山口敬之への『忖度』捜査はあったか!?」(『J-CAST ニュース』2017/5/11 17:23)の,該当する段落である。長めの引用となる。2)で言及した諸点をさらに詳細に説明している。アベがこの国を私物化している現状,その政治(内政・外交)を考えるうえで,とても示唆に富む内容である。
 
   ※ 元TBS記者でフジテレビ常連コメンテーターの山口敬之

 さて,今週〔2017年5月は7日が日曜日になっていて,11日は木曜日だった〕の国内の話題は,フジテレビといっていいかもしれない。視聴率低迷で社長が交代したが,長年フジを牛耳ってきた日枝会長も退任し,取締役相談役になる。
   週刊新潮2017年5月18日号目次吊り広告
    註記)『週刊新潮』2017年5月18日号目次(吊り広告)。
      (画面 クリックで 拡大・可)
 それとは直接関係ないが,フジの朝の顔「とくダネ!」に出ている菊川 怜(39歳)が発表した結婚相手に「婚外子が3人」(『週刊文春』)いると『週刊新潮』も報じ,その「とくダネ!」にこのところコメンテーターの常連だった,元TBSのジャーナリスト・山口敬之に「準強姦逮捕状」が出ていたと『週刊新潮』が報じているのだ。泣き面に蜂とはこのことか。

 a) まずは山口ケースからいこう。週刊新潮によれば1990年にTBS入社。報道カメラマン,臨時プノンペン支局,社会部などを経て2000年から政治部所属。2013年からワシントン支局長,2016年5月にある出来事があってTBSを退社している 註記)。山口のウリは,『総理』という本を出していることでもわかるように,安倍や菅官房長官と親しい,官邸内の極秘情報をとれるというものだ。
 註記)この退社の件(原因など)は冒頭に論じていた。

   先日もここで書いたが,一連の森友学園問題でも,安倍と昭恵の代理人ではないかと思うほど向こう側にベッタリ発言ばかりなのだ。フジサンケイグループという背景もあるのだろう,官邸御用達の記者である。もう1人の時事通信の某氏なども,その口だろうと思っているが,それはさておいて,この山口センセイ,あろうことか海外でジャーナリスト活動をしている27歳の女性から,レイプされたと訴えられていたというのである。
 補注)「時事通信の某氏」とは,周知のとおり「田崎史郎・時事通信特別解説委員」。ネット界の通称は,ハッシュタグ付きで「# 田崎スシロー」と指称(愛称?)されている。この人は,いわゆる「安倍晋三君の寿司友」である点では,その領域では第1人者である。

 彼女はニューヨークの大学でジャーナリズムと写真を専攻していた。山口と出会ったのは2013年の秋ごろ。報道の仕事をしたいというとTBSのニューヨーク支局長に会わせてくれてランチを3人でしたというのだから,山口が支局長になる寸前のことか。

 その後,彼女は帰国してロイターでインターンとして働き,就活するなかで,2015年の3月に山口にメールをすると,しばらくこちらで仕事をしてもらいながら,その後正式に採用するということなら,自分が決済できるというような内容の返事があった。

   そして「ヤボ用で一時帰国することになった。空いてる夜ある?」というメールが来て,東京・恵比寿で会う約束をしたのが4月3日。そのころ,山口は『週刊文春』に寄稿したが,それをTBSが問題にし,支局長の任を解かれ結局,退社することになるが,その辺は省く。

   2人だけで焼き鳥屋に入り,串焼き5本と瓶ビール2本をシェア,グラスのワインを彼女は飲んだという。そこを出て,もう1軒付きあってといわれ,寿司屋へ入る。そこで「あなたのいい評判を聞いている。一緒に働きたいと思っている」と山口がいってくれた。だが,それまで頭がクリアだった彼女が2度目にトイレにいったところでクラクラとして,給水タンクに頭をもたせかけて休んだきり,記憶がなくなったというのだ。

 彼女が覚えているかぎりでは,その店では刺身と日本酒2合をシェアしただけ。彼女は左党で,2人でワインのボトルを3本あけても平気なのに,あれぐらいの酒で記憶をなくすわけはないと話す。「私は,薬(デートレイプドラッグ)を入れられたんだと思っています。身体に痛みを感じて目覚めた時,あの人が身体の上に乗っている状態でした」。

 b) 失礼だが,ここまではよくある男と女の話だと読んでいたが,さすが報道の仕事をやりたいといっていた彼女だけに,その日2人を乗せたタクシーの運転手をみつけ出し,証言させているのだ。
  「その女性のことならよく覚えています。後部座席の奥側に彼女が座らされていたのですが,男性は彼女に “もっといい仕事を紹介する” と話していました。女性はなんどか “駅の近くで降ろしてください” と訴えたのですが,男性が “何もしないから。ホテルにいって” と。 (中略)  到着しても彼女はなかなか降りようとしませんでした。けれど最終的には彼女は体ごと抱えられて,座席から降ろされたのです」。
 それが午後11時22分。彼女が痛みを感じて意識が戻ったのは早朝5時ごろ。裸にされ相手が自分にまたがっているので,抵抗してトイレに逃げこんだという。そのさい,避妊具をしていない相手の陰茎をみたそうだ。逃げようとしたがすごい勢いでベッドに顔と身体を押さえつけられた。激しく抵抗して2度目のレイプはやっと逃れた。

 彼女は,仕事をいっしょにしようという話だったのに,なぜこんなことをするのか。しかもコンドームを着けずに。妊娠も病気だってあるのにというと,山口は謝り,好きになってしまったからいっしょにこのままワシントンへいこう。途中でピルを買おうといったそうだ。

 だが,捜査当局へいったところでもみ消されるのではないか,ジャーナリストとして仕事ができなくなるのではと悩み,警察にいくまでに5日を要したという。高輪署の警部補に面会したが,型どおりこういうことはよくある話なのでむずかしいといわれた。だが,ホテルのエントランスとロビーについた監視カメラの画像を確認してもらうなどしたところ,「警部補の方も徐々に捜査に積極的になっていきました」(彼女)。

 c) 警視庁刑事部長が逮捕をやめさせた。そこからタクシーを特定し,ホテルのベルボーイの証言などを積み上げ,当夜,パソコンで撮られているかもしれないという彼女の訴えに,証拠隠滅・逃亡の可能性もあるからと,「準強姦」の逮捕状が発布されたという。

 彼女が連絡をもらったのが6月4日。そして山口が異動のために帰国する6月8日,担当の警部補とその上司を含めた複数の警察官が逮捕しようと成田空港で立ち構えているところに,「山口逮捕はとりやめ!」という上層部からの連絡が入ったというのである。

 TBSの記者を逮捕するのは大事だと本部の広報課長がとらえ,刑事部長・警視総監に話が届き,なかでも菅〔義偉〕の秘書官として辣腕をふるっていた中村 格(刑事部長・当時)が隠ぺいしたのではないかという「可能性がとりざたされてきました」(事件をよ中村格画像くしる警視庁担当記者)。
 出所)画像は中村 格だけを再掲,http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/b54ce74f2ead0974b625912286de7aba

 中村は週刊新潮の取材に対して,「事件の中身として(逮捕は必要ないと)私が決済した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います」と,中止させたことは認めている。刑事部長が口をはさむことに関しては,鹿児島県警本部長などを歴任した小野次郎前参院議員は,準強姦罪事件の逮捕は管轄の署長の判断でおこなわれるものだから,そうしたケースは異例だと話している。

 山口は週刊新潮の取材に,彼女に飲酒を強要したことはないし,薬をみたことも触ったこともない。彼女が酔っていて,自力で帰れるか心配だったので,やむなく宿泊施設へ来てもらったと話す。あとは,いっさい法に触れることはしていないし,任意の調査には全面的に協力した。安倍をはじめとする官邸には相談していない。だが,コンドームを着けないで性行為をしたことに対する彼女のメールに,自分は「精子の活動が著しく低調だという病気です」という弁明をしていた。精子が働かないから,妊娠はしないということか。

 彼女は検察審査会に不服の申し立て 註記)をするつもりだという。山口は自身のフェイスブックで「6月8日の帰国段階で私は,当該案件について逮捕状はおろか,被害届が出されていることも内偵調査がおこなわれていることもまったくしりませんでした。出ているかどうかしりもしない逮捕状を握りつぶすためになにかアクションを起こすことは誰にもできません」と反論している。
 註記)この不服の申し立ては,事後,却下されていた。

 だが『週刊新潮』によれば,警視庁担当記者はその段階でしっていたようだ。山口は,いっさい法に触れることはしていないといっているが,酔った女性をホテルに無理やり連れこみ,彼女の自覚がないのをいいことに,防具なしで無理やりセックスするというのは,安倍首相のお友達ジャーナリストとしては褒められた行為ではない。官邸もそのことぐらいは分かるはずだ。
 註記)https://www.j-cast.com/tv/2017/05/11297684.html?p=all

 4)む す
 こんな・あんな事件というか,日本の政治社会を「忖度」だらけにした安倍晋三専制・独裁的政権のせいで,奇妙というか,いまや救いようのないような非民主政治的な出来事が,それはもうたくさん発生させられている。

 おまけに,この首相の女房(昭恵)までがしゃしゃり出てきては,たいそうな「忖度の対象」になって,それもいい気で振るまってもいる。彼女の女王様ぶり(核心はお嬢ちゃまでしかないのだが)は,ボンボン首相(晋三)が披露してきた国家の凶相ぶりに負けずに発揚させられている。

 現在のように「安倍1強〔狂・凶〕」の国家体制だからこそ,以上のような諸事件がポンポン発生している,と受けとめるほかない。「忖度」などといった「高尚風の漢字の表現」が使用されているけれども,いまの日本におけるその実態は「アベの,アベのための,アベによる」国家全体主義政治(ファッショ体制化)が,より深刻にもなって加速中である点を教えているに過ぎない。

 その病状はどんどん重篤になっている。この異常事態を軌道修正させ,直せるのは,国民たち:有権者である。

  山口敬之表紙  安倍晋三パロディ版山口敬之表紙加工
   出所)右側画像はパロディ版,https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=135978

安倍晋三画像国難は私だ
出所)https://tr.twipple.jp/h/fb/0b/国難x演説.html

安倍晋三こそ国難画像
自民党改憲草案問題点画像
出所)以上2点,https://twitter.com/hashtag/安倍は止めろ

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 【準強姦事件で刑事訴訟されると思っていた山口敬之(安倍晋三の腰巾着の記者的ライター)が,なぜか救済されてしまい,事件化がならなかった事情・経緯を,みずから告発した伊藤詩織】

 【「安倍晋三のオトモダチ」ばかりがのさばる,この日本国の政治・社会の薄暗さ,その不当・不正ぶり】

『朝日新聞』2017年10月18日朝刊3面伊藤詩織広告
( ↑  画面 クリックで 拡大・可,
        小さい文字もはっきり判読できる)
=『朝日新聞』2017年10月18日朝刊3面 =

 ①『文藝春秋 BOOKS』の宣伝

 本日〔2017年10月18日〕の朝刊に,この本の大きな広告が出ていた。伊藤詩織『Black Box』(2017年10月18日発売,¥1400-。本文 256頁,四六判 軽装 並製カバー装)である。この「作品紹介」は,つぎのように説明されている。もちろん出版社の宣伝文句である。
   尊敬していた人物からの,思いもよらない行為。しかし,その事実を証明するには--密室,社会の受け入れ態勢,差し止められた逮捕状。

 あらゆるところに “ブラックボックス” があった。司法がこれを裁けないなら,なにかを変えなければならない。レイプ被害にあったジャーナリストが,みずから被害者をとり巻く現状に迫る,圧倒的ノンフィクション。
       伊藤詩織表紙
 「この本を読んで,あなたにも想像してほしい。いつ,どこで,私に起こったことが,あなたに,あるいはあなたの大切な人に降りかかってくるか,だれにも予測はできないのだ。」(「はじめに」より)

 ※ 著者紹介 ※  伊藤詩織(いとう・しおり)は1989年生まれ,ジャーナリスト。フリーランスで,エコノミスト,アルジャジーラ,ロイターなど主に海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信する。
     伊藤詩織画像6
      出所)http://nomad1973.com/shiori-3971
 以上,商品情報の関連からこの新著を,それも出版元の宣伝文句どおりに紹介してみた。
 註記)http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163907826

 本ブログ筆者が記述したきた〈関連の話〉を,先に紹介しておく。以前,伊藤詩織は当初,この「伊藤・詩織」の氏名のうち「詩織」だけを名のっていた。だが,ネット上ではすぐにみつかる「姓の『伊藤』」であった。そこで,この姓も出して言及したところ,ともかく,その時点ではまだ「伊藤」という姓は伏せた状態で彼女が話題になっていたせいか,これに早速「苦情(イチャモン)」を突きつけていた〔多分〕女性がいた。

 しかし,いまとなっては,彼女が姓を出す出さないといった次元の問題を突き抜けた「事件性の話題」にまで成長している。つまり,彼女の身の上に関して,それも安倍晋三までが裏舞台で絡んでいるような出来事,いいかえれば,司法界における「安倍晋三への忖度」の問題としてまで増殖していた。この基本点は「周知の事実である」とまで理解できるはずである。

 本日〔2017年10月18日〕午前5時45分現在ですでに,本書に対する「アマゾンのブックレビュー」が1件投稿されている。「トップカスタマーレビュー 1件のみ」がそれであるが,「5つ星のうち4.0」の評価を付けて,「安倍政権の司法私物化極まれり!」(投稿者マーメ 2017年10月17日)という表題のもと,こう述べている。
   安倍政権は,司法まで私物化していた! 戦慄を覚える。参院選直前でなければ,山口は逮捕されていただろうに。そろそろ国民は,安倍政権の闇に鉄槌を下すべきだ。詩織さんはじめ,多くの被害者の人権が,正当に守られる国になって欲しい。
 註記)https://www.amazon.co.jp/dp/4163907823?tag=bunshun_online-22
 ② この「準強姦」事件に関連する経緯・事情など

 山口敬之という「伊藤詩織に対する準強姦事件」を起こしたけれども不起訴になっていた人物は,『総理』というゴマすり本を2016年6月に幻冬舎から公刊していた。伊藤に対する事件が発生した経緯・事情は,つぎのようにまとめられている。
  山口敬之表紙  安倍晋三パロディ版山口敬之表紙加工
   出所)右側画像はパロディ版,https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=135978
     

 次段に参照するブログの記述は,ネトウヨ的な興味津々という視点も含んでいて,とくに後半は「これはいただけない」という印象を回避できない箇所になっている。そちらははぶき,参照する価値のありそうな前半の記述のみを参照しておく。

◆「【山口敬之氏レイプ事件】『伊藤詩織さんの黒い噂』
の答え合わせして,真実を見極めようじゃないか」◆

=『Not Quick a Nine -日々の気になることを,
独断と偏見で綴る,バカ親父ブログです』2017-06-01)=


 a) 海外でジャーナリストをしているとされる伊藤詩織さんという女性が,元TBSワシントン支局長の山口敬之氏にレイプされ,逮捕状発行されたものの,なぜか逮捕されず不起訴処分になったことに納得ができないと訴えるべく,記者会見を開いた。
           事件のあらまし(時系列)※

     2013年秋    伊藤詩織さんはフリージャーナリストで,当時ワシントン支局長の山口敬之氏51歳とニューヨークでしりあう。

     2015年3月   詩織さんが仕事を探しているという趣旨のメールをする。

     2015年4月3日 就職相談のため山口敬之と2人で食事へ。午後8時ごろ,二人で恵比寿の串焼き屋に入店。午後9時20分ごろ,2件目のお店,すし屋に移動,このすし屋のトイレで意識を失う。

     2015年4月4日 午前5時ごろ痛みで目覚めると,性的被害を受けていたと気づく。

     2015年4月9日 (謎の空白期間である5日後)東京の原宿署に被害届を提出。

     2015年4月15日 捜査員とシェラトン都ホテルで防犯カメラの映像を一緒にいるところを確認。(詩織さん談)

     2015年4月30日 高輪署で告訴状受理。
     2015年6月    証拠がそろい,逮捕状が発行される。

     2015年6月4日  山口敬之が日本に帰国するタイミングで「成田空港で逮捕する」という連絡が入り,ドイツからの帰国を要請される。

     2015年6月8日  捜査員から,「空港まではいったが上からの指示で逮捕できなかった」と連絡が入る。

     2015年8月26日 山口敬之の自宅に捜査員が訪れ捜査,書類送検。

     2015年10月   詩織さんが担当検事と面会。
     2016年1月    山口敬之が担当検事と面会。
     2016年6月    詩織さんが担当検事と2度目の面会。
     2016年7月22日 山口敬之の不起訴処分が下される。

     2017年5月29日 詩織さんが記者会見を開き,東京検察審査会に不服申し立て。
 b) 山口敬之(やまぐち・のりゆき,1966年5月4日,51歳・既婚,子どもあり。下掲の画像では右側の男性)は東京都生まれ,職業はジャーナリスト〔2016年~〕,元TBS記者。学歴は筑波大学附属高校,慶應大学経済学部卒業,1990年にTBSに入社。1993年にロンドン支局に特派員として赴任し,世界各地で紛争や内戦の現地取材などをおこない,帰国後は政治部の記者などを担当。
伊藤詩織と山口敬之画像
出所)http://blog.livedoor.jp/fu55/archives/8881035.html

 2013年ワシントン支局長に就任後,ベトナム戦争時に韓国軍慰安所があったことを指摘する記事を『週刊文春』に掲載したことがきっかけで,結果的に支局長の任を解かれ,その後2016年にTBSを自主退社し,フリーのジャーナリストとして活動をおこなっていた。最近では,各報道番組やワイドナショーなどにも出演していた。著書には『総理』などもあり,きわめて安倍政権寄りの発言が多いことでも有名である。

 c) 伊藤詩織さんとは。ここで参照しているブログ(『Not Quick a Nine -日々の気になることを,独断と偏見で綴る,バカ親父ブログです』)の記述は,変な通路にも進入しつつ言及しているので,十分に注意しながらとりあげる。

 まずこういっている。Wikipedia などには情報がみつからないため,Web 上からいろいろと集めたといって書いている。

 名前:伊藤詩織(いとう・しおり,28歳)は,米国の大学に留学(ジャーナリズム専攻)し,職業はジャーナリスト(元ロイター通信の記者),写真家,ドキュメンタリー映像作家。どれもこれも綺麗な写真がたくさんで,魅力的な構図だし色合いも綺麗だし,写真家としては素晴らしい腕前だと思います。

 ところが,これにつづくこのブログの記述がまずい。ネトウヨ的な関心まる出しにこうもいっている。「名字は伊藤ではなく尹なのでは」? 当初会見では詩織という名前だけを公表されていて,性は未公表ということになっていました。〔だが〕ネット民の間ではすぐに伊藤姓が判明。
 補注)「尹」というのは韓国〔など〕の姓であるが,なにゆえ,ただちにこちらのほうに話題を直結させるかのような言及に飛躍するのか,不思議である。仮りに,伊藤詩織が万一「在日であった」としても,「今回の問題」の議論に直接に影響する要因とはなりえない。もともと,ありもせず・なかったとしかいいようがないその問題要因である。したがってここでは,ネトウヨ的に軽い(きわめて軽薄な)言及をしていたと批判しておかねばならない。

 さらに,記者会見で「共謀罪の審議をやめる必要がある」などと,変に政治色の強いことをいい出し,なにか様子がおかしくなってきます。
 補注)このブログの筆者は,この共謀罪の問題がどのような政治的な本質を有する問題なのか,たいして理解が進んでいなかったかのような口調である。伊藤詩織がジャーナリストであることを指摘するだけで,この疑問(批判の提示)の正当性が諒解できるはずである。

 さらにこうもいっている。「当弁護士が民進党議員・松尾明弘氏の部下と判明し」「追い打ちをかけるように,辛 淑玉,SEALDs,しばき隊が一斉に『共謀罪より刑法改正! 詩織と共に戦う』とツイートを始め,一気にそっち系一色に染まります。

  “そっち系の人たち” が勢揃いしたところで,「伊藤」ではなくて「尹」なのでは(?)という憶測があっという間に飛びかい,ツイッターでは早速 「#尹詩織」などのタグまで付けられて,大炎上という状況。

 まぁ,話があまりにもできすぎていて,レイプ事件始まりだったことをすっかりと忘れてしまうが,実際に詩織さんが尹という性かどうか(?)を決定づける証拠は,いまのところみつかっていません。

 たしかに,彼女の周辺にはそっち系が多いですし,インスタや公式サイトには,SEALDs の写真があったり,ロイターに SEALDs に関する記事を書いていたりと,とても臭う部分は多いが,そうと決めつけるにはまた早いのでは(?)という気がする。みなさん,確信がもてないことはくれぐれも拡散しないように注意しよう!
 註記)http://notquicka9.hatenablog.com/entry/yamaguchi-mondai

 この最後の段落はまともな主張をしているようには聞こえない。ネット空間において頻繁に登場するごとき,それも「憶測と想像」にもっぱら頼った与太話のたぐいであって,まともな健全性を最低でも維持できた論及にはなっていない。こうした次元の議論を足場に話をしているところからして,かなり盲目的ないいぶんである点を回避できていない。

 要は,在日系の人間・集団などにかかわる問題だと想定されると,なぜか突如,準強姦事件のその被害者に対してすら,単なる「在日探しの標的」になってしまい,問題が矮小化されている。この日本社会における不治の痼疾だといっていいほどに,ネトウヨ「公論(?)」の迷走ぶりがめだっている。いつもの,たいそうみあきた・聞きあきた現象ではあるけれども,もっと常識をもって「語る」必要があることを忠告してみたい。

 ②「暴行被害を訴えた詩織さんが,手記を書いた理由-伊藤 詩織」(『文春オンライン』2017年10月17日 07:00)

 この記事はあくまで出版元の宣伝用に書かれている。この点をしかと踏まえて読む余地があることを,さきに断わっておきたい。

伊藤詩織画像文春オンライン20171017 レイプ被害を受けたと会見で訴えたジャーナリスト伊藤詩織さんが,手記『Black Box』を上梓した。詩織さんは2015年,ホテルで意識のない状態で性的暴行を受けたとし,準強姦容疑で警視庁に被害届を提出。

 ところが,東京地検は嫌疑不十分でこの件を不起訴と判断した。詩織さんは2017年5月29日に司法記者クラブで会見し,検察審査会への申し立てを公表したが,9月21日,検察審査会もこれを「不起訴相当」と議決。現在は真相究明などを求め,9月28日付で東京地裁に民事訴訟を起こしている。

 「被害者A」ではなく実名のファーストネームで会見した詩織さんは,本書で “伊藤” という苗字も明かした。広く社会で議論する必要性を感じ,自身がしるすべてを明かした本書より,「はじめに」の一部を以下に公開する。

 --2017年5月29日,私は司法記者クラブで記者会見を開いた。私が被害を受けたレイプ事件が検察の判断によって不起訴処分となったため,検察審査会に申し立てしたことを報告する会見だった。被害にあってから,実に2年以上の月日が経っていた。会見で初めて,この件についてしったという人が多かったかもしれない。しかしこの2年間,私は警察や弁護士事務所,報道関係者の前で,なんど同じ話を繰り返したことだろうか。

 レイプという言葉を聞いて人が思い浮かべるのは,おそらくみしらぬ人から突然夜道で襲われるような事件ではないだろうか。しかし,内閣府の2014年の調査によれば,実際にまったくしらない人から無理やり性交されたというケースは11.1パーセント。多くは顔見しりから被害を受けるケースなのだ。警察に相談にいく被害者は全体の4.3パーセントにしか及ばず,そのうちの半数は,みしらぬ相手からの被害だ。
 補注)最近における関連の調査報告書は,内閣府男女共同参画局『男女間における暴力に関する調査報告書〈概要版〉』平成27〔2015〕年3月,http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/h26danjokan-gaiyo.pdf

 顔みしりの相手から被害を受けた場合は,警察にいくことすら難しいことがわかる。そしてもし犯行時,被害者に意識がなかったら,いまの日本の法制度では,事件を起訴するには高いハードルがある。私のケースがそうだったように。生きていると,本当にいろいろなことがある。想像もしていなかったこと,テレビのなかの話,遠い誰かの身に起こった話だと思っていたようなことが。

 私はジャーナリストを志した。アメリカの大学でジャーナリズムと写真を学び,2015年の帰国後は,ロイターのインターンとして働き始めた。そんな矢先,人生を変えられるような出来事があったのだ。これまでおよそ60ヶ国の国々を歩き,コロンビアのゲリラやペルーのコカイン・ジャングルを取材したこともある。こうした話を人にすると,「ずいぶん危ない目に遭ったでしょう」と訊かれる。

 しかし,こうした辺境の国々での滞在や取材で,実際に危険な目に遭ったことはなかった。私の身に本当の危険が降りかかってきたのは,アジアのなかでも安全な国として名高い母国,日本でだった。そして,その後に起こった出来事は,私をさらに打ちのめした。病院もホットラインも警察も,私を救ってくれる場所にはならなかった。

 自分がこのような社会でなにもしらずに生きてきたことに,私は心底驚いた。性暴力は,誰にも経験して欲しくない恐怖と痛みを人にもたらす。そしてそれは長いあいだ,その人を苦しめる。なぜ,私がレイプされたのか? そこに明確な答えはない。私はなんども自分を責めた。ただ,これは起こったことなのだ。残念ながら,起こったことは誰にも変えることができない。

 しかし,その経験は無駄ではなかったと思いたい。私も,自分の身に起きて初めて,この苦しみをしったのだ。この想像もしていなかった出来事に対し,どう対処すればいいのか,最初はまったく分からなかった。

 しかし,いまならなにが必要なのか分かる。そしてこれを実現するには,性暴力に関する社会的,法的システムを,同時に変えなければいけない。そのためにはまず第一に,被害についてオープンに話せる社会にしたい。私自身のため,そして大好きな妹や友人,将来の子ども,そのほか顔も名前も知らない大勢の人たちのために。

 私自身が恥や怒りをもっていたら,なにも変えることはできないだろう。だから,この本には率直に,なにを考え,なにを変えなければならないかを,書きしるしたいと思う。

 「どう起こらないようにするか」。繰り返すが,私が本当に話したいのは,「起こったこと」そのものではない。「起こってしまった場合,どうしたら助けをうることができるのか」という未来の話である。それを話すために,あえて「過去に起こったこと」を話しているだけなのだ。

 この本を読んで,あなたにも想像してほしい。いつ,どこで,私に起こったことが,あなたに,あるいはあなたの大切な人に降りかかってくるか,誰にも予測はできないのだ。

 ③ レイプ被害を受けた女性の立場や気持

  ② で伊藤詩織が訴えている感情と論理は,女性がレイプ(強姦:性的暴行)を受けたさい,一般的に共有しているものであった。つぎに引用する事例は,アメリカにおける事件を紹介した記事である。

 題名は『レイプ事件被害者の「その後」は?  女性がネットで告白,スタンフォード大学レイプ事件の被害者に宛てて,ある女性がSNSで “手紙” を公開​」である( By Gina Mei『COSMOPOLITAN』2016年09月21日,http://www.cosmopolitan-jp.com/trends/lifestyle/news/a2193/rape-survivor-open-letter-stanford-sexual-assault-victim/)。1年ほど前の記事である。なお,引用する翻訳は抄訳である。

 2016年6月,アメリカの名門スタンフォード大学の元学生で,同大学の水泳チームに属していたブロック・ターナー被告に性的暴行の罪で “禁固6カ月” がいい渡された。彼は(2015年1月,酒に酔って)意識のない女子学生を,大学構内にある大型ごみ箱の裏でレイプした罪に問われていた。
スタンフォード大学敷地
出所)スタンフォード大学のキャンパス,
https://tabitatsu.jp/tour/1196

 だが,あまりにも寛大すぎるこの判決に人びとは激怒。そんななか,『BuzzFeed News』に被害女性の陳述書が公開されたことで,大きな反響を呼んだ。

 多くの人が被害者に向けてサポートの声を挙げるなか,同じく過去にレイプ被害を経験したデラニー・ヘンダーソンさん(21歳)が Facebook に公開した,スタンフォード大レイプ事件被害者へのメッセージを,コスモポリタン・アメリカ版が紹介。デラニーさんはそのなかで,レイプの恐ろしさや社会に蔓延するレイプ問題の現実についても触れている。

 「私には,あなたの戸惑いや不快感がわかります」という文で始まる彼女のメッセージ。「あなたが怖がっていることも,あなたの怒りも私には理解できます。それに,この感情は誰にも拭い去ることはできない,と思ってしまうこともね」。

 デラニーさんは,自分が16歳のときに自宅のベッドで金持ちの上級生たちにレイプされたことを告白。彼女は当初,レイプされた事実を自分の胸にしまっておこうとしたそう。しかしそれから数カ月後,犯人が自分たちと同じ学校の女の子(14歳)をレイプしたことをしり,その女の子と一緒に警察で被害を訴えたのだ。

 ところが,デラニーさんと14歳の女の子がその後数カ月にわたって受けたのは,屈辱や嫌がらせ,そしていじめだった。デラニーさんがレイプされたという事実は多くの人のしるところとなり,彼女の友人たちでさえ,デラニーさんと距離を置くようになったという。

 レイプされた事実だけでもショックなのに,さらにひどいことばかりが続き,耐えられなくなったデラニーさんは高校を中退。自分の人生を模索しはじめた。そうしてやっと落ち着いたとき,自分のレイプ被害体験を公にすることを決意したのだが,事態は悪化するばかりだった。

 今回のスタンフォード大学のレイプ被害者と同じく,デラニーさんは加害者の前で証言しなければいけないことのつらさをしっているという。そして,加害者に正当な判決が下されなかったときのショックについても…。
  「私をレイプした犯人のうちの1人は,別の女の子への暴行で起訴され,私も証言しなければなりませんでした。法廷で,自分が必死に耐えている痛みや後遺症を与えた張本人と顔を突きあわせるとどんな気持になるか,私には分かります」。

 「彼があなたのなかに入りこみ,すべてを奪い去ったのですから。嫌悪感で体がゾクッとすることも。自分自身を守ろうとしたことにより,他人からひどいことをいわれ,自分の評判が地に落ちることも。あなたの証言を判断する赤の他人12人(陪審員)の前に立ち,ほとんど記憶がない出来事について証言するときの気持も痛いほど理解できます」。
 デラニーさんはまた,自分が受けたレイプ被害を通報することで,被害者自身が経験しなければならない悲劇についても告白。司法制度は自分を守ってくれず,それに追い打ちをかけるように,レイプという憎むべき犯罪に対する罰も十分でなかったと感じたそうだ。
  「あなたの痛みが私にもわかることを伝えたくて,これを書いています。しらない人があなたを押さえつけ,あなたの体をガラクタ扱いするときの気持。あなたが戸惑うのも理解できるし,誰かと親しくなるのを恐れて,周囲の人と距離をとってしまうことも。病院の診察室で,医者が金属製の冷たい器具であなたの体を覗きこむのがどんな感じなのかも,理解できます。私の体は腫れていたし,痛みもあった。痛みはその後もときおり感じました」。

 「学校も,司法制度も被害者である自分を救ってはくれないと感じますよね。あなたの加害者と同じく,私をレイプした人たちも,驚くほど軽い罰で済んでいます。あなたをレイプした人があまりにも寛大な判決をいい渡されたことは,本当に不公平です。レイプ犯はあまりにも多くのものを私たちから奪いました。それなのに,私たちがこれからも毎日感じつづける痛みにふさわしい “正義” は存在しないのです」。
 レイプというつらい経験をしたのち,デラニーさんは性暴力の被害者を支援する非営利団体 PAVE の活動や,自分自身で “SafeBAE” という団体を立ち上げることで,再び生きる力をつけていったそう。とはいえ,どれほど行動を起こしたとしても, “他人から暴行を受けた” という事実から前に踏み出すのは至難の業。そのため,デラニーさんは今回のスタンフォード大学の被害者の行動が,いまなお前に進めず苦しむ多くのレイプ被害者の支えになったと賞賛。
  「あなたはけっして独りではない,ってことを伝えたいです。あなたがいま,どんな状況にいるか私にもわかります。同じ道を歩いているからです。あなたは私だけでなく,世の中の多くのレイプ被害者を励ましているんです」。 (中略)

 「 あなたの毅然とした態度や発言は,素晴らしいと思います。そうしたあなたの行動が,希望を失っていた多くのレイプ被害者を力づけていることをしってほしいです。あなたはすでに,その力強い発言で多くの被害者を救い,暗闇にいる私たちみんなを明るい未来へと導く存在になっているのですから」。
  日本における伊藤詩織のレイプ〔準強姦〕事件,そしてアメリカおけるこのレイプ事件にも,一般的に共通する社会心理的および犯罪心理学的な問題が存在している。この事実は,追加の説明などなしですぐに理解できると思う。つぎの ④ からの記述はより公平・中立をめざしている記事の紹介となる。

 ④「〈あの人のことば〉『私は,被害者Aではない。伊藤詩織です』元TBS記者のレイプ疑惑を顔出しで公表した理由-『被害者の女性にも悪いところがある』〔といったふうな〕性暴力への偏見は根強い(『HUFFPOST』2017年10月17日 07時29分 JST,更新 16時間前)

 a) ジャーナリストの伊藤詩織さんが10月18日,著書『Black Box』(ブラックボックス)(文藝春秋)を出版する。就職相談のため元TBS記者の男性と食事をした夜に「お酒などを飲まされて,望まない性交渉をされた」と記者会見で訴えてからおよそ5ヶ月。
伊藤詩織表紙2
 世の中に向かって声を出したのに,メディアや警察を始め司法がきちんと受け止めてくれなかったこと。そして,性犯罪の被害者に “冷たい” 社会のこと。日本の現状を256頁のノンフィクションとして描いた。

 「被害者の女性にも悪いところがある」「黙っていた方が,被害者にとってハッピーだ」。性暴力への偏見は根強い。

 伊藤さんは『ハフポスト日本版』の取材にフルネームを公表したうえで,「私は泣きつづける『被害者A』ではなく,伊藤詩織というひとりの人間だ。性暴力の実態のリアルな声をあげて,この問題を社会全体で考えるきっかけにしたかった」と話した。以下で対談からの引用部分では「聞き手が◆,伊藤詩織が◇」である。

  ◆ 本を出版しようと思ったきっかけは?

  ◇ 事件直後から,いろいろ々なメディアの方とお話をしてきましたが,不起訴(嫌疑が不十分で裁判にならない)という結果になったこともあり,なかなかとりあっていただけませんでした。そんな時,メンターとして慕っているジャーナリストから,「最終的には,自分で発信するしかない。本を書くしかない」といわれました。いわれた時はもう少し先のこととしか考えていなかったです。
 補注)メンター(mentor)とは「仕事上(または人生)の指導者,助言者の意味」。恩師といえば分かりやすいかもしれない。

 私が会見をしたあと,2017年6月に性犯罪の厳罰化をめざす改正刑法が成立しました。法律は変わりましたが,警察の捜査システムや病院の受け入れ方を一緒に変えないと意味がないと思っていました。
 補注)その「性犯罪の厳罰化をめざす改正刑法」については長くなるが,つぎの引用をしておく。問題の根本を理解するうえで有益な参照だと考えた。
  「『性犯罪厳罰化』の刑法改正案が衆院で可決,親告罪規定を削除,110年ぶりの大幅改正」(ロイター 2017年06月08日,引用は『東洋経済 ONLINE』http://toyokeizai.net/articles/-/175409)

 性犯罪を厳罰化する刑法改正案が〔6月〕8日,衆院本会議で可決された。法定刑の下限が引き上げられ,被害者の告訴がなくても起訴できるようにするなど,明治時代の法制定以来,110年ぶりの大幅改定となる。参院に送付され,政府・与党は18日の会期末までの成立をめざすが,参院では組織犯罪処罰法改正案(共謀罪法案)をめぐり与野党が対立しており,審議入りが遅れる可能性がある。
 補記)その改正刑法は2017年6月23日公布,7月13日施行。

 改正案は,
  1)強姦罪を「強制性交等罪」とあらため,被害者に男性も含める,
  2)法定刑の下限を懲役3年から懲役5年に引き上げる,
  3)被害者の告訴が必要な親告罪の規定を削除し,告訴を不要とするなどが柱。

 また,犯罪の成立にはこれまでどおり暴行や脅迫が必要だが,改正案では,親などの「監護者」が,支配的な立場を利用して18歳未満の子どもと性交したり,わいせつ行為を行った場合,暴行や脅迫がなくても成立する,としている。

 内閣府の調査(2014年)によると,異性から無理やり性交された経験があった女性のうち,被害について「どこ(だれ)にも相談しなかった」人は67.5%と7割近い。一方,警察に相談した人は4.3%にとどまる。法改正を求めてきた市民団体は「被害者が訴えにくいのは,暴行脅迫要件などの,性犯罪と認定されるハードルがあまりにも高いから」と指摘している。

 改正案が衆院法務委員会で可決された〔6月〕7日,同委員会終了後に「性暴力と刑法を考える当事者の会」など市民団体のメンバー約20人が金田勝年法相と面会し,インターネットで集めた約3万人分の署名と,さらなる法改正を求める要望書を手渡した。

 この問題に詳しい太田啓子弁護士は,今回の法改正案について「必要だし,するべきだが遅すぎた」としている。ロイターの取材に同氏は「改正すべき内容の一部に過ぎないため,今後もさらなる改正について議論が必要」と語った。

 具体的には,暴行脅迫要件の撤廃が「監護者」にとどまっている点を指摘,教育現場で教師やスポーツのコーチによる犯罪が非常に多く,これらがカバーされない点が問題だとしている。

太田氏は,審議手続についても,先に提出された刑法改正案を共謀罪法案より先に審議すべきだったのに,共謀罪法案成立のために刑法改正案の審議を「いわば人質にとって」共謀罪審議を早く終わらせようとしたと批判している。
 〔 ④ の本文記事に戻る ↓  〕
 そんな時,編集の方に「詩織さんが会見をしたことで少し扉が開いた状態なのだから,いまだったらみんなが話を聞いてくれる。あなたの一番言いたいことを伝えられるタイミングなんだ」と声をかけられ,本の執筆を決心しました。

 元TBS記者は準強姦容疑で告訴されたが,東京地検は2016年7月,嫌疑不十分で不起訴処分(裁判にならない)とした。東京第六検察審査会は「不起訴相当」とする議決(捜査資料をもう一度精査したが,不起訴を覆す理由がないという判断)を公表し,元TBS記者は「一連の経過で犯罪行為を認定されたことは一度もなく,今回でこの案件は完全に終結した。一部報道などで名誉が著しく傷つけられ,法的措置も検討している」とした(2017年9月23日付『朝日新聞』)。
 補注) 2017年9月22日時点における,以下のようなツイートの2件を紹介しておく。
  「兵藤正俊」いわく。--官邸お抱えレイピスト山口敬之の「準強姦」もみ消し事件で,東京第六検察審査会は,「不起訴相当」とする議決を公表。日本の司法は中世なので,権力が一度もみ消した事件は起訴しない。日本の三権分立は幻想で,内閣人事局が司法の人事も握っている。
 補注中の補注)「レイピスト」とは多分,rapist という綴りの英語である。               

 「山口二郎」いわく。--元TBS記者は「不起訴相当」「性犯罪被害」で検審。総選挙への影響を忖度したのかと疑いたくなるような決定。権力者の腰巾着であれば,どんな破廉恥なことをしても罰せられないのか。

 註記)http://saigaijyouhou.com/blog-entry-18358.html
 b) 伊藤さんは,元TBS記者の男性ジャーナリスト(51歳)に1000万円の損害賠償を求める訴訟を9月28日,東京地裁に起こした。

 ◆ タイトルの「ブラックボックス」にこめられた意図は?

  ◇ 検察や警察の方から,今回の事件は「(性行為がおこなわれたのは)密室だから2人にしかわからない」「ブラックボックスだ」という言葉がなんども出てきたんですね。だからこそ,性犯罪はみえづらいし,被害者の話を信じてもらえない面があります。
伊藤詩織2
出所)http://saigaijyouhou.com/blog-entry-18358.html
( ↑  画面 クリックで 拡大・可)

 今回の事件について「不起訴相当」という結果が出たところも,「いったいなにを踏まえて(その判断をしたのか)」という思いがありました。日本のいたるところにあるブラックボックスに,どう光を当てるのか。外からは,わからないといわれているさまざまな「箱」を開けて,みんなで話し合って,考えていきたいと思いました。

 ◆ 日本では,性犯罪被害は「忘れるまでそっとしておこう」といった風潮がありますが,社会として会話を続けることが大事だと思いますか。

  ◇ 日本の社会では,性暴力のトピックを話すことがタブーになっていると感じたので,雰囲気だけでも変えたかった。話さなければなにも分からないし,変えられない。

 ◆ 本では,「自分は,名前も顔もない『被害者A』ではない。過労死に追いこまれた電通社員の高橋まつりさんも実名が出たから『世の中を変えた』」と書かれていますね。

  ◇ 警察の捜査中,「泣いてくれないと被害が伝わらない」「怒ってくれないと分からない」というステレオタイプ的な被害者像を求められている,と感じました。性犯罪の被害者は「傷ついて泣きつづけているだけの人」というイメージがあるようですが,そこから一歩でも抜け出すために自分の名前を出しました。

 ◆ 2017年5月に東京の司法記者クラブで,今回の件について,記者会見をしたとき,(首筋がみえるぐらいの)私の服装を批判する人がいました。「白いシャツを首まで閉めて,泣いていたらみんな信じたのに」という声です。

  ◇ すごく怖いと思ったんです。そういう姿でないと,「話も聞いてもらえないのか」と。

 ◆ 被害者の顔がみえないのが,日本社会なのでしょうか。

  ◇ 性犯罪に限らず,日本でも近年,被害者のご家族がメディアに向けて会見をする機会がいくつかみられようになりましたが,そういう時に初めて「あ,この人の家族だったんだ」と分かる。名前があって顔があって楽しそうな写真があって,単なる「かわいそうな人」ではなくて,その人の人生が伝わりますよね。

  “被害者Aさん” では伝わらない。隠す必要はまったくない。名前と顔を出すことはなにの抵抗もありませんでした。しかし会見では,家族の意向もあり,「伊藤」という名字は伏せて,下の名前の「詩織」と名乗りました。私は海外では SHIORI といつも下の名前で呼ばれてましたし,自然なことでもありました。

 ◆ 会見後,友人や家族の反応は?

  ◇ 友人は「よくがんばったね」といってくれたのですが,一方,「いろんな声があるけどね」という留保の言葉がいつも付いてきました。世の中にはネガティブな声があることは,そうした表現から感じとれましたね。

 ◆ 家族も大変だったと思います。

  ◇ 家族は......。すごく混乱したと思います。妹とは,本にも書いていますが,まだ話ができていないです。すごく大切な妹だったので,友達にお願いして妹の支援をしてもらっています。妹などの若い世代はインターネットのメディアに触れるから,ネガティブな情報も一番多く見聞きしてしまったんだろうなと思います。

 やっぱり,家族が一番不安に思っていたのは,私や家族の将来のことです。でも,なぜこちら側がそんな心配をしなければいけないのか,理解できなかった。

 なぜこの話をするか。自分のためでも,家族のためでもあり,友人のためでもあるんです。いつどこで誰に起こるかはわからないことだから,一刻も早く社会全体で話し合って考えて変えていかなくてはいかない,と最初からずっと考えていました。

 c)「疑問」この見出しは引用者が設定した)
 ◆ 日本の刑事手続について,どのような疑問が浮かび上がりましたか?

  ◇ 最初から警察は「こういう性犯罪はよくある。(立件が難しいから)できない」といっていました。最初聞いた時は「え? 」という感じですね。私が担当の方に「どうして?」「どうして?」と聞きつづけると,「検察官からこういわれたから。自分も板挟みだ」としかいわないんです。

 日本の司法システムを考えると,日本はとても有罪率が高いですよね。立件できない,起訴ができないと現場の人が考えてしまうと動かなくなる。捜査機関の仕事は “捕まえること” も大事ですが,本来の仕事は “調べること” ですよね。司法の問題がそのまま反映されているものだと当初から感じていました。

 捜査員の方と話していると「はき違えているな」と思うことがありました。「被害者が嘘をいっているか見抜かなきゃいけない」という思いが過度に強すぎるのか,被害者になんどもなんども同じ話を聞くんです。もちろん両方の立場から調べないといけませんが,嘘をついているとするなら,そうだと思った証拠や根拠をまずはみつけるべきです。最初から同じ話をなんどもなんどもさせるのも,苦しかったです。

 ◆ 痴漢など冤罪も問題になっています。被害者が嘘をついていると疑いながら警察が捜査をする必要もあるのではないでしょうか。

  ◇ 冤罪の問題はたしかに重要です。しかし痴漢の場合は公共の場でおこなわれることが多いので,被害者や加害者を疑うのなら,第三者の証言・カメラの映像など根拠となるものを示す必要があると思います。

 d)「操作への疑問」(同上)
 ◆ 著書では『週刊新潮』の報道などをもとに,「警視庁の刑事部長の判断によって,逮捕状の執行が突然止められた」という指摘をされています。

  ◇ 不自然な点があり,どうして捜査を止めたのかが分からない。今回,この本を出すため,(元刑事部長には)取材をなんどが試みましたが,まだお話をうかがえていません。

 〔山口敬之の〕逮捕までいかなかった理由を聞かないと,どうしても「恣意的なことだったんですか?」と聞きたくなってしまうし,もし過去にそういう事例があるのであれば,どういった事例だったのかを教えてもらわないかぎり,私の質問は終わらないです。

 そういう質問をしているメディアもあるようですが,警察側は答えないのでしょうか。だったら「答えないのはなぜ?」って聞いていかないと。「あ,そうですか」ではだめです。機会があれば質問を投げかけてほしいと思いますし,私も調べつづけたい。答えを待っています。

 ◆ 性犯罪の場合,加害者の “いいわけ” としてよく使われるのが「セックスが,同意のうえだと思っていた」というセリフです。はっきりと「イエス」といったわけではないのに,身勝手な主張をするケースが多い。

  ◇「イエス」じゃなかったら,イエスじゃないんです。「ノーではないからイエス」ではありません。「イヤよ,イヤよも好きのうち」という言葉が日本語にありますが,誰の目線の言葉なのでしょうか。驚いてしまいます。

 改正後の「強制性交等罪」では,依然として「暴行・脅迫要件」が緩和されませんでした。でも,被害者側がどれだけ暴行や脅迫をされたのかを証明するのは本当に難しいですよね。スウェーデンのある関係機関の研究では,被害者の約7割が,フリーズ(放心)状態になってしまう,という結果も出ています。

 たとえ相手が自分との性行為を望んでいると感じても,そうではないこともあるかもしれない。そういう勘違いは,きちんと相手のことを考えていたら起きないことだと思います。とても難しい問題に思われるかもしれませんが,実はシンプルなこと。相手が性行為を本当は嫌がってないか,大丈夫か,気をかけることだけでも性犯罪は防げるのではないでしょうか。

 NHKの番組「あさイチ」のアンケートで,「性行為の同意があったと思われても仕方がないと思うもの」という質問に対して,「2人きりで飲酒」「2人きりで車に乗る」「露出の多い服装」などと答えた人がおよそ2~3割いました。こうした行為をするだけで犯罪にあっても「仕方がない」という風潮にとても驚きました。

 ◆ 内閣府の2015年の調査では,女性の6.5%が異性から無理やり性交された経験があると回答し,そのうち少なくとも,75%近くが加害者の顔をしっていたそうです。今回,元TBS記者も詩織さんの知人でした。

  ◇ それくらい普通に起こることなんだ,ということを認識するのが必要だなと思っています。いくら友達でも,いくら信頼していても,起こりうることです。自分が暴力的な行為を受けとってしまったら,受けた方は絶対にわかるんです。それを基準にしていけばいい。

 ◆ 詩織さんのケースを特殊なことだとは思いません。女性の友人に聞いても,上司から飲みに誘われたり,プライベートな LINE が来たりする話を聞きます。日本企業の仕事文化も変えないといけないのでしょうか。

  ◇「あさイチ」のアンケートが正しければ,怖くてアフターファイブを過ごせないですよね。仕事後の食事は,どうしても会社員として参加しなくてはいけないというプレッシャーがありますが,どれだけリスクを負って参加しないといけないのか,とも思います。

 ◆ 今日の日本社会で,詩織さんが,実名で被害があったと告白することはとても勇気が必要だったはずです。あらためて,どう思っていますか?

  ◇ 後悔はありません。ただ,自分の生まれ育ったよくしっている街で同じように行動できなくなったのは,残念です。先日,友人とカフェにいったときも,急に写真を撮られました。友人にも申しわけなかったです。

 でもありがたいことに,いまの仕事は,海外でやっているものが多いし,もし日本でいままでどおり行動ができない不安があっても,他の場所で仕事をやっていけるという自信があります。それがなかったらすごく苦しかったと思います。

 ただ,こういう経験をした人みんなが,思い切ってそれを告白したら会社やコミュニティから外れなければいけないとしたら,それは本当に酷です。安心してケアが受けられ,話せる社会にしていくのは,私たちの責任だと思います。
  補注)ここまで書いたところで,こういう話題を思い出した。2002年に,水沢アキが女性週刊誌上で,処女だった17歳時,森本レオにレイプされたと告発して大騒ぎになった。森本は最初,肉体関係じたいを否定したが,にちに関係をもったことは認めたものの,レイプは否定した。

 石原真理子もやはり週刊誌(『週刊大衆』)で,これまた17歳のとき, “演技指導” の名のもとに「処女を奪った」俳優の名を明かしていたが,その氏名は森本レオであった。以上2件に対する森本のいいわけも,本ブログ内で記述されているとおりの弁解に終始していた。
 註記)ウィキペディア「森本レオ」,および,http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_12/g2006121807.html 参照。

 なお公平を期すために,水沢アキの場合,その後における男遍歴はにぎやかであった。この点も指摘するからといって,伊藤詩織の問題とは別口なので,誤解などないようにと,付言しておく。

 ◆ 会見後,メールなどの反響はありますか。

  ◇ メールはたくさんいただきます。上司から被害を受けたが,自分の生活を考えると誰にも話せなかった。10年間,15年間,自分のなかにとどめておくしかなかった,というメールをいただきました。

 10年経っても,20年経っても,その傷は簡単に消えることはない。ただ,社会や周りがどう受け入れくれるかで,重荷は楽になるんじゃないかなと。それだけは,私たちができることだと思って変えていかないといけないことだと思います。

 ◆ 詩織さんに起こったことは,私にも起こりうるし,私の大切な人にも起こりうると思います。いま,実際に同じような被害に遭って,いうべきか迷っている人にはなんと伝えたいですか。

  ◇ まず,あなたはひとりではない,と伝えたい。そして,周りがどう判断しようと,自分の真実はひとつであり,それを信じること。それだけを私はいいたいです。
 (この「後編」は,近日中にハフポスト日本版で掲載予定です)
 註記)http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/16/black-box-shiori-ito_a_23244676/?utm_hp_ref=jp-homepage

 さあ,あなたは,それもとくに男性は,以上の伊藤詩織の意見:主張を聞いてどう感じ,思うのか?

 山口敬之はおそらく,伊藤のこの本『Black Box』が本日発売され,新聞広告がいっせいに出されたことに,びっくりするはずである(事前に教えられていたかも……)。山口は「〇〇〇〇」が縮み上がる思いをしているかもしれない,などとも想像してみるしだい……。

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 【かつて,アメリカ人からは「良いジャップは死んだジャップだけだ」など差別されてきた日本人側の歴史を,いまごろにもなってそれを裏返しにしたかのように,在日「朝鮮人を皆殺しにしろ」などといっていた「在特会」の犯罪的な発言と行動】

 【在特会系のヘイト活動を抑制したり,とりしまったりする対応には従来,消極的であった日本政府当局(警察庁・法務省)も,ここ2~3年はいい加減に,まともな対応措置をとらざるをえなくなっていた】

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 ①「在特会の言動は『差別的』元会長の損害賠償請求を棄却」
という報道(『朝日新聞』THE ASAHI SIMBUN DIGITAL,2017年9月26日19時48分)

 有田芳生参院議員のツイッターの発言で名誉を傷つけられたとして,「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井 誠元会長が500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が〔2017年9月〕26日,東京地裁であった。小野瀬厚裁判長(梅本圭一郎裁判長代読)は「ツイッターの発言は意見,論評の範囲を出ず,違法とはいえない」として請求を棄却した。

 判決によると,有田氏は昨〔2016〕年4月,桜井氏らが参加予定だった岡山市内のデモにツイッターで触れ,桜井氏について「ヘイトスピーチ=差別扇動そのもの」「差別に寄生して生活を営んでいるのですから論外」などと発言した。小野瀬裁判長は一連の発言を「ヘイトスピーチを防止し,反対する趣旨だった」として公益性を認定。(画面 クリックで 拡大・可 ↓  )
桜井誠と有田芳生画像
出所)https://www.google.co.jp/search・・・ から。

 街頭で「朝鮮人を皆殺しにしろ」などと発言した桜井氏や在特会の言動は「不当な差別的言動に該当する」とした。また「ヘイトスピーチは社会的関心の高い問題。桜井氏も在特会の中心的存在で影響力があり,一定の批判は甘受すべきだった」と結論づけた。

 判決後に会見した有田氏は「ネット上ではヘイトスピーチが拡大しており,大きな課題が残っている」と現状を説明。弁護団の師岡康子弁護士は「昨年6月に成立したヘイトスピーチ対策法にもとづき,在特会の過去の言動を細かくヘイトスピーチと認定した画期的判決。どんな言動がヘイトスピーチに該当するかを判断する上で,今後のモデルになる」と評価した。桜井氏の代理人弁護士は「不当な判決で,控訴する方針」とコメントした。
 註記)http://digital.asahi.com/articles/ASK9V5RX0K9VUTIL037.html

 ②「在特会元会長の請求棄却=有田議員の名誉毀損訴訟-東京地裁」という報道(『時事通信』jiji.com 2017/09/26-21:05)

 有田芳生参院議員がツイッターに投稿した内容で名誉を傷つけられたとして,「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井 誠元会長が,有田議員に500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で,東京地裁は〔9月〕26日,桜井氏側の請求を棄却した。(二審も在特会敗訴=在日女性への差別発言-大阪高裁,⇒ 後段の補注も参照

 判決によると,有田議員は昨〔2016〕年4月,桜井氏について「存在がヘイトスピーチ=差別扇動そのもの」「差別に寄生して生活を営んでおり論外」などと投稿した。小野瀬厚裁判長(梅本圭一郎裁判長代読)は「在特会や桜井氏は『在日朝鮮人を皆殺しにしろ』などの差別的言動を繰り返した」と指摘。投稿内容は真実と認められ,名誉毀損(きそん)に当たらないと判断した。
 註記)https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092601212&g=soc
  補注)「二審も在特会敗訴=在日女性への差別発言-大阪高裁」(『時事通信』jiji.com 2017/06/19-18:33)

李信恵画像 インターネット上の差別発言をめぐり,在日朝鮮人のフリーライター李 信恵さん(45歳)が,「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と元会長の桜井 誠氏に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が〔2017年6月〕19日,大阪高裁であった。池田光宏裁判長は,在特会側に77万円の賠償を命じた大阪地裁判決を支持し,双方の控訴を棄却した。
 出所)画像は李 信恵,http://hasshinkyoku.blog.jp/archives/13435775.html

 池田裁判長は「原告が女性であることに着目し,容姿などをおとしめる表現を用いている」と指摘。一審が認めた在日朝鮮人への民族差別に,女性差別がくわわった「複合差別」に当たるとした。原告弁護団は判決後,「二つ以上の差別が重なった複合差別を認めた判決は初めて。画期的だ」と評価。

 在特会側は「さしたる感慨はない。ヘイトスピーチ規制の危険には警鐘を鳴らしつづける覚悟だ」とのコメントを出した。判決によると,桜井氏は2013年,ネットの動画サービスや街宣活動で「立てば大根」「朝鮮人のババア」などと発言した。 
 註記)https://www.jiji.com/jc/article?k=2017061900936&g=soc
 ③「差別の種類は少なくない」(パシフィック・アドバイザリー・サービス代表取締役社長 武本粧紀子稿『ステラ・リスクのレポート』(2017年〔以外は出典不詳〕)の関連する議論

 1)差別の種類
 アメリカでは,あらゆる面において差別をなくそうという意識がとても高い。一番有名な差別は人種差別であるが,これ以外にも多く法律で禁止された差別がある。以下がその例である。

   ⅰ)人種差別  人を募集するとき「日本人」がほしいというと,人種差別になりかねない。同じいうのでも「日本語・英語バイリンガルの人」といえばよい。

   ⅱ)年齢差別  日本でよくみかける「40歳ぐらいまで」といった募集広告は,年齢差別につながる。アメリカでは,パイロットなど特別な仕事を除いて定年を設けることすら法律で禁止されている。
 補注)本ブログ筆者の自宅に,とくに日曜日の新聞にはさんで配付される採用人事のためのチラシをみると,「年齢制限」の条件はいくらでもみつかる。これが日本の現状である。

   ⅲ)男女差別  はっきり男性・女性と特定しなくても,女性を応募させない条件と受けとれる文句は,男女差別とみなされる可能性がある。以前,警察官を募集するときに「身長175センチ以上,体重70キロ以上」のような制限を設けた州があった。警察のいいぶんは「警察官は,銃をもつ必要があるので,小さくて細い人では無理」との理屈であった。

 しかし,体格からみて「女性を排除するための条件」だとして,女性団体に女性差別として訴えられてしまった。そのため,体格と銃の命中率などの関係を調べたところ,「体格と銃の命中率などはまったく関係がない」という調査結果になった。その後,消防士も身長・体重の制限をつけることは男女差別だとして禁止された。
 補注)この説明は分かりにくい点を残す。警察官や消防士に必要な体力・技能は採用されてからでも,訓練によっていくらでも習得できる。だが,採用を判断する段階から体格や体力を全然問題にしないというのでは,その理由・事情がどうであれ疑問を残す。また,比較するための事例として適切ではない面もありそうだが,大学の定期試験(筆記試験)の点数30点で,合格させるというわけにはいくまい。

 日本相撲協会への新弟子入門検査で身長と体重の最低条件があるが,これをもって差別といえるか?(入門後に身長も体重も増える可能性は,誰であっても否定しきれない) 日本の実際問題としてみるとき,それぞれについて「差別になるのか否か」は,もっと詰めた議論が必要である。

 〔記事に戻る→〕 日本でいまだに認められていない男性助産師も,アメリカでは認められている。日本では妊婦たちが「男性の助産師はいや」といったため認められなかった。しかし「お客さん・患者さんの好みで,特定の人種や性別を雇う・雇わない」ということは,アメリカでは認められていない。
 補注1)日本ではとくに産婦人科では医師が女性であることを,客集めのために謳っている実例は,いくらでもみつかる。この事実は,性別差別の問題としてどのようにとりあげ議論したらよいのか? 社会学者が論じていてくれているのか? いろいろ議論したい論点もありそうであるが,ここではつぎの指摘のみ紹介しておく。

 補注2)「男性医師が多いのが現実」 まず,圧倒的に希望の多いのは女医で「産婦人科を受診するなら男性派?」とのアンケートでは,つぎのような結果が出ていた。

  産婦人科は男性派?  
    YES  41.7%
    N O   58.3%

 この結果は半々に近いが,働く女性に聞いたアンケートの記事では,

   「女性派」が  69.5%
   「性別にはこだわらない」28.8%
   「男性派」と答えたのは   1.9%未満


とかなりの差がついた。

 女性医師は増えてきているものの,全体の2割に満たない現状のなかで,産婦人科医では女性医師の割合がもっとも多く,5割を超えている。だが,総合病院の婦人科の先生をみると男性医師が5~6割を占めている。という事情もあって,まだまだ女性医師の予約はとりにくい状況にある。

 つぎに,産婦人科医の減少に関して説明する。出産という感動的な場面に立ちあうのが産婦人科であるが,一方で出産は待ってくれず休みもない。過酷な労働でであるためか,産婦人科医を志す医師は年々減ってきている。

 また,優秀な先生は〔男女のうち〕どちらか? 産婦人科だけでなく婦人科や乳腺外科などで名医といわれる先生には男性医師が多い。不妊治療・乳がんなどの深刻な状況では女性医師に診てもらいたいという希望よりも,根本的に治癒することを目的とすれば,性別に関係なく良い先生に診てもらいたいはずである。


 さらに「不安の少ない内診」が希望されている。若い女性だけでなく,出産を経験した30代・40代の女性でも,あの独特の診察台に乗って診てもらうのは抵抗や不安な気持になる。女性医師でも男性医師でもともかく,ご本人が信頼して診てもらえる医師を期待したい。
 註記)「産婦人科医は男性派? 女性派? ネット上の意見を集めてみた。」『mamas up』日付不詳,https://mamasup.me/articles/25869

   ⅳ)宗教差別  日本で昔はやったような,カルトのような宗教団体に属する人を除外したいという心情は分かるが,信仰している宗教で差別をすることをできないうえ,宗教上の理由で休みたいときには,できるだけ会社としては融通をきかす必要がある。

 しかし,例外的に差別(区別)が認められる場合もあって,たとえば,故ケネディー大統領の映画をつくるときに,「白人,男性,長身」というのは根本的必要性があるということで,例外事項で認められていた。また,カトリックの牧師を雇うときに,「カトリック教徒に限る」ということも根本的必要性になる。

   ⅴ)逮捕歴差別  犯罪歴がある人を雇わないということは可能ですが,逮捕歴があるだけで差別はできまない。

   ⅵ)結婚差別  結婚しているかしていないかで差別をすることはできない。

   ⅶ)同性愛差別  同性愛者というだけで,差別することはできない。
 補注)【補遺;参考記事】⇒ 「『保毛尾田保毛男騒動,フジテレビが謝罪文【全文】-このキャラクターが長年に渡り与えていた印象』を『反省』-」(『HUFFPOST』2017年10月16日 09時19分 JST,http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/15/homoodahomoo-fujitv_a_23244176/)

   ⅷ)入社試験〔での差別〕 入社のためのテストは,仕事と直接関係あることだけに限定すべきであって,仕事と関係のないテストをすると,「不合格にする口実につかっている」ととられかねない。

 そのほか,人材を雇う場合には,募集条件だけでなく,面接のときにも差別ととられるような質問やコメントは避けたほうが無難である。
 註記)以上本文は,http://www.stellarrisk.com/ja/差別の種類は少なくない/

 以上の差別に関する分類とその簡潔な説明であった。これらの内容を逆方向からみれば,これだけの諸差別が〔アメリカ〕社会には,以前〔もそしていまも〕公然と存在(潜行)してきているという歴史があった。日本でも姿・形を変えては「日本人同士のなかでも」,以上に類した諸差別がいくらでも実在している。日本において「差別防止をしようとする」「国家・地方自治体の努力」の現状は,アメリカに比較すれば,いまなお顕著に〈後進的〉である。

 2)大卒就活関連の差別問題(?)
 大学生の就活方面では「スクリーニング基準」が話題になっていた。つぎのような説明がなされているが,これを読んだ人はどのように感じるか?

 a)「スクリーニング基準」とは,面接にくる前の段階で絞りこむために使う基準のことである。「学歴フィルター」という言葉がある。現在の日本においては「学歴」がもっともスクリーニングとして使いやすいゆえ,それを多くの企業が導入している。学生にとっても,大学受験における偏差値並みに分かりやすい指標であるので,大いに注目されている。 ( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
就活過程の図解画像
出所)https://es-labo.com/stock/01-jh-strategy/3effortsforjh/

 b) 「スクリーニング基準」を突破したあとの学生たちは,学歴などのスクリーニング基準ではなく,各企業ごとの「採用基準」で評価される。こちらでは「スクリーニング基準」と「採用基準」とが異なっているので,さまざまな出身大学の学生を相手にする。

 東京大学や京都大学など偏差値の高い大学でも採用されない人が,必らず多く出てくる。学歴がそこまで高くないにもかかわらず,偏差値の高い大学の多くの学生を押しのけて,人気企業に採用される学生が存在する。それは,スクリーニング基準と採用基準に違いがあるからである。
 補注)この段落の説明には不可避の矛盾がある。話題が「スクリーニング基準」は済ませて通過できた学生に限定されてからの,そのつぎの「採用基準」の話題に完全に移っている。このために,そこにおいてはどうしても「前後する話題の展開」に関して,一貫性の見地からは齟齬を残すほかない経緯となるほかない。

 いいかえれば,その齟齬感を実体的にまだ「引きずっていない」とはいいきれない。スクリーニング基準で切っておいた「偏差値のより低い大学の学生」(※)のなかからでも,さきに採用基準のほうを適用して採用を検討するとした場合,この段階で採用される「その学生」(※)が絶対にいないとはいい切れない。

 
 c)「採用基準」についてはなかなかわかりにくい基準であるが,各社のエントリーシートをみると,どんな人材を採用したいかがみえてくる傾向にある。最近の企業が求める人材として挙げることの多いのが,

 「物事を最後までやりとげ成果をあげられる」,
 「組織のなかでリーダーシップを発揮して,目標を達成することができる」,
 「多様な価値観の人と協力して成果をあげることができる」,
 「チャレンジ精神をもち,既存の枠組にとらわれず成果を生み出すことができる」

といった人材が求められているようである。(引用終わり)
 註記)「『スクリーニング基準』と『採用基準』の違い」(『U unistyle』掲載開始日:2014年10月11日,最終更新日:2016年12月09日,https://unistyleinc.com/columns/108)

 この最後 c) にまで説明が進むと,③ のほうで説明されていた「各種の差別」が,いつのまにかもぐりこんでいる可能性がある,といったような注意も要求されてくる。会社側の「採用基準」という「判断のための物差し」は,応用のさせ方によってはいかようにでも使える余地がある。いずれにせよ,この c) のなかに混在させられている「採用基準」の細目内容は,一筋縄ではいかない諸条件をもちあわせていて,「差別の問題」を判りにくくする基盤にもなっている。
 
 ④ 在日外国人(韓国人)側からの「在特会桜井 誠に差別活動」に対する批判

 ②,③ で言及するさい,日本社会全体に対しても「一般論として通用する議論」をしてあった。この点の指摘は,この国の内部においてそれなりに特有である差別問題が,大昔から絶えることなく実在してきた事実に触れておく余地を前提していう。

 さて,① で言及した桜井 誠(在特会元会長)に関する裁判の結果については,在日韓国人の団体である在日本大韓民国民団の機関紙『民団新聞』(2017.10.11 に師岡康子弁護士が寄稿した文章)が,つぎのように報じていた。

★ 在特会元会長返り討ち…過去の言動ヘイトスピーチ認定 ★
= 名誉毀損訴訟東京地裁判決 差別扇動解消の規範に =

 在特会(在日特権を許さない市民の会)の元会長,桜井 誠氏が有田芳生参院議員のツイッターへの投稿で名誉を傷つけられたとして,損害賠償500万円を求めた裁判の判決が9月26日,東京地裁であった。小野 瀬厚裁判長(梅本圭一郎裁判長代読)は原告である桜井氏の過去の発言を,つぎつぎヘイトスピーチであると事実認定し,差別的言動解消法に違反すると断罪した。

 有田氏は2016年4月,岡山市内で実施が計画されていた「拉致被害者奪還ブルーリボンデモ in 岡山」に桜井氏が参加の予定だとしり,ヘイトスピーチがおこなわれると懸念。これを防止,反対する趣旨から

  1.  桜井 誠の存在がヘイトスピーチ=差別扇動そのもの,

  2.  差別に寄生して生活を営んでいるのだから論外と投稿した。

 これに対して桜井氏側は「人格そのものを否定するもの」と訴訟に踏み切った。小野 瀬裁判長は,桜井 誠氏の存在じたいが差別扇動そのものとの論評に対して,「その前提事実の重要な部分において真実」と認めた。「差別に寄生」についても「(有田議員が)真実であると信じるに相当な理由がある」とした。

 神原 元弁護士は投稿で「被告の立場からすればこれ以上の成果は考えがたい,完全で完璧な判決である。訴えられ,被告となることで,かえって相手方にダメージを与えたとすらいえる。この判決はリーディングケースとなるだろう」と論評した。今回の判決の認定によって,ヘイトスピーチ解消法の定義にあたる多数の例が示されたことにより,行政や市民が,なにが同法のヘイトスピーチに当たるのかの貴重な判断材料となる。

 法務省は,解消法7条の啓発活動の一環として,今回の判決を人権擁護局のサイト内の「ヘイトスピーチに焦点をあてた啓発活動」の頁に全文を紹介し,同法の定義にあたるヘイトスピーチの例示として広く社会に示すべきであろう。そして,本判決などを参考に,速やかにガイドラインを作成し,提示することが不可欠である。

 ヘイトスピーチ解消法が施行されているにもかかわらず,いまだに憲法学者を含めてヘイトスピーチの定義がない,もしくは明らかでないと主張する人びとがいる。しかし,解消法は,国際人権基準からするとかなり限定的ではあるが,具体的な定義規定を置いている。

 今回の判決で,その定義規定にあてはめて具体的な言動がヘイトスピーチと認定された。すでに日本の法律において定義規定は存在し,ヘイトスピーチか否か判断は可能であり,解消法により認定されるヘイトスピーチが多数存在するという現実が議論の出発点とされなければならない。

 ヘイトスピーチ解消法は,ヘイトスピーチか否かを認定する機能があることが今回あらためて確認された。理念法ではあっても裁判の基準となり,ヘイトスピーチ解消のために役立つことが実証されたともいえる。

 ただし,同法には禁止規定や制裁規定がなく,認定してもそれを止め,終了させる実効性がきわめて弱い。とくに,ネット上のヘイトスピーチや選挙活動に名を借りたヘイト街宣がマイノリティーに深刻な実害をもたらし,社会に差別と暴力を容認する空気を醸成しつづけている。国及び地方公共団体は,「喫緊の課題」(解消法1条)として,ヘイトスピーチ解消法を実効化する法整備をただちにおこなうべきである。
 註記)http://www.mindan.org/front/newsDetail.php?category=0&newsid=23797

 いまのところまで,日本政府は部落差別解消に関する法律や,障害者差別・女性差別に関する法律を成立・施行させてきてはいるものの,民族や人種差別に関する同種の法律を置くことには消極的であった。また,在日差別をめぐる当該論点から派出させられていた〈日本は特別だとする事情〉に関する問題性は,つぎの ⑤ に説明してもらう。これを読めば「日本の社会・日本の政府」における差別問題全般への取組状況に観てとれる〈後進性〉は,否応なしに教えられる。

 ⑤ 在特会に対する日本社会からの目線に変化が起きたのは 2009年ごろから

 イ) 8年前の2009年に初めて,在特会のヘイト活動が大きな社会問題になった。最高裁が,旅券の偽造した旅券を使って埼玉県に暮らしていたフィリピン人のカルデロン一家の両親に対して,帰国を命じた出来事から始まる一連の動向があった。強制退去をいい渡された両親は,中学生の子供1人を残して帰国しなければいけなくなっていた。

 在特会は,このカルデロン一家の娘の中学生が住む街で百人ほどでデモをおこない,自宅前や在籍している中学校まで押しかけた。両親と違い,中学生の子供には帰国をしなくて良い立場とはいえなかった,のにである。「カルデロン一家は犯罪者!  ゴミはゴミ箱へ!」 そんなコールをトラメガで叫ぶデモ隊のなかにには,「カルデロン不要」などと書かれたプラカードまでかかげる者までいた。
 補注)在特会の人びとは「出入国管理及び難民認定法」とそのほかの犯罪一般とが,法律的な意味で質的に異なる要素を有する点を,まったく理解できていないまま,このようにこの一家を「犯罪者=ゴミ」と差別的に罵倒・蔑称した。この態度こそ犯罪的であったのだが。

 ロ) さらには2009年の12月,在特会会員などを中心とした『チーム関西』が,起こした京都朝鮮学校襲撃事件があった。平日の昼間にチーム関西は,拡声器を用いて京都朝鮮学校の前で抗議街宣をした。「朝鮮人はウンコでも食っとけ!」「スパイの子やんけ!」 この抗議理由は,近くの勧進橋児童公園のグラウンドの使用に関する件であったが,まったく関係ないヘイトスピーチを抗議のためにおこなった。

 朝鮮学校の子どもたちは約1時間,ヘイトスピーチの嵐を浴びせられ,耐えるしかなかった。結果的にはその後,朝鮮学校側に在特会(チーム関西)は刑事告訴をされ,メンバー4人が威力業務妨害罪の容疑で逮捕をされた。裁判でも4名には有罪判決が下された。

  以上の2件を含めて在特会の差別団体(ヘイト組織)としての「不詳」を,つぎにように整理しなしておきたい。以下の解説を聞けば,在特会に対する日本社会からの観方が変質してきた経緯が理解できるはずである。

 ◇-1 参加者が対立勢力の関係者と乱闘騒ぎを起こしたり,対立勢力に暴力を振るわれたりするという事態も起きていた。幹部・会員が活動にさいして業務妨害や器物損壊などの行為に及び,刑事責任を問われたケースも複数存在する。
傷害容疑で逮捕

 2014年10月25日,在特会会員を含む5名が,対立団体「憂国我道会」の会員2名に対する傷害容疑で逮捕された。警視庁公安部によると終戦記念日,カウンター勢力への抗議活動ののちの打ち上げ後,偶然通りかかったと憂国我道会側と乱闘騒ぎになり,在特会会員を含む5名が男性2名の首を絞め怪我を負わせた容疑である。

 公安部の事情聴取に対し,在特会の同メンバーは羽交いじめにしたことは間違いないと思うが,ケガを負わすようなことはしていないとしている。同メンバーと桜井が立ち会うなかで事務所の家宅捜索がおこなわれ,後に公安部は桜井からも事情を聴いた。容疑者の1人であった在特会会員(36歳当時)は罰金50万円の略式起訴となり活動から決別した。

 ◇-2「京都朝鮮第一初級学校への抗議」  2009年12月より,京都朝鮮第一初級学校が公園をグラウンドとして違法に占有し,近隣住民の利用を排除したことに対する抗議として,西村修平ら主権回復をめざす会の会員らとともに,「犯罪者に教育された子ども」「端のほう歩いとったらええんや」などと朝鮮学校に通う子どもを貶す街宣を学校前でおこない,授業を妨害した「京都朝鮮学校公園占用抗議事件」が発生した。

 首謀者の活動家4人が威力業務妨害などで有罪が確定し(ただし全員に執行猶予がついた),同学校を運営する学校法人京都朝鮮学園が学校周辺での街宣禁止と賠償金を求めた民事裁判では,2013年10月7日,京都地方裁判所が「街宣は人種差別に該当し違法」と認定し,同学校から半径200mメートル以内での街宣禁止と1226万円の賠償金の支払いを命じた。

 同年10月19日,在特会はこれを不服として控訴,2014年7月8日,二審の大阪高裁は一審を支持し,在特会側の控訴を棄却した。在特会は判決を不服として上告した。最高裁判所は京都朝鮮第一初級学校における在特会側の街宣・デモを人種差別と認め,2014年12月9日付の決定で在特会側の上告を退け,学校周辺での街宣活動の禁止と1200万円余りの賠償命令が確定した。

 ただし,裁判では朝鮮学校による公園の使用が市の許可をえておらず,違法状態のままで継続されてきたことや,近隣住民とのトラブルの存在が事実認定されたほか,無許可で私物を設置して公園の占有をおこなったことに対して,当時の朝鮮学校校長が書類送検されている。2016年大阪地方裁判所で在特会による人格侵害が認められ77万円の損害倍書支払いが命じられた。2017年の二審では一審の判決を支持双方の控訴を棄却した。

 ◇-3「徳島県教職員組合への抗議」  在特会のヘイトスピーチに反対する運動をおこなっている在日朝鮮人の女性フリーライター・李 信恵が,2014年8月18日,桜井と在特会に対して約550万円,発言を掲載した2chまとめブログ「保守速報」の運営者に対して約2200万円の損害賠償を請求する訴訟を起こした。なお,保守速報管理人に対する賠償請求金額が桜井らの約4倍であった。

 彼女によれば,桜井が2013年初めから2014年7月までインターネット上で,在日朝鮮人という出自に対し「不逞鮮人」などの蔑視,差別するヘイトスピーチとされる言葉を繰り返し投稿した。そのうえ,『保守速報』も2015年夏から2016年8月まで,同様の匿名による差別的な発言を掲載したためとしている。

 なお,桜井ら在特会などがおこなった「ヘイトスピーチ」をめぐり,個人が賠償請求する訴訟は初めてという。会長の桜井 誠はこれに対し,李を反訴する手続をとったと述べた。

 ◇-4「法務省によるヘイトスピーチ動画の削除要請」  2015年12月,法務省は,在特会の構成員らによる在日朝鮮人に対する差別的言動を撮影した動画を人権侵害と認定し,ニコニコ動画などの複数の動画投稿サイトの管理者に動画の削除要請を出した。 すでに,ニコニコ動画など複数のサイトが人格権侵害などの理由で削除している。

 削除要請の対象となった動画は,2009年11月に東京都小平市にある朝鮮大学校の前で在特会の構成員が「朝鮮人を日本からたたき出せ」と大声を上げた模様などを撮影したものである。人権侵害抑止にもとづく法務省の要請によってヘイトスピーチを撮影した動画が削除されたケースは,初めてである。
 註記)https://ja.wikipedia.org/wiki/在日特権を許さない市民の会 参照。

在特会ヘイトスピーチ韓国人ころせ画像
出所)http://www.news-us.jp/article/404878313.html

在特会反対デモ画像
出所)http://hannichigukoku.info/blog-category-1-1.html

 以上の解説から判るのは,日本社会内では2014年から2015年にかけて在特会の違法・不当なヘイト活動に対する司法からする判断も下された事情もあって,この在特会の不条理で粗暴な在日差別に対する活動は下火にならざるをえなかった。なお,在特会は2006年12月の結成以来,8年間に渡って会長を務めていた桜井が2014年11月限りで会を去り,同年12月からは八木康洋が新会長として会の活動を指揮している。
 補注)桜井 誠という氏名は,いうなれば “在特会活動用(?)の通名” であった。在日韓国・朝鮮人たちの通名使用を「在日特権」などとおどろおどろしく過大に表現したうえで,これを批判・糾弾してきたつもりの当人が,日本国籍人としても通名をかかげていたのだから,これでは,ほとんど〈お笑い〉タレント並み・以下の「桜井(本名は高田)自身による〈茶番劇〉的な演技」だったと形容するほかない。つまり,日本人の通名保持も「在日日本人の特権である」という認識枠組で理解しないことには,それぞれに事情はあるとはいえ「りくつ的には」完全におかしい。

 ⑥「日本:ヘイトスピーチ解消法にとどまらず,包括的な人種差別撤廃への取り組みを」(『AMNESTY INTERNATIONAL』2016年5月27日,日本支部声明)

 2016年5月24日,「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」が参議院本会議で可決され,成立した。ここ数年,在日コリアンをはじめ特定のマイノリティ集団に対し,人種主義にもとづく差別や暴力を煽るヘイトスピーチが急速に悪化し全国で拡大していた。人種差別の存在そのものに向きあわず,なんら政策を講じてこなかった日本政府の姿勢が,このような状況を許したといっても過言ではない。

 同法はヘイトスピーチに対応することを目的としており,政府が人種主義にもとづく差別言動があり,不当であると法律上認識したという点では意義がある。一方で同法は,前文で不当な差別的言動は許されないと宣言するにとどまり,具体的な禁止のための措置を講じていない。包括的な差別禁止法ではないために差別の定義もなく,ヘイトスピーチの定義は国際人権基準からはほど遠い “きわめて限定的なもの” となっている。

 同法は,とりわけいくつかの重大な欠陥を残したままである。すなわち,「専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫」に対する差別的言動と限定しており,アイヌや沖縄,被差別部落出身者など,国内に居住するその他のさまざまなマイノリティを法の保護から除外した。これまでのヘイトスピーチが,そうしたさまざまなマイノリティをも標的としていることは明らかである。
 補注)従来,日本社会においては「部落差別・ウタリ差別・沖縄差別,そして障害者差別・女性差別」などが,ある程度は社会問題化されてきた。そのなかで,旧大日本帝国の開始以来,連綿と構築されつづけてきた「在日韓国・朝鮮人に対する差別意識の問題」は,これまでの長期間,別枠的に棚上げしつつ曖昧に放置したいかのように忌避されてきた。
 
 ところが,あの在特会が21世紀になってからも日本社会のなかに向けて,在日に対する差別意識を意図的に喧伝し,大きな害毒を垂れ流してきた。この〈負の実績〉をみせつけられてきた日本政府当局側の意識的な対応は,それでも遅々としていた。観方によっては故意にその対応を渋ってきたかのようにも受けとられていい基本姿勢が,この国の採ってきた「差別問題」のひとつである在日差別については,露骨に観取できていた。

 だが,21世紀に入って実際面においてはとくに,在日韓国・朝鮮人関係に対する「在特会の言論暴力的な排斥姿勢」が,あまりにもひどい侮蔑言動を示威しつづける事態が継続されていた。そのせいか,とうとう裁判所側でも看過できなくなって,前段のように(これは実は相当に「逆転的に奇妙な方向性」なのであったが),「専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫」に対する差別的言動と限定」するといったごとき,一見しても奇妙な印象をもたざるをえない法律的な対応を〔嫌々だったのか?〕出さざるをえなくなっていた。
 
 ここではほとんど冗談でになるか,せいぜい皮肉っぽく批評すると,その「専ら……」以下の文言は,あえて在特会的な感性にしたがい解釈してみると,まさしく逆説的には『在日特権』的な法律上の規定であるといえなくもない。
その表現である「本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫」(※)が意味するのは,つぎのような「敗戦後史の国内事情」にかかわる事実認識である。

 すなわち「彼ら」(※)の存在(在日)は,その大部分がひとまず「旧植民地時代からの在日系韓国・朝鮮人の居住者とその子孫」を指している。したがって「サンフランシスコ講和条約」の発効時〔1952年4月28日〕をもって,「彼ら」からは「旧大日本帝国時代の日本国籍」を「国際法」に照らしても不法に剥奪されていた事情があった。

 在特会がデッチ上げて非難した「在日特権」とは,架空の創造物であった。だが,日本政府関係当局の立場(国家イデオロギー)からすれば,そうした在特会のハチャメチャな屁理屈には〈利用価値〉がなかったとはいえない。在特会の活動に対する警備状況がどのように変化してきたか,この事実史をある程度しる者には,分かりきった事情である。


 ところが,「その子孫たち」(※)などが21世紀にもなっても,在特会の偏執狂的な差別感情の攻撃対象に祭りあげられた。そもそも,当人たちが想像すらしたこともない「在日特権」があるのだと非難された。しかも,オマエたちはこの日本社会のなかでは「特別に優遇されて存在している」などと,途方もない理由を挙げて難詰されていた。

 しかし,これほど笑止千万な現象はない。在特会の人びとに日本の近現代史に関するまっとうな歴史理解は不在・皆無であり,無知蒙昧そのものであった。ましてや,韓国・朝鮮の近現代史に関する知識を彼らに問うことじたい無意味であった。

 桜井 誠〔こと高田 誠〕の意識の根底に確実に控えているのは,最近のはやっている用語をあてはめていえば,「フェイク・ファクト」
や「ポスト・トゥルース」の跋扈跳梁だけであった。それも,自分たちの観念だけで妄想的に創造しえた「他(異)民族排外主義」や,くわえて根拠のない「日本民族純粋主義」ばかりをひたすら高揚していた。
  補注中だがさらに補注)

☆〈知られざる「移民社会」〉ニッポンの現実
30人に1人がハーフの時代 ☆
= 山下真弥稿『WEDGE infinity』2013年4月11日 =


 厚生労働省がまとめた2012年の人口動態統計によると,死亡数から出生数を引いた日本の人口の自然減は21万2千人で過去最大。人口減少に歯止めがかからない。その一方で,国際結婚は増加の一途を遂げ,夫婦のあいだに生まれるハーフの数も上昇している。

 2006年に生まれた新生児110万4862人のうち「両親のどちらかが外国人」の新生児は3万5651人で全体の3.2%。つまり,いまや30人に1人の子供の親のいずれかが外国人だということになる。

 父親が日本人の場合,母親はアジア系であるケースが多く,この場合,妻の国籍1位は中国人,2位がフィリピン人,3位が韓国・北朝鮮である。新生児150人に1人が日本人と中国人のハーフというデータもある。
 補記1)一時期,国際結婚の夫婦は全婚姻数の5~6%にまでなっていたこともあった。この夫婦間で子どもがふつうに生まれているとすれば(離婚数も多いが),新生児のうち「20人に1人」はハーフ(ダブル)である。これは経過的な事実であった。本論の話題はそれよりも少なくなっていた時期での話題である。

 補記2)つぎの図表は2012年までの日本における国際結婚統計である。
   国際結婚件数2012年まで図表
 註記)https://www.madameriri.com/2015/05/30/1分で理解する「日本人の国際結婚と国際離婚」知/

 ハーフが増えることで,どのような問題が生じるのだろうか。たとえば,日中のハーフの場合をみてみよう。日中ハーフといっても,当然のことながらいろいろな人がいる。私の友人にも,日本の田舎で育ったために中国語を話さないハーフ,また,海外を転々とし,中国語,日本語,英語を流暢に話すハーフがいる。
 註記)http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2702
 〔ここで ⑥ の本文の記事に戻る ↓  〕
 さらに同法は,「適法に居住する者」と限定し,なんらかの理由で適法に居住することができない人びとを保護の対象から除外した。そのため,たとえば難民に対する差別なども,難民としての滞在資格の有無により「差別言動の合法性・違法性」〔の範囲・対象など〕が異なってくる。滞在資格の有無は行政の広範な裁量に一任されているため,行政府の判断しだいで一部の者への差別が助長される恐れがある。
 補注)つまり,日本政府の立場にあっては,差別の反対・撤廃に関連する社会普遍的な原則概念を,実際において施行させる差別法のなかには反映させたくない気持を強く抱いている。この志向性が関係の法規のなかには,否応なしににじみ出ている。いってみれば,行政側における〈差別意識〉そのものが,実は正直に表出されている。

 日本は人種差別撤廃条約および自由権規約の締約国として,人種差別の撤廃および禁止の義務を負っている(「人種差別撤廃と禁止の締約国の義務について」)。これらの国際人権諸条約では,すべての人が平等に基本的権利を享受するという考えは,もっとも基本的な原則のひとつである。

 とりわけ人種差別においては,国連人種差別撤廃委員会が,その国の出入国管理法上の地位にかかわりなく,人種差別に対する国内法による保護を確保するよう要請している(人種差別撤廃委員会一般的意見30 パラグラフ7,人種差別撤廃委員会一般的意見30「市民でない者に対する差別」参照)。これは,「移住者,難民および庇護申請者に対する排斥が現代の人種主義の主要な源泉のひとつである」(同前文)という認識にもとづいている。

 国際人権基準は,当該国の領域に住む難民をはじめすべての非正規の外国籍者も平等に保護の対象とすることが,国家の義務であることを明確にしている。したがってアムネスティ日本は,差別的言動からの保護対象を限定している条文をすみやかに改正し,その国籍や法的地位にかかわらず保護することを保障するよう,政府に求める。人びとを差別から守るべき法律が差別を助長することがあってはならない〔と考えている〕。

 2016年5月26日,参議院法務委員会は「ヘイトスピーチの解消に関する決議」を全会一致で採択した。決議は「全国でいまも続くヘイトスピーチは,いわゆる在日コリアンだけでなく,難民申請者,オーバーステイ,アイヌ民族に対するものなど多岐にわたっている。私たちは,あらゆる人間の尊厳が踏みにじられることをけっして許すことはできない」と強くうたっている。

 アムネスティ日本は,国会議員が党派を超えてこの決議を実現するために,包括的な人種差別禁止法の成立に向けて速やかにとり組むよう要請している。

 a)  参考説明(1)。 『人種差別撤廃条約』第2条:「1  締約国は,人種差別を非難し,また,あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策及びあらゆる人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法により遅滞なくとることを約束する。」「1(d) 各締約国は,すべての適当な方法(状況により必要とされるときは,立法を含む。)により,いかなる個人,集団又は団体による人種差別も禁止し,終了させる」。

 b)  参考説明(2)。 自由権規約第20条2項:「差別,敵意又は暴力の扇動となる国民的,人種的又は宗教的憎悪の唱道は,法律で禁止する」。

 c)  パラグラフ7(前掲の用語)。 「人種差別に対する立法上の保障が,出入国管理法令上の地位にかかわりなく市民でない者に適用されることを確保すること,および立法の実施が市民でない者に差別的な効果をもつことがないよう確保すること」。
 註記)以上,2016年5月27日 アムネスティ・インターナショナル日本〔の見解表明〕。http://www.amnesty.or.jp/news/2016/0527_6066.html

 人種差別撤廃法の受け入れ状況にみてとれる「日本国の先進性」には,疑いもなく顕著な遅滞が表現されている。「人権問題」を話題にするとき,その先頭を歩いている国(が日本)だなどとは,お世辞にもとうていいえない。日本社会のなかで「歴史的に諸差別」を受けてきている社会集団にとってみれば,この国の底辺においていまもなお,陰に陽に呻吟させられつづけている事情(環境・状況)は,いったいいつになったら完全に解消されるのか?

 だが,それにしてもこの「日本社会の底辺から上方(頂上)をみあげてみる」と,格別にわれわれの視野のなかによく入り,みえてくる「あの《特殊の風景》」がある。在特会というヘイト団体は,そうした日本社会の特殊な構造・機能のなかから,いわば,はしなくも形成されたこの国における「恥部露出」の一事例であった。この行動派の差別組織が登場してきた当初,日本政府当局側の対応方法のなかにおいてなんとはなしにでも漂っていた雰囲気は,こいつらは「大いに使える」という感触であった。

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 【日米安保関連法に呪縛(手かせ・足かせ)されているこの国,なかでもとくに,安倍晋三首相の非国民・反市民的な政治特性を考える】

 【日米軍事同盟関係は天皇裕仁も希望してきたのだが,安倍晋三の外交政治は,はたして親天皇といえるのか】
 

 ①「総選挙で『大政翼賛会』体制の成立を国民は是認するのか 日本外交と政治の正体」(孫崎 享稿『日刊ゲンダイ』2017年10月13日)

 1)孫崎 亨の「対米追随・服従の日本政治家:安倍晋三」批判
  「各省庁の幹部は皆,官邸(の顔色)をみて仕事をしている。国家の破滅に近づいている」。福田康夫元首相は共同通信の取材に対し,安倍政権を公然と批判していたが,日本国家の破滅を回避するには,安倍首相の辞任しかない。多くの国民もそう思っているはずだ。実際,NHKが実施した世論調査では,安倍内閣を「支持する」は37%,「支持しない」は43%だった。
 補注)ほかの各種世論調査でも回答者のその大部分は,このように安倍内閣だけでなく,安倍晋三という首相個人を嫌っている傾向(事実)を明確に表示している。自民党はいいと思っている人のなかにも,この安倍晋三だけは嫌いだという人が多い。そうした事実がいまの政治社会では定着している。
 
 本来であれば,今回の選挙の争点は「安倍政権の是非を問う」であり,「自公対野党連合」の結果,野党連合が大幅に当選議員を増やす可能性があった。ところが,民進党の前原代表の突然の “背信行為” によって,「自民党・公明党」「希望の党・維新」「共産党・立憲民主党・社民党」の3極対立となり,大混乱の戦いとなった。
小池百合子綠のタヌキ風刺画 補注)前原誠司のそうした「21世紀の日本政治史」における不始末:誤判断は,将来においても語り継がれる〈大いなるヘマ〉になるに違いあるまい。

 なお,あの「綠のタヌキ」のことにも触れておくと,安倍晋三専制・独裁的な政治に荷担し,この国の民主主義を溶融させる主役をはたした「シロアリ女王:小池百合子(主演女優役)」とともに前原誠司(「民進党」の代表だった)
は,みごとなまで日本の政治をダメにする主演男優役を演じていた。

 〔記事に戻る→〕 注目されている希望の党がなにをめざしているか,国民にはさっぱりわからない。産経新聞の報道によると,希望の党の小池百合子代表(都知事)が単独インタビューに応じ,自民党と連立する可能性については「結果をみて判断する」と否定せず,連携に含みをもたせたという。これでは自民党に対抗するのか,協力するのかもみえない。
小池百合子『日刊ゲンダイ』2017年10月13日孫崎画像
 ただ,過去の小池代表の発言や政治姿勢を振りかえるかぎり,はっきりしている部分がある。第一に憲法改正を志向し,集団的自衛権を容認する。集団的自衛権は「自衛隊を米国の戦略のために海外に派遣する。戦闘も辞さない」ということである。

 つぎに原発の再稼働に賛成である。希望の党は「原発ゼロ」をかかげたので,当然,再稼働に反対かきわめて抑制的であると思うが違う。小池代表は日本記者クラブ主催の討論会で,「私どもは2030年をめどに脱原発をめざす」と話す一方,「私は再稼働という観点について,これを是としている」ともいっていた。
 補注)本ブログ内ではすでに言及していたとおり,小池百合子は実質では原発推進派と気脈を通じる「原発再稼働」賛成の立場とみるほかない。とくに核兵器の保有にこだわっている立場であるにもかかわらず,「希望の〔ない〕党」の選挙用公約のひとつに「原発ゼロ」をかかげていた。

 彼女はすでに都知事としてやるべき仕事は小池百合子リボンの騎士仮装画像ここ1年のあいだ,すべて中途半端にやり過ごしてきた。具体的な成果(結論)を出していない。この実績(負的なそれ)に照らしても,彼女のいいぶんは「半分以下」に聞いておく必要がある。つまりあまり当てにならない。

 出所)これは「リボンの騎士」の仮装をした小池百合子,http://www.sankei.com/politics/news/161029/plt1610290019-n1.html

 小池百合子は,都議会にジャンヌ・ダルクまがいの扮装をして乗りこんだつもりらしいが,実際にやっている〔できている〕ことといえば,マリー・アントワネットの万分の1にすらにもなっていなかった。結局,いまでは龍頭蛇尾。

 たとえていうと,都民に対して「ケーキ」を腹一杯に食わせてあげるかのようにいっておきながら,紙センベイ(ポテチ?)の1枚〔のひとカケラ〕すら提供できていなかった。そうたとえてみるのが「シロアリ女王」のような小池百合子に対しては,よく似合った形容になる。


 要は,孫崎 亨が危惧するのは,21世紀のいまどきになって「大政翼賛会」を造るかもしれない「小池百合子の「希望の〔ない〕党」の動静である。この「希望の党」は自民党を保管する右翼勢力にしかなりえず,それゆえ安倍晋三政権に荷担するだけの「極右的な右翼」でしかない。

 そういった類いに属する政治的な危険性を,小池百合子は自分流の政治の方向を自画自賛的,自慰的にユリノミクス(本当はユスリミクスでありカタリ〔騙り〕ミクス・ウソノミクス)などと僭越(?)にも語りながら,今回実施される衆議院解散総選挙に「希望の〔ない〕党」を結党し,参入してきた。


 〔『日刊ゲンダイ』記事に戻る→〕 一部メディアは「(希望の党は)箱を開けたらなにが待っているのやら」と報じたが,そのとおりだ。国民が安易な判断で投票すれば,待っているのは集団的自衛権を進め,原発を再稼働する「大政翼賛会」的体制である。
 註記)https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/215496
 註記)http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/873.html

 2)安倍晋三はアメリカに対して安保関連法を「成立させます」と先に約束していたくらいに「売国的な,いわば国民たちにとっては害悪でしかない〈世襲3代目の政治家〉」である

 安倍晋三が首相として訪米した2015年の4月下旬から5月初めのことであった。米上下両院合同会議で演説の機会を与えられた彼は,アメリカに対して “安保関連法案を成立させる” と,自国の主権者「国民たち」の存在などはそっちのけで,しかも自分勝手に「さきに約束」していた

 安倍晋三の頭中には,日本の国会や「主権在民」などいっさい存在していなかった。日本の立場・利害をいとも簡単にアメリカ側に大安売りしていた。つまり,それらを完全に否定する発言を放っていた。この日本国側における「安倍晋三の属国根性に染まった売国奴性」は,宗主国であるアメリカに対してならば,まさしく遺憾なく発揮されていた。
 
 本ブログ内では,2015年05月12日の記述,主題「戦後レジームの本体-対米従属国日本の悲哀,いまにも続くこのレジームの呪縛-」,副題1「安倍晋三は口先だけの戦時レジーム否定で,結局アメリカに服従の日本国首相」,副題2「2015年4月29日,アメリカ上下両院合同会議での安倍演説は,そのための忠誠を誓っていた」が,以上の「安倍晋三的な悲劇的な問題をとりあげ批判していた。
 ⇒ http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1027198680.html

 3)「2015年4月29日,アメリカ上下両院合同会議での安倍演説」から問題のくだりを引用し,しばし考えてみたい。

   以下においては,『首相の米議会演説の全文』のなかから,安倍晋三がアメリカにゴマをすり,日米安保条約を改定させる誓っていた部分を紹介する。『日本経済新聞』電子版(nikkei.com,2015/4/30)を参照して,問題になるつぎの該当の段落を引用し,寸評もくわた記述をしてみる。

★ 地域における同盟のミッション ★

 私たちは,アジア太平洋地域の平和と安全のため米国の「リバランス」(再均衡)を支持します。徹頭徹尾支持するということをここに明言します。日本はオーストラリア・インドと戦略的な関係を深めました。ASEANの国々や韓国と多面にわたる協力を深めていきます。

 日米同盟を基軸とし,これらの仲間がくわわると,私たちの地域は格段に安定します。日本は,将来における戦略的拠点の一つとして期待されるグアム基地整備事業に28億ドルまで資金協力を実施します。
 補注)要するに,日本はアメリカ様のお手伝いを一生懸命におこなっているし,これからも変わらずに十分な協力を惜しまずおこなっていきます,と「宣誓している」。アメリカの掌(手のひら)がまるで甲子園球場に相当し,安倍晋三はここで真夏に開催される高校野球に出られた1チームの主将みたいに,宣誓していた。そういう姿が映っている。
米上下両院合同出版会議安倍晋三演説
出所)http://mogiseka.at.webry.info/201505/article_1.html

 アジアの海について,私がいう3つの原則をここで強調させてください。第1に,国家がなにか主張をするときは国際法にもとづいてなすこと。第2に,武力や威嚇は自己の主張のため用いないこと。そして第3に,紛争の解決はあくまで平和的手段によること。

 太平洋から,インド洋にかけての広い海を,自由で,法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。そのためにこそ,日米同盟を強くしなくてはなりません。私たちには,その責任があります。
 補注)ここで安倍晋三が「3つの原則」として挙げて断わっている中身は,逆説的にアメリカの世界軍事戦略を無条件に認める立場に立った発言を意味する。アメリカの軍隊組織(編制)が「地球全体」を自軍の行動を展開させる「場」とみなしている事実は,指摘するまでもなく,自明の〈アメリカ中心の軍事的な事情〉であった。安倍は「アメリカさんのいい子」となって,この「アベの日本国」の役目をきちんと果たしますと,強調していたに過ぎない。
山田順永久属国論224頁
出所)山田 順『永久属国論-憲法・サンフランシスコ平和条約・
   日米安保の本質-』さくら舎,2017年9月,224頁。
(画面 クリックで 拡大・可)
 
 安倍晋三の「母方の祖父:岸 信介」も,もしかしたら,この孫と同じように「対米従属国家体制たりうる日本国のあり方」を推奨していたのか? 岸 信介は,安倍がその孫である立場から尊崇する首相であって,1960年に安保改定を強行したときの首相であった。信介の孫である晋三がまた,その安保問題を日米安保関連法にまで改悪してくれた。歴史の因果は間違いなくめぐっている。このような「政治家の世襲」は,絶対にゴメンこうむりたい悪例である。

 日本はいま,安保法制の充実にとり組んでいます。実現のあかつき日本は,危機の程度に応じて,切れ目のない対応がはるかによくできるようになります。この法整備によって,自衛隊と米軍の協力関係は強化され,日米同盟はよりいっそう堅固になります。それは地域の平和のためたしかな抑止力をもたらすでしょう。戦後,初めての大改革です。この夏までに成就させます。
 補注)この最後には,安保関連法を〔2015年の〕「この夏までに成就させます」と,安倍晋三がアメリカ議会に向けて誓約する文句:場面が出ていた。この首相ははたして,どこの国の最高指導者であるのか? 日本の国会では同法についてはまだ,なにも決まっていない段階:時期であった。ところが安倍はそのように,アメリカに対しては事前に,その成立〔させること〕を確約していた。

 この人は,いったいどこの誰なのであり,日本・日本国・日本人・日本民族にとって,いったいどのような政治家であったのか? この種の疑問が提起されて,あまりにも当然であるだけでなく,反転させていえば,「安倍晋三という政治家の売国奴的な基本性格」があますところもなく,それもバカ正直ともいっていいほどに物語たれていた。

 ここで皆様にご報告したいことがあります。一昨日,ケリー国務長官・カーター国防長官は,私たちの岸田外相・中谷防衛相と会って協議をしました。いま申し上げた法整備を前提として,日米がそのもてる力をよく合わせられるようにする仕組ができました。いっそう確実な平和を築くのに必要な枠組です。

 それこそが,日米防衛協力の新しいガイドラインにほかなりません。昨日〔2015年4月28日〕,オバマ大統領と私は,その意義についてたがいに認めあいました。皆様,私たちは,真に歴史的な文書に合意をしたのです。
 註記)引用は,https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H1E_Z20C15A4M10600/?df=2 を参照。

 2年半ほど前に安倍晋三がこのように「アメリカ上下両院合同会議」でおこなった演説は,まるで「奴隷のことば・屈従の表現」に満ちた内容になっていた。このあと,安倍晋三が日本の国会においては「自民・公明1強(凶・狂)」政治体制のもとに,安保関連法を成立させ施行していた。

 安全保障関連法案は2015年7月16日,衆議院本会議で可決・成立,つづいて9月19日,参議院本会議で可決・成立し,2016年3月29日,この「集団的自衛権の行使や地球規模での他国軍支援を可能にする安全保障関連法」が施行されていた。

 ② 保守だと自認する小林よしのりが安倍晋三を極右の「対米追従勢力」だと批判する理由

 『BuzzFeed News』(2017/10/14  19:10)のネット記事,「『自民党は保守じゃないんですよ』と,漫画家・小林よしのりが応援演説で語ったこと」のなかで,「保守派の論客としてしられる漫画家の小林よしのりさんは,なぜ,立憲民主党を応援するのか」という点を解説していた。

 小林さんは,安保法制を例に挙げて自民党を「保守ではない。単なる対米追従勢力」だと批判した。「安倍政権は暴走している」「ヒトラーは民主主義から生まれた」などと指摘し,「権力の暴走に立憲主義でフタをしよう」と立憲民主党を応援した。「10分にわたる演説の全文」から,以下の部分を紹介しておく。
   保守二大政党とかいうけど,なんだよ! わしゃ保守ですよ。本当はね? なんで保守がリベラルを応援するのか。それはね,保守じゃないからですよ,自民党が。自民党は保守ではない。あれは,単なる対米追従勢力です。
 補注)この小林よしのりがいうところの意図をより汲んで解釈すると,安倍晋三自民党は対米従属をするための国家体制造りに「邁進」している,それも極右徒党の政治集団だということになる。
『BuzzFeed News』2017年10月14日小林画像
 アメリカについていって戦争しろと。それだけですよ。自衛隊を自衛隊のままで,ですよ? 集団的自衛権に参加させるんですか? こんな恐ろしいことはないですよ。枝野さんは,安保法制の議論のときに個別的自衛権を強化しろといった。実はこれがね,保守の考え方なんですよ。

 わが国を,わが国で,個別的自衛権で守る。これが保守の考えなんですよ。それを希望の党では,集団的自衛権を認めなきゃ入れない。バカなのかと。あやつらは,自民党も希望の党もどっちも対米追従保守ですよ。

 もともとやな,安保法制というのは安倍晋三がアメリカの議会にいって約束してきたことなんですよ。日本国民を置き去りにして,アメリカで約束して,それを日本で勝手に作ってしまったんですよ?

 こんなもののどこが保守だ! 枝野君の方がもっと保守なんですよ,わしからみればね,実は。
 註記)https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/kobayashi-yoshinori-speech?utm_term=.nkkWwOJ4X#.vigNDQ5pv
 本日〔2017年10月16日〕『朝日新聞』朝刊「社説」のなかには,こういうふうに指摘する段落があった。その論題は「衆院選 憲法論議 国民主権の深化のために」である。この後半部分を以下に引用する。

 a)「必要性と優先順位と」
 時代の変化にあわせて,憲法のあり方を問いなおす議論は必要だろう。ただ,それには前提がある。憲法は国家権力の行使を規制し,国民の人権を保障するための規範だ。だからこそ,その改正には普通の法律以上に厳しい手続きが定められている。他の措置ではどうしても対処できない現実があって初めて,改正すべきものだ。

 自衛隊については,安倍内閣を含む歴代内閣が「合憲」と位置づけてきた。教育無償化も,予算措置や立法で対応可能だろう。自民党の公約に並ぶ4項目には,改憲しないと対応できないものは見当たらない。少子高齢化をはじめ喫緊の課題が山積するなか,改憲にどの程度の政治エネルギーを割くべきかも重要な論点だ。

 朝日新聞の5月の世論調査で首相に一番力を入れてほしい政策を聞くと,「憲法改正」は5%。29%の「社会保障」や22%の「景気・雇用」に比べて国民の期待は低かった。公約全体で改憲にどの程度の優先順位をおくか。各党は立場を明確にすべきだ。

 安倍首相は,なぜ改憲にこだわるのか。首相はかつて憲法を「みっともない」と表現した。背景には占領期に米国に押しつけられたとの歴史観がある。「われわれの手で新しい憲法をつくっていこう」という精神こそが新しい時代を切り開いていく,と述べたこともある。
 補注)ここでわれわれは,前段で注意を喚起したような「安倍晋三流になる対米従属国家体制の代表者」的なゴマすり発言,つまり「2015年4月29日,アメリカ上下両院合同会議での安倍演説」の内容を,再度思い出ておく必要がる。奇しくもその日は「昭和天皇の誕生日」であった。ここでは安倍晋三が「みっともない」と形容した日本国憲法の問題も,脇に置きながらつぎのように言及してみる。

 ところで,ここで若干話題が少しズレるかもしれないが,本ブログ筆者の自宅に吊るしてあるカレンダーのなかには,なんと「昭和の元号:昭和92年が印刷されているものがあった(下の画像参照)。それも,最近まではうっかりにも気づいていなかった,その昭和92年の表記であった。この画像資料は2017年3月のカレンダーであるが,いつかは適当に用途がありそうな紙質だということで,印刷されていない裏側をいつか・なにかに使おうと心えて保存してあったのである。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
昭和92年カレンダー
 だが,このカレンダーの(現在は10月だからこれからまだ2ヶ月分以上はまだみるたびに目に入るのだが),この昭和92年という数字(文字)を初めてみて気づいたときは,その場で「ズッコケタ」しだいであた。いうまでもないが,すでに死んでいる天皇の「元号の年数」を数えている,それを表記している。「死んだ子の年を数える」のと同じ思考方式ではないかと思われるが,なんらかのそれ以上の意味もこめられているらしい。

 だがまた,昭和天皇の「沖縄メッセージ」を配慮すると,あながちそうとはいえない〈節〉もある。つぎは,『ヒロヒト事情』に関するいつもの点の復習である。本ブログ内の最近における記述,2017年09月29日の「『戦争と平和』の語り方,天皇問題には微温的にしか触れえない知識人の特性と限界,ぬるま湯もそのうち冷水になるが……」から,つぎの段落をここに再掲しておく。

   実は,安倍晋三君が「戦後レジームからの脱却」といった標語のもとに排除したがっていた相手が,以上のごとき「昭和天皇自身」と「この人が関与してきた戦後史そのもの」でもあった。だが,昭和天皇(現在であれば平成天皇)の排除など,そう簡単にできる話ではない。

 そして「その」裏返し的にべったり張りついていた現実の問題であったのが,まさしく「在日米軍基地」であった。昭和天皇は敗戦直後,アメリカ側に対して,在日米軍が長期的に「駐留」しつづけてくれるよう希望を,ひそかに個人的に申し入れていた。彼は「25年から50年,もしくはそれ以上」でもいいからとまで,それも秘密裏に象徴天皇に変わっていった自分の立場(地位)を超えて(これは憲法に違反する私的な行為であった),アメリカ側に対してその希望を伝えていた。
         ★ 天皇メッセージ ★

 沖縄県公文書館は,米国国立公文書館から収集した “天皇メッセージ” を公開している(平成20年3月25日から)。

 同文書は,1947年9月,米国による沖縄の軍事占領に関して,宮内庁御用掛の寺崎英成を通じてシーボルト連合国最高司令官政治顧問に伝えられた天皇の見解をまとめたメモである。【資料コード:0000017550】
 註記)http://www.archives.pref.okinawa.jp/uscar_document/5392

 前段の記述に該当する段落を画像資料として紹介しておく。(画面 クリックで 拡大・可)
  天皇メッセージ段落
  出所)http://www.archives.pref.okinawa.jp/wp-content/uploads/Emperors-message.pdf
 21世紀の日本になってもなお,この外国軍である米軍に「駐留」してもらっている。このあたりの問題が……(後略)
 なかんずく,安倍晋三が米上下両院合同会議で演説をさせてもらったその日付「2015年4月29日」には意味深長が秘められていた,と受けとってもなにも不思議はない。

 換言すれば,「戦後レジーム」(昭和天皇が望んで創られていた敗戦後史における「日本政治の〈敗戦国的な構造〉形成」)は,安倍晋三君がいくら 『「戦後体制」そのものからの「〈脱却〉」』 を切望していて,しかも,しゃかりきになって大声で叫んでみたところで,もとよりとうてい無理難題である仕組が既成事実としてがったり構築されていた。


 というのも,この「戦後レジーム」はもともと「ヒロヒト氏も希望して」準備されてきた,非常に確固たる「敗戦後史における機構物」であったからである。いいかえれば,それは,堅固な米日間における「支配と従属の上下の関係」を意味してきた。

 すなわち「2015年4月29日,アメリカ上下両院合同会議での安倍演説」の内容は,昭和20年代に生起していたそうした「歴史の事実」を,日本国首相の安倍晋三もまったく同じに,そのまま引きずらされていた「無様な格好」の再演(露呈)であった。そして同時にまた,昨今における話題である「日本の国会」ないの様相をめぐっての「民主主義制度」のあり方の問題などは,よりによって,この安倍首相自身が先頭に立って完全にないがしろに(破壊)してきた。

 再言すれば,安倍晋三政権は「日本の国民・市民たちの存在」など度外視にしたうえで,21世紀のいまにおいても「米日軍事同盟関係の核心」だけは,全面的に是認し,受容していた。つまり,アメリカ側の軍事的な意向に対して安倍首相は全面的に屈服していた。

 〔記事「社説」に戻る ↓ 〕
 b)「最後は国民が決める」
 そこには必要性や優先順位の議論はない。首相個人の情念に由来する改憲論だろう。憲法を軽んじる首相のふるまいは,そうした持論の反映のようにみえる。象徴的なのは,歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権を,一内閣の閣議決定で「合憲」と一変させたことだ。

 今回の解散も,憲法53条にもとづいて野党が要求した臨時国会召集要求を3カ月もたなざらしにしたあげく,いっさいの審議を拒んだまま踏み切った。憲法をないがしろにする首相が,変える必要のない条文を変えようとする。しかもみずからの首相在任中の施行を視野に,2020年と期限を区切って。改憲を自己目的化する議論に与(くみ)することはできない。

 憲法改正は権力の強化が目的であってはならない。必要なのは,国民主権や人権の尊重,民主主義など憲法の原則をより深化させるための議論である。その意味で,立憲民主党が公約に,首相による衆院解散権の制約や「知る権利」の論議をかかげたことに注目する。権力を縛るこうした方向性こそ大切にすべきだ。

 改憲は政権の都合や,政党の数合わせでは実現できない。その是非に最後に判断を下すのは,私たち国民なのだから。(「社説」引用終わり)

 しかし,この日本に暮らしている「私たち国民・市民・住民・庶民」たちが,小選挙区比例代表並立制の弊害ばかりがめだち,この選挙制度に基本的な問題があるにせよ,いまの自民党〔プラスするに,コバンザメ的な宗教ファッショ政党の公明党とが与党である〕を第1党(過半数)の勢力に選びつづけているかぎり,この日本国は世界史的な意味でいえば,もはや日暮れ時を迎えたといっていいところまで来ている。

 「日出ずる国」などと呑気にいってられなくなっている。もちろん,毎朝「太陽は東から顔を出す」けれども,このままいったらこの日本は「太陽をまともに拝めない国」にもなるかもしれない。

 ③【補 遺】『天木直人のブログ』2017-10-16 から引用

 日本国憲法というこの国の最高法規がありながら,日米安全保障条約・日米合同委員会が憲法の上位に位置し拘束される,敗戦による米国に植民地化されたこの国の現状をいい表わしています。このような国情のなかでいくら,景気回復と安倍のミックスのトリクルダウンを叫んでも,国民の腹の底から湧き上がる真の力を引きだすことはできません。「人間を幸福にしない日本というシステム」の一因があるのではないでしょうか? ( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
天木直人選挙ポスター
 このまま辺野古に基地がつくられ,憲法9条改悪・集団的自衛権を容認するならこの国は米国の戦略のもと固定化され,戦争を容認し環境を破壊する砂を噛むようなますます国民を疲弊させ,「人間を幸福にしない国」になり下がってしまいます。

 希望の党が自民党の補完政党となり,野党は護憲を叫んでいますが,この国の独立性を保ち,9条の平和外交を推進するには,ユダヤ国際金融資本と軍産複合体の支配下に置かれた米国との日米同盟を破棄し,永世中立まで視野に入れておかなくてはなりません。

 しかし護憲はいっても,日米安保・日米同盟破棄まで主張する候補は,既存政党のなかにはみられません。そこの急所部分を語らないかぎり,護憲派の候補・政党は選挙目当ての矛盾したことをいっており,選挙をする意味がありません。600億円を使ったままごとにすぎません。

 真実を語っているのは,全国の全候補者のなかでもただ1人,新党憲法9条の代表天木直人氏だけです。元レバノン大使の彼は,イラク戦争の反対を小泉元総理に直訴し,リストラされた人ですが、天木さんは小選挙区東京21区に浄財で彼を押し上げてくれた全国の支援者の支持で立候補しています。

 先日,沖縄で大型ヘリが墜落しましたが,どの候補もそのことを語らず当選のみを考え選挙活動を進めるなか,〔10月〕13日は急遽街頭演説をとりやめ,沖縄の米軍責任者に抗議に出向いています。また,いっこうに進まない拉致問題の蓮池 透さんも街頭演説の応援に駆けつけています。

 一度,「天木直人」で動画検索してみてください。ブログやユーチューブで彼のこれまでの主張や活動をみることができると思います。小泉・安倍の両首相に表立って反骨で立ち向かっている著名人は,私のしるかぎり彼だけです。東京21区に在住の方がおられたら彼への投票を呼びかけ,情報を拡散してください・・・。
 註記)「読者の応援に励まされて」,http://kenpo9.com/archives/2668

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 【いつまでつづくのか,米軍基地騒音訴訟】

 【問題の本質は,軍用機の「騒音の迷惑」や「墜落の危険性」にではなく,「対米従属国日本」の『敗戦後的な国家政治体制』にある】


 ①「横田基地訴訟 賠償命じる 国に 6.1億円 飛行差し止め認めず 地裁立川支部」(『日本経済新聞』2017年10月11日夕刊)

 1)記事の引用
 米軍横田基地(東京都)の周辺住民千人余りが,米軍機と自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めと,騒音被害の賠償を国に求めた「第2次新横田基地公害訴訟」の判決で,東京地裁立川支部は〔10月〕11日,これまでの被害として国に総額約6億1千万円の賠償を命じた。飛行差し止め請求や,飛行が続くかぎり生じる将来分の被害に対する賠償は認めなかった。

 瀬戸口壮夫裁判長は「軍用機の運航には公共性があるものの,原告に特別の犠牲を強いるのは不公平だ。賠償を命じる判決が繰り返されてきたのに(住宅防音工事の助成など)国の対策は,限定的な効果しかない」と指摘した。そのうえで,騒音レベルの指標「うるささ指数(W値)」75以上の地域に住む原告を賠償対象と認定。賠償額はW値75の住民が月4千円,80で月8千円,85で月1万2千円とした。
 補注)この「うるささ指数」については別の記述中で解説したことがある。限界値としては70が判断の目安とされているようである。

 基地騒音をめぐっては,最高裁が昨〔2016〕年12月,厚木基地(神奈川県)訴訟の判決で,(1) 米軍機の飛行差し止めは国内で審理できない,(2) 将来分の騒音被害は賠償請求できない,といった判断を示した。地裁支部もこの判断にもとづき,米軍機の運航は国が規制・制限できる立場にないと指摘。自衛隊機については,民事訴訟による訴えじたいが不適法と退けた。
横田基地図解
  出所)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-02-22/2016022203_01_0.html
(画面 クリックで 拡大・可)


 原告側の関島保雄弁護団長は「一定の賠償は認められたが,根本的な差し止め請求は認められておらず不満だ」と述べ,控訴を検討していると明らかにした。横田には航空自衛隊の施設もあり,自衛隊機もたびたび飛来している。軍用機の騒音をめぐっては,横田や厚木のほか,小松(石川県),岩国(山口県),嘉手納(沖縄県),普天間(同)の各基地の周辺住民も集団訴訟を続けている。(引用終わり)

 2)在日米軍基地問題
 この記事のなかに言及があった「厚木基地(神奈川県)訴訟の判決」に関して本ブログは,つぎの3つの記述などでとりあげ議論してきた。これら記述にはリンクを張っておくので,興味をもった人は,のちほど読んでもらうことして,つぎの ② の本論に進んでほしい。  

 ※-1 2017年08月05日
  主題「『占領軍』にいまだに支配・専有される厚木基地の『騒音問題』,在日米軍基地のずば抜ける軍事的在日特権に『市民・人民』が本気で怒らない日本国の不可思議」

  副題1「対米従属国家体制である『日本における米軍基地の問題』こそ,『戦後レジーム』の代表的な軍事的課題である。だが,安倍晋三政権も指をくわえたまま放置している」
  副題2「『戦後レジームからの脱却』との提唱は,ごく軽い冗談でなければ,本当はブラック&ホワイトの共存的なジョーク」
  ⇒ http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1067192600.html

 ※-2 2016年12月12日
  主題「裁判所が宗主国の軍事基地を裁けず,その負担を周辺住民に押しつける『哀れな国:日本』,砂川裁判以来の対米追随属国『美しい国』の『ふつうの伝統』」

  副題1「在日米軍基地の『在日特権』は,なんといっても日本で『最高の超特権』である」
  副題2「日本の裁判所は強い者ばかりの味方であり,『自国民の生活と権利』を護るために存在しているのではない」
  ⇒ http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1063039241.html

 ※-3 2015年07月31日
  主題「集団的自衛権行使容認のための安保関連法は戦争法制構築であるのに,絶対に『戦争にはならない』と妄断する日本国首相安倍晋三」

  副題1「冗談はほどほどに,在日米軍の基地問題すら追いだせない『いまも昔も』の日本国である事実」
  副題2「戦争と無縁であるどころか,敗戦後史においてはいちいち戦争にかかわってきたこの日本国の米軍基地である」
  副題3「米軍用の不沈空母の役割分担を存分に〈果たしてきている日本〉である事実に目をつむる首相の無責任発言」
     副題4「観念(頭)で発言するばかりか,はじめからウソっぽい断定調でモノをいう安倍晋三「節」である。用心!」
  ⇒ http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1035677595.html


 ② 日米地位協定の壁-日本は対米従属国家体制にある-

 1)属国体制における軍事面の現実・様相
 この ② の問題,「日米地位協定」が端的に物語っている米日軍事同盟関係における「アメリカに対する日本側の従属的な地位(位置)」は,それこそ米軍基地が多く配置されている沖縄県や,4つの本土の島のなかでも神奈川県でのように,本格的な基地が立地している地域でふだん生活している国民・市民・住民たちであれば,十二分に思いしらされている「いまの〈歴史の事実〉」である。

 要は日本は,軍事同盟という国際条約の次元から観ると完全に「米国の属国」である。そうでなければ,最近の報道を借りて説明するがつぎのような事態が,いつにでも起きているような国には,けっしてなっていないはずである。

 2017年10月12日の『朝日新聞』朝刊は「米軍の事故『またか』 住民,不安訴え 沖縄,ヘリ炎上」という見出しの記事をかかげていたが,この記事はつづいてこうも報道していた。
          ▼ 地位協定の壁,度々 ▼

 基地外での米軍機の事故では,日米地位協定が米軍の警察権を認めており,日本の捜査機関が現場検証できないといった事態がたびたび起きてきた。沖縄県警は,今回も現地に警察官を派遣したが,午後8時時点で警察による事故機の検証などは始まっていない。

 2004年の沖縄国際大学ヘリ墜落事故では,米軍が現場一帯を封鎖し,県警は機体に一切手出しができなかった。その後,「米軍航空機事故に関するガイドライン」で現場規制の日米の分担などが定められ,米側が同意すれば日本側も捜査が可能になった。しかし,昨〔2016〕年12月に名護市沖で起きたオスプレイ事故では,海上保安庁の共同捜査要請に米軍が応じないまま事故機は撤去された。

 米海兵隊所属のヘリが沖縄県の北部訓練場近くで炎上した事故を受け,小野寺五典防衛相は〔10月〕11日夕,記者団に,「沖縄の北部訓練場近くの施設区域外で,米海兵隊所属のCH53ヘリが着陸したさいに火を噴いた」と説明。「米軍の海兵隊における事故が続いている。安全な運航をするよう米側には強く申し入れたい」と述べた。中嶋浩一郎・沖縄防衛局長が在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官に,原因究明と再発防止などの徹底を求めたという。
 2)放射性物質の問題:その1
 つぎは『沖縄タイムス』2017年10月15日〔本日〕の報道を引用する。この記事は〈3つの要点〉をさきに挙げてから記事を書いている。

     ◇-1 在沖米軍のCH53E大型輸送ヘリで火災が発生。民間地に緊急着陸後炎上
     ◇-2 けが人はいないが,もっとも近い住宅で約300メートルしか離れていない
     ◇-3 県は米軍に抗議,原因究明と公表まで飛行再開しないよう求める方針

  〔10月〕11日午後5時35分ごろ,「東村高江の集落で米軍機が墜落,炎上中」と,沖縄県消防指令センターに119番通報があった。在沖海兵隊によると,同日午後5時20分ごろ,普天間飛行場第1海兵航空団のCH53E大型輸送ヘリの訓練飛行中に,機内で火災が発生し,北部訓練場外の民間地に緊急着陸したという。機体は炎と黒煙を上げほぼ全焼,大破した。

 国頭消防と東分遣所から消防車7台,米軍のヘリや消防車が出動し,午後8時17分に鎮圧したという。ヘリの乗員7人を含め,けが人はいない。翁長雄志知事をはじめ,北部地区の市町村長,住民は抗議の声を上げている。

 炎上を確認し,約60メートルの距離から目撃した男性によると,乗員7人は荷物をもって事故機から逃げ出し,別のヘリ1機に乗り移り,その場を去ったという。現場は県道70号に近い,東村高江の住民所有の牧草地。もっとも近い住宅で約300メートルしか離れていない。

 現場周辺を米軍が一時的に規制した後,半径300メートルで米側が内周線,県警が一般住民とかかわる外周線を規制した。ヘリの回転翼の安全装置に,放射性物質のストロンチウム90が使われている可能性があり,県環境部の職員は放射線量を測定しようとしたが,規制線の内側に立ち入れなかった。

 周辺の米軍北部訓練場には15カ所のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)があり,海兵隊が日常的に訓練を実施している。翁長知事は12日午後,現場の状況を視察する。富川盛武副知事は米軍,沖縄防衛局,外務省沖縄事務所の代表を県庁に呼び,事故に抗議するとともに,原因を究明し,公表するまで飛行を再開しないよう求める方向で調整に入った。富川副知事は東京で関係省庁に抗議することも検討している。
 註記)http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/155109

 3)放射性物質の問題:その2
 つづいて『琉球新報』2017年10月12日(18:55)から,記事「高江米軍ヘリ炎上 放射性物質が飛散の可能性」を引用する。

   ☆ 矢ヶ﨑克馬・琉大名誉教授(物性物理学)の話 ☆

 沖国大〔沖縄国際大学,2004年8月13日〕に墜落した米軍ヘリCH53には,回転翼の安全装置に放射性物質ストロンチウム90が使用されていた。そのさいには,6つの装置のうちひとつを回収できず,米軍は気化したとし,環境に影響ないと主張した。この時に消失した量は約500マイクロキュリー,1850万ベクレルとされた。大変な量だ。

 ストロンチウム90は高速ベータ線(電子)を出す。回転翼のなかは真空になっていて,ベータ線を常時測定している。損傷が起き空気が入ると測定数値が激減し,警報が鳴る仕組みだ。ベータ線は透過力が弱いので通常は近接しないかぎり危険性はないが,燃え上がると酸化しながら微粒子になって大気中に飛散する。空気中を漂う微粒子が体内に入ると内部被ばくの危険がある。

 今回も黒煙と一緒に周囲にばらまかれてしまったのではないか。爆発的に燃えていた様子からすると,複数の装置が燃えて沖国大の時より多く飛散したかもしれない。
 註記)https://ryukyushimpo.jp/news/entry-592641.html

 以上,米軍のCH53E大型輸送ヘリが訓練飛行中に墜落し,しかも放射性物質を放散する事態まで発生させていた。だが,この事件を日本側の警察はおろか,防衛省自衛隊じたいがなにも関与しえていない。したがって,こうした在日米軍に関する問題の核心には,日米軍事同盟関係のあり方(本質)が陣どっている。しかも,前段までの記事のなかにも説明されていたように,あたかも「米軍」がいまだに「〈日本の占領軍〉そのものである」とみなすほかない「軍事的な行動(訓練・演習にせよ)」を実施しつづけている。

 そうした現実があり,敗戦後から21世紀の今日まで継続してきている。日本のこの国土の上,つまり,今回の「沖縄県東村(ひがしそん)高江の民有地」の上「に米軍の大型輸送ヘリコプターCH53が〔墜落〕炎上した事故を受け,県内では相次ぐ米軍機の事故に反発が広が」り,「高江の住民たちは〔10月〕12日,集落周辺のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の全面使用禁止を求めることを決めた」というわけである。
 沖縄県米軍ヘリパッド画像
    沖縄県米軍ヘリパッド画像2
   出所)http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/ea5796d2c5b797e28cdb95d7d669d3d8
 けれども,その問題は在日米軍基地を全体的に観察すると理解できることだが,アメリカ側にとっては,そのうちでのたった「ひとつ問題」でしかない。日本全国に散在する米軍基地は,日本国を防衛するために配置されているのではなく,アメリカの世界軍事戦略の足場・拠点に利用されている。この事実が,アメリカにとっては最重要である「在日米軍」の「軍事面の利用目的」である。

 4)軍事訓練に随伴する事故(高い事故率)は当然の現象
 それゆえ,在日米軍基地の役割・機能にまつわって日常的に発生するほかない「ひとつ・ひとつの問題」は,いいかえれば,在日米軍基地の周辺に暮らしている国民・市民・住民たちが日常的に対峙させられてもいる,いうなれば「それぞれが具体的であり,現実的である悪影響や諸被害の出現」は,「あちらの側」からはつぎのように観察され,評価され,位置づけられている。

 すなわち,今回のヘリ墜落事件も,在日米軍の「軍事的な利便性」を確保するためであれば,「小の虫を殺して大の虫を生かす」の要領でもって適当に後始末されていれば,それでひとまずよし(問題なし)とされるのである。米軍の軍事訓練に関してならば,「確率的にという意味」でいってもよいのだが,必然的に発生せざるをえなかった「事故の一例」であった。

 事故はもちろん,なんであってもけっして好ましくはなく,起きないほうがいい。だが,起きるときは起きる。米軍(軍事組織)の主目的に照らしてみれば,軍事訓練にともない発生せざるをえない諸事故は,どこまでも「副次的な問題」だと位置づけられ,それ相応に処理されていればよいのである。

 それゆえ,別の意味でまた極論的にいってのけると,今回のヘリ墜落事故も事後においてなるべく手際よく始末されておけば,それはそれでよいような事象(出来事)でしかありえなかった。本来,軍事訓練なのだから,その訓練の種類・内容にもよるけれども,各種・各様の諸事故が高い危険性もって発生することは,想定内の出来事として覚悟されている。

 ここでは,つぎのような事例を紹介しておく。防衛省陸上自衛隊第一空挺団に関する話題である。
◆ 自衛隊の訓練 死亡事故率 消防の3倍 ◆

 自衛隊員が訓練中に死亡する事故の頻度が,消防士の3倍,警察官の7倍以上に上ることが分かった。多くは持久走など体力的に厳しい訓練だが,北朝鮮の不審船対処で新設された任務に関する訓練もある。集団的自衛権の行使容認で,専門家は「訓練がより実戦的,過酷になる可能性がある」と指摘する。
     陸上自衛隊第1空挺団降下訓練画像
     出所)陸上自衛隊第1空挺団の降下訓練,
        http://jin115.com/archives/52066958.html

 死亡事故件数について,社民党の照屋寛徳衆院議員が質問主意書でただし,政府が答弁書で明らかにした。答弁書によると,2004年度以降,今〔2014〕年5月までに,自衛隊で訓練に絡む死亡事故は計62件発生。同時期で警察官の死亡事故は9件,消防士は2004~2012年度で10件あった。

 年平均の事故件数を各組織の定員で割った「事故率」を計算すると,10万人当たりの死亡事故は警察官0.32件,消防士0.69件に対し,自衛隊は2.28件。警察官の7.1倍,消防士の3.3倍だ。

 防衛省がまとめた62件の内訳は,47件が陸上自衛隊,9件が海上自衛隊,6件が航空自衛隊で発生。状況別では,陸自では「持続走訓練中」が18件と最多で,車両による事故が8件。その他「体力検定中」とする事故,スキー訓練中がそれぞれ4件あった。空自も「3キロ走」など走行訓練中が4件あり,墜落事故の2件を上まわった。

 海自では航海中に行方不明になり死亡認定されたケースと,潜水訓練事故が3件ずつ。2008年には,不審船への対処のため新設された海自の「特別警備隊」の要員を養成する第一術科学校で,格闘訓練中に隊員が死亡している。

 政府は答弁書で「訓練の内容だけが原因ではない」との趣旨の説明をし,体調不良など他の要因も考えられるとしている。防衛省は「隊員の生命を失うことにつながる事故は絶対に避けなければならない」(『防衛白書』)としながらも,「任務の多様化に対応した訓練の充実に努める」(同)との方針を示している。

 集団的自衛権の行使容認を受け,国連平和維持活動(PKO)参加時の駆けつけ警護など新たな任務を想定した訓練が予想される。
 註記1)『東京新聞』,http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014070690070308.html
 註記2)引用は,https://www.facebook.com/No.1Kutei/posts/865862236775446
 5)む す
  日本の国土の上で起きた,今回における「沖縄県東村(ひがしそん)高江の民有地における米軍の大型輸送ヘリコプターCH53の墜落・炎上事故」も,アメリカ軍側からみれば訓練中の一事故である。しかも,治外法権的に日本の国土を勝手・自由に使いまわせる「〈超〉特権的な立場」において,発生していたその事故であった。これからも同様な事故は再発しつづけるに違いあるまい。軍隊とその訓練なのだから……。

 最後にもう1点,本ブログ筆者の記事を紹介しておく。
 ※-4 2016年12月15日
  主題「対米従属国の悲哀,オスプレイ墜落は『住宅地を避けた,ありがたく思え』と発言する『植民地総督のような米軍指揮官』,安倍晋三はどう受けとめる?」

  副題1「昭和20年代の占領支配者意識まる出しの米軍指揮官の態度」
  副題2「住宅地に墜落でもしていたら,なんというのか? 軍用機の訓練中だからそれで当然だ,とでも開きなおるつもりだったか?」
  副題3「沖縄は植民地同然か,あるいは半植民地状態」
  副題4「この問題には手も足も出せず,そしてまともに口もきけない安倍晋三政権の無力ぶりと頼りなさ」
    ⇒ http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1063102371.html
 沖縄県では2016年12月,米軍のオスプレイが空中給油中に墜落事故を起こした事件が記録されている。在日米軍によるこの種の軍事兵器の運用にかかわる事故そのものは,一定の高い確率で発生するものだ,という認識が必要である。

 それでは,この種の事故をなくすにはどういった対策が考えられうるか? 改憲か? だが,安倍晋三君のもくろんでいる「改憲の方途」は,在日米軍基地にかかわる「諸現状」をより強固に定着させることにしかなりえない。 
安倍晋三アメリカファースト画像
出所)http://blog.livedoor.jp/matrix_zero1/archives/1364260.html
安倍晋三から日本をとりもどす画像
出所)http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-79d7.html

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 【政治家として「幼稚と傲慢」「暗愚と無知」「欺瞞と粗暴」を本質的な資質とするこの国の首相が,国民たちをよりいっそう不幸にするよう拍車をかけている】

 【小池百合子「希望の〔ない〕党」は,いまや決定的に,安倍専制・独裁的政権の固定化に手を貸している。「希望の党」とは自民党に「希望を与える党」であり,安倍晋三のための「第5列」】

 【ユリノミクスはアベノミクスに輪をかけたアホノ的なユスリミクスであり,ユリノクライシス・ユリダメノミクスになりはてた。この顛末はさらに,10月22日の衆議院解散総選挙で判明する】



 ①  「〈〔20〕17年衆院選 党首駆ける〉 自民・安倍晋三総裁 平静保つ我慢の戦い」(『日本経済新聞』2017年10月31夕刊1面から)

 ここに引用する記事をめぐっては,この内容に書かれている表現どおりには「なかなかいっていない」はずである点,いいかえると〈我慢〉という文字が見出しに出ているけれども,安倍晋三君においては特有である「政治家としての人間的資質・人格的な特性」(その我慢とは無縁)をとりあげ問題にしてみる。

 「本日の論及」は,安倍晋三君がこのたびまたもや,みずから暴露させてしまった「ある件」(トンデモ発言)を分析してみるが,そのためにまず最初に紹介する記事が,つぎの報道である。

 『日本経済新聞』は,安倍晋三政権を基本的には応援する立場を保持しているようにしかみえない。そのようにしか受けとれない編集方針の立場を採っている。最近の,株価高揚を盛んに強調する経済紙としての立場の性格は,この新聞社の体制派的な個性を色濃く自己表現している。それはさておき,この ① の記事を引用する。

 --選挙戦〔10月22日に衆議院解散総選挙〕は「安倍対小池」に注目が集まる。ところが〔安倍晋三は〕「相手のイメージ戦術には乗らない」と周囲に語り,激しい小池批判を控える。自身を戒めているようにもみえる。
         安倍晋三こんな人たち演説画像
          出所)http://netgeek.biz/archives/99034


 大敗した7月の都議選では,ヤジを飛ばす聴衆を指して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と訴え,反発を招いた。「ついいってしまった」。直後にこう漏らしたという。その反省もある。周辺は今回の選挙を「平静を保つ我慢の戦い」と位置づける。
 補注)② 以降でもくわしく論及していくことがらになる。この安倍晋三君はこういういいわけを披瀝していた。つまり,自民党が「大敗した〔2017年〕7月の都議選で」の失敗は,街頭演説の最中に自分が「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と訴えて〔逆上〕しまった結果,かえって,都民たちから大きな「反発を招いた」。けれども,これは私が「ついいってしまった」ことであった,と。

 しかし,この安倍晋三が「つい〔うっかり〕いってしまった」と弁解した「アベ流の対話における一方的で高圧的な口調」こそが,実は問題の焦点にあったはずである。つまり,彼がたまたま「ついいってしまった」という程度内に収めうるような「あの日の出来事」などでは,けっしてなかった。

 〔記事に戻る→〕 解散時には「私自身への信任も問う」と覚悟をみせたが,直近の報道各社の序盤情勢調査では与党は290を超える勢い。小池政局は事前に読み切れなかったが,言葉を抑えるなか,相手の「排除の論理」に批判が広がった。22日の投開票まで10日を切った。最後まで我慢は続くのか。(引用終わり)

 安倍晋三にしても小池百合子にしても,「けっしていってはいけない〈決定的にまずい〉発言」を,自分たちは平気の平左でときたま放つことがある。この事実は,「彼と彼女」とが,いわばいつの間にか身に着けてきた悪いクセなのであった。

 とはいっても,彼らに特有の個性でもあるせいか,事情・場合によってはどうしても止めることのできない〈衝動的な潜在要因〉になって,いつも体内のどこかに隠されている。だから,当人たちがいくら注意・用心したところで,そう簡単に抑制しきれるような〈精神的な動因〉ではない。
小池百合子「さらさらない」発言
出所)小池百合子,2017年9月28日の発言,
https://twitter.com/yagainstfascism/status/913582341406072832

 安倍晋三の「街頭演説における《こんな人たち》演説」や小池百合子の「民進党の全員を受け入れることはさらさらない」の発言は,「自民党」や「希望の〔ない〕党」の評判(評価・支持率)を大幅に損なう原因を作っていた。彼と彼女における発言の特徴は,完全なる「上から目線」であるだけでなく,麻生太郎風にいえば「下々の人たち」に対する基本から粗暴な態度によく表出されている。

 ②「首相,籠池被告を『詐欺を働く人物』 弁護士『無罪推定を無視』批判も」(『朝日新聞』2017年10月13日夕刊)

 1)記事の引用
   安倍晋三首相が〔10月〕11日夜のテレビ朝日の番組「報道ステーション」で,学校法人「森友学園」の前理事長の籠池泰典被告(64歳)について「詐欺を働く人物」と語った。籠池被告は詐欺罪などで起訴されたが,裁判はまだ始まっていない。「無罪推定の原則を無視した発言だ」との批判もある。

 番組では各党党首の討論を放送。安倍首相は,森友学園の問題を問われ,籠池被告について「詐欺で逮捕,起訴されました。これから司法の場に移っていくんだろうと思います」としたうえで,「こういう詐欺を働く人物の作った学校でですね,妻が名誉校長を引き受けたことはやっぱり問題があった。こういう人だからだまされてしまったんだろう」と述べた。

 関係者によると,籠池被告は調べに対し一貫して黙秘しているという。元検事の郷原信郎弁護士は「三権分立の一角をなす行政の長が,司法の場で裁かれていないのに『詐欺を働く人』と決めつけた。無罪推定の原則をおかしており,大変な人権侵害だ」と話した。(引用終わり)
 補注)この記事に関して本ブログ筆者はすでに,昨日〔2017年10月13日〕に言及している。『郷原信郎が斬る』 2017年10月12日の「『籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。』は, “首相失格の暴言” 」と題して,安倍晋三のその発言をきびしく批判していた。郷原信郎による安倍晋三「批判」は,朝日新聞が翌日の記事にとりあげ,前段本文のように記事にしていた。つぎの引用枠内には,その記事の現物もついでに,画像資料として紹介しておく
   『朝日新聞』2017年10月13日夕刊籠池泰典記事郷原信郎
 安倍晋三のふだんからする発言の仕方:あり方は,粗雑で高慢さを感じさせる場合が多い。政治家として基本的に踏まえねばならない最低限の知識・情報(ないしは常識や素養)を,しっかりとテイネイにわきまえているようには思えない。

 安倍晋三はまさか,刑事訴訟法関連の「無罪推定」をまったくしらなかったのか,前段のように森友学園の旧理事長籠池泰典夫婦を,いまからそれも自分が裁判長にでもなって確定的に裁いているつもりにでもなったかのように,それも相当に「いい気になって」語っていた。きわめて粗忽で無礼な発言をしていた。

 それともすでに,裁判所も自分(総理大臣)に対する忖度の用意・準備が十分なのであるから,そのように籠池泰典夫婦をいまから刑務所送りにできるとでも観測している態度を,あえて露骨に披露しても許されると思いこんでいるのか。法学部の学生であれば,まともに勉強している若者でも即座に気づくような非常に程度の悪いデタラメ発言を,安倍晋三は不注意(この注意とは無縁の感性次元?)でいい放っていた。

 2)「『籠池氏は詐欺を働く人物』発言だけじゃない!  最高裁判事に加計学園元監事を異例の抜擢…安倍首相は司法も私物化!」(『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2017.10.13)

 a)「籠池氏は詐欺をはたらく人物」。安倍首相が,〔10〕11日に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)で発した言葉がいま,波紋を呼んでいる。

 籠池泰典氏の逮捕については,国の補助金不正受給に詐欺罪を適用することに対し法律関係者からも疑問の声があがっていた。だが,そもそも籠池氏は公判もまだ始まってすらおらず,判決も下されていない状態だ。にもかかわらず「詐欺をはたらく人物」と決めつけることは,「推定無罪」という司法の基本中の基本である大原則を無視した発言だ。
2017年10月11日報道ステーション党首討論画像
出所)この画像は,http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/

 しかも,安倍首相はこのとき「(籠池氏が)こういう人だから(昭恵夫人は)騙されたのだろう」と述べている。要するに,昭恵夫人の関与をごまかすために,籠池氏を有罪判決が出た「詐欺師」であるかのように喧伝したのだ。よりにもよって,総理大臣がテレビの党首討論で,である。

 進行中かつ未確定の司法案件について,時の最高権力者である総理大臣が,いち民間人を有罪と決めつけ,さらにマスメディアを通じて「詐欺をはたらいた」と連呼するのは,完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力にほかならない。こんな暴挙が許されるわけがないが,要するに,司法の独立という近代国家の大原則すら,この宰相は守っていないのである。

 だが,第2次安倍政権以降,司法の独立は脅かされつづけている。というのも,政権を忖度したような判決が次々に下されているからだ。(このあとにくわしい記述がさらにつづくが,後略した)
 註記)http://lite-ra.com/2017/10/post-3509.html

 b) 森友問題での交渉記録保全申し立ての却下にしても,辺野古新基地建設での県側の敗訴にしても,自衛隊パレード反対集会拒否の合憲判断にしても,安倍政権のもとで任命された最高裁判事たちの多くは,まるで政権の意向を忖度したかのような決定を下している。

 それは,前述のように安倍政権が司法に対する強い人事介入の動きをみせていることも原因のひとつだ。安倍首相こそが司法の独立をないがしろにし,自分の意に沿うようコントロールしようという欲望をむき出しにしているのである。

 有権者は政権を忖度する不当判決を起こさせないよう,最高裁裁判官の国民審査を通じ,その意思を表明することはもちろん,政治権力による露骨な司法への介入・圧力に対しても,毅然と NO を突きつける必要がある。
 註記)http://lite-ra.com/2017/10/post-3509_3.html

 ③ 推定無罪とは「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という近代法の基本原則である

 a)「狭義」では,刑事裁判における立証責任の所在を示す原則であり,「検察官が被告人の有罪を証明しないかぎり,被告人に無罪判決が下される(=被告人はみずからの無実を証明する責任を負担しない)」ということを意味する(刑事訴訟法336条など)。

 「広義」では(建前としては),有罪判決が確定するまでは,何人も犯罪者としてとりあつかわれない(権利を有する)ことを意味する(国際人権規約B規約14条2項など,「仮定無罪の原則」という別用語が用いられることもある)。

 b)「無罪の推定」という表現が本来の趣旨に忠実であり(presumption of innocence),刑事訴訟法学ではこちらの表現が使われる。近時,マスコミその他により,推定無罪と呼ばれるようにもなった。

 この原則は,刑事訴訟における当事者の面から表現されている。これを裁判官側から表現した言葉が「疑わしきは罰せず」であり,「疑わしきは被告人の利益に」の表現から利益原則ともいわれるが,上述のとおり,「疑わしきは罰せず」より無罪の推定の方が広い。

 c)「根拠」 日本では「被告事件について犯罪の証明がないときは,判決で無罪の言渡をしなければならない」と定める刑事訴訟法第336条は,「疑わしきは被告人の利益に」の原則を表明したものだと理解されている。

 また,法律の適正手続(デュー・プロセス・オブ・ロー)一般を保障する条文と解釈される日本国憲法第31条の,「何人も,法律の定める手続によらなければ,その生命若しくは自由を奪はれ,又はその他の刑罰を科せられない。」に推定無罪の原則(狭義)が含まれると解釈されている。

 d) もっとも「無罪の推定」(英語: presumption of innocence)は,「疑わしきは被告人の利益に」(ラテン語: in dubio pro reo)の原則より広く,被疑者・被告人は,有罪の犯人と区別し,むしろ無辜の市民として扱われるべきだという意味として捉えられており(広義の推定無罪の原則,別名「仮定無罪の原則」),国際的にも定着している。

 これは,国際人権規約にも明文化されており,日本も批准している。そのB規約第14条2項は「刑事上の罪に問われているすべての者は,法律に基づいて有罪とされるまでは,無罪と推定される権利を有する。」と,権利の形で明確に保障している。
 註記)https://ja.wikipedia.org/wiki/推定無罪 参照。

 ④「『安倍首相,福島で原発のげの字も言わず』共産・志位氏」(『朝日新聞』:THE ASAHI SIMBUN DIGITAL,2017年10月13日17時30分)

 1)この記事は「志位和夫・共産党委員長(発言録)」と名づけられているが,このなかからつぎの箇所を紹介する。
2017年10月13日17時30分志位福島で   私はね,安倍首相の姿勢,(衆院選の)第一声を福島でやったっていうでしょ。福島でやっておいて,原発のげの字もいわなかった。よくそんな演説ができると思いますよ。

 事故を起こした責任者じゃないですか。長年の自民党政治,安全神話をつくってきた。その結果じゃないですか。その責任者が福島にやってきて,原発のげの字もいわない。

 3月11日の犠牲者の追悼式典でも,彼は原発のげの字もいわなかった。もう,原発事故を終わったことにしてしまおう。そして,もう全部打ち切ってしまおう。そして,原発再稼働と輸出をやろう。こんな勢力に日本を任せるわけにはまいりません。原発ゼロ,再稼働反対,そして福島の(原発)全基廃炉,この願いを日本共産党に託してください。(福島市での街頭演説で)
 註記)http://digital.asahi.com/articles/ASKBF551RKBFUTFK00K.html?iref=comtop_8_03
 本ブログ内では最近,関連する論点に関して,こういう記述をおこなっていた。「原発推進派の安倍晋三」の立場を根底から批判しておくためであれば,とうてい黙過できない問題点を指摘していた。

 2011年の「3・11」に発生した「東日本大震災と東電福島第1原発事故」についていえば,これを発生させた原因に根幹からかかわっていたのだから,これから逃げおおせるはずもない「安倍晋三首相(第1次内閣時)の政治責任」は,現在における「彼の立場にとってすれば,完全に忘れたおきたい(なきものにしておかねばならない)」ほどに,非常に重大かつ深刻な「事実の記憶」であった。

 2)「3・11」直後の原発事故に関する安倍晋三の重大責任
 東電福島第1原発事故に対して安倍晋三自身が「歴史に記録した事実」は,「福島原発事故で,国と東電の責任を認める判決! あらためていう,福島原発事故の主犯は安倍晋三だ」(『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2017.10.10)という記事が,「3・11」直後に発生した原発事故に関して,安倍晋三が首相の立場から関与した政治責任を,つぎのように批判していた。
   今回の判決で注目すべきは,その理由だ。福島地裁の金澤秀樹裁判長は,福島原発を襲った津波について,こう指摘している。

 「平成14年(2006年)に政府の地震調査研究推進本部が発表した地震の評価は,専門家による議論をとりまとめたもので信頼性を疑う事情はない。国がこれにもとづいてただいちに津波のシミュレーションを実施していれば,原発の敷地を越える津波を予測することは可能だった」。

 この判決にある指摘は重大だ。福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し,原子炉の冷却機能が失われたことが原因で,政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと,これまでくり返し弁明してきた。

 福島原発事故に関する全国で30以上の集団訴訟でも,国は一貫して,「津波は予見できず,東電に津波対策を命じる権限もなかった」と主張している。しかしこの指摘は,そうした国の弁明を完全にくつがえすものだからだ。

 そして,この判決を報じるメディアがまったくといっていいほど,触れていない重大な事実がある。それはこの判決にある「2006年に政府の地震調査研究推進本部が発表した地震の評価」を潰した張本人こそ,当時総理大臣の立場にあった安倍晋三にほかならないことだ。

 安倍首相は,第1次政権時の2006年,国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されたさい,「日本の原発でそういう事態は考えられない」として「いっさいの対策を拒否していた」のである。

 さらに3・11の福島原発事故以降は,事故当時の民主党菅政権の事故後対応のまずさを攻撃し,また,事実を追及するメディアを「捏造だ!」とがなりたてることで,みずからの重大責任を隠匿するという卑劣な態度を押し通してきた。
 註記)http://lite-ra.com/2017/10/post-3503.html
 3)“under control”(!?)
 安倍晋三は「3・11」の原発事故については,遁辞を駆使するどころか,まるで自分はなにも関与した事実などなかったかのように「事実を忘却」「させていた」。またそれだけではなく,前段でも触れたように,東日本大震災時の政権党であった民主党に向けて,すべての責任を押しつけるという卑怯な「その後におけるすり替えのゴマカシ」までも演じてきた。

 だが,いまではたいそう有名になっている安倍の迷文句  “under control” であるから,彼自身の『政治家としてのウソ的な体質』を指示・表現するための検索語にさえなっている。
  安倍undercontrol発言2 安倍undercontrol発言
   出所)http://blogs.yahoo.co.jp/koiuta48/10667038.html
 ここではその問題を復習しておく。2013年9月7日(現地時間)午前,アルゼンチン共和国の首都ブエノスアイレスを訪問していた安倍晋三は,「第125回国際オリンピック委員会(IOC)総会」において,東京プレゼンテーションと公式記者会見をおこなっていた。だがそこで,安倍晋三が発したのがこの驚くべき発言であった。

   “ The situation is under control ”
    (「状況はコントロールされている」!)

 この「状況」とは福島第1原発の「状況」を指すけれども,安倍晋三は国際社会に向けて福島第1原発をめぐる状況は「コントロール」されている,つまり「制御できている」と宣言した。さらに,ノルウェーのIOC委員から福島第1原発の状況について聞かれた安倍は,つぎのように述べた。
  「まず,結論から申し上げますと,まったく問題ありません。新聞のヘッドラインではなくて,事実をみていただきたいと思います。汚染水による影響は,福島第1原発の港湾内の,0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています。福島の近海で,私たちはモニタリングをおこなっています。その結果,数値は最大でもWHOの飲料水質ガイドラインの500分の1であります。これが事実です」。

 「そして,わが国の食品や水の安全基準は,世界でももっとも厳しい基準であります。食品や水からの被曝量は,日本どの地域においても,100分の1であります。つまり,健康問題については,いままでも現在もそして将来も,まったく問題ないということをお約束いたします」。

 「さらに,完全に問題のないものにするために,抜本解決に向けたプログラムを,私が責任をもって決定し,すでに着手をしております。実行していく,それをお約束いたします」。

 私〔ここに引用した原文の執筆者〕は真夜中に,地球の裏側のブエノスアイレスで「自国の総理」が国際社会に向けて,真っ赤な嘘を公言していることをしり,愕然とした〔と感想を述べていた〕。汚染水は港湾内にブロックされていない。
 註記)以上は,http://iwj.co.jp/wj/open/archives/100898 を途中まで参照。
 東電福島第1原発事故現場における地下流水の放射性物質による汚染問題は,いままで長い時間と多くの経費をかけて対策を講じてきたものの,いまだに完全といえる解決のメドは立っていない。この事実については本ブログ筆者は,すでになんども記述していた。

 先述のように2013年9月7日,アルゼンチン共和国の首都ブエノスアイレスにおいて「第125回国際オリンピック委員会(IOC)総会」が開催され,そこで安倍晋三があのデタラメに満ちた詐術語, “ The situation is under control ” を吐いていた。だが,その先月(2013年8月)には東電福島第1原発事故現場では,つぎのような出来事が発生していた。
◆ 東京電力福島第1原発でまた,
深刻な汚染水問題が発覚した ◆

=「福島第1原発事故 汚染水,本当の深刻度」
『にゃん子さんのブログ』2013-08-27 23:02:13 =


 地上タンクから高濃度の放射性汚染水が推計約300トン漏れ出ていた。タンクからでは過去最大の汚染水漏れで,1カ月近く漏れに気づいていなかった可能性がある。事故は収束していないことをあらためて示す事態だ。

 原子力規制委員会は,漏れを国際評価尺度でレベル3(重大な異常事象)とすることを検討中だ。汚染水問題で安倍晋三首相は「国として対策を講じていく」と述べたが,日々の事故対応は基本的に東電任せで,政府が前面に出ているとはいまだにいいがたい。もっと当事者意識をもって対応してほしい。
 註記)https://ameblo.jp/d-s-p/entry-11600908233.html
 安倍晋三の編集した〔できる〕話法辞書が,もしもあったらとしたら,「余の舌で話せる言葉には不可能なものはない」とでもいった具合になりそうである。

 4)この ④ の簡単なむすび
 元検事の弁護士郷原信郎のブログ〔『郷原信郎が斬る』2017年10月12日〕の記述を閲覧してから,これを材料に使い囲み記事にしていたのが,前段の〔『朝日新聞』2017年10月13日夕刊社会面〕の報道であった。この囲み記事から最後の段落をつぎに引用しておく。これは,政治家安倍晋三に対する根幹からの決定的な批判になっていた。
    元検事の郷原信郎弁護士は「三権分立の一角をなす行政の長〔安倍晋三首相〕が,司法の場で裁かれていないのに『詐欺を働く人』と決めつけた。無罪推定の原則をおかしており,大変な人権侵害だ」と話した。
 安倍晋三自身いわく「ついいってしまった」。冗談ではない,言語道断の,許されざる妄言であった。なんどでも繰り返しいってほかないが,「世襲3代目の政治家」になるとここまでもひどく,「政治家としての資質」が劣化・低質化してくるのか? あまりにも深くにまで政治家としての基本的な素養を欠格させている。
安倍晋三家系図
出所)https://all-souzoku.com/article/560/

 安倍晋三の母方の祖父であっても,ここまでひどく,この日本を粗雑にはあつかってはいなかったはずである〔などと想像してみたい〕。原発は「美しくない国土」の一地域を,この日本のなかに「永久に癒えない傷」として残した。

 安倍晋三の外交はこの期に及んで,在日米軍基地に潜在的には常時支配されているような,この国なりに「ふつうの国」である諸風景を,あの「大年増の厚化粧」をしている女性政治家とともにさらに固定化させようともしている。

 ⑤「比例投票先『自民』30.7% 時事通信世論調査」(『時事通信』2017年10月13日掲載,引用はhttps://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-cabinet)

 本日〔2017年10月14日〕の『日本経済新聞』朝刊4面に「比例投票先『自民』30.7% 時事通信世論調査」という見出しの小さな記事が掲載されていた。これについては『時事通信』の電子版をのぞいていみると,つぎのように報道されていた。

☆ 衆院選投票先,自民30%=内閣不支持,
支持を逆転-時事世論調査 ☆

 時事通信が6~9日に実施した10月の世論調査によると,安倍内閣の支持率は前月比4.7ポイント減の37.1%だった。不支持率は同5.1ポイント増の41.8%で,8月の調査以来,不支持が支持を再び上回った。一方,衆院選比例代表で投票したい政党は,自民党が30.7%でもっとも多く,希望の党が11.8%で続いた。
『時事通信』2017年10月13日世論調査結果(6~9日分)
 安倍政権への不信は根強いものの,投票先では政権批判票の受け皿が分散していることで,結果として自民党が突出する状況が生まれているようだ。自民,希望両党以外の比例投票先は,公明党 5.9%,共産党 4.5%,立憲民主党 4.4%,日本維新の会 3.1%,社民党 1.2%などの順。「分からない」は33.8%だった。
 補注)だいたいでいってしまうが,「自民・公明」で3分の1,「野党勢力合わせて」3分の1(ただし自民の第5列でしかない維新なども含む),「支持なし」が残りの3分の1になっている。現在の小選挙区比例代表並立制のもとでは,自民党が不当だとみなしていいほどにまで過分に議席数を獲得しつづけている。

 実際に投票した有権者のうち,おおよそ最高で4割しかとれていなかった自民党が6割もの議席を占め,これに公明党〔なども〕がくわわって,安倍晋三風の専制・独裁の政治を支えている。刑事訴訟法の「推定無罪」については,それこそ,そのヘッタクレもなにもない様子で語れるこの首相であった。この様子は,まさしく「美しい国」であるらしいこの日本を「亡国にさせていく作業に従事している最中」である彼の姿を,真正直に反映させている。

 衆院選の投票については,「必ず行く」との回答が61.7%。次いで「たぶん行く」26.6%,「たぶん行かない」5.7%,「行かない」3.5%だった。

 内閣を支持する理由(複数回答)は,「他に適当な人がいない」15.1%,「リーダーシップがある」9.5%,「首相を信頼する」9.1%〔以上の合計 33.7%〕。一方,支持しない理由(同)は,「首相を信頼できない」26.0%,「期待が持てない」17.6%,「政策が駄目」12.9%など〔以上の合計 56.5%〕だった。
 註記)https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-cabinet

 いまでは,自民党の「支持率の動向」とはまた別様の動向をもって,安倍晋三という「首相の人間・人格性が信頼できない」と判断せざるをえない「国民・市民・住民・庶民たち」が多数派を占めている。この定着をみせている事実は,各種の世論調査でもたびたび再確認されている。安倍晋三は首相としてすでに,庶民感覚からしてだいぶ倦まれている。

 今回,元検事の弁護士郷原信郎は,「推定無罪」という刑事訴訟法の基本原則さえも完全に無視し否定する安倍晋三の発言とらえて,しかも,安倍自身がこの原則をまともに理解しているのかすらも疑わせるような政治家だとして,この「日本国の総理大臣」をまっこうから非難し批判していた。

 「お話にもならない」「こんな人」(!?)に,いつまでも「日本の首相」をやらせておいて,いいのか?

 ⑥ 「総選挙で『大政翼賛会』体制の成立を国民は是認するのか 日本外交と政治の正体」(孫崎 享稿『日刊ゲンダイ』2017年10月13日) (画面 クリックで 拡大・可)
『日刊ゲンダイ』2017年10月13日孫崎亨寄稿
     註記)https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/215496

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 【安倍晋三の体たらく極右・反動政治に,拍車をかけた小池百合子の大罪】

 【ろくでもない,そして「美しくもない」国造りに邁進しつつ,「民主政の溶融現象」を惹起させている〈真犯人:2人〉に向かい,「倒れてしまえ!」と元気のいい室井佑月の発声】

           ※ 安倍晋三首相の人権蹂躙発言 ※

 本日〔2017年10月13日〕『朝日新聞』夕刊「社会面」に,つぎの記事が出ていた。くわしくは,本ブログのこの記述がさきに ⑤ で言及(紹介)していた。(画面 クリックで 拡大・可)
   『朝日新聞』2017年10月13日夕刊籠池泰典記事郷原信郎
 ①「この記述」をおこなう理由など

 室井佑月が書いたこの「寄稿記事の紹介・転載」については,以下に引用しつつ,さらに議論する( ② 以降の段落がその部分)。衆議院解散総選挙を控えて,国民・市民・住民・庶民の立場からは,もっと賢い判断・選択が迫られている。ところが,この国家が乗せられている「冠」が「あの冠」なので,ワレワレとしてもこの程度でも仕方ないとか済ませたり,あきらめたくもなりそうになる。

 だが,それではいけない。この国にとっては「イケナイ」政治しかできていない安倍晋三「君」,そしてファシストであり,最近はオンナ・ヒトラーだとか形容されてもいる小池百合子「嬢」が,いまいる。この2人は現在の日本国にとって「有害無益」どころか,完璧に「百害あって一利なし」の,つまり,ただに「ムダ・ムリ・ムラ」以外のなにものでもない,彼と彼女は世襲のそれぞれ3代目と2代目の政治家である。

 小池百合子は,民進党を実質解体させる作業を推進させたことにより,安倍晋三政権にとってみれば,自民党のための「第5列」である本当の役目,いいかえれば,今回における衆議院解散総選挙における「自民党応援団」の立場をよくわきまえた機能を果たしつつある。
小池百合子「さらさらない」発言
出所)小池百合子,2017年9月28日の発言,
https://twitter.com/yagainstfascism/status/913582341406072832

 要は,この程度のオバサンに「騙されるほう」も(民進党の前原誠司がその代表格だが)「ほう」であった。ところが,彼女は,民進党のリベラル派の議員たちに対しては,全員を,新党:〈希望の党〉に入れて公認する気など「さらさらない」と,取材陣に向かい得意げに公言していた。

 ところが,その発言を介してもこの人の本性,つまり「政治家として必要な〈寛容さがゼロ〉」である事実,あるいは「政治にたずさわる人間としての〈性根の悪さ〉」が,みごとなまで表面に露出させられていた。小池百合子は「希望の党」の基本理念を「寛容な改革保守」だと謳っていた。

 ところが,実際における彼女の言動などを観察していくうちに判明したのは,実は,小池百合子自身が「政治家としての資質」として「最低限は必要なはずの感情抑制的な〈配慮もゼロ〉だった」点であった。したがって,その事実は,彼女が代表である「希望の〔ない〕党」を理解させるさいには,とても判りやすい「道しるべ」となって大衆の面前に大々的に披瀝されることになった。

 いまや,小池百合子の評判は急速に低落しつつある。あの「大年増の厚化粧」と石原慎太郎に揶揄された,その「面の皮の下」に隠されていた「彼女の本質部分(本当の根性)」は,すでに徐々に庶民の間にもしれわたりつつある。

 小池百合子がいままで政治家として挙げてきた実績を「シロアリ効果」にたとえた批評もあった。しかし,いままで彼女がシロアリ的に一生懸命に蝕んで実績は,もっぱら政党組織次元における一連の出来事をもって記録されてきた。ところがこんどは,早くも「日本という国家そのものをも食い散らかしはじめ,ダメにするような諸事件を起こしはじめた。

 そもそもが,小池百合子1人だけのための「希望の党」であったゆえ,およそ「希望ということば」の意味で含意されるような『期待』などとは無縁でしかありえないのが,この「失望・絶望の党」が有しうるたったひとつの存在意義である。

 すでに「失望・絶望の党」であるほかない「元来の素性」は,そろそろバレバレの様子にもなっている。都議会次元でいえば,小池が統率する「都民ファースト」という院内政党は,その内部統率機構に関してみるに,「民主主義の根本原理」などはいっさい機能していない。それ以前に,政党として最低限具備すべき機構すらろくにみいだせない。こうし事実がいまでは明らかになっている。

 この女性政治家が実質では「完全なるオーナー・マネジャー(代表)」になっているのが「希望の〔ない〕党」の内情である。だから,事態はもう「ブラック・ユーモア」から「ゴールデン・パロディ」の次元・世界にまで突き抜けている。

 いまでは冗談にすらなりえないほどに,日本の政治はシンゾウやこのユリコのせいで腐朽・劣化させられてきた。この2人が日本という国家に現実に打撃を与えている現状は,たとえば山尾志桜里(今回の選挙では愛知県第7区から立候補)の個人的な不倫の問題などを,ずいぶん小さく映させている。

              

 ② 室井佑月の寄稿「紹介」

 現政権を盛んに批判してきた作家の室井佑月が「希望の党」小池百合子代表については,こういった批判を放っている。

◇ 室井佑月「2人とも倒れてしまえ」◇
=『週刊朝日』2017年10月20日号 = 


室井佑月画像7 権力の私物化をする,国民に嘘ばかりつく,傲慢な安倍政権が嫌いだ。トランプさんに右へ倣えの,危なっかしい外交も怖い。この政権は,国民の財産を,海外やお友達にバラまいてきた。この政権にとって,自衛隊員の命も,アメリカさんに請われたら,簡単に差し出せる物資みたいなものである。

 天皇陛下に,信じられないような意地悪するしさ。だいたい応援団が悪いよな。政権の悪口をいうと,『売国奴』だの『反日』だの,『日本人じゃない』などと罵られる。はあ? この国の良いところを変えてしまったのは,安倍政権じゃないのか?
 出所)右側画像は,http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/771.html
 補注)天皇陛下のことになると,この人に「なにかものをいうとき」「絶対的な判断基準」がありうるかのように発言するのは,日本社会のなかにおける「発言者のありかた」として,若干しかたのがない側面があるものの,「天皇陛下,無条件に万歳(!)」になりかねない発想になっており,疑問がある。その点,室井佑月のオネエサンにも再考(さらなる深耕)を期待する。

 安倍さんなんて,勇ましいのは口だけじゃ。モリ・カケ問題について,丁寧に説明するといっていたのに,国会の審議から逃げたじゃん。その口だって,ほんとうに強そうなトランプさんやプーチンさんとは,きちんと対峙し交渉しようともしない。
 補注1)おそらく,この日本のアベ以外の主要各国の首脳たちは,裏舞台でも北朝鮮との交渉事をあれこれ潜行させて実施しているものと推察する。だが,そのなかでただ1人「北朝鮮には対話でなく,圧力をかければいい」という,どこまでいってもひたすら「単細胞の外交姿勢」しかもちあわせえない,この国のそれも「国際政治の現実も工夫もしらない」無知な首相なのである。

 その姿が情けないといったところで,この程度のほうがあまりにもヒド過ぎていて,もう意見する気にもなれない。だが,それでも室井佑月がこのようにバカ正直(親切?)にも,痛烈に批評しなければならない材料だけは,アベ君もコイケ君も途切れることもなく供給している。

 補注2)安倍晋三は,国会内などではさんざん品位・品格に欠けるヤジ将軍(首相だが?)の役目を遂行してきていながら,『例の出来事』(2017年7月1日夕方,JR東日本秋葉原駅前での都議選のための街頭応援演説で聴衆にヤジられたとき,「こんな人たち・・・」とムキになっていいかえしていた。そのためにかえって,自分の評判をひどく落としたという “辛い体験” を,2度としたくない気分になっているらしい。

 そしてこんどは,つぎのように非常に身勝手な,簡単にいえばみずからが『裸の王様』になりたいかのような「独善・専横」でしかない基本姿勢を露骨に表現しだしている。これはある意味,非常に危険な「日本の政治」をめぐる兆候である。

 このような発言をするなら,その前に「自分(シンゾウ)は国会内ではいっさいヤジを飛ばしませんから……」とか,一言謝ったうえでさらに堅く約束でもしてからの話にすべきである。どうみても,実に「傲慢で幼稚」であるほかない「この首相の錯乱した発想」がつぎのように表現されていた。
★ 首相,聴衆に「法律守って」
9条改正への抗議,「選挙妨害」の声に呼応 ★
=『朝日新聞』2017年10月13日朝刊4面 =

 衆院選で街頭演説していた安倍晋三首相が〔10月〕12日,新潟市内で聴衆の女性から憲法9条の改正について抗議され,「選挙は民主主義の原点だから,しっかりと法律を守っていこうじゃありませんか」と呼びかけた。女性による抗議が,公職選挙法に定める「選挙の自由に対する妨害」にあたるとの考えを述べたとみられる。

 首相が同市内の商店街で街頭演説をしていたさい,女性が「憲法9条が平和を守ってきた。どうして変えるのか」などと叫んだ。それでも,首相が演説を続けたところ女性は大声で訴えつづけ,聴衆の男性が「選挙妨害するな」と声を上げた。聴衆から男性に拍手があがり,首相は「皆さん,ありがとうございます」と述べ,法律を守ろうと呼びかけた。

 首相は7月の東京都議選で街頭演説をしたさい,聴衆の一部から「帰れ」コールを受け,「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と反論して批判を浴びた。

 補注中の補注)選挙民などは「オレの演説」を黙って聞け(!)という意味になるのか? 少し長くなるが,つぎのように議論してみる。

 --さて「選挙妨害」とは,つぎのように定められている。

  「選挙の結果に影響を及ぼそうとして,選挙の自由・公正を実力で妨げる行為」である。公職選挙法は,これを犯罪とし,選挙の自由妨害罪,投票の秘密侵害罪,投票干渉罪,選挙事務関係者・施設に対する暴行罪・騒擾(そうじょう)罪,多衆の選挙妨害罪,兇器携帯罪等を列挙し,罰則を定め,これを犯した者は罰金・禁錮(きんこ)・懲役等に処せられるほか,選挙権・被選挙権を停止されることがある。」

 しかしながら,街頭演説の場で安倍晋三が演説しているとき,「プラカード」を手にもってかかげたり「発声(シュプレヒコール)」を実行したりしたら,この行為がただちに選挙妨害になるといえるか?

 「首相である安倍」自身がプラカードがみたくなく,「止めろ・帰れ!」の声も聞きたくないからといって,またとくにこの晋三のように,そうした応答が聴衆のなかから起きてしまったとき,これに上手に対応できず(裁けず)すぐに「いきり立ってしまう」人間(いちおう政治家なのだが,ユーモア:頓知・機知などヒトかけらもないのがこの人)にとってみれば,この公職選挙法がそうした場面に対してなるべく拡大解釈的に適用してほしいのか。
      安倍晋三こんな人たち演説画像
       出所)http://netgeek.biz/archives/99034

 安倍晋三の政治が「悪すぎる」からこそ,そうした大衆側からの意思表示が街頭演説の場において,直接に登場していた。一般の国民・市民・住民・庶民が安倍に対して自分たちの気持を伝えるには,そうした場を利用するほかない。

 もとより「国民の意思」など平気で無視し,蹂躙する安倍の政治的な基本姿勢のゆえに登場してきた現象こどが,まさしく「街頭演説の場」における,有権者・国民・市民側からの対応としての「プラカード」の登場や「止めろ・帰れ!」の発声であった。

 「選挙の自由」とは,安倍晋三のためにだけあるものではあるまい。国家最高権力の場に座っている者にしては,ずいぶんお尻の穴が小さい反応ぶりであった。また,まったくの自分の側(国家権力者である立場)にだけこだわった,ご都合主義の強権志向の解釈だけが披露されていた。

 安倍晋三が要求(欲求)するように,聴衆側からの特定の対応(反応)が表示されることは許されず,選挙の自由の確保が絶対に必要だというならば,街頭演説など止めてしまえばよろしい。その代わりに,準国営放送局NHKにおいて放映させる政見放送だけにしておけばよい。できれば,各党に対してはNHKの番組編制のなかで特定の時間帯を十分に保証してあげ,そちらで勝手に政見なりなんなりをいわせればよいのである。

 なんといっても実は小心者の安倍が心配している “一番の要素” は,「自分の演説」が大衆側からの強い反発に出会っている場面そのもの(具体的にいえば,2017年7月1日のJR秋葉原駅前演説)が,マスコミを通して国民・市民・住民たちに広く視聴されて伝達されてしまうような事態・事例である。

 以上に言及した内容は,その社会学的な視点に照らして判断・解釈すれば,本質的には「独裁者の思考方式」そのものを正直に表現している。この点は説明するまでもない。その後における話題となるが,このたびの衆議院解散総選挙においては,安倍晋三が街頭演説の出現する場面を評して「街頭演説の日程(予定)を隠しておくための “ステルス作戦” が遂行中だと揶揄されてもいた。

 要は,前段のごときあの「秋葉原演説」が安倍自身の脳細胞にとってすれば,最高に痛い “トラウマ” になっていたというわけである。いずれにせよ,安倍首相がともかくひどく恐れているのが「こんな人たち」からの「そうした反応(反発・反撃,非難・批判)」であった。

 以上のごとき関連事情のなかでは,今回の選挙で戦っているそれも,選挙のなりゆきが危うい若手議員(もちろん自民党)のあいだからは,安倍晋三のような「不人気の総理には応援に来てほしくない」とまで嫌われている。それゆえ,この首相が自分の街頭演説に対して起きたと主張する「選挙妨害:デンデン」をことさらにウンヌンするようでは,まったく笑止千万であった。彼自身が「目くそと鼻くそ」を同時に垂れ流しているような「自分のしぐさ」を,鏡に映してみたことがないに違いない。
 〔ここでようやく,室井佑月の寄稿・記事に戻る→〕 一日も早く,安倍さんじゃない人が首相になってくれよ,と思ってた。だけど,安倍さんにとって代わる芽が出てきたのが,安倍さんみたいな人だとは思わなかった。いいや,それ以上かもしれん。安倍さんは口だけ勇ましいかもしれないが,小池百合子さんは本気で根っから勇ましそうだ。

小池百合子風刺画像イラスト小田原ドラゴン なにしろ,女一匹,自民党,現権力に喧嘩売るんだもんな。ほらみてみ? 小池さんが率いる希望の党に,民進党が食われてしまった。小池さんは党の性質を『寛容な保守』といっているが,ぜんぜん寛容じゃないでやんの。民進党の人間を全員受け入れるつもりはさらさらないんだって。リベラル派は排除だって。

 ま,歴史修正主義,極右の中山夫妻がこの党にくわわるとしったとき,安倍さん以上なのだこの党は,と思った。そういうことを,テレビを観ているどれだけの国民がわかっているのか?

 テレビだけ観ていると,いままでのオッサン政治から脱却し,この国のトップが女性になるのは,良いことのような気がしてしまう。しかし,小池百合子さんの強さは,あたしからみると,男の強さなんだと思う。

 大きな鉈のように,バッサバッサと邪魔なものを切っていく。邪魔者は情け容赦なく排除し,つねに自分が上をめざそうとする強さだ。あたしが熱望する,トップになって欲しい女性像とは違っている。

 あたしが熱望する女性のトップ像とは,この国の母となれるような人。誰とでも横繋がりで仲良くでき,包みこむみたいな温かい愛情をもった人。そして,踏まれても踏まれても,雑草みたいに強く,信念を曲げない人。

 安倍さんと小池さん,派手な,凄まじい戦いになってきた。もちろん,あたしはどっちの応援もする気はない。いっそ,2人とも倒れてしまえ。(引用終わり)
 註記1)http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/771.html 投稿者 赤かぶ,日時 2017 年 10 月 11 日 11:00:05:
 註記2)https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171010-00000083-sasahi-pol

 それにしても21世紀になってからのこの国,ダラダラと坂道をそれもズルズルと,実にだらしなくずり落ちていく様子にしかみえていない。2020年8月には半世紀ぶりにまた Tokyo で,オリンピックを開催する予定がある。

 だが,もしかしたらこの競技大会は「日本国そのもの全体」を「その後においては本格的に溶融していく」させていくための飛躍台になってしまうかもしれない。つまり,その種の「時代的な契機(区分・画期)」を提供するために開催される,いうなれば「象徴的なスポーツ大会」になる可能性もあるのではないか? そういう心配もしてみたくなるが,けっして杞憂とも思えない。

 そういったふうな悪夢を今晩あたりにみないことを祈るばかりである。東京の蒸し暑い8月の時節にわざわざ競技をおこなう,それも屋外でやらざるをえないスポーツ種目は「危険がいっぱい」なのではないか。

 ③「小池百合子を痛烈に風刺した話題の『豊洲の女』作詞家を直撃!「あの人は根本的には何もないんですよ」(『Ameba ニュース』2017/6/24 10:00,提供『週プレ NEWS』)の指摘
適菜収画像
 ◇ 適菜 収(てきな・おさむ)  結局,大衆は間違えるんです。小池や橋下 徹のような大衆扇動型のポピュリストになんども騙(だま)される。小池と舛添要一前都知事を比較した場合,小池のほうがはるかに悪質です。舛添はケチな横領で辞任に追いこまれただけです。ファーストクラスに乗ったとか公用車で温泉にいったとか,たいした問題ではありません。要するに「うらやましい」と妬(ねた)まれただけです。
 出所)画像は,https://yutakarlson.blogspot.jp/2013/06/blog-post_8.html

  ◆〔記者〕  たしかに,それに比べると〔築地市場の豊洲への〕移転問題では桁違いの税金がムダになっていますね。

 ◇ 適菜  小池が移転問題を宙吊り状態にすることで,業者が豊洲に用意した機材のリース料や維持費などで1日約500万円ものカネがムダに費やされつづけている。それを補償するのは税金です。小池は都民の税金を大量にドブに捨てているわけです。

 この四半世紀,繰り返されてきたのは同じ紙芝居です。 “悪の巣窟” に “正義の味方” が乗りこみ,成敗すると。小池を生み出したのも「民意」ですが,民意も権力であるという事実に気づくべきですね。私は自民党に対しては批判的ですが,市場移転問題に関していえば,自民党の説明のほうが小池の説明よりも正しい。

  ◆ 国政の状況をみれば,自民党の候補に投票したくはありませんが…。

 ◇ 適菜  選挙はワン・イシューではありませんからね。私も自民党には投票しません。しかし,それ以上に都民ファーストの会という選択肢はありえない。都民もいい加減,小池にバカにされていることに気づくべきです。都民ファーストの会も,自民党や民進党から出馬しても当選できないような連中が小池人気にあやかろうと集まっただけ。そんなものが都政をになったら,第2の大阪維新の会になりますよ。(引用終わり)
 註記)https://news.ameba.jp/entry/20170624-283

 ④ 歌謡曲『豊洲の女』(2017年5月31日発売)

   「小池百合子都知事がモデル? なぞの歌謡曲『豊洲の女』ヒットの裏に内閣参与」(太田サトル稿『週刊朝日』2017.6.25 07:00〔『週刊朝日』2017年7月7日号に加筆〕,https://dot.asahi.com/wa/2017062400027.html)は,明らかに小池百合子都知事の政策提言不履行状態を皮肉った歌である。
   豊洲のオンナ歌詞
 だが,それでは,安倍晋三の内政・外交の不首尾ぶりを皮肉った歌は誰が創るのか? 『豊洲の女』を語った「太田サトルのこの文章」から,最初から半分ほど引用しておく。

    “ ♪化粧だけでは隠しきれない今の私は豊洲の女 ” と歌い出す,しっとりとした歌謡曲「豊洲の女」が話題を集めている。歌われているのは,かつての華やかだった時代に思いをはせる女性の悲哀。
豊洲の女ジャケット画像
 CDジャケットやミュージックビデオには,豊洲や東京都庁のあたりを物憂げな雰囲気で歩く女性の後ろ姿が登場する。小池百合子・東京都知事をイメージしたのは明らかだ。

 曲の2番は意味深なフレーズがあふれている。 “あの日のカイロ アルジェの光 今の私は豊洲の女 見切り発車のリンドバーグ 着地できない女の涙 過去の記憶を糊塗(こと)したところで 見極められないジャンヌダルク”

 歌っているのは「三沢カヅチカ」。これがCDデビュー曲となるブルースシンガーで,その正体は謎だ。作詞は哲学者で作家の適菜 収さん。曲が誕生したきっかけは,適菜さんのアイデアだった。

 「政治の風刺をするにあたって,日ごろ書く文章と違った方向から攻めてみたい。そのひとつが歌詞だったんです」。

 かねて交流があった,京大大学院教授で内閣官房参与の藤井 聡さんに話したところ,作曲家の多城康二さんと三沢さんを紹介してくれて,とんとん拍子に曲ができあがったという。

 「ベタな歌謡曲にしたかったんです。華やかな過去の記憶にすがりつく女の,空虚な内面を描きたかったんです」(適菜さん)。

 ちなみにジャケットなどに登場する女性は,多城さんの音楽教室に通う生徒で,東京・錦糸町のスナックのママだとか……。(引用終わり)

 つぎの指摘は,海外マスコミの報道からの引用である。
  「反原発」と「消費税増税の凍結」以外に,憲法改正や安全保障など,これまで与野党で対立していた問題についても,希望の党と自民党の間には明確な政策の違いがみいだせない……。FTは「彼女〔小池百合子〕の政治信条の多くは,安倍〔晋三〕氏のそれの映し鏡だ。彼女は憲法改正を支持し,議論を呼んでいる靖国神社参拝の常連だ」としている。
 註記)「 “日本のポピュリスト” 小池 vs 安倍,海外も注視 『政策大差なし,印象の勝負』」『NewsPhere』Sep 29 2017,https://newsphere.jp/politics/20170929-4/
小池百合子は国難画像
出所)https://www.youtube.com/watch?v=Ed1UulqXrEU     

 またちなみに,安倍晋三は長州系の,国難的な「世襲3代目のお坊ちゃま政治家」であった。小池百合子(?)の場合のように「歌謡曲」を創らせうる〈国難的な玉〉にはなりにくいかのもしれない。
安倍晋三画像国難は私だ
出所)https://tr.twipple.jp/h/fb/0b/国難x演説.html

 ⑤『付 論 -大事な議論-』

 ブログ『郷原信郎が斬る』が2017年10月12日,「『籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。』は,“首相失格の暴言”」という題名でもって,こう語っていた。安倍晋三という政治家は,人間としての品位・品格など求めようもなかった対象である事実を,的確に説明している。原文をそのままつぎに紹介する。

 --昨夜〔10月11日〕のテレビ朝日「報道ステーション」の党首討論で,安倍首相が,「籠池さんは詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」と発言した。内閣の長である総理大臣として,絶対に許せない発言だ。

 籠池氏は,森友学園が受給していた国土交通省の「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」の不正受給の事実についての詐欺罪で逮捕され,起訴された。しかし,刑事事件については「推定無罪の原則」が働く。しかも,籠池氏は,その容疑事実については,完全黙秘を貫いていると報じられている。その籠池氏の公判も始まっておらず,本人にいいぶんを述べる機会はまったく与えられていないのに,行政の長である総理大臣が起訴事実が「確定的な事実」であるように発言する。

 しかも,安倍首相は,憲法の趣旨にも反する,不当きわまりない解散〔『郷原信郎が斬る』における別の記述「 “憲政史上最低・最悪の解散” を行おうとする」〕を,総理大臣としてみずからおこなった。それによる衆議院選挙が告示された直後に,自分の選挙を有利にする目的でおこなったのが,昨夜の放送での発言なのである。安倍首相は「丁寧な説明をする」といっていたが,それは,籠池氏が詐欺を働いたと決めつけることなのか。

 法務大臣には,個別の刑事事件に関しても,検事総長に対する指揮権がある(検察庁法14条但し書き)。その法務大臣に対して,閣僚の任免権にもとづき,指揮をおこなうことができるのが総理大臣だ。そのような「行政の最高責任者」が,司法の場で裁かれ,判断されるべき籠池氏の詐欺の事件について,「籠池さんは詐欺を働いた」などと,テレビの総選挙に関する党首討論でいい放ったのである。法治国家においては,絶対に許せない「首相失格の暴言」だ。

 加計学園問題は,安倍首相が「国家戦略特区諮問会議の議長」という立場にあるのに,首相のお友達が経営する加計学園が獣医学部の新設で優遇された疑いが問題となった。今回の「籠池氏の詐欺」についての発言は,みずからが準司法機関である検察を含む「行政の長」なのに,司法判断の介入になりかねない発言である。いずれも,その立場にあることを認識していればありえない発言であり,認識したうえで,意図的にいっているのだとすれば論外である。

 しかも,この籠池夫妻逮捕に関しては,逮捕された直後にも,ブログ〔『郷原信郎が斬る』における別の記述「検察はなぜ “常識外れの籠池夫妻逮捕” に至ったのか」〕で指摘したように,「補助金適正化法違反で告発受理した事件」について,「詐欺罪」で逮捕するというのは,従来の検察実務の常識に反する。

 この点については,さらに検討したうえ,籠池氏の勾留満期直前に,〔『郷原信郎が斬る』における別の記述「検察は籠池氏を詐欺罪で起訴してはならない」〕で,詐欺罪での起訴はありえないこと,詐欺罪で起訴すべきではないことを指摘したが,大阪地検はなぜか無理やり「詐欺罪での起訴」をおこなった。

 それにつづいて大阪地検は,籠池氏を,森友学園の幼稚園が「大阪府」から受給していた,障害で支援が必要な園児数に応じた「特別支援教育費補助金」等の不正受給で再逮捕し,起訴した。この「地方自治体」からの補助金の詐欺については,「補助金適正化法」の適用がないので,「詐欺罪」を適用することに問題はない。

 しかし,これらの事件について,そもそも刑事事件にするような問題であるか否かに重大な疑問がある。このような社会福祉,雇用等に関連する補助金,助成金については,かねてから,巨額の不正受給が指摘されている。

 厚労省の発表によると,「2009~2013年度に1265社,191億円の不正受給があったことが厚生労働省のまとめでわかった。」(2014.9.22『朝日新聞』),「雇用安定のため企業に厚生労働省が支給している助成金制度が悪用され,平成25年度までの2年間で計約94億円を不正受給されていたことがわかった。厚労省は企業に返還を求めるが,倒産などで回収できない可能性もある。」(同日付け『産経新聞』)とのことである。

 このような膨大な数の不正受給は,いずれも形式的には詐欺罪に該当し,検察がその気になれば「詐欺罪」で逮捕・起訴することが可能である。しかし,実際には,そのような助成金の不正受給が詐欺罪で告発された例はほとんどない。

 さらに問題なのは,補助金適正化法違反による「告発」を大阪地検が受理したさい,NHKを始めとするマスコミが「大阪地検が,籠池氏に対する補助金適正化法違反での告発を受理した」と大々的に報じた経過だ。その報道が,明らかに検察サイドの情報をもとにおこなわれたこと,そして,その情報はなんらかの政治的な意図があって,東京の法務・検察の側が流したもので,それによって「籠池氏の告発受理」が大々的に報道されることになったとしか考えられないことを〔『郷原信郎が斬る』における別の記述「籠池氏『告発』をめぐる “二つの重大な謎” 」〕で指摘した。

 安倍首相が,党首討論でもち出した「籠池さんの詐欺」は,検察の逮捕・起訴もそれに至る告発受理の経過も「疑惑だらけ」である。それを,裁判が始まってもいないのに,有罪であるかのように決めつける発言を「選挙に関して」おこなったのである。

 しかも,安倍首相は,自分の妻である安倍昭恵氏がその籠池氏に「騙された」というのである。それは,どういう意味なのだろうか。「詐欺師の籠池氏に騙されて森友学園の小学校の名誉校長になった」という意味だろうか。それとも,「騙されて100万円を寄付させられた」という意味だろうか。

 私はこれまで,森友学園,加計学園の問題での安倍首相や内閣,政府の対応に関して,さまざまな問題を指摘し,批判してきた。この国の行政を担っている安倍内閣がもう少しまともな対応をして,国民に信頼されるようになってもらいたいと思ったからだ。しかし,安倍内閣の対応は改善するどころか,失態に次ぐ失態を繰り返している。

 そして,「森友,加計疑惑隠し」と批判される解散を強行し,選挙が公示されるや,今回の,信じがたい「暴言」だ。このような首相発言が許されるとすれば,もはやいま,日本は法治国家ではない。
 註記)https://nobuogohara.com/  投稿日: 2017年10月12日。

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