【原発はすばらしいエネルギー資源ではなかったのか?】

 【原発コストはいつのまにか「一番高いコスト」のかかる電気エネルギーとなっている】


 ①「21.5兆円,国民にも請求書 福島原発事故,廃炉や賠償費膨らむ」(『朝日新聞』2016年12月10日朝刊3面)
『朝日新聞』2016年12月20日東電事故処理問題
 東京電力福島第1原発の事故処理費が,21.5兆円に膨らんだ。国が9日に示した試算は3年前の2倍。廃炉費などが増えた。責任を負う東電が倒産しないよう追加支援策も用意し,来〔2017〕年の通常国会に法令改正案を出す。このコスト,結局は国民にのしかかる。そして,足りる保証もない。(▼オピニオン面=社説,経済面=実現性に疑問)
 補注)ゾンビ会社になりはてた東電をこのまま救済するような国家の支援がつづけられていても,国民・市民・住民・庶民はそれを黙ってみているのか? 隣国の大統領は弾劾される手続に入っているが,日本国では「アンダーコントロール」などと東電福島第1原発事故現場の惨状を,なんでもないかのように「大ウソ」をつく〔大統領ではない〕首相が,いまも大きな顔をして民主主義的な独裁手法を濫用しつつある。

 そのウソひとつでも辞任に値するのに,国民側はこれを手をこまねいていられるのか。隣国があの程度の鼻くそ国家ならば,こちらの国はこの程度の目くそ国家。結局,大同小異。原発の失敗を,21世紀における国家管理路線であった原発政策の躓きとして,すなおに認定できない「国家支配体制側の傲慢・専横」は,かえってこの国のありようの浅ましさを,みごとなまでに反証している。

 〔記事本文に戻る→〕 一気に4倍に跳ね上がったのが,壊れた原子炉から出る汚染水処理や廃炉のお金だ。経済産業省は8兆円を要する理由を,専門家の見解などから米スリーマイル島原発事故(1979年)費の「約50~60倍にはなる」と説明した。ただ,福島事故では作業員がきわめて高い放射線量にさらされ,使用済み燃料の取り出しも難航。溶け落ちた核燃料はスリーマイルと違って原子炉を突き破り,どうとり出すか未定だ。2020年以降の作業でなにが起きるか見通せず,「どんぶり勘定」の域を出ない。
 補注)つまり,昨日〔2016年12月9日〕の本ブログの記述でも触れたように,今回出てきた数値(東京電力福島第1原発の事故処理費の金額)は「21.5兆円に膨らんだ」というけれども,この金額からさらにうなぎ登りに増大する可能性が大きい。以後において,倍,倍々にと一気・急激に増えていくと予測してなにも不思議はなく,そのようなみこみを覚悟していたほうがまともな理解である。

 避難者らへの損害賠償,除染,汚染土などを保管する中間貯蔵施設に必要なお金も13.5兆円に増えた。当初見通しも甘かった。たとえば賠償は,帰還できない避難者への住宅確保制度の新設がわかっていながら,前回試算では財源調整が間に合わなかった。除染の遅れで避難指示解除が遅れたのも大きい。賠償金は避難が長引くほど高くなる。政府は放射線量が高くなかった区域は3~5年での解除を見通したが,実際は多くが6年がかりだ。

 除染費が増えたのは「丁寧な作業」が理由という。ただ,「手抜き除染」や,作業員への危険手当の不払いも福島県内で起きた。適正に除染作業をしたら,費用が増えたともいえる。もう増えないのか。世耕弘成経産相は,9日の閣議後会見で説明した。「状況変化や予見できなかった要因で,増加することもありうる」。(編集委員・大月規義)
 補注)要するに今後においては,東京電力福島第1原発の事故処理費の金額がどのようになるか,確実には分からない。分かっていることはただひとる,さらに増加していくということだけである。のんきなものである。なぜか? 国民につけまわしする処理の方法が留保できていれば,それほど深刻に受けとめる対処法でもないからである。そういう意味で,東電福島第1原発事故現場の惨状は「アンダーコントロール」というわけであるが,もっともこのことはもう一度,安倍晋三君にきびしく問いなおしておく余地がある。

 1)電気料金に転嫁,40年かけて
 「多くの消費者団体が,託送料金に乗せる方法に反対」「問題が出てきたら,すべて託送に乗せるのはとんでもない」。この日あった電力システム改革を話しあう有識者会議。膨らむ費用を送電線の使用料「託送料金」で回収する案に数人が異論を唱えたが,経産省は押し通した。原発事故費を電気利用者につけまわす手法が,ほぼ固まった。電力自由化は家庭向けも始まったが,電気は大手電力の『日本経済新聞』2016年12月10日朝刊3面原発問題画像送電線を通じてしか送れない。経産省は,ここに上乗せすれば確実に集められると目をつけた。
 出所)左側図表は『日本経済新聞』2016年12月10日朝刊。

 賠償費の増加分2.5兆円は,40年かけて集める。経産省試算では1キロワット時あたり0.07円の負担。月260キロワット時使う一般的な家庭では,電気料金が月に18円増える。経産省は,この程度なら負担感も小さいとみた。福島の廃炉費も原則は託送料金から充てる。

 東電は送配電子会社のコスト削減で年1千億円の利益を確保する方針で,本来のルールの値下げをせず,廃炉費にまわす。負担増にはあたらないとの理屈だが,電気料金は高止まりする。また,除染の4兆円は国がもつ東電株の売却益を充てるとするが,そのためには現在の株価を3倍以上にする必要がある。

 事故後,東電が国に支援を求めたのは3度目。その度に支援策が練られた。政府は,認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を通じて一時的に国が立て替える融資枠を9兆円から13.5兆円に増やす案も含め,与党の了承を得ようとしている。だが,この日の自民党の会議では「追加費がこれで収まるわけがない」との指摘も出た。(米谷陽一,風間直樹)(記事引用終わり)

 --東電と国(安倍晋三政権)とはまさに癒着した〔ひどくタダれた〕関係にある。原発の「導入⇒利用⇒失敗」という結果の全過程において,地域独占企業の立場から国民:電力利用者からたっぷり利潤を吸いあげては,例の原子力村を経済・金銭的に維持する莫大な経費として確保しつつ,くわえて,原発の危険性を警告する識者を抑圧・排除のためにも流用してきた。

 にもかかわらず,国家側がそこまでやる〔「東電を救済しつづけていく」〕のであれば,原発事故を起こしてしまったこの期に及んでは,この責任のとり方も原子力村内で,それもとくに東電を中心に果たすべきである。だが,すでに東電福島第1原発事故の結果は原子力村の「規模の経済」であっても,とうていこらえきれないほどに莫大な金額になりつつあり,しかもこの金額はさらに倍々ゲームの要領でもって膨らんでいく可能性が否定できない。

 トンデモない発電装置を造り,電気を生産させてきたものである。いまごろゴジラが日本の原発政策を指さしてはケラケラ(げらげら?)嗤っているはずである。核発電と核兵器とは紙一重の関係どころか,もとより一体の「兵器と装置」である。このことの意味は,原発が事故を発生させたという実体験によって,もう嫌というほど思いしらされているのではなかったか。ところが,東電福島第1原発事故の場合,その体験の負担は被災した地域社会の人びとたちばかりに押しつけられている。

 2)「原発は安くない」試算も
 電力問題に詳しい立命館大学の大島堅一教授は〔12月〕9日,21.5兆円の事故処理費をもとに原発の発電コストを独自試算した
 補注)この「結論」は以前から分かりきったものでもあった。

『朝日新聞』2016年12月10日朝刊3面原発コスト
 1970~2010年度の実績値をもとに,福島の事故費を加味したところ,1キロワット時で13.1円となり,火力より3円ほど高かった。政府は事故費をくわえても原発は「安い」との立場だが,大島教授は今回の増額で「原発は割に合わないことがはっきりした」と話す。
= 大島堅一の主要著作 =
上記の3部は単著

 『再生可能エネルギーの政治経済学』東洋経済新報社,2010年。
 『原発のコスト - エネルギー転換への視点』岩波書店,2011年。 岩波新書
 『原発はやっぱり割に合わない-国民から見た本当のコスト』東洋経済新報社,2013年。

 植田和弘監修,大島堅一・高橋 洋編著『地域分散型エネルギーシステム』日本評論社,2016年。
 ②「東電,30年完済プラン 事故処理費15.9兆円負担」(『朝日新聞』2016年12月10日朝刊9面)

 a) 経済産業省は〔12月〕9日,福島第1原発事故を起こした東京電力ホールディングスに,事故処理費21.5兆円のうち,15.9兆円を負担させる方針を示した。原発再稼働や他電力との事業統合を「3段階」で進めて利益を出し,約30年で完済するプランだ。だが,実現性に疑問符もつく。(▼3面参照)

 学者や経営者による経産省の「東京電力改革・1F(福島第1原発)問題委員会」がまとめた。東電などが年度内につくる新しい再建計画に盛りこむ。

 「第1段階」は送配電子会社の合理化だ。経産省は,託送料金の原価を「欧米トップ並み」まで下げられれば,利益が年1500億円増えるとはじく。

 「第2段階」は柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働だ。2基動けば年1千億円の収益が改善するとみる。第1・2段階で年5千億円の利益を生み,約30年かけて廃炉と賠償の費用計11.9兆円を返していく計画だ。ただ,10月には新潟県知事に再稼働に慎重な米山隆一氏が就任。当面は,同意をえられそうにない。

 「第3段階」はさらにハードルが上がる。除染費4兆円を,国が事故後にもった東電株式を売って用立てる算段だ。そのためには現在約520円の株価を,少なくとも3倍に引き上げなければならない。

 経産省が描くのは,福島第1を除く原子力事業の分社化と,優良事業の送配電子会社の他社との統合だ。より収益力が高い企業グループをつくり,「東電の企業価値」を高めることをねらう。ただ,ほかの大手電力は連携に消極的だ。ある幹部は「利益を東電に吸い上げられるだけ」と嫌がる。(米谷陽一,鯨岡 仁)(記事引用終わり)

 --ここまで話が来ると「原子力村」のチームワーク(協調性・団結力)は,ほとんどないに等しいかのような雰囲気になってもいる。原子力村の結束力のためには,なんといっても「資本の論理」「営利の順調は獲得」が,もっとも肝心な要件である。

 いままではその最先端の一角に位置していた東京電力が,フクシマ原発の事故を起こして以来,すでにフランケンシュタイン的な事業体にまで格落ちしてしまった。おまけに原子力村内においてであれば,この東電を助ける筋合いにあるはずの村民たちが,このように「イザとなったら」みな「逃げ腰」である。原子力村の一蓮托生的な連帯性も,やはり「利潤・利益」あっての〈モノダネ〉でしかなかった点が,バレバレになっている。

 b)「〈視点〉奇策,納得えられるか」
 これは奇策だ。経産省が膨らむ原発事故費を賄うために飛びついたのは,送電線の使用料「託送料金」への上乗せだった。ほぼ国民全員を意味する電気利用者は,なじみのないこの仕組を通じ,月々の電気代から追加負担を支払わされることになる。
   送電線画像
   出所)送電線建設工事の画像,http://tokaikoei.bsj.jp/service.php 
 2011年の事故後,政府は賠償や廃炉作業を円滑に進めるという理由で,東電をつぶさず,賠償原資は全国の電気利用者の電気代から集める仕組をつくった。経産省幹部は「資本主義の原則を曲げたのはわかっているが,福島のためだ」と語っていた。
 補注)日本の電力産業において,はたして「資本主義の原則」に相当するものが,本来ありえたのかといえば「否」である。資本主義的な金儲け原則は利用されていたものの,その原則に徹して事業体としての経営行動をおこなっているのではなかった。地域独占企業体として存在してきた電力会社は,もともと「資本主義の原則を曲げた」事業経営をおこなっており,あるいは,この原則を悪用したかのような企業形態として存続させられてきた。

 だから,このように今回にかぎってだけにおいて,「資本主義の原則を曲げた」方策が経産省からひねりだされたとはいえない。その堂々たる「原則曲げ」のより高次の段階へと向かうための準備が整えられたに過ぎない。


 〔記事本文に戻る→〕 だが,廃炉費を中心に事故処理費は2倍に膨らんだ。困った経産省は,規制料金として管理でき,誰もが負担する託送料金にすがった。発電部門のコストを送電部門に転嫁する裏技といえる。納得をえられるのか,疑問符がつく。今回の東電救済プランは,柏崎刈羽原発の再稼働も前提にしているが,たやすくはない。そもそも経産省は福島事故後,多数の反対の声に耳を傾けず,全国の原発を動かそうという姿勢を変えようとしない。東電の再建策だけでなく,政府の電力政策全体に対し国民が不信感を募らせることにならないか。(小森敦司)(記事引用終わり)

 このような身勝手な原発政策の展開をみせつけられている国民・市民・住民・庶民の大多数が,結局,黙っておとなしく是認するような態度であるかぎり,国家主体,具体的には経産省による以上のごとき手練手口が,いつまで経っても変わらずに発揮されていく。

 筆者は以前言及したことがあるが,原発事故のせいで上乗せされている電気料金分に対しては不払い運動で対抗すべきだといったことがある。この運動はしかし面倒である。銀行口座で自働支払いにしている契約を止め,毎月振りこむ契約に変更する必要がある。この対抗策の実行には困難が伴うが,そのようにするぞと警告するだけでもなんらかの効果はあるはずである。

 ③「〈社説〉原発事故負担 つぎはぎで済むのか」(『朝日新聞』2016年12月10日朝刊)

 東京電力福島第1原発の事故に伴う損害賠償や廃炉,除染などに21.5兆円かかる。経済産業省が新たな見通しを公表した。3年前の想定から2倍になり,さらに増える恐れもあるという。原発がひとたび事故を起こしたとき,いかに大きな惨禍をもたらすか,あらためて痛感する。電気料金や税金による国民負担がどこまで膨らむのか,不安を禁じえない

 従来の負担の枠組がゆきづまったのを受けて,経産省は修正案を示した。実質国有化している東電にいっそうの経営努力を求めつつ,原発をもたない新電力とその契約者にまで負担を強いるという内容だ。理屈の通らないつぎはぎが目立つ。事故の償いや処理は,着実に進めなければならない。そのためにも,国民の理解が欠かせない。関係者の責任を明確にしつつ,負担をできるだけ抑えることが大切だが,経産省案には多くの問題がある。他に方法がないのか,検討を尽くさなければならない。

 今回の試算で,費用がとくに膨らんだのが廃炉だ。従来想定の4倍に当たる8兆円になった。しかも,溶け落ちた核燃料の状態はまだ分かっておらず,この額に収まる保証はない。廃炉費に関して,経産省は東電に他社との事業再編を求め,収益力を高めて捻出させる青写真を描く。事故を起こした東電が努力を尽くすのは当然だが,再編の相手先をみつけるのは容易ではなく,「絵に描いた餅」の危うさをはらむ。
 補注)企業経営の場合,企業の吸収や合併をするさいはそれなりに利点,将来へのみこみがあってする。たとえば,IBMがパソコン部門を中国企業に売却したのは,儲けが少なくなって旨みのないパソコン部門を売却し始末した。けれども,これを買収したほうの会社は,LENOVO というブランド名に変更していきながらも,それなりにパソコン事業を展開している。だが,この原発事故を起こした東電は厄介ものでしかなく,後始末に四苦八苦させられている。

  東電に柏崎刈羽原発を再稼働させ,その分の収益を上げさせては,できるかぎりでの穴埋めをさせたいというもくろみも,しょせんは弥縫策の域を出ない。原発という《悪魔の火》を利用した電力生産は結局,その魔力・魔性に翻弄される顛末を生んだのであり,いま論じている内容もすべて,その祟り〔という表現が適当である〕に日本の政府と国民は苦しめられている最中である。現在,この国は《悪魔の火》のアンダーコントロール状態にある。このようにいっておくほかあるまい。
アンダーコントロールはウソだ
出所)http://健康法.jp/archives/21656

 〔記事引用に戻る→〕 経産省はまた,新電力が大手の送電線を使うさいに支払う託送料金に賠償・廃炉費の一部を付け替え,負担させる方針だ。しかし,原発固有の費用を託送料金に混ぜこむのは原発支援策にほかならない。国が進める電力自由化は,事業者同士の公正な競争を通じて電気料金を安くすることが狙いだが,こうしたやり方は競争環境をゆがめる。託送料金は電気の利用者からみえにくいため,費用の膨張に歯止めがかからなくなる恐れもある。
 補注)原発事業のこれまでにおける展開が,いまではエネルギー産業全体にとって無駄な重荷(死垂なような存在?)になっている。自然・再生可能エネルギーの開発・利用に早く向かい,原発不要のエネルギー生産体制を構築しなければいけない現状のなかで,そのように原発事業を「幇助するかのような」経産省の立場は,まさしく反国民的かつ非合理的な利害・イデオロギーを充満させている。これでは単に矛盾の先送りであり,長期的な視野とはまったく無縁の欺瞞的な方向である。

 〔記事本文に戻る→〕 有識者会議を舞台にした今回の検討は,進め方にも見過ごせない問題がある。経産省は,費用総額の見通しを大詰めまで示さず,負担方法の議論を先行させた。こんな不透明なやり方で,国民への説明責任を果たしたといえるだろうか。有識者会議だけでなく,並行して検討を進めている与党にも,なお異論が残っている。結論を急いで強引に押し切ることは許されない。(記事引用終わり)

 --原発事故を原因とした将来における「費用総額の見通し」を予想するのは,とても怖くて触れたくない問題になっている。その見通しについて具体的には,誰にもその詳細を計算できないでいる。いずれにせよ,前述した形容でいえば「倍々ゲーム」的に,その費用総額がこれからも増大していく。このように事前に判断しても大きな間違いはない。だから経産省は「負担方法の議論を先行させ」ておき,国民側の負担をこれからをいくらでも上乗せできるように画策している。

 いまや,原発という発電装置はガラクタ同然であるだけでなく,なにかと物入りでしかない,それも単なる「金食い虫」(暴飲暴食を果てなくも続けるような怪物的寄生虫)になりはてた。このような虫(原発)を国民側の立場からいえば,養うつもりなどまったくありえない。

 国策民営とされてきた電力産業経営の「大失敗のツケ」を,国家でもなくそして東電でもなく,そのすべてを国民(電力利用者全体)に押しつけるのは,われわれを馬鹿にするだけでなく,平然とわれれわの顔を踏みつけにもする施策でしかない。

 それにつけても思い出すのは「3・11」=原発事故が起きた当時,東電の幹部であった,それも,最高責任者であった勝俣恒久会長や清水正孝社長の存在である。その後,つぎのような動きがあった。勝俣恒久については,こういう事実が経過している。
速報-勝俣恒久元東電会長らに
起訴議決! 強制起訴へ! ☆

= 福島原発告訴団,2015年7月31日金曜日 =


 本日〔2015年〕7月31日,東京第五検察審査会から,告訴団の2012年告訴事件について,東京電力元会長勝俣恒久,元副社長武黒一郎,元副社長武藤 栄に対し,「起訴議決」をしたと通知がありました。3名は今後,裁判所が指定する検察官役の弁護士(指定弁護士)によって起訴されること(強制起訴)が決まりました! 甚大な被害を引き起こしたこの原発事故の刑事責任が,ようやく問われようとしています!

   ※ 起訴議決 ※

 ・勝俣恒久 東京電力株式会社 取締役会長(肩書は告訴当時)
 ・武藤 栄 東京電力株式会社 前・取締役副社長原子力・立地本部長(肩書は告訴当時)
 ・武黒一郎 東京電力株式会社 元・取締役副社長原子力・立地本部長(肩書は告訴当時)
 註記)  http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2015/07/blog-post_31.html
   2015年7月31日『朝日新聞』号外勝俣恒久ら強制起訴
     出所)http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/810707f19f804b4d3a7791041e3afe58

 ④「〈インタビュー〉原発立地県知事として 前新潟県知事・泉田裕彦さん(『朝日新聞』2016年12月10日朝刊15面「オピニオン」)

 このインタビュー記事は全文を紹介しないでおき,一部分,注目したい段落のみ引用する。そのあいだについては適宜,相当の段落を割愛した。
『朝日新聞』2016年12月10日朝刊泉田裕彦前知事
 ※人物紹介※ 「いずみだ・ひろひこ」は1962年生まれ,新潟県加茂市出身,1987年通産省(現経産省)入省,2004年新潟県知事に当選,3期12年務めた。
 東京電力福島第1原発の事故原因の検証も不完全なまま,各地の原発の再稼働に向けた動きが進む。廃炉や除染など事故処理費の試算は倍増となった。事故後,世界最大級の柏崎刈羽原発がある新潟県の知事を務めた泉田裕彦さんに,東電や原子力防災との向き合い方,4選出馬を突然取りやめた判断などを聞いた。

 ◆ 2011年3月の福島第1原発事故をどう受け止めましたか。

 ◇「震災の当日,原発周辺にある放射線量を測定するモニタリングポストが停電のため稼働していない,と福島県からSOSがありました。県職員を派遣すると被曝する恐れがあります。苦悩したすえに『絶対強制しない』という条件つきで,いってもいいという職員に移動モニタリングカーで福島へ入ってもらいました」。「新潟に避難する被災者もいました。新潟にはロシア,中国,韓国の3総領事館があります。新潟県民が避難する事態も視野に入れざるをえない状況で,各国から受け入れ申し出が実際ありました」

 ◆ そうした体験が東電に対する厳しい態度になったのですか。

 ◇「東電に不信感をもったのは,メルトダウン(炉心溶融)の問題で,原発立地県の知事にウソをついたからです。事故直後の〔2011年〕3月14日には,武藤 栄・東電副社長(当時)が福島第1原発の2号機について『2時間でメルトの可能性あり』と発言しています。事故対応をしていた東電本社の様子は,社内のテレビ会議システムで柏崎刈羽原発にも伝わっていました」。

 「当時,メルトダウンしている疑念もあり,新潟県民の避難が必要かどうか判断するため,〔3月〕18日に福島第1原発の現状がどうなっているのか東電に説明を求めました。柏崎刈羽原発の幹部が県庁に来ました。『メルトダウンしていない』と話しました。ところが,東電は2カ月後,メルトダウンが津波到着の5時間半後に始まっていたと発表したのです」。

 ◆ 2013年7月,再稼働に向けた手続開始への同意を求めに東電社長が訪れましたが,了承しませんでした。

 ◇「知事の最大の使命は,県民の生命と安全,財産を守ることです。新潟県でも技術委員会で福島原発事故の検証を進めています。しかし,東電は情報をきちんと開示しない姿勢を続けてきました。これでは事故の総括も対策の検討もできません。虚偽説明をする会社に原発を管理する資格があるのか疑問です」。「原発事故の判定基準マニュアルで,メルトダウンだと判断すべきところをしていなかったことを認め,東電が謝罪したのは今〔2016〕年の2月になってからです」。

 「技術委員会の議論を通し事実の積み重ねで外堀が埋まったなか,知事選に私が出て4選した場合,虚偽説明を続けていては再稼働の議論に入ることもできない,と考えたのではないでしょうか。地に落ちた東電の信頼を少しでも回復するために,4期目に入る前に認めた,と受け止めています」。

 「〔2016年〕「8月25日に訪れてきた東電幹部は『原子炉に注水できない状況から判断すれば炉心溶融していると申し上げるべきだった』と釈明しましたが,いまだに責任を問われる真実は話せないようです」。

 ◆ 現在の原発についての議論をどうみますか。

 ◇「いまは原発事故の対応にかかる費用を含めても原子力発電は割安という説明になっています。一方で,国民に負担を求める議論も進んでいます。原発を動かさないので国民負担を求めるというのなら論理的ですが,割安だと主張する原発の再稼働を進めながら国民負担を求めているわけです」。
 補注)この指摘はあまりに当然のことであるとはいえ,ともかく鋭いものである。「原発未稼働なら国民負担を求める」ことに関しては,国民・市民・住民・庶民の側に大きな反対はないと思われる。現にいままでの(「3・11」以降という意味だが,原発の大部分が稼働していないなかで)電気料金には,原発の代替で稼働させる火力発電の燃料(原油・LNG)の調達原価が高かった時期のコスト分や,このところ大いに伸張してきている再生エネルギー発電の買い付けコスト分がそのままつけまわしされてきた。

 しかしながら,その負担に黙って耐えてきているのが,われわれ消費者の立場である。原発は全基を稼働させずに,5・10年単位でもって,原発の完全廃絶にもっていく努力に傾注すべきである。しかし,この原発全廃それじたいのためだけに関しても,莫大なコストが発生してゆく。しかし,これこそが固有で本物である原発利用のツケであるゆえ,自然・再生可能エネルギーの開発・利用に向けて全面的に舵を変えながらも,その負担に耐えていくほかない。

 いつまでもずるずると原発の再稼働にこだわっているかぎり,原発は日本の経済・社会にとってはかえって,よりいっそう足かせ・手かせになっていく。《悪魔の火》がこの国の脚を炙り,手を焼いており,エネルギー政策の自由を奪っている。ドイツをみよ。あれこれ問題(難題)はあっても原発を廃絶することにしており,もうすぐ実現させる(2022年が目標)。
♥ 参考画像資料3点 ♥
 ドイツ脱原発画像ドイツ脱原発画像2
ドイツの原発配置図
 ◇「結局,原発は高いのか安いのか,整合的な説明が求められるように思います。こうした入り口の整理を抜きに,国民負担の賛否を問うのは拙速です。原子力規制委員会の指針は霞が関だけの調整でつくられ,現場を抱える地方自治体の意見が採り入れられていません」。

 「原発事故で被曝する恐れがあるのは周辺にいる住民です。規制委の委員に住民を代表する立場の人を入れるべきだと考えます。中央省庁の官僚は『福島の住民の苦しみを忘れるべきではない』という主張と,『とにかく原発を再稼働させよう』との2派あるように思います。省庁というより個人によって考えは異なり,人事異動で方針が変わりうるとみています」。(聞き手・川本裕司)(引用終わり)

 --泉田裕彦は,中央省庁で原発事業に関連する官僚たちには,2種類の人間がいると分類した。本日の記述を読んだ人はどう感じるか? ※-1か,それとも※-2か? あるいはこのふたつを混ぜあわせての「なんらかの妥協案」を作るべきか?

  ※-1『福島の住民の苦しみを忘れるべきではない』という主張・立場。

  ※-2『とにかく原発を再稼働させよう』という主張・立場。

 筆者は「原発の再稼働」には反対である。もう一度「痛い目に遭わない」と分からず,まだ懲りないのが「原子力村の面々」なのか。なにが彼らをそうさせるのか? 利権(利潤・役得・便宜などオイシイお裾分け)がまだ原発をめぐっては,多くあるらしい。さらには,廃炉〔の作業〕そのものも,ビジネス(金儲け)としては,つぎの絶好の対象である。なにせ,その予算(収益・利益)の規模がとても大きいから。