【昭和20年代の占領支配者意識まる出しの米軍指揮官の態度】

 【住宅地に墜落でもしていたら,なんというのか? 軍用機の訓練中だからそれで当然だ,とでも開きなおるつもりだったか?】

 【沖縄は植民地同然か,あるいは半植民地状態】

 【この問題には手も足も出せず,そしてまともに口もきけない安倍晋三政権の無力ぶりと頼りなさ】

 
 ①「空中給油中,プロペラ損傷 米軍『市街地回避』オスプレイ大破」(『朝日新聞』2016年12月15日朝刊1面)

『朝日新聞』2016年12月15日朝刊1面オスプレイ墜落画像 さきに指摘しておくが「オスプレイ大破」なのだから,この機体はもう破棄するほかなく,粗大ゴミ化した。不時着した場合であってもまだその破損の状態がマシであれば,修理して利用できるかもしれない。だが,報道されている画像(動画)などをみるかぎり「墜落」による大破でしかなく,軍用ゴミになっていたに過ぎない。以下,記事の引用である。

  --沖縄県名護市沿岸で〔2016年12月〕13日夜,米軍普天間飛行場(宜野湾市)所属の垂直離着陸機オスプレイが不時着を試みて浅瀬に着水し,大破したのは,空中給油の訓練中のトラブルでプロペラを損傷したためだ,と米海兵隊が14日発表した。米軍はオスプ『日本経済新聞』2016年12月15日朝刊39面オスプレイ墜落画像レイの飛行停止を表明する一方,オスプレイじたいが原因ではないと強調した。
 註記)右側画像は『日本経済新聞』本日から引用したが,大きなヘリ仕様のプロペラが完全にちぎれたように破壊されている。

 在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が記者会見して明らかにした。事故機は沖縄本島の東方約30キロ付近を飛行しながら空中給油機から給油を受けるさい,給油ホースが切れオスプレイのプロペラが損傷。普天間への帰還を試みたが,パイロットの判断で,目的地を,市街地に囲まれた普天間ではなくキャンプ・シュワブ(名護市)に変更した。午後9時半ごろ不時着水を試みたという。ニコルソン氏は県民に「謝罪します」と述べつつ「パイロットが沖縄の上空を飛ばず,沖縄の人々の多くの命を守り,乗組員を守った。誇りに思う」と話した。沖縄県は猛反発。翁長雄志(おなが・たけし)知事は,政府に抗議文を提出した。
 補注)このオスプレイの機長はごく当たりまえの判断で操縦をしただけであるのに,在日米軍のその最高指揮官(ニコルソン四軍調整官)はこのように「パイロットが沖縄の上空を飛ばず,沖縄の人びとの多くの命を守り,乗組員を守った。誇りに思う」と話したというのである。だが,この発言は本末転倒もいいところである。こうした軍人の論理:軍隊の横暴な屁理屈が通ることは,昔の帝国陸軍もいまの在日米軍も変わらない。

 沖縄の上空を毎日飛んで訓練しているのが米軍の軍用機であるが,別に「沖縄の人びとの多くの命を守」るために訓練をしているわけでは,けっしてない。ただし,米軍の論理じたいに即していってみれば,「乗組員を守った。誇りに思う」という部分だけは,よく理解できるかもしれない。しかしそれでも,このニコルソン四軍調整官によるそのほかのいいぶん〔というよりはその全部〕は,日本側とくに沖縄にとってみれば,憤激を呼び起こすような,きわめて傲岸で粗暴な軍事的な発言でしない。

 〔記事本文引用に戻る→〕 第11管区海上保安本部(那覇市)などによると,事故現場は名護市安部(あぶ)の海岸から数十メートルの浅瀬で,もっとも近い民家から300メートルほど。乗員5人は米軍の別のヘリに救助されたが,2人がけが。11管は〔12月〕14日未明,米軍に捜査を申し入れたが,14日夕までに回答はないという。日米地位協定は,米軍関係の事件・事故には基地の外でも米軍による警察権を認めている。
 補注)在日米軍は完全なる治外法権を有しているから,日本の国土(領域)でこのような事件を発生させていても,日本政府はもちろん地方自治体などを,まともに相手にもしない。この点は後段で日米地位協定に言及するなかで説明もあるが,ともかく,在日米軍基地のやり口は万事が,自分たち:「カラスの勝手でしょ」の要領でまかり通っている。日本政府じたいも米軍にはろくに口だしできず,なにかことが起きたときでも,ひたすらお願いのかたちでしか要請(交渉?)できない。いまは,安倍晋三君がこの国側の最高責任者である。

 「別の機体,胴体着陸」 在沖米軍は,沖縄県名護市沿岸で大破したのとは別のオスプレイ1機が13日夜,普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で胴体着陸をしていたと14日,明らかにした。ニコルソン四軍調整官が会見で認めた。ニコルソン氏は「着陸装置に問題があったが,安全に着陸して終わっている」と述べた。
 補注)このいいぶんが興味深い。胴体着陸をしていても「安全に着陸して終わっている」という理屈は,民間機(旅客機)ならまったく通用しない。ところが,軍用機だから今回のように事故っていても,胴体着陸程度ならば「安全に着陸した」とみなされるというのである。このいいぶんを聞かされたほうがビックリしないほうがおかしい。民間機が胴体着陸したら,これがまだ修理して再び飛行できる機体にまで直せるとしたら,相当の時間と経費がかけてもする。だが,軍用機に関しては「経済の論理」以外になる措置もあれこれ入りこんでくるゆえ,平然と使い捨てもできる。

 ②「〈時時刻刻〉オスプレイ,反発再燃 在沖米軍首脳,パイロット称賛」(『朝日新聞』2016年12月15日朝刊2面)

  1)冒頭解説記
 米軍の垂直離着陸機オスプレイが沖縄に配備されて4年余り,機体が大破するほどの重大事故を初めて起こした。在日米軍施設が集中する地元からは非難の声が噴出し,基地負担軽減をアピールしてきた安倍政権は冷や水を浴びせられた。米軍は原因究明を約束したものの,全国に広がる日米のオスプレイ運用にも影を落としかねない状況だ。(▼1面参照⇒ ① )

『朝日新聞』2016年12月15日朝刊2面オスプレイ墜落画像3 事故から一夜明けた〔12月〕14日。沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事が,米軍キャンプ瑞慶覧(沖縄県北中城村など)を訪れ,事故への抗議文を読み上げた。安慶田氏によると,そのさい,在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官の表情はみるみる怒気に染まっていった。

 ニコルソン氏は「パイロットは住宅,住民に被害を与えなかった。感謝されるべきで表彰ものだ」と述べた。安慶田氏が「オスプレイも訓練もいらないから,どうぞ撤去してください」と伝えると,「政治問題化するのか」などと話し,テーブルをたたく場面もあったという。

 会談後,安慶田氏は記者団に「植民地意識丸出しだ。私たちからすると,抗議するのは当然だ」と述べた。ニコルソン氏はその後の記者会見で,「オスプレイが(市街地上空を通る)普天間,嘉手納にいこうとしなかったことは称賛すべき決断だ」と強調した。
 補注)この在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が,みずから対応する態度をもってみせた〈軍人の感情〉は(前掲画像),正直にアメリカ政府側の日本に対する,それも「ホンネである立場」を,みごとなまでに表現している。このような応答をこの「在沖米軍四軍調整官」は,米軍側の基本姿勢として露骨に表出している。「昔〔大日本帝国〕陸軍,今〔在日〕米軍」ということなるのか。軍の横暴ぶりはいつの時代にも変化なし。

 2)翁長氏,撤去要請へ
 米軍基地に対する複雑な感情が渦巻く沖縄にあって,オスプレイはとりわけ特別な存在だ。沖縄にオスプレイが初めて配備されたのは2012年10月。その年には,オスプレイは海外で2件の墜落事故を起こしていた。同年9月には配備反対の県民大会が開かれ,10万1千人(主催者発表)が集まった。しかし政府は,米軍の配備計画に異を唱えなかった。当時,那覇市長だった翁長雄志(おなが・たけし)知事は「国による沖縄への『いじめ』だ」と批判した。

 オスプレイが配備された普天間飛行場も返還のめどがたたない。翁長氏を支持する県議は「オスプレイは県民にとって,日米安保体制が沖縄に強いている『理不尽』の象徴。本土の人も米軍も,それが分かっていない」という。翁長氏は事故を受けて上京し,15日に政府に抗議した上でオスプレイの撤去を求める。「このような事故を受けてオスプレイが飛ぶ状況は看過できない」と述べた。

 3)政権,沖縄政策に打撃懸念
 「重大な事故を起こしたことは大変遺憾だ」。〔12月〕14日朝,首相官邸に到着した安倍晋三首相は硬い表情で記者団に語った。事故発生の一報は13日午後9時50分ごろ。その2時間後,深夜の防衛省に稲田朋美防衛相が登庁するという異例の対応。今回の事故が,安倍政権の対沖縄政策や日米両政府のオスプレイ配備計画に打撃を与えかねないと受け止めたからだ。

 政府は22日,沖縄県で米軍北部訓練場(同県国頭村など)の返還式典を催す。北部訓練場の約半分(4千ヘクタール)の返還は,1996年の日米特別行動委員会最終報告に盛りこまれた基地負担軽減のひとつ。安倍首相は臨時国会の所信表明演説で「20年越しで実現させる」とアピールしていた。

 だが,返還に伴い同県東村に建設されるヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)をオスプレイが利用する。菅 義偉官房長官は14日の記者会見で「事故による(式典への)影響は考えていない」と強調したが,オスプレイ配備に反対し,欠席を表明していた翁長知事は事故を受け,式典じたいの開催中止を求めた。
菅 義偉問題ない画像 補注)なんども指摘する。この菅 義偉の発言はいつも「なにか政府にとってまずい問題が起きるたびに」「問題ない,問題ない,問題ない……」というのが,口癖のような文句として飛び出てくるが,今回も同様なものいいがなされている。

 今回発生した「事故による影響」というものが,米軍基地の返還式典に対しては「ない」と断わってみたところで,この「米軍機の事故そのもの」が沖縄県に存在する米軍基地問題全体にかかわる問題であることは否定できない。つまり,その影響が「沖縄における問題」として「なにもない」などとはいえない。


 〔記事本文引用に戻る→〕 さらに政権幹部が懸念するのは,米軍普天間飛行場の移設計画への影響だ。20日には,同県名護市辺野古沖の埋め立て承認を取消した翁長氏を国が訴えた訴訟の上告審判決がいい渡される。知事の敗訴が確定する見通しで,政権は北部訓練場返還と法廷闘争勝利を追い風に,埋め立てに入る構想を描いていた。事故の影響は沖縄だけにとどまらない。在日米軍は海兵隊の『朝日新聞』2016年12月15日朝刊2面オスプレイ墜落画像2MV22オスプレイを普天間飛行場に24機配備。2021年までに空軍のCV22オスプレイ10機を横田基地に配備する方針だ。自衛隊も2019年度以降に計17機を導入し,佐賀空港に配備する計画だ。

 横田基地を抱える東京都福生市の加藤育男市長は14日,防衛省を訪れて「横田基地周辺に海はなく,人口密集地域。安全対策をどう考えているのか」などと問いただす文書を提出。佐賀県の山口祥義知事は,事故の詳細が明らかにならないかぎり配備を受け入れるか判断しない考えを示した。防衛省幹部は「影響は計りしれない」。稲田防衛相は14日夕,記者団に「事故の原因の究明結果の説明を,佐賀県も含め地元の皆様にしていきたい」と語った。
 補注)今回のオスプレイ不時着・墜落事故に関して,防衛省幹部がいった「影響は計りしれない」との発言は,はたして自国において起きた事故に関するものなのか,首を傾げたくなる。防衛省の軍用機が起こした事故だったら,このようには答えられないはずである。だが,事故は同じ日本の国土:領海内で起きている。

 4)「安全性,問題ない」
 オスプレイの残骸が散らばる海岸での調査は,日米地位協定により,米軍に委ねられている。米国務省のカービー報道官は13日の記者会見で「軍事オペレーションにはリスクが伴う。徹底的に原因を突き止め,解決する」と語った。米軍は当面,沖縄での飛行を停止。ニコルソン四軍調整官も記者会見で「すべてのチェックリストを点検し,内容に問題がないと確信するまで沖縄では飛行しない」と述べた。安全を最重要視することで,沖縄に配慮する姿勢をみせた。

 一方で,米軍は機体の安全性には問題がないことも強調した。米軍はイラクやアフガニスタンなど世界中で,輸送や特殊作戦でオスプレイを運用している。それを止めるという選択肢はない。国防総省のデービス報道部長は13日,「オスプレイが重要な軍事能力を提供しているのは明白だ。日本や地域の安全に貢献している」と話した。ニコルソン氏は会見でこう語った。「ワシントンもオスプレイは引きつづき飛行すると判断している」。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
オスプレイ空中空輸画像
出所)http://bylines.news.yahoo.co.jp/obiekt/20161214-00065483/

 --要は,アメリカの世界次元における軍事戦略の観点からしても,オスプレイの運用を日本だけで止めることはありえないといいきっている。また安全性に問題がないと強調しているけれども,今回の事故は,沖縄上空でわざわざ給油訓練をおこなう最中に起こしていたのだから,軍事訓練そのものが発生の原因であった。いずれにせよ,米軍側による以上の説明は,日本(国)側に対して,実質での〈問答無用〉を意味する。

 この事故原因をめぐって,オスプレイの機体じたいに「安全性に問題ない」というのは,意図的に話の筋を異ならせた「見当違い」の説明である。あの特殊にもみえる「大きなローターブレード」2台を機体に装備するオスプレイである。ヘリであれば通常はありえない空中給油作業をおこなっている。そのローターブレードに給油用の管(ホース)が触れての事故発生であった。つまり,軍事的にみても「安全性にもとより問題がある」のであり,しかも,軍事目的でもってともかく,そのような空中給油をヘリ型であるもオスプレイで実行しているから起きていた事故である。

 5)日米政府,「不時着」と説明 明確な定義なし
 日米両政府は,今回の事故を「不時着」と説明している。「事故直後から在日米軍が『landing』(着陸)と説明した」(防衛省幹部)ことが根拠だ。ケネディ駐日米大使は14日,岸田文雄外相に「オスプレイが緊急着陸(emergency landing)しなければならない状態になったことは遺憾に思う」と語った。在日米軍のマルティネス司令官も同日,稲田朋美防衛相に「機体はコントロールできる状態でパイロットの意図した地点に着水した」と説明した。ただ,米軍の準機関紙「スターズ・アンド・ストライプス」は「墜落」を意味する「crash」と伝え,海外通信社や沖縄の地元紙には同様に報じたところもあった。

 国土交通省航空局によると,航空法は「墜落」や「不時着」についてとくに定義していない。元日本航空機長で航空評論家の山田不二昭さんは「機体が制御可能な状況で下りたら不時着だが,制御不能だったら墜落だ。詳しい調査結果が出るまで明確な評価はできない」。同じく航空評論家で元日本航空機長の小林宏之さんは「パイロットの意志で滑走路以外に下りると決め,ある程度コントロールしながら着水していれば『不時着』が適切。機体の壊れ方で判断することではない」と話す。米政府は今後,原因究明を行うとしており,その結果次第で「墜落」だったことが明らかになる可能性もある。
 補注)不時着か墜落の神学論争はさておいても,今回事件を起こしたオスプレイは給油機の給油菅(ホース)がプロペラに当たり破損させ,制御不能(不十分?)になった機体が落下(不時着もしくは墜落?)した。機体は大破しているのだから,これを修理して復帰させうるような破損状態には,とうていみえない。前段の指摘は「機体の壊れ方で判断することではない」と語っているが,枝葉末節の指摘であり,だから神学論争である。関連の定義を航空工学や軍事技術論は決めておく必要がある。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
『朝日新聞』2016年12月15日朝刊2面オスプレイ墜落画像1
 6)「プロペラとホース,接触しやすい」
 識者らはオスプレイの安全性をどうみているのか。軍事評論家の野木恵一さんは「オスプレイのプロペラは普通のプロペラ機と比べて大きく,空中給油のホースが接触する可能性は高まる。簡単な改善策は思い当たらない」と話す。一方,一定の飛行時間あたりの重大事故の発生割合は平均的だとし,「欠陥機」との評価は当たらないと指摘する。基地の監視活動を続ける市民団体「リムピース」の頼和太郎(らいわ・たろう)さんは,こう訴える。「新型機だけに,思いもかけない事故が起きる可能性がある。機体の構造に欠陥があるかもしれないという根本に立ち返って考え直すべきではないか」。

 ③「なぜオスプレイは危険だといわれるのか (10)」(『Luminescence』2012/07/24(Tue) 16:03:18)

 オスプレイ(V-22)の飛行機としての構造と機能を専門的な意見に聞いてみる余地がありそうである。今回におけるオスプレイの事故が空中給油の訓練時に発生している事実に注目する必要がある。ヘリだったら通常はありえない空中給油など問題外である。だが,一般の軍用機(主に戦闘機・戦闘爆撃機)の場合と同じに,空中空輸もできるのが「オスプレイ:垂直離着機」だという点に注意しなければならない。以下のような説明が参考になる。
    空中給油の適用範囲は,航空機のスピードや航続距離によって決まる。低速の航空機に空中給油の意味はない。水平飛行時の性能に本質的な限界のあるヘリコプターがその実例である。オスプレイ(V-22)の性能はその「スピード」に特性があり,米海兵隊における位置付けはこうである。

    ☆-1 従来の中・大型ヘリと同等の空輸力
    ☆-2 ヘリを大きく上回る速度で展開可能
    ☆-3 空中給油への適応性が高く,容易に行動範囲を拡張できる
    ☆-4 なおかつ離着陸の制約がない

 オスプレイに米軍が求めているものは,あくまで V/STOL(Vertical Short TakeOff and Landing)としての運用が「できること」であって,垂直離着陸あるいは短距離離着陸ができれば十分なのである。

 既存のヘリと同等の,ホバリング時の高機動性などというものは,初めから求めていない。固定翼での水平飛行モードでの速度・航続距離が十分に満たされ,さらに,既存のヘリと同じ場所での離着陸が可能でありさえすれよい。そして,多少不安定であっても関知しない。
CH46とオスプレイ画像
出所)上がCH-46,下がV-22(オスプレイ),
http://obiekt.seesaa.net/article/140920363.html

 ということで米軍,とくに米海兵隊におけるオスプレイの位置づけは,「タンデムローターのヘリが従来担ってきた,中規模の兵員・物資輸送を,より迅速にかつ広範囲におこなえ,なおかつ従来ヘリが離着陸をおこなってきた場所で離着陸可能な航空機」ということになる。

 CH-46 からの機種転換ということで誤解もあるのだが,V-22 がローターを天に向けたときの機動性が従来のヘリより多少劣っていても,米海兵隊としては「必要要件を満たしている」と割り切られている。
 註記)http://fugenji.org/thomas/diary/index.php?no=r885
 こうしたオスプレイに関する軍事目的面に関する説明を聞くと,在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が,事故を起こしたくらいで,なにやかや日本側から文句をつけられる筋合いはないみたいに,青筋をたてて怒って机を叩いたという理由も感知できるはずである。参考にまでかかげておくが,つぎの画像は「米兵女性暴行,米四軍調整官が謝罪 知事,抜本対策求める」(『琉球新報』2016年3月17日 05:04)に掲載された写真である。
米兵女性暴行事件で謬るニコルソン4軍調整官
 翁長雄志知事に平身低頭しているのが,軍服姿のニコルソン4軍調整官である。だが,こんどのオスプレイの「不時着」は,軍事訓練展開中のひとつの事故であり,しかも人的損害は沖縄県民には与えていないのだから,いちいち文句をいうな,というふうにも訴えている。そうした姿勢がこの在沖米軍最高司令官の口調にありありと表出されていた。

 ④「〈社説〉オスプレイ大破 懸念が現実になった」(『朝日新聞』2016年12月15日朝刊)

 米軍や政府は「不時着」だというが,翁長知事が示した「墜落」との認識こそふさわしい。沖縄県名護市で米軍の輸送機オスプレイが事故を起こした。海岸の集落から300メートルほどしか離れていない浅瀬に,大破して横たわる機体の残骸は,事態の深刻さを雄弁に物語る。

 許しがたいのは米軍側の態度である。日本国内でのオスプレイの運用を当面停止したのは当然だが,在沖米軍トップの四軍調整官は抗議した副知事に対し「パイロットは住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と話したという。占領者意識丸出しの暴言というほかない。政府は事実確認のうえ,発言の撤回と謝罪を強く求めるべきだ。
 補注)安倍晋三君にここに要求されている行為ができれば上等であるが,おそらく無理な期待である。

 この事故と暴言は,沖縄が直面している現実を,多くの人にあらためて思いおこさせた。墜落の恐怖,騒音の苦しみ,奪われる普通のくらし,重大な事故・事件をくり返しても反省しない米軍,県民より米国の顔色をうかがう日本政府……。オスプレイは2012年秋から米軍普天間飛行場に順次配備され,いまは24機にまで増えた。事故機はそのなかの1機だ。

 同飛行場をめぐっては,オスプレイも含め,夜間早朝や人口密集地上空での飛行を制限する日米合意がある。だが県の測定によると,制限時間帯でも1日平均で10回を超える騒音が記録され,有名無実化している。先月あった爆音訴訟の判決で那覇地裁沖縄支部は「米軍と国によって,住民に対する違法な被害が漫然と放置されている」と,厳しく指摘した。

 また,本島中部の宜野座(ぎのざ)村では先日来,オスプレイが水タンクをつり下げて民家上空を飛行する訓練をおこなっている。地元の抗議を米軍は無視し,政府は有効な手を打てないでいる。来週20日に普天間飛行場の移設をめぐる辺野古訴訟の最高裁判決が予定され,22日には米軍北部訓練場の一部返還がある。返還といっても,オスプレイの離着陸帯の新設が条件になっており,基地機能の強化との受けとめが沖縄では支配的だ。

 そんなときに起きた事故である。政府が対応を誤れば,県との間の溝はさらに深まる。米軍に原因の究明と徹底した情報公開を迫るのはもちろん,同様の事故が起きたとき,日本側も調査に関与できる仕組の導入を働きかけるなど,県民・国民を向いた対応を求めたい。沖縄の負担はもはや限界だ。これを軽減する道を,いま一度根底から問い直す。「墜落」をその契機にしてほしい。(社説引用終わり)

 --属国日本の直視しがたい現状がある。対米追従国である日本の醜い限界がある。この悲哀を一番重たく負担させられているのが沖縄である。なにか大きな事故・事件が発生しないことには,まともに問題化されないのが,米日軍事同盟関係の枠組のなかに堅く閉じこめられているかのような沖縄である。

 安倍晋三君は最近,内政にめっぽう強いが,やはり外交にはからっきし弱い。この事実がいまさらのように,あらためて実証された。12月14日朝,首相官邸に到着した安倍晋三首相は硬い表情で「重大な事故を起こしたことは大変遺憾だ」と,記者団に語ったというけれども,この国の首相の立場からこのつぎの展開を,どのようにできる覚悟があるのか? この首相は,沖縄は日本のひとつの県であるのだが,まるで遠い〈外国の地〉で起きた出来事であるかのように,そうした自分の「感想」を語っていないか?
 
 ⑤「爆音,集落目前で大破 沖縄『許しがたい事故』オスプレイ」(『朝日新聞』
2016年12月15日朝刊39面「社会」)

 日本政府が安全性を強調してきた米軍の輸送機は,海岸近くで大破し,無残な姿をさらした。米軍基地が集中する沖縄で13日夜に起きたオスプレイの事故。地元では恐怖と怒りが広がり,オスプレイが飛来する各地の関係者も懸念を募らせた。
 補注)すでにだいぶ記述量が多いので,ここではこの記事(長文である)から,とくに 1)の引用では一部の段落のみを参照した。なお,省略した段落はとくに指示していない。
『朝日新聞』2016年12月15日朝刊1面オスプレイ墜落地図
 高江では一部のヘリパッドが完成し,昼夜を問わずオスプレイが飛び交う。反対運動を続ける住民の安次嶺現達(あしみね・げんたつ)さん(58歳)は「(事故で)犠牲者は出なかったが,高江や普天間に落ちる可能性もある。県民大会などを開き,(基地に反対する)県民の意思を政府に示すべきだ」と語った。

 1)横田・厚木「原因究明を」
 普天間飛行場所属のオスプレイは24機あり,国内各地を飛んでいる。飛来地の一つ,米軍横田基地(東京都福生市など)では,オスプレイの配備計画が進む。同市の加藤育男市長は14日,「地域住民が常に不安を感じるような事態は避けなければならない」と話した。

 米軍岩国基地(山口県岩国市)には今〔2016〕年,延べ100機以上のオスプレイが飛来した。福田良彦市長は事故を受け,「市民の多くが航空機事故への不安を募らせている」と指摘。国に安全な運用と原因究明を申し入れたという。オスプレイの危険性を訴えてきた市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の久米慶典さんは「オスプレイの安全性は脆弱だと判明した。ただちに飛行を停止すべきだ」と話した。

 一方,都内の街頭では14日夜,市民団体のメンバーが,事故への抗議活動をした。実行委員会の高田 健さん(71歳)は横田基地にオスプレイ配備が予定されていることなどに触れ,こう訴えた。「首都圏に住む私たちにも直接関係する問題。けっして他人事ではない」。

 2)配備前から事故懸念
 プロペラの向きを変えられるオスプレイは,垂直離着陸ができるヘリコプターと,高速で長距離を飛べる固定翼機の特性を兼ね備える。事故機は輸送ヘリCH-46の後継の海兵隊用のMV-22で,最大速力はCH-46の2倍近い時速約520キロ,行動半径は約4倍の約600キロに広がった。

 ただ開発段階の1991~2000年には,米軍の分類で最も重大な事故である「クラスA」の事故が4件起き,計30人の死者が出た。2005年に量産が決まり,アフガニスタンやイラクの軍事作戦や要人輸送にも使われてきたが,事故は相次いでいる。2012年10月にオスプレイが普天間飛行場(沖縄県)に初めて配備される直前にもモロッコと米フロリダで墜落事故が続き,沖縄では安全性への疑問から大きな反対運動が起きた。

 日本政府は懸念を払拭するため,2003年10月~2012年4月のMV-22の事故率(飛行時間10万時間あたりのクラスAの事故件数)は1.93で,同時期の海兵隊の全航空機の平均事故率2.45よりも低いことなどを説明。防衛省作成のオスプレイのパンフレットでは「万が一,二つのエンジンが停止した場合でも対処できるよう訓練をしている」などと安全性をアピールしてきた。ただ,2015年9月末時点でのMV-22の事故率は 2.64になっている。

 ここでは下掲の画像資料も同時に参照しておきたい。全体的・総合的な吟味・検討が要求されている。なお,米軍は現在,航空機事故について,こういう分類を儲けている。

  (1) 死者が出るか200万ドル以上の損害が出たりした事故を「クラスA」。
  (2) 重傷か50万~200万ドルの損害が出た事故を「クラスB」。
  (3) 軽傷か5万~50万ドルの損害を出した事故を「クラスC」。
オスプレイ事故率比較画像
出所)http://vergil.hateblo.jp/entry/2015/07/14/224434
本表については,オスプレイの導入期における統計も
含む解釈だとして,この点をうんぬんする議論もある
ことも付記しておく。


 ⑥「オスプレイ大破 沖縄反発,給油訓練中に不時着 別の1機も胴体着陸」(『日本経済新聞』2016年12月15日朝刊2面「総合1」)

 ここからは『日本経済新聞』を参照する。『朝日新聞』とはなるべくかぶらない内容に注目して引用したいが,基本事項については繰り返している。
 
 --米軍の新型輸送機オスプレイが沖縄本島東部沖に不時着水して大破した事故で,米軍は〔12月〕14日,機体のシステムが原因ではないと説明した。政府は米側に安全確認の徹底などを求めたが,沖縄県は強く反発。米軍普天間基地(宜野湾市)の移設先である名護市辺野古での工事再開を目指す政府にとって「最悪のタイミング」との声も出ている。(関連記事を社会面に)

 事故機とは別のオスプレイが13日夜,普天間基地で,脚部の不具合によって胴体着陸していたことも新たに判明した。米軍などによると,大破事故を起こしたのは米海兵隊が普天間基地に配備したMV22オスプレイ。沖縄本島の20~30キロ沖で空中給油の訓練中,給油機から伸びるホースをオスプレイのプロペラが切断。切れたホースがブレード(羽根)を傷つけ,飛行が不安定になったとみられる。

 パイロットは不安定なまま市街地の上空を飛んで基地に戻るより,浅瀬に不時着した方が安全と判断し,13日午後9時半ごろ,名護市のキャンプ・シュワブ沖に着水したという。搭乗員5人は全員救助され,うち2人が負傷。命に別条はない。機体は海岸まで流れ着き,コックピットや主翼などがバラバラに壊れた。米軍側は原因について「機体のシステムによる問題ではない」と強調。別の機体の胴体着陸に関しても「安全に着陸した」と説明した。

 今回の大破事故を受け,オスプレイの配備撤回を公約の一つに掲げる翁長雄志・沖縄県知事は「起こるべくして起きた」と批判。「機体が大破している状況から(不時着でなく)墜落だ」との認識も示した。上京し,15日に首相官邸などを訪れて抗議する構えだ。

 〔12月〕22日に政府が開催予定の米軍北部訓練場(国頭村,東村)の返還式典についても「県民感情から許されない」などとして,中止するよう外務,防衛両省に要求した。オスプレイは主翼の向きを変えることで垂直離着陸と高速飛行を両立させた新鋭機。米国などで事故が相次ぎ,安全性を懸念する沖縄県側が反対する中で2012年に普天間基地に配備された。

 1)「埋め立て再開に逆風」
 政府は〔12月〕14日,オスプレイ不時着事故を受け,米側に原因究明と安全確認の徹底を求めた。岸田文雄外相はケネディ駐日米大使を呼び「大変遺憾な事故だ」と指摘。ケネディ氏は「緊急着陸は遺憾だ。迅速に調査し,結果を十分に日本政府と共有したい」と応じた。

 今回の不時着事故について政府内では「最悪のタイミング」(防衛省幹部)との声が広がる。オスプレイが所属する米軍普天間基地の移設問題では,移設先の名護市辺野古での代替施設建設をめぐる訴訟の判決が20日に確定する。沖縄県に埋め立て承認の取消し撤回を求める内容で,政府はこれを受けて早期に工事を再開する方針だった。

 しかし県側は判決確定後も移設阻止の構えを崩しておらず,今回の事故で県民の反発が強まるのは必至。稲田朋美防衛相は「判決が下ればその結果を誠実に履行する」と強調したが,政府が強引に進めているとの印象を与えれば,沖縄との対立は強まりかねない。

 22日の北部訓練場の一部返還をめぐっても,返還後も米軍区域に残る土地にヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を建設し,オスプレイが離着陸する予定。菅義偉官房長官は14日の記者会見で「基地負担軽減につながる」と訴えたが,政府内には事故の影響を懸念する声もある。

 2)「海に不時着『感謝されるべき』在沖縄米軍トップ」  
 在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン沖縄地域調整官は14日,米軍キャンプ瑞慶覧(沖縄県北中城村など)で記者会見し,オスプレイの不時着事故について「沖縄の人びとに謝罪する」「誠に遺憾」と陳謝した。

 一方,事故機を陸上ではなく海に不時着させたパイロットの判断については「沖縄の人々を守った。称賛を送りたい」と強調。「給油訓練は必要だ」と強い口調で主張する一幕もあった。

 会見に先立ち,キャンプ瑞慶覧を抗議に訪れた沖縄県の安慶田光男副知事によると,ニコルソン氏は「パイロットは県民や住宅に被害を与えないようにした。感謝されるべきもので,表彰ものだ」とも発言したという。

 --すでに『朝日新聞』の引用とその議論において触れたようにこのニコルソン4軍調整官の発言は,植民地支配者の価値観を正直に表わした語調である。日本の国・民を完全に舐めきった発言である。安倍晋三君,これでよろしいのか?

 安倍晋三君は,国民をよく舐めたような国会運営や国政を身勝手に推進しているが,相手がアメリカ政府・軍部になると,なにやらもぞもぞするだけの姿勢に終始している様子にみえる。いったいどういうつもりか? それで1人前の首相といえるか? 今日〔12月15日〕からロシアのプーチンと首脳会談をもつらしいが,2匹目の秋田犬のプレゼントを彼に断わられるようでは……。柳の下のドジョウではあるまいに。

 ⑦「沖縄知事『配備撤回を』 オスプレイ事故,県内外で不安の声」(『日本経済新聞』2016年12月15日朝刊39面「社会2」)
 

 青い波間で大破した機体の姿に,県内外で懸念が膨らんだ。米軍の新型輸送機オスプレイが沖縄県名護市沖に不時着した事故。翁長雄志県知事は〔12月〕14日,「看過できない」と批判のトーンを高め,パイロットを称賛した在沖縄米軍トップの言動も波紋を投げかけた。政府と沖縄の対立が続く基地問題にも影を落とす。(総合1面参照)
『日本経済新聞』2016年12月15日朝刊2面オスプレイ墜落画像
 「当初から大変危惧しながらきょうまで来た。オスプレイが飛ぶような状況を看過することはできない」。沖縄県の翁長知事は14日夕,県庁で記者団を前に「あらためて配備撤回を求めたい」と終始厳しい表情で強調した。14日には,事故機とは別のオスプレイが米軍普天間基地(宜野湾市)で前日夜に胴体着陸トラブルを起こしていたことも新たに判明。翁長知事は「(名護市)辺野古に新基地を造らせないという信念をもってがんばりたい」と話した。

 「若いパイロットが最悪な事態において最善の判断をしたことは誇りに思う」。在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン沖縄地域調整官は14日に記者会見し,民家を避けて海に不時着したパイロットの判断を称賛しつづけた。「日本を守るために多くの兵士が訓練している。任務の内容について謝ることはない」とも述べた。これに沖縄側から異論が噴出。ニコルソン氏のもとを抗議に訪れた沖縄県の安慶田光男副知事は会談後,「今日のような態度では,米軍を理解しようにも理解できない。植民地意識丸出しだ」と批判した。翁長知事も「米軍の考え方と県民感情には大きな隔たりがある」と不快感を示した。

 名護市の稲嶺進市長は沖縄防衛局を訪ね,オスプレイ配備の即時撤回と辺野古移設の中止を申し入れた。稲嶺市長は「強行配備した結果の事故。日米両政府の責任は重大だ」と語気を強めた。宜野湾市の佐喜真淳市長も原因究明と再発防止を要請した。

 本土でも不安が広がった。陸上自衛隊による佐賀空港への配備計画が進む佐賀市の主婦,片渕章子さん(49歳)は「ショックで思わず声を上げた。まさか本当に事故が起きるなんて」。一方,同市の男性会社員(65歳)は「オスプレイに限らず事故は起きるもの」と冷静に受け止める。4月の熊本地震で救援物資の輸送を担ったことなどに触れ「正しく使えば利点もある。注意して運用してほしい」と話した。

  --この最後のような,日本経済新聞流の「記事まとめ」はおかしい。「熊本地震で救援物資の輸送」に充てるためなのであれば,オスプレイよりも性能的には上であり(荷物の積載量が多いということ),より適当であるヘリ機種が配備されているだから,このような事実(軍事面にかかわる情報)を無視した報道のしかたは,意図的になにかを含めているつもりか,とまで勘ぐっておく余地がある。もっとも,アメリカに対しては色目遣いの日本経済新聞の立場ゆえ,少しも不思議はない報道の姿勢である。

 ⑧「機体調査に地位協定の壁 海保要請も米軍回答なく,オスプレイ不時着事故」(nikkei.com,2016/12/15 0:12)

 オスプレイが不時着した事故で,第11管区海上保安本部(那覇)は〔12月〕14日,航空危険行為処罰法違反容疑での捜査に着手した。ただ米軍は捜査の受け入れ要請に回答しないまま機体の回収作業を実施。日本側の警察権を制約する日米地位協定もあり,原因究明に十分関与できない懸念が残る。

 11管は14日未明,捜査の受け入れを口頭で求めたが,同日夕まで回答がなかった。一方,現場では米軍関係者が大破した機体の一部を,ゴムボートを使って回収した。11管の調査は目視での状況確認や写真撮影にとどまった。

 日本側が主体となった原因究明の壁になる恐れがあるのが,日米地位協定の刑事裁判権についての規定。関連する合意文書では米軍の「財産」について「日本の当局は捜索,差し押さえ,検証をおこなう権利を行使しない。ただし,米軍側が同意した場合は,この限りでない」と定めている。

 米軍普天間飛行場に隣接する沖縄国際大学で2004年に起きた米軍ヘリコプターの墜落事故では,米軍が地位協定を盾に県警の現場検証を拒んだ経緯がある。〔共同〕
 註記)http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14HDA_U6A211C1000000/

 以上,日本が対米従属国であるがゆえの実情が報道されている。海上保安庁は事情のほどは重々承知のうえとはいえ,苦り切った気分で,前段の記事に描かれているごとき対応をしているものと観察する。自国の領海で起きた事件を海上保安庁があつかえない,手出しできないのであるから,正直いって憤懣やるかたないはずである。仮にでもそうではないとしたら,海上保安庁も,安倍晋三君並みに政治精神的には完全に萎縮ないしは堕落した官庁ということになってしまう。

 ともかくも,米軍基地の関係でいえば沖縄の実態は,ほかの都道府県の実体でもある。だが,実際に米軍基地がある日本列島内「各都・県」の住民以外,沖縄県民の辛い気持は理解できないのか?

 ⑨ このまま怒らないで平気でいられるのが,この国であり民であるのか?

★ オスプレイ墜落事故に怒らない国会と政治家なんて国民にとって不要だ ★
=『天木直人の BLoG』2016年12月15日 =

 オスプレイの墜落事故について,わが目を疑うことが起きている。抗議に赴いた沖縄県の副知事に,在日海兵隊の親分が怒鳴り返したというのだ。パイロットは安全な場所を選んで墜落した,文句をいわれる筋合いはない,むしろ感謝されるべきだ,といったのだ。

 その光景がNHKニュースでなんども繰り返された。よくもこのような暴言が吐けたものだ。もはや沖縄ひとりの問題ではない。日本国民は,いますぐこの海兵隊の責任者の謝罪と解任を求めなければいけない。野党は国会で沖縄県民や国民の怒りを安倍政権にぶつけなければいけない。

 米国軍などを相手にせず,オバマ大統領の謝罪と,オスプレイの配備見直しを要求するよう,野党は安倍首相に迫らなければいけない。ところが,まったくそのような動きがみられない。カジノ法案の是非にうつつを抜かしている。

 いま国会が最優先すべきは,オスプレイの墜落事故だろう。いまこそ米国の日本差別とそれをゆるす安倍首相を吊し上げなければウソだ。それができ来ない国会や政治家など国民にとって不要だ。このままでは永久に米軍に占領されたままになる。
 註記)http://天木直人.com/2016/12/15/post-5775/

 ここまで日本側がアメリカの一軍人に舐められている事態を沖縄で生起させている真因は,一重に,安倍晋三がいままでやってきた対米屈従外交にある。

 安倍晋三は,2015年9月に参議院でも成立し,通過させた安保関連法に関して,日本の国会で正式に成立する前の2015年4月29日(日本時間)のことであったが,アメリカ上下両院合同会議でやらせてもらった演説のなかで,アメリカ側に対してわざわざ事前に「私が成立させます」と誓っていた。

 安倍晋三が国民をそのように舐めきった政治の行為を犯していながら,同時に,この首相自身がアメリカ側には反面の関係で,いとも簡単に舐められてもいる。沖縄の在日米軍トップ・ニコルソン四軍調整官が,そうした米日上下従属関係をも背景に,今回のような沖縄県府知事に対する暴言を発していたとも受けとめられる。
ロドリゴ・ドゥテルテ画像
出所)ここまで極端に決断しなくてもよいが,
     心意気だけは真似てもよいのでは……。
http://nadesikorin0719.blogspot.jp/2016/05/blog-post_12.html


 いったいどこまで「日本国とそしてこの民たち」はおとなしくしていられるのか? フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテにひと言,相談してみる必要があるのではないか? 彼もきっと「オレに相談してくれれば……・・・」などと思っているものと推測する。