【初めは無意識的に全面否定してさんざんを嘘をついてから,のちに意識して小出しに事実を披露していく小細工を駆使した,それも弁護士資格・体験のある女性国会議員のいい加減ぶり】

 【この程度の防衛大臣である,一度ことが起きたら〔その有事に〕対応できるのか? 情けない女性大臣のお粗末な言説】

 【安倍晋三の「独裁的政権の裾」は乱れ放題,この首相にとって「女は鬼門」-岸 洋子・安倍昭恵・稲田朋美のトリオに抱きつかれているシンゾウ君-】



 ①「森友問題で答弁ぶれる稲田氏 発言しては修正」(『東京新聞』2017年3月15日 07時02分,http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017031590070223.html?ref=rank
『東京新聞』2017年3月15日稲田朋美防衛相問題
 稲田朋美防衛相は〔3月〕14日の衆院本会議で,大阪市の学校法人「森友学園」が起こした2004年の民事訴訟に,自身が原告側代理人弁護士として出廷したことが確認できたとして,学園の訴訟への関与を否定した13日の参院予算委員会での発言を「記憶にもとづき答弁した。訂正し,おわびする」と撤回し,謝罪した。辞任はしない考えを示した。発言しては修正する繰り返しに,野党側は稲田氏に閣僚の資質がないとして辞任を要求した。
 補注)弁護士の稲田朋美防衛相がこのように「〔間違えたあるいは明確ではない〕記憶にもとづき答弁した」というのだから,これを聞いて呆れない人はいない。大臣の職務としてのやりとりに関する問題であるが,問題がありすぎる人物の,それも国会における答弁の仕方である。ズサンというか絞まりがないというか,緊張感などまるでない無責任な答弁ぶり。

 安倍晋三首相は衆院本会議で,稲田氏について「しっかり説明責任を果たし,今後とも誠実に職務に当たってもらいたい」と述べ,続投させる考えを示した。
 補注)この首相が「シッカリとかテイネイと」いうふうに断わるときは,必らずといっていいくらい,しっかりでもていねいでもない対応がともなっている。口先だけで「しっかりとていねいに,なんとかせよ!」というワンパターン(ドタンバタン)の対応が,いつも図られる。つまり,いつもはたいてい粗雑で不親切な答弁しかできていない〔しようとしていない〕この政権の閣僚たちの,とりわけいい加減な応答が目立っているが,稲田朋美防衛相はその代表選手である。

 本会議後の参院予算委員会で,稲田氏は学園の理事長退任を表明した籠池泰典氏が,2007年に稲田氏の政治資金パーティーに出席していたことを認める一方,「それ以外の献金の記憶がない」と説明した。だが,民進党の風間直樹氏が,籠池氏夫妻が2007年に稲田氏の政治資金管理団体に個人献金していたと指摘すると「記憶にないが,指摘するのであれば,そうではないか」と述べた。当時の政治資金収支報告書によると,籠池氏は幼稚園園長,籠池氏の妻は副園長の肩書でそれぞれ6000円を献金した。

 稲田氏は,夫が2004年10月から2009年8月ごろまで,籠池氏と顧問弁護士の契約を結んでいたことも認めたうえで,自身も弁護士事務所の一員であるとして「責任がまったくないとはいえない。私とまったく関係がないということではない」と述べた。森友学園が起こした2004年の民事訴訟については,第1回口頭弁論に稲田氏が出廷したことを示す裁判所作成記録があることが明らかになった。

 民進,共産,自由,社民の野党4党は〔3月〕14日の与野党国対委員長会談で,稲田氏の答弁は虚偽だったとして辞任を要求。自民党側は「故意にうそをついたのではない」として応じず,籠池氏の参考人招致も拒否した。(記事引用終わり)

  --つまり,故意にではなく無意識に嘘をつくのは悪くない,いっこうにかまわないというのが稲田朋美防衛相のいいぶんである。しかし,この大臣の発言を聞いていると「意識的に忘れていた」かのような応答が多い。いちいち関連の事実を指摘されてから「ああ,そういう事実もありました」という答え方である。

 この弁護士資格をもつ大臣はまだ還暦前の年齢であるのに,かなり重度の健忘症(認知症とはいわないでおくが)であるかのように映る。ところが,この健忘症は国会のなかで質問を受け,事実に関する指摘もされていく段階を踏んでは,徐々に解除(回復)していくのだから,本当に健忘症なのかそれとも単なる認知症の初期症状であるのか判別しにくい。健忘症にも健全なるものと不全なるものがあるとすれば,この人の健忘症はその症状が逆進的に発症するゆえ,奇妙に不全的な病例(?)であると診断されてよい。

 ②「籠池理事長の夫人が稲田朋美大臣の嘘に大激怒! 『2年前の会議で話しましたよ。私あの人嫌い』」(『情報速報ドットコム』2017.03.15 21:00)

   森友学園の国有地をめぐる問題で嘘の答弁が発覚した稲田朋美防衛相ですが,これについて籠池理事長の夫人である籠池諄子(じゅんこ)氏は強い怒りのコメントを発した。
 註記)この『情報速報ドットコム』からの引照は文体を変更・補正してある。もちろん文意を変更するようなことはない。③ 以下も同じである。
籠池泰典理事長夫人画像
 報道記事によると,塚本幼稚園の保護者達を前にした挨拶で夫人は,「10年前から付きあって,2年前に会議が自民党であったときにいましたよ。私はあの人嫌いだから話してないけど,園長は話してましたよ」などと発言をした。稲田朋美氏は10年ほど前から疎遠になっている発言しているが,森友学園側は2年前にも親しい交流があったと明かしている。

 また,一連の国会答弁についても「稲田朋美さんが国会で『籠池さんをしらん』といったのはちょっと頭にきたんですね。国会議員が国会で嘘をついて,どうやって防衛大臣が国を守れるんですか」というような怒りのコメントをした。いままで交流があった保守系の議員らが冷たいコメントをしていることに怒りを感じているようで,籠池夫妻は徐々に政府への不信感を強めている。
 註記)http://saigaijyouhou.com/blog-entry-15906.html

 稲田朋美防衛相が籠池泰典理事長夫婦のことを「しらない:面識がない」と白を切ったが,これは完全に嘘であった。本年の2月から大騒ぎになっている森友学園の小学校新設申請にかかわって,国有地売却問題をめぐる異様な特別あつかいになるような認可に至るまでの行政過程に関しては,安倍晋三首相夫妻が私人でしかない昭恵氏もなにやかや関与したかたち,手続が進行していた。

 そもそもが私人である安倍昭恵が,首相の配偶者(女房・妻)である立場から,その「元・安倍晋三記念小学校」(事後は「瑞穂の國記念小學院」)の新設申請認可に必要とされた国有地売却問題に「一定の関与」をしてきたとみなされざるをえない経緯が記録されている。安倍晋三は首相・夫としての立場から必死になって,この問題の火消しをし,自民党政権も幕引きを図ろうとしている。

 けれども,森友学園の籠池泰典(前)理事長だけを国会の証人喚問したところで,安倍昭恵にも関連した今回の問題もそうであるが,まともな詮議(尋問)はできていない。安倍昭恵も国会に呼んで証人喚問しろと要求されるゆえんは,大いに根拠がありうる。

 安倍晋三は,自分でも女房でも今回の森友学園の小学校新設申請にかかわって国有地売却問題に関与していることが判明したときは,総理大臣だけでなく国会議員も辞めると大見得を切ってしまった。昭恵が今回の問題になんら関係がないといいきれるか?

 いずれにせよ,籠池泰典理事長の国会証人喚問(3月23日衆参両院で実施された)を介してさらに膨らんできた「あれこれの疑惑を」解明するためにも,安倍昭恵も国会に証人として喚問せよという野党側の要求に,安倍晋三は絶対に応じるつもりはない。それはそうである。昭恵夫人に国会で喚問などさせたら,いったいぜんたい「なにをしゃべりだす」か判らない。安倍晋三にとっては籠池泰典理事長以上に危険人物・因子である。

 ③「【森友学園問題】山本太郎議員,稲田朋美大臣を国会で追及! 『記憶は確実にあるはずですよ!』」(『情報速報ドットコム』2017.03.15 19:00)

 3月15日の国会で自由党の山本太郎議員が稲田朋美防衛相と森友学園の関係を追求した。稲田大臣は森友学園を弁護したことはないと国会答弁をしてしたが,先日に稲田朋美氏の名前が記載されている資料が発覚。籠池理事長も2年ほど前に会ったことがあると証言し,稲田氏の答弁が嘘だと確定した。

 この件について山本太郎議員は事実関係を追求し,「それだけのインパクトがある人ならば記憶は確実にあるはずですよ!」と稲田大臣に疑問を投げかけていた。だが,稲田大臣は最後まで歯切れの悪い答弁を繰り返しているような状態で,他の野党からも追及を受けていた。

 ※ 冨永 格 @tanutinn(2017年 Mar 15日 15:28) ……「ミヤネ屋」で山本太郎参院議員による稲田氏攻め。山本「午前の答弁で(籠池夫人による稲田批判)について『奥様らしい』と答えています。どういう意味か」,⇒ 稲田「籠池氏の奥様ということでございます」(意味不明)。⇒ 山本「そんなにインパクトの強い人たちならば記憶を消し去りようがないのでは」。
山本太郎が稲田朋美防衛相に質問画像
 この ③ については右側の画像のみ参照しておく。

 ④「南スーダンPKOの日報,統幕の意向で公表予定資料を破棄していた!背広組の防衛官僚が指示」(『情報速報ドットコム』2017.03.24 06:00)

 南スーダンPKOの日報を陸上自衛隊が保管していた問題で,当初は陸上自衛隊が公開に向けて資料の準備をしていたことが分かった。報道記事によると,この日報は陸上自衛隊が事前に保管していたが,今〔2017〕年1月に公開のために必要な資料を用意していたところ,統合幕僚監部の背広組から非公開にするように要請があり,日報を削除することになったという。

 さらには,陸上自衛隊内部の資料が破棄されたことを確認する作業もおこなわれ,入念に情報が隠蔽された実態が明らかになった。自衛隊内部でも上層部の情報隠蔽に反発の声があるようで,存在が発覚した日報も危惧を抱いた誰かが保管してくれていた可能性が高い。
 註記)http://saigaijyouhou.com/blog-entry-16021.html

 ところで,文民統制の問題に関していえば,いまの防衛相は要注意の状態になっている。ここで背広組というのは,国家官僚の一群のうち防衛省相所属の「高級幹部」を指し,自衛隊員上がりのいわば「軍人将官」のことではない。以前は,この背広組が軍人組の自衛官を「上部組織の位置」から統括する立場にあったが,現在は異なっており,双方の官僚群が横並びの組織に変更されている。このなかで起きていた問題である。この背広組と軍人組との連係関係がなにやら円滑にいっていない事実があった点を教えるような問題,具体的にいえばこの「南スーダンPKO日報・陸上自衛隊保管」に関する問題が,つぎの ⑤ に出ているようなヘンテコな現象を惹起させていた。

 ⑤ 「【大本営】稲田朋美防衛相『自衛隊は南スーダンで戦闘と書いているが戦闘行為ではない。衝突だ』」(『情報速報ドットコム』2017.02.09 06:00)

 南スーダンに派遣された自衛隊が日誌のなかで南スーダンの武力衝突を「戦闘」と記述している問題で,稲田朋美防衛相が反論の答弁をした。

 稲田朋美防衛相は〔2月〕8日の衆院予算委員会で,「一般的な辞書的な意味で戦闘という言葉を使ったと推測している。法的な意味の戦闘行為ではない。武力衝突だ」と述べ,自衛隊の日誌は法的な根拠ないと指摘。政府としては戦闘行為とは認めず,あくまでも南スーダンの内戦は「衝突」という扱いになると明言した。

 これに対して野党からは「言葉遊びだ」などと批判が相次いだが,稲田大臣は重ねて「国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為とは評価できず」と強調している。 稲田朋美防衛相は〔3月〕8日の衆院予算委員会で,南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊が首都ジュバの状況について昨〔2016〕年7月の日報に「戦闘」と記載していた問題で,「一般的な辞書的な意味で戦闘という言葉を使ったと推測している。法的な意味の戦闘行為ではない。武力衝突だ」との見解を示した。

 ※ 山添 拓 @pioneertaku84(2017年 Feb  8日 17:32)  ……南スーダンPKOの陸自,廃棄したといっていたはずの日報には首都ジュバで「戦闘が生起」と明記。「戦闘」ではなく「衝突」だとしてきた安倍首相以下の答弁は自衛隊自身によって覆された。「戦闘」を使わないのは「憲法9条上の問題になる言葉」だからと稲田大臣。嘘と偽りの政治,ここまで来ている。
 註記)http://saigaijyouhou.com/blog-entry-15414.html

 日本憲法第9条との関連(制約)があるせいかこのように,詭弁とも強弁とも駄弁ともそのなんともいいようがない「遁辞」が,国会内での話法となって,わがもの顔でゆきかっている。「武力衝突」が「戦闘行為を意味しない」などといっていた。相互に「衝突し,戦闘しなければならない」ような〈矛盾する表現〉が平然と使用されている。こうした日本語の運用方法からして,その精神構造までも疑われるような国語力である。ともかくも,言葉の遊戯・翻弄ばかりがめだつ日本の国会における与野党間の会話である。

 問題は,弁護士資格をもつ,もちろんその実務経験もある稲田朋美防衛相が,以上のごとき「戦闘か衝突か」などといった,禅問答にもなりえないような,きわめて単純明快な屁理屈による応答をおこなっていた点にみいだせる。安倍晋三首相のおめがねにかなって大臣になっていたこの稲田朋美であるが,やること・なすことすべてが,安倍晋三におく似ていて「幼稚であり傲慢である」。

 だが,安倍晋三政権の問題はこの女性大臣だけではなかった。

 ⑥ 「〈社説〉森友学園問題 説得力ない首相の説明」(『朝日新聞』2017年3月25日朝刊)

 1)この社説の引用
 安倍首相は昨日の参院予算委員会で,「森友学園」への国有地払い下げや学校認可に,自身や妻昭恵氏が「まったく関与していない」と強調した。審議で焦点となったのは,首相夫人付の政府職員から籠池泰典氏に届いたファクスだ。証人喚問での籠池氏の証言によると,国有地の買い上げ条件の緩和についての相談を,昭恵氏の留守番電話にメッセージとして残した。

 その後,首相夫人付職員は次のファクスを籠池氏に送った。「財務省本省に問いあわせ,国有財産審理室長から回答をえました」「なお,本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」「工事費の立て替え払いの予算化について (略) 平成28〔2016〕年度での予算措置を行う方向で調整中」と,政府予算に言及した部分もある。

 首相は,ファクスは籠池氏側から首相夫人付への問いあわせに対する回答で,昭恵氏は報告を受けただけだと主張する。しかし,国家公務員である首相夫人付の職員が,昭恵氏の了解もなく一学校法人の要望を官庁にとりつぐものだろうか。

 首相は,首相夫人付の行為について「事務的な問いあわせで,依頼や働きかけ,不当な圧力はまったくない」という。だが首相夫人付からの問いあわせは,官庁に政治的な影響力をもちうる。みずからがもつ権力の重さや周囲の受けとめを,首相と昭恵氏はどう考えているのか。

 稲田防衛相も発言の信用性がいっそう疑われる事態だ。稲田氏はこれまで,弁護士である夫が「本件土地売却にはまったく関与していない」と述べていた。だが籠池氏の証言を受け,夫が2016年1月の籠池夫妻と国側との話しあいに同席した事実を認め,「(国有地)売却の話ではなく,借地の土壌汚染対応の立て替え費用の返還の話」だったと語った。

 籠池氏の喚問での証言に対し,昭恵氏は自身のフェイスブックで「籠池さんからなんどか短いメッセージをいただいた記憶はありますが,土地の契約に関して,まったくお聞きしていません」などと反論した。だが,自分の主張を一方的に述べるフェイスブックでの説明だけで,首相夫人という公的存在としての説明責任を果たしたとはとうてい,いえない。

 籠池氏は,虚偽を述べれば偽証罪に問われる証人喚問で証言した。昭恵氏もみずから国会で説明すべきである。(社説引用終わり)

 ここでよく考えてみたい。なぜ,公人でも政治家でもなんでもない首相夫人(女房・妻・配偶者)の安倍昭恵が,このような事件の経過のなかに重要な人物として登場してくるのか? この事実じたいにまず疑問がもたれていいのである。本来であれば,この昭恵氏に以上のような「案件にかかわることじたいに関する資格」がない点はもちろんこと,そのような事項に関する行為のすべてが許されていないはずである。

 ところが「そうであるはず」の,つまり「あってはならない」のだが,現実においてはまさに「政治・行政に関与している」「《総理大臣夫人》である彼女」の「言説・行為」が,具体的に記録されている。そしてまた,その効果も発揮されうるかのように期待され演じられてもいる。だからか,本日のこの『朝日新聞』朝刊は「天声人語」でも連係的にこう語っている。

 2)「〈天声人語〉ファクス久々の脚光」(『朝日新聞』2017年3月25日朝刊)
 いまから89年前,昭和天皇の即位行事をめぐり,新聞社間で激しい競争が繰り広げられた。いかに写真を早く鮮やかに電送し,全国一斉に掲載できるか。この競争で本紙は毎日新聞に完敗を喫した。

 ▼ 毎日は皇居で撮った写真をすぐ大阪へ送り,号外を印刷した。ファクスの誕生である。のちに東京電機大の初代学長を務める丹羽保次郎らが開発した(『技術は人なり。』)。

 ▼ 最近はメールに押されてかすみがちだったが,ここに来てファクスが恐ろしいほど存在感を放つ。一昨〔2015〕年,安倍昭恵首相夫人付の職員が送った1通のファクスで国会が大揺れである。「財務省本省に問い合わせ,国有財産審理室長から回答を得ました」。文面は簡にして要をえている。

 ▼ 「依頼とか不当な圧力ではまったくない」。ファクスについて,安倍晋三首相はきのう再三釈明したものの,およそ説得力に欠ける。「内閣総理大臣夫人付」を名乗る職員が森友学園の意向を伝えた時点で,官邸からの働きかけと受けとめるのが自然だろう。

 ▼ ファクスの全盛期,「送信したら相手に確認の電話を」といわれたことを思い出す。あの職員も緊張しながら宛先番号のボタンを押し,送信後は律義に着信をたしかめたのだろうか。

 ▼〈FAXで送られてくる字の細さ疲れたひとは物陰にゐる〉黒木三千代。渦中の送り主は経産省職員と聞く。いまはさぞ身も細るような思いだろうと想像する。今世紀の日本でこれほどの耳目を集めるファクスは,もう出現しないかもしれない。

 3)本日の『日本経済新聞』朝刊1面下のコラム「春秋」も関連する文章を書いている。
 
 「例の案件,こっちの関連だから」と先輩が親指なぞ立てて目配せする。「分かってます」と後輩。正式な指示でも機関決定でもないが,なぜか最優先事項となる。「聞いてないですよ」と反論しようものなら,KY(空気読めない)とレッテル貼りされるのが落ちか。

 ▼ 日本中,どの職場でもありそうな,上役やら得意先の意向の「忖度(そんたく)」である。言葉の意味じたい「他人の心中をおしはかること」(『広辞苑』)とニュートラルだ。しかし,実際に使われるときは「力をもつ上の者の気持を先どりし,機嫌を損ねぬよう処置すること」といったニュアンスになろうか。書いていて嫌な汗がにじむ。

 ▼ 「神風が吹いたと思った」。森友学園をめぐる国会の証人喚問の場で,籠池泰典理事長はこんな表現をした。小学校の設立に当てこんだ国有地が,ゴミを理由に大幅に値引きされて払い下げられた一件についてだ。首相夫人と学園の関係や国会議員による「言葉がけ」が,財務省や出先の判断に影響を及ぼしてはいないか。

 ▼ 「重層的な忖度メカニズム」。今回,こんなものが働いたかと疑われる。理事長は首相と信条の近さを強調し,夫人付の職員名で問い合わせもあった。公開文書ではたしかに「ゼロ回答」だが,連絡することじたい,役所へのボディーブローだったかもしれない。究明に必要な交渉の記録は廃棄された。忖度なら度が過ぎよう。(引用終わり)

 --すなわち,安倍晋三の妻昭恵をめぐっては,今回問題になっている森友学園の小学校新設申請:国有地売却問題に関していえば,前段(天声人語)の最後にいわれているように,「公開文書ではたしかに『ゼロ回答』だが,連絡することじたい,役所へのボディーブローだったかもしれない。究明に必要な交渉の記録は廃棄された。忖度なら度が過ぎよう」ということであった。

 そもそもの話,森友学園が設立を計画していた小学校名が当初,なにゆえ「安倍晋三記念小学校」と名のろうとしたのか。あるいは,今回事件が騒がれ出してから辞退していたが,安倍昭恵がなにゆえ,その小学校の「名誉校長に就任予定」だったのか。その後は「瑞穂の國記念小學院」に名称が変わったこの小学校に関して,首相夫人(厳密にいえば私人でしかない存在である)がなにゆえ,「政治家安倍晋三の分身」であるかのように飾られていたのか?

  そういった問題意識:批判的な視点から,この森友学園の小学校新設申請にかかわっていた国有地払い下げ問題をきびしく観察してみる必要がある。つぎの ⑦ はそうした観方でもって読んでいけばよい。

 ⑦「遠い収束 いら立つ首相 森友問題で野党,昭恵夫人に照準 水掛け論の様相も」(『日本経済新聞』2017年3月25日朝刊3面「総合2」)

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり,安倍晋三首相と学園理事長退任を表明した籠池泰典氏との説明が食い違っている。首相は〔3月〕24日の参院予算委員会で籠池氏の主張にことごとく反論した。議論は水掛け論の様相も呈しており,野党は一層,政権や昭恵夫人への攻勢に勢いづく。早期幕引きのメドは立たず,首相のいら立ちが目立つ。
『日本経済新聞』2017年3月25日朝刊森友学園画像
 24日の集中審議で,首相は厳しい口調で前日の籠池氏の証人喚問での証言に反論した。「私と妻は関与していない」。国有地払い下げへの昭恵氏の関与を問う質問には同じ答えを繰り返した。「何度も答弁している」と漏らす場面も。昭恵氏から「口止めともとれるメールが届いた」との籠池氏の証言については「きわめて遺憾で,悪意に満ちたものだ」と強い表現で否定した。

 政権側には当初,籠池氏の証人喚問で同氏の発言のあやふやさを浮かび上がらせ,早期幕引きを図りたい思惑もあった。だが,むしろつぎつぎと飛び出た新証言で火種は広がっている。世論の動向もどう転ぶかは読めず,焦りがにじみはじめている。早期収束を狙い,政権側は異例の攻勢に出た。昭恵氏と籠池氏の妻が交わしたメールのやりとりを公開したのだ。

 問題発覚後の今〔2017〕年2~3月にかけてのメールは合計64通。昭恵氏が「(10万円の)講演の謝礼をいただいた記憶がなく,いただいていたのなら教えて頂けますでしょうか」「(籠池氏が昭恵氏から寄付を受けたとする)100万円の記憶がないのですが」。内容からは困惑する昭恵氏の様子がうかがえる。
 補注)このメールの文章をとりだした携帯電話(スマホなど)の記憶媒体じたいが,間違いないものであるかどうかを問うてみる余地もあると思われるが,ここでは問題にされていない。この点はあえて指摘しておく注意事項であり,ないがしろにされてはいけない。

 首相は24日の参院委員会で「すべて公にしたほうがさまざまな誤解がとけるということで公開した」と説明した。前日の証人喚問で籠池氏は,2月に22回,3月に15~16回,昭恵氏から籠池氏の妻にメールがあったと発言し,昭恵氏との親密さを印象づけようとした。政権側は,首相夫人の個人的なメールを公開するという「奥の手」で世論の心証が籠池氏側に流れるのを封じようとしたかたちだ。
 補注)このいいわけ:弁解はすでに言及したように〈忖度〉の問題次元にまで入りこんでいるのだから,そのような方向にだけ印象操作をしたがる安倍晋三の発言には疑問が抱かれる。もしも,本当に自信があって,「世論の心証が籠池氏側に流れるのを封じようとした」いのであれば,安倍昭恵を国会に証人喚問させればよいだけのことである。もっとも,この女性に証人として話をさせるのは得策ではないと,安倍晋三は考えているはずである。国会のような魑魅魍魎の空間に生きたことのない昭恵が,証人に立って適切・適当に応答できるとは思えない。

 籠池氏は,国有地の借地契約について昭恵氏に相談し,当時の夫人付政府職員の谷査恵子氏が財務省に問い合わせた結果を,ファクスで受けとったと述べた。政権は,これについても昭恵氏の関与の否定に躍起となった。首相は「妻は『籠池氏から短いメッセージをいただいた記憶があるが,具体的な内容は聞かなかった』とのことだ」と反論。財務省へは「(谷氏が)事務的な問いあわせをした。働きかけ,不当な圧力ではない」と述べた。
 補注)政府の人間ではない安倍昭恵が国有地の借地契約問題に関して,このように(「どのように」であれ)相手方(籠池泰典理事長)とメールで通信してきたという関係じたいが,そもそも問題を起こさせる基盤を提供している。

 菅 義偉官房長官も財務省への問いあわせは「谷氏の個人の頼みだ」と強調。ファクスに書かれた「当方としても見守ってまいりたい」の「当方」は「当然,谷氏だ」と指摘し,昭恵氏と切り離す姿勢を鮮明にした。国有地払い下げの問題でも,売却交渉当時に財務省理財局長だった迫田英典国税庁長官や,近畿財務局長だった武内良樹財務省国際局長が24日に初めて参考人として出席したが,いずれも「政治的配慮はなかった」と述べるにとどめた。

 ただ,火消しは容易ではない。浮上した問題には,首相が「(昭恵氏の100万円寄付は)密室のやりとりなど反証できない事柄を並べ立てた」と語るように,完全否定が難しいものも多い。ある政府高官は「政府側も万人を納得させるだけの決め手に欠け,籠池氏側と『いった,いわない』の争いになってしまっている」と懸念する。
 補注)政権・自民党は,籠池泰典理事長を国会に証人として喚問させ,こらしめてやるのだという狙いをもっていたが,だいぶ「期待はずれ」の結果が出ていた。やぶ蛇とまではいかなかったけれども,やぶにらみでよく相手の実体がみえていなかったと,いえそうである。

 政府高官の1人は「内閣支持率は50%以上ある」となお強気だ。だが,証人喚問後も野党からの追及が長引けば「高い水準を保っていた支持率も急落するのではないか」(首相周辺)と不安視する声もあがる。野党4党は長期戦で真相を追及する構え。民進党からは「昭恵氏の証人喚問に応じないと今後の国会日程にも影響が出る」との声もあがる。報道各社による世論調査の内閣支持率に影響が出ているだけに,問題を長期化させて政権の体力低下につなげたい思惑がある。(記事引用終わり)

 繰り返すことになる。だから「なぜ,安倍昭恵がこのように政治の世界のなかに現実的に関与している(頭をつっこんでいる)状態が存在するのか」という事実にこそ,そのもっとも基本的な疑念が潜んでいる。この基本条件を踏まえていえば,「妻は『籠池氏から短いメッセージをいただいた記憶があるが,具体的な内容は聞かなかった』とのことだ」といったふうな反論を,わざわざ安倍晋三が自分の女房を庇うためにいいかえした関連に関しても,前述と同類・同質の疑念がわいてくる。
             ( ↓ 画面 クリックで 拡大・可)
      安倍晋三夫人付名刺画像
  出所)http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/807.html

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18. ただのひも[197] gr2CvoLMgtCC4A
2017年3月24日 13:56:29 : TeJKNVsQeo : BmQy17iwEzk [51]
   
 安倍総理夫人の出過ぎた行為は,私の耳にも入ってきていた。あれまあ,なにを勘違いしているのか,と思っていたが。周りがすり寄ってきて,もちあげられて,よい気分になって,権力者であるかのうように振るまって,それが,実際に実現するようになって,さらに気分が大きくなって・・おそらく,日本の多くの人が,思い描いている。

 日本にイメルダは要らない。そしてマルコスも要らない。自民をこれで終わらせなければならない。安倍総理個人の問題ではない。諸悪の根源であるから問題なのだ。こんな政党が存在することじたいが間違っている。

 つぎの選挙は,やはり,日本を変えてくれる人を選ぶべきだろう。もう,地震シンドロームは終わり。絆ってくさりでつながれているイメージであまり良いものではない。もっと,自由で楽しい日本であってほしいね。
  註記)http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/798.html より。
 隣国では女性大統領が弾劾されたが,その理由で一番大きいものが「ある1人の私人:女性」を公的な政治の世界のなかに,直接介入させていた事実にあった。こちら日本では,その実例とは質・量ともに大きい差があるものの,「首相とこの女房という関係」のなかで,なにがしか特定の似たような現象が起こされていた。隣国の政治現象をただちに笑えない。あちらの政治現象を笑おうとする寸前に,こちらにおいて目前に展開されている演目:「安倍晋三劇場のジタバタ劇的な田舎芝居」には,どうしても鼻白む思いがこみあげてくる。