【すでに成立させていた「米軍再編交付金10年延長」のための「改正特措法」】

 【アメリカ軍のためならエンヤコーラの日本政府・安倍晋三政権】

 【「戦後レジームの否定,その脱却」など,安倍晋三にとっては,夢のそのまた夢】


 ①  2017年度国家予算における軍事予算(防衛費)

 『日本経済新聞』2017年3月28日朝刊4面の左下に「防衛費,最大の5.1兆円 北朝鮮・中国への対応強化」という文字数で,530字ほどの以下の記事が出ていた。引用する。
    27日に成立した2017年度予算で,防衛費(米軍再編関連費用を含む)は過去最大の5兆1251億円となった。前年度当初より1.4%増で,5年連続の増加となる。北朝鮮が開発を進める弾道ミサイルへの対応策を強化するほか,中国を念頭にした南西諸島の防衛にも力点を置いた。防衛費は5年ごとの中期防衛力整備計画(中期防)に沿って計上する。

 安倍政権で決めた2014~18年度の中期防は,米軍再編関係費を除いた防衛関係費について年平均0.8%の増加をみこんでおり,2017年度予算も同程度の伸びとなった。2017年度当初予算では自衛隊の艦艇や航空機の修繕費の増加が目立ち,341億円増の2065億円を計上した。中国の東シナ海での挑発行為や北朝鮮の弾道ミサイル発射が活発化しており,警戒監視のための装備品の消耗ペースが上がっている。
PAC3画像
出所)画像は,http://jin115.com/archives/52117744.html

 弾道ミサイル迎撃態勢の強化に向けては,地上から迎撃する地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の防護範囲を2倍に広げる改修費を盛り込んだ。日米が共同で開発中の新たな海上配備型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の費用も計上した。
 この記事の内容については少し長いが,基本的に疑問を付している文書を借りて批判しておく。いままでもこうした疑問に実質的に答える「解答(?)」,それも実証的(実戦的)に説明した議論をもって教えてくれた人は,あまりみあたらなかった。
【 要  請  書 】
防衛大臣・林 芳正様

 税金無駄使いのPAC3ミサイル実射訓練の中止を求めます

 防衛省は,ミサイル防衛(MD)用迎撃ミサイルPAC3の初の実弾による迎撃実験を,〔2008〕9月15日からの週に行います。浜松基地の機材を,米国ニューメキシコ州ホワイトサンズ射場に持ち込み,米軍の協力を得て実施されます。模擬ミサイルを二発のPAC3で迎撃する実験の経費は,米国に支払う役務費も含めて約23億円に達します。

 政府は「純粋に防御的」「専守防衛にかなう」としてMD導入を正当化してきました。しかし,MDの本質は,相手の反撃を無力化することで先制攻撃をし易くするという点にあり,「先制攻撃促進装置」と言うべきものです。そのことは,東欧への米国のMD基地建設計画に対してロシアが強硬に反対し,MD基地を核攻撃の対象にすると威嚇したり,アラブ首長国連邦(UAE)が,米国またはイスラエルがイランの核施設を攻撃した場合に報復対象になることを恐れて,米国から約7500億円に及ぶ最新鋭迎撃ミサイルであるサード(THAAD)ミサイルの購入を求めていることなどに明らかです。

 そもそも,日本におけるPAC3の配備は極めてずさんなものです。それは納税者を欺く以下の「三重の詐欺」により成立しており, “偽装兵器” そのものです。

  (1) 「はじめに配備ありき」で性能確認は後回し

 性能確認試験という意味合いを持つ今回の実射訓練は,本来配備前に行われるべきものです。しかし,政府は「北朝鮮の脅威」を口実に計画を前倒し,07年3月から首都圏4基地と浜松基地へ次々と配備を強行してきました。米ブッシュ政権が採用した「スパイラル(らせん状)開発」--性能確認がなされずとも配備を先行させ,随時更新を繰り返す--という詐欺的手法をそっくり真似たのです。

  (2)   周辺国からのミサイルは想定外という隠された実験データ

 驚くべきことに,米国の国防情報センターが掲げている97年から07年にかけて行われたPAC3の29回の実験リストによれば,PAC3が「合格」したとされる実験は,射程300~500kmの短距離戦術ミサイルや航空機を想定したものに過ぎません。日本政府がMDの対象とする北朝鮮や中国の弾道ミサイルはそもそも想定外なのです。

  (3)   実射訓練の放棄は「無用の長物」の証明

 防衛省は,性能確認試験以降,通常は配備後も毎年行っている兵器の実射訓練を「膨大な費用」を理由にMD用ミサイルに限って行わないとの方針を表明しています。これはつまり当てるつもりがないということです。「実射訓練しない武器」をそれでも保有するとは,防衛省自らMDが「無用の長物」であることを白状しているに等しいのです。

 貧困と環境破壊が拡大し,食糧危機が叫ばれるこの時代に,利権まみれの偽装兵器に血税を投入することは政府による犯罪です。実験中止とMDからの撤退を要求します。

  2008年9月14日
   核とミサイル防衛にNO! キャンペーン
      大田区西蒲田 6-5-15-7
 〔記事引用に戻る→〕 沖縄県周辺など南西諸島の防衛強化では新型の潜水艦建造に着手するほか,艦艇への対処能力を高める地対艦ミサイルの開発を進める。沖縄県に配備予定の「03式中距離地対空誘導弾」の改良型の取得費も盛りこんだ。(引用終わり)

 前段までに引用・紹介した『核とミサイル防衛にNO! キャンペーン』の「地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)」に対する批判は,兵器・武器であるこの軍事品の性能,つまりその破壊力について疑問を投じている。だいたいにおいて兵器・武器というものは,国家が戦時体制(有事)を迎えなければ,結果的には「無用の長物」である状態を余儀なくされる。しかし,いざという時(有事)に備えて,いつでもその性能を十分に発揮できるように整備していなければならない。

 だが,こちらの条件・前提についても『核とミサイル防衛にNO! キャンペーン』は批判していた。この批判は,いまから9年半も以前の2008年9月であった。この批判が正しい指摘をしているとすれば,「日本政府がMDの対象とする北朝鮮や中国の弾道ミサイルはそもそも想定外なの」だから,われわれの血税の無駄づかいとなっている(北朝鮮が1発でもミサイルを在日米軍基地に向けて発射したら,その瞬間にあの国は滅亡を保証される)

 それでも,2017年度予算はこのMDのための予算はしっかり確保している。しかも,「防護範囲を2倍に広げる改修費を盛り込んだ」といいつつも,いままで「実射訓練しない武器」として保有・装備してきた。というのも,実際にこの兵器を発射訓練したら,その分また補充をしなければならず,小銃や戦車の弾丸とは桁違いに非常に高価であるので,そう簡単には「ぶっ放せない」武器として,後生大事(?)に保有している。

 ②「米軍再編交付金10年延長 改正特措法成立」(『日本経済新聞』2017年3月28日朝刊4面)

 先日,新聞を切り抜いていた作業のなかで,このベタ記事を拾っていた。① の記事の近く,右側に配置されていた記事であった。この内容は,民進党も賛成している法案であって,なにやら対立法案ではなかった様子である。しかし,その内容をよく考えると,これは日本国中に米軍基地を分散化させ,まんべんなく配置させるための予算措置である。
★ 米軍再編交付金10年延長 改正特措法成立 ★

 在日米軍再編計画に伴い基地負担が増える自治体への交付金を支給する改正米軍再編特別措置法が,〔3月〕27日夜の参院本会議で与党と民進党などの賛成多数で可決,成立した。現行法の有効期限が3月末で切れるため,2027年3月末まで10年間延長する。
 註記)『日本経済新聞』2017年3月28日4面「政治」。
『日本経済新聞』2017年3月28日朝刊4面政治
 国家予算は1年ごとに策定し樹立し実行するが,この「米軍再編交付金」は10年前に,その後の10年間分を決めていたので,この期限が来たところでさらに「10年延長」するという法案であった。この交付金はいったいどのような性質・中身の予算であるのか? 昨年中に報道されていた関連の記事を探ってみると,以下のような,いくつかの記事が出てくる。

 ③「米軍再編交付金,自治会を支給対象に 政府が方針」(『朝日新聞』2016年6月1日 08時26分)

 政府は,米軍再編の移設の進展に応じて支払う米軍再編交付金の支給対象を,現行の市町村にくわえ,自治会や都道府県へと拡大する方針を固めた。政府は,米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に反対する同県名護市の頭越しに,同市内の辺野古周辺3地区に補助金を直接交付した経緯がある。こうした仕組を制度化し,辺野古移設をはじめとした米軍再編を,政府のペースで進める狙いがある。

 米軍再編交付金の根拠は,2007年に10年間の時限立法として施行された「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法」で,来〔2017〕年3月末に期限切れとなる。米軍再編に伴い基地負担を受け入れた市町村を対象に配られる。今〔2016〕年3月末現在,対象は43市町村で,過去9年間で計約740億円が交付された。政府は同特措法を改正し,対象を自治会や都道府県に拡大したうえ,2017年度から10年間延長する方針だ。

 名護市は移設反対の稲嶺進市長が2010年に就任後,再編交付金の受けとりを拒否している。政府は昨〔2010〕年度,同市を通さず同市辺野古周辺の3地区(久辺〈くべ〉3区)に補助金を直接交付できる制度を新設。計3900万円の交付を決めた。法改正によって,より明確に交付金を配る仕組を整える。

 〔なお〕自治会は市町村内の一定の区域に住む地縁にもとづく団体。市町村には議会や予算があるが,自治会の意思決定や金銭の扱いは地区によって異なる。そのため,自治会に交付金を直接配れば,交付する目的や使い道などが不透明になるという指摘もある。

武田真一郎画像 武田真一郎成蹊大学法科大学院教授(行政法)によると,補助金について必要性を厳格に審査し,交付決定するのが補助金等適正化法の原則といい,「この原則によらず,自治会のような任意団体に交付する合理性はない」と指摘する。また「任意団体は補助金の使い道のチェックが困難だ。お手盛りで補助金を交付し,国に都合のよいように地域を誘導することは許されない」と話している。
 出所)画像は武田真一郎,http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/

 一方で,再編交付金の対象を都道府県にも拡大するのは,沖縄県を懐柔する狙いもある。安倍政権は辺野古移設計画を「唯一の解決策」としており,地域振興につながる制度を作ることで,「移設阻止」をかかげる翁長雄志(おなが・たけし)知事が,政府案を受け入れる環境作りにもつなげたい考えだ。
 註記)http://digital.asahi.com/articles/ASJ507SSCJ50UTFK01N.html

 地方自治体法のあり方に関しても抵触する可能性のあるこの「米軍再編交付金」を「自治会」に対して直接「を支給対象に」した「政府」「方針」は,目的のためには手段を選ばぬ方法を採っているとみなされる。これは当然の解釈である。

 在日米軍基地が沖縄県に偏在している現状を,少しでも変化させ「緩和させ」ようとするために,この「米軍再編交付金」を関連する地方自治外に配分している。だが,政府のやり方はなんでもかんでもの方法でこの交付金を駆使しては,しかも在日米軍基地の「解消・撤去」ではなくて,日本国中に「移動(移設)・拡散(平等化)」する方途を強いようとしている。

 安倍晋三の政治家としてもっとも大事な基本理念は,例の「戦後レジームからの脱却」であったはずである。ところが,この戦後レジームの基本枠組である在日米軍基地が,オキナワじたいに偏在していようが,あるいは,これから少しでも他の都道府県に移設させていこうが,その脱却はできそうにない。むしろ,その深化・進展を意味するごとき施策を,この安倍晋三政権はおこなっている。

 つぎの ④ は,その後に報道されていた関係の記事を紹介する。

 ④「米軍再編交付金,10年間延長へ 自治会支給は見送り」(『朝日新聞』2017年2月7日18時41分)

 政府は〔2017年2月〕7日,米軍再編の移設の進展に応じて支払う米軍再編交付金について,支給を可能にする再編特措法改正案を閣議決定した。法律の有効期限を今〔2017〕年3月末から2027年3月末まで10年間延長する。今国会での成立をめざす。再編交付金は2006年に日米両政府が合意して始まった時限立法にもとづくもので,今〔2016〕年度は43市町村に計約98億円を支払っている。政府は延長にあたり,支給対象を市町村にくわえ,自治会や都道府県にも拡大する案を検討したが,見送った。
 註記)http://digital.asahi.com/articles/ASK275SFLK27UTFK01B.html

 この記事に報じられた内容に関するその後の続報が,前述の ② において引用した記事「米軍再編交付金10年延長 改正特措法成立」(2017年3月27日報道)であった。

 ところで,関連する話題として,「SACO」(Special Action Committee on Facilities and Areas in Okinawa):「日米安保協議会の下に設けられた,沖縄における施設および区域に関する特別行動委員会」というものがあった。これは,沖縄米軍基地の整理・統合・縮小や日米地位協定の改善などの問題に関する日米間の協議機関であり,1995年に設置され,1996年解散していた。なお,協議結果の推進等の機能は日米安全保障高級事務レベル協議が継承している。
 註記)https://kotobank.jp/word/SACO-444622

  「米軍再編交付金」と併せて観察すべきこの「SACO」については,沖縄県の地方紙がより的確に解説しているので,くわしくはこれに訊いてみたい。『沖縄タイムス』が2016年12月2日に「きょうSACO合意20年 沖縄への基地集中変わらず」との見出しで報じた記事である。

 --日米特別行動委員会(SACO)の最終報告から〔2016年12〕2日で,20年になった。〔12月〕22日には沖縄県米軍北部訓練場で建設している4つのヘリパッドが完成し,3987ヘクタールが返還される。最大の懸案だった普天間間飛行場は,名護市辺野古への移設をめぐり国と沖縄県が法廷闘争中。沖縄県内では新型輸送機オスプレイが飛来するなど基地機能が強化されている。

 返還が盛りこまれた施設・区域のうち全面返還は読谷補助飛行場など4施設で,大部分返還は瀬名波通信施設の1施設,一部返還はキャンプ桑江など3施設。普天間飛行場と牧港補給地区の土地計7ヘクタールは2017年度中の返還をめざすことで日米両政府が合意。2015年に約51ヘクタールが返還された西普天間住宅地区の利便性向上のため,キャンプ瑞慶覧のインダストリアル・コリドーの一部を日米で共同使用する。

 1)嘉手納以南めど立たず
 1972年の沖縄返還後,日本政府は県内の83施設を在日米軍施設・区域として提供した。県民生活に影響を及ぼし振興に制約となっているとして,西銘順治元知事は2度訪米し,普天間飛行場など7施設・区域の返還リストを提出。県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は13施設20事案の返還を求めた。

 日米両政府は,1990年に日米合同委員会で知事要望の3事案と,日米安全保障協議委員会(安保協)で了承された整理統合計画のうち未実施の9事案,軍転協の8事案,米側が返還可能とした3事案をくわえ,いわゆる23事案(17施設・約千ヘクタール)について返還に向けた手続きを進めることで合意。そのうち,1996年3月までに12事案が返還された。

 日米両政府は,23事案から引きつづき検討とされ沖縄から返還要望の強かった普天間飛行場と那覇港湾施設が,1996年に代替施設の完成後返還するなどの条件をつけることで合意しSACOに全面返還を含んだ。米軍再編では辺野古移設と嘉手納より南の基地返還がパッケージとされたが,2012年の民主党政権で見直された。2013年には統合計画で大まかな返還時期が示されたが「2022年度またはその後」とされた普天間をはじめ見通しは立っていない。
嘉手納以南基地返還予定地画像
出所)「普天間,牧港の一部,2017年度中に返還 日米発表、
20年前合意の施設」『琉球新報』2015年12月5日 05:04,
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-183268.html

 2)【解説】「日米同盟強化」が進んだ20年
 SACO最終報告は,米軍普天間飛行場など11施設の返還が明記され「負担軽減」が強調された。実態は県内移設が条件でスムーズな返還とはいかなかった。新型輸送機オスプレイの運用など機能強化も明らかになり,もうひとつの側面だった「日米同盟の強化」が進んだ20年〔間〕だった

 最終報告に示された返還総面積5002ヘクタールのうち,米軍北部訓練場の3987ヘクタールは約8割を占める。返還条件のヘリパッドは,宇嘉川の河口部に設けた訓練区域と連動するかたちで,上陸訓練を実施する。辺野古も全長271.8メートルで大型艦船の接岸できる「係船機能付き護岸」や「弾薬搭載エリア」など,普天間飛行場にはない新たな機能をくわえる。

 米兵暴行事件や大田昌秀元知事による代理署名拒否,県民大会などを受け,日米両政府は基地の整理・統合・縮小と日米地位協定の運用改善をせざるをえなくなった。県道104号越え実弾砲兵射撃訓練は県外で実施。「移駐完了」後も普天間に再飛来する空中給油機は岩国飛行場へ移った。

 計画すべてが実施されても,在日米軍専用施設・区域の約7割が残る。沖縄に集中する構図は変わらず,当時からの願いである「国民全体での負担」にはほど遠い。(東京報道部・上地一姫)

 3)【SACO合意とは】  1995年に沖縄で起きた暴行事件を機に,日米両政府が沖縄に関する特別行動委員会(SACO)を設置。1996年12月の最終報告には,「請求に対する支払い」など日米地位協定の運用改善が盛りこまれた。

 つぎの ⑤ に引用する記事の内容じたいは,既述のように終了していたけれども,安倍晋三政権の姑息な政治手法(?)が使われていた事実を確認するためにも,よく読んでおく必要のある記事である。一言でいえば「戦後レジームの日本国内への分散・浸透・拡大」を図る安倍晋三の自己矛盾が反映されている「在日米軍基地の実情・実態」,いいかえれば「米日軍事同盟関係の強化」が理解できるはずである。

 ⑤「辺野古周辺3区を直接『買収』政府が振興予算投入へ」(『しんぶん赤旗』2015年10月27日

 政府は〔2015年10月〕26日,米軍新基地建設予定地の沖縄県名護市辺野古の周辺3区(辺野古,久志,豊原=通称「久辺3区」)に対し,新基地に反対する名護市を通さずに振興予算を直接投入する制度を創設することを明らかにしました。首相官邸で同日開かれた「久辺3区の振興に関する懇談会」の場に出席した3区の代表らに,今年度からさっそく予算を充てる方針を説明しました。

 振興予算は,各区からの要望に応じるかたちで,備蓄倉庫の整備や地区公民館の設備修繕など「きめ細かい」事業に充てられる方針。基地周辺の生活環境の整備のために交付,助成される「基地周辺対策費」の制度の活用が検討されているとみられます。防衛省沖縄防衛局の井上一徳局長は,当初の予算額が3000万円規模になるとの報道について記者団に問われ,「調整中だ。できるかぎり早く検討を終えたい」と説明。来年度以降も継続する考えを示しました。

 振興予算の直接投入は,新基地に反対する名護市の稲嶺 進市長の頭越しに地元住民の買収を進め,世論の分断を図るのが狙い。菅 義偉官房長官は同日の記者会見で,3区の新基地への理解について,「きわめて大きい」などと地域住民を選別する姿勢を露骨に示しました。地元住民からは,市の頭越しによる振興策と新基地の受け入れに反発や不安の声があがっており,久志区では30日に区民総会が開かれる予定です。

  ◆「解説-露骨な地方自治への介入」◆
 政府が創設する沖縄県名護市の久辺3区への資金投入制度は,国策を推進するため,米軍新基地建設に反対を貫く名護市には「ムチ」をふるい,同じ自治体でありながら一部の限られた地域にだけ「アメ」をばらまくという,なりふりかまわない地方自治への介入に他なりません。

 集会所の改修・整備などの事業は本来,住民に近い地方自治体の役割です。自治体の頭越しに進める露骨な買収行為は,公平・公正な配分が求められる税金の使途としても,とうてい理解をえられるものではありません。

 政府は2010年に新基地反対を公約にかかげた稲嶺 進氏が市長に当選以来,基地と引き換えの米軍再編交付金を停止。稲嶺市長は交付金に頼らない市政への転換を進めてきました。政府の狙いは,名護市に加えて沖縄県までが新基地阻止をかかげる追い込まれた政治稲嶺進市長画像状況のなかで,一部の推進派の声を利用して「地元は容認している」と強調し,国民世論の誘導と地域の分断を図ることにあります。
 出所)画像は稲嶺 進,http://www.shikoku-np.co.jp/national/political/print.aspx?id=20130408000497

 しかし,久辺3区が昨年政府に提出した要望書が「要望が受け入れられない場合,私たちは命がけで反対する」と強調するように,地元住民はけっして容認一色ではありません。カネにものをいわせる安倍政権の強引なやり方は,沖縄県民のさらなる怒りを招くことになります。
 註記)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-27/2015102702_01_1.html

 ⑥「〈主張〉米軍関係経費負担『思いやり』 根底から問い直せ」(『しんぶん赤旗』2017年1月15日

 1)SACOは20年が経過する対米軍基地関連の国家予算であるが,それよりも実は有名である「思いやり予算」があった。SACOよりもこの思いやり予算のほうが日本国民のあいだでは有名である。いまの日本の政治のなかではまともな野党が存在しない。そのなかで完全といえそうな野党である日本共産党のみが,まともに米軍基地の問題を直視し,批判できているかのような様相=構図にもなっている。この『しんぶん赤旗』の記事は,この「思いやり予算」と「米軍再編経費」と「SACO」の全部を併せた議論をおこなっている。

 --安倍晋三政権が昨〔2016〕年末に決定した2017年度政府予算案の軍事費は過去最高の5兆1251億円になりました。大きな特徴のひとつは,米軍

 「思いやり予算」,
 「米軍再編経費」,
 「SACO(沖縄に関する特別行動委員会)経費」

の米軍関係3経費の合計も,3985億円と過去最高になっていることです。これらの経費は,沖縄をはじめ全国各地で深刻な被害を振りまいている在日米軍の居座りにくわえ,基地や訓練の大幅な強化を進めるものです。日米安保条約にもとづく地位協定でも日本側に負担義務のない経費であり,きっぱり廃止に踏み出すべきです。

 2)軍事費だけでなく,2017年度予算案の軍事費に含まれる「思いやり予算」は,2016年度当初予算比で26億円増の1946億円(歳出ベース,以下同じ)となっています。内訳は,

  ▽ 米軍基地で働く日本人従業員の給与などの労務費1486億円
  ▽ 米軍基地で使用される光熱水費247億円
  ▽ 米軍基地の施設整備費206億円
思いやり予算見通し画像  ▽ 米空母艦載機の離着陸訓練移転費8億円

です。

 「思いやり予算」を2016年度から2020年度までの5年間で総額9465億円(2011年度~2015年度に比べ133億円増)にするという新たな日米特別協定(2016年締結)にもとづくものです。特別協定の交渉で日本側は当初,「米軍再編経費」の急増などを理由に減額を提案したとされていますが,最終的には米側の増額要求をのまされる結果に終わりました。
 出所)右側画像は,http://mainichi.jp/articles/20151217/k00/00m/010/042000c
日本国防衛費軍事費推移
出所)安倍晋三が政権を奪還したのは2012年12月,

http://blog.goo.ne.jp/kin_chan0701/e/1339bd65fe35bc740e6af073ff33a822

 一方,「米軍再編経費」も減るどころか,2017年度の予算案は2016年度比210億円増の2011億円で過去最高を更新しました。米軍への「思いやり」はとどまることを知りません。「米軍再編経費」は,日米両政府が2006年に合意した在日米軍再編計画のための費用です。沖縄県名護市辺野古への最新鋭基地建設や,空母艦載機部隊の移駐に伴う米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)の増強など,米軍の海外出撃= “殴りこみ” の一大拠点として抜本的に強化することが狙いです。

 今月〔2017年1月〕に入り,沖縄の民意に逆らい,工事の再開が強行されている辺野古の新基地建設費は2017年度予算案で536億円,今年後半からの空母艦載機の段階的な移駐が発表された岩国基地の増強費は902億円に上っています。沖縄や岩国など各地で進む米軍基地の強化のために国民の血税が使われるのは許されません。

 この他,沖縄の基地問題に関し日米両政府が1996年に合意したSACO最終報告を実施するための「SACO経費」は28億円で,米海兵隊の実弾砲撃演習の本土への移転費などが中心です。

 3)地位協定にも反する。「思いやり予算」や「米軍再編経費」「SACO経費」は,「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費」は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」とした地位協定の規定(第24条)に明確に反しています。

 今〔1〕月20日に就任するトランプ新米大統領は選挙期間中,在日米軍の駐留経費を日本側が全額負担することにも言及しています。「日米同盟」を絶対視し,世界でも異常に突出している米軍関係経費負担を増やしつづける安倍晋三政権の対米従属姿勢を根底からあらためることが必要です。
 註記)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-15/2017011501_05_1.html

 かつて,大日本帝国は1937年7月7日から開始した「泥沼の日中戦争」のはてに,とうとう,米英などまでも敵に回しての大戦争を起こしていた。その結果は,1945年8月15日にラジオで「敗戦(終戦)」した事実を,帝国臣民たちに向けて放送していた天皇裕仁の詔勅(今風にいえばお言葉)によっても明らかになった。

 ところが,それ以来72年目の8月15日を迎えるこの2017年になっても,この日本国はまだ「完全な意味でのアメリカからの独立」を成就できていない。日本全国各地に米軍基地が配置され,ここの軍隊・兵士たちはわがもの顔で,日本中を睥睨・闊歩する「米日軍事同盟関係」「軍事的に上・下の従属秩序」にある。

 安倍晋三君,「戦後レジーム」とは日本国土の上に実在するそうした現実そのものを意味するはずだったのであり,かつまた「その否定・脱却」というのであれば,それらの軍事基地をすべて撤去させておくことではなかったか?
   安倍晋三マッドアマノ風刺画像  安倍晋三画像23
     安倍晋三画像とりもどす
  出所)下の画像は,http://be-here-now.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-79d7.html 

 「戦後レジームからの脱却」!? シンゾウ君はこのように,いつもひとをひどく笑わせる文句を吐いてきたが。だが,もういい加減にしたらどうか。