【実質,在日米軍基地支配下にある「現在の日本」を,戦前・戦中体制に戻したいなどと「妄想できる」安倍晋三の「間違えた日本の政治」は,「戦後レジームからの脱却」とは別次元の世界に突進しつつある】

 【衆議院解散総選挙で日本の進路はどうなるのか? このままアメリカの属国状態を継続・強化していくのか?】



 ①「〈乱気流 2017 衆院選)森友・加計,かわす首相 8党首討論会(『朝日新聞』2017年10月9日朝刊2面から)

 この記事は2面いっぱいを使い,10月「8日におこなわれた8党首討論会」を紹介・解説している。明日10日に公示される衆議院解散総選挙は22日が投票日である。その間,この10月上旬のあいだに急展開をみせた「民進党の解党」⇒「希望の党」と「立憲民主党」への分党,それらの発足に対して,

 自民党やこれにコバンザメ的政党としてへばりついてる公明党,さらに上げれば日本維新の会などの「側」は,安倍晋三のとなえる「戦後レジームからの脱却」が結局,「在日米軍基地に囲繞された」「この21世紀における日本」を,戦前・戦中のような全体主義国家体制にも「似た醜悪な様相」に変質させるための路線に,協賛しているのである。

 いまやこの国は,安倍晋三という政治家のもとに,21世紀風にアレンジされた,それも「アメリカ総督府下における半人前のファッショ政治体制」の完成版をめざして行進中である。

 ここ ① に引用するのは,当該の記事のごく一部分:段落のみである。政治と政治家にウソは付きものだとしても,この嘘だけを基盤にした政治手法しか使えないような安倍晋三という自民党総裁・首相が,つぎのように強説していた。

 この首相の発言は,つねに「自分のいうことがすべて事実であって,他者のいうことはすべて虚偽:嘘になる」かのようにしか,その口から出てこない。本ブログ内でも,この日本国総理大臣の虚言録を整理した記事を紹介したことがあったくらいである。さて,次段に問題とするこの記事のある箇所(段落)を引用する。例の「モリ・かけ問題」に関する話題となっている。
『毎日新聞』2017年10月9日8党首討論会画像
   出所)この画像資料は,https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171009/ddm/001/010/215000c

    ※ 関与「誰も証言してない」 従来説明,繰り返し主張 ※

 「森友・加計問題で,結果的に一番偉い方(首相)の友達が優遇されたことに,安倍さんはこれまでなにもおっしゃっていない。そのへんはいかがか」。党首討論会の質疑で,毎日新聞の倉重篤郎・専門編集委員は,森友学園への国有地売却や加計学園の獣医学部の新設問題について,首相の「結果責任」を問うた。

 だが安倍首相は,森友学園の籠池泰典・前理事長について「1回もお目にかかったことはない」と述べて「友達」ではないとことわり,質問には直接答えずに「獣医学部の申請をしてきたのは15年間,加計学園のみで,安倍内閣でも5回却下している」と手続に問題はないことを強調した。
 補注)安倍晋三自身は籠池泰典とは直接親しくはしていなかった様子であるが,女房の昭恵がいけなかった。森友学園の小学校新設申請「問題」の関係をはじめ,いろいろと思いやりのある親密な付きあいを,籠池泰典夫妻とたび重ねてきた。他方,加計学園の関係でみると,安倍晋三自身が加計孝太郎とは旧いつきあいがあって,「オトモダチ(ポンユウ)」である事実は否定しようもなく,ここから生まれている疑惑を完全に否定しつくすことは,依然できていないままである。

 〔記事に戻る→〕 倉重氏は「聞いているのはそこではない。最高責任者として責任を感じないのか」とあらためてただしたが,首相は「15年間,(申請は)1校しかなく,50年間,獣医学部が設立されなかったことがよかったのか」と主張。倉重氏が「(獣医学部の)必要性を聞いているのではない」と遮り,「他の候補も手を挙げているところで,ゴルフも会食もしている方(加計学園の加計孝太郎理事長)が結果的に厚遇を受けたことになにも感じないのか」と詰めると,ここで首相は「疑いをもたれることは当然のことで,もっと慎重であるべきだった」と答えた。
 補注)つぎの画像はいうまでもなく安倍昭恵が撮影したもの。左側に加計孝太郎がいる。ここまで親密な仲で「なにも疑うな」といい〔反論する〕ほうが,無理な理屈:要求をもちだしているというほかない。
安倍昭恵男たちの悪巧み画像

 この日の首相の答え方にはパターンのようなものがあった。加計学園に関する質問には,まず「国会で丁寧に説明を重ねてきた」と主張。つぎに「(国会の中で)私が関与したといった方は1人もいない」と強調して,さらに,国家戦略特区ワーキンググループの八田達夫座長や加戸守行・前愛媛県知事ら,特区での獣医学部新設を推進する側の主張が十分に報道されていないと指摘する。質問に答えるというより,みずからの主張を述べることに重点があったようにもみえる。

 もうひとつ,討論で活発なやりとりになったのが安倍首相自身の国会答弁だ。

 〔2017年〕7月の衆院予算委員会の閉会中審査で,今回の加計学園の獣医学部計画をいつしったのか問われた首相は,「申請が正式に認められた(今〔2017〕年1月20日の)国家戦略特区諮問会議でしるにしった」と答えていた。その一方で,「腹心の友」と呼ぶ加計理事長について「新しい学部や学科の新設に挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことがある」とも答弁しており,1月20日より前に計画をしっていたのではないかとの疑念が残る。

 朝日新聞の坪井ゆづる論説委員が「『新しい学部や学科』について,具体的になにもいわなかったのか」と問うと,首相は「それ以上,話に興味がありませんでしたから,そうだなと思った」と述べた。加計問題については,首相や首相官邸側の関与をうかがわせる文書や証言がいくつも明らかになっているが,関係者は「記憶にない」「記録はない」などと繰り返してきた。

 こうした安倍政権の姿勢に,身内からも不満の声が上がる。自民党の小泉進次郎・筆頭副幹事長は〔10月〕8日,東京・渋谷駅前での街頭演説で「森友学園,加計学園の問題が起きはじめてから,(国民の)厳しい目線が始まったのは否定しようもない事実」と指摘。「不信感にけりをつけて再スタートを切れるかどうか,説明できるのは安倍首相以外にいない。厳しい目とも向き合って,逃げずに正面から受け止めてほしい」と述べた。(引用終わり)
 補注)小泉進次郎は以前,こういう感想を述べていた。〔森友〕学園が運営する幼稚園の運動会で,園児が宣誓のなかで「安倍首相がんばれ~」などと発言していることについて,「あの園児の映像は衝撃的ですよね。国会議員は,私も地元でいろんな幼稚園や保育園の運動会にいくが,ちょっと異様だ」と指摘した。
 註記)2017年3月5日,https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1787955.html

 「安倍晋三の答え方」において全般的にうかがえる特徴は,相手の質問には正面から答えず,自分のいいたいことだけ,あるいは質問の趣旨を完全に無視し,すり替えて別の話をする点にある。「モリ・かけ問題」では,うっかり事実関係に関して答える中身があったりしたら,自分の政治生命が完璧に断たれる恐怖をよく承知している立場にある。したがって,とくにこのあたりの問題になると,絶対にまともに答えることはせず,もってまわった,あるいは完全にはぐらかしたいかのような応え方しかしようとしていなかった。

 2017年10月22日に実施される衆議院解散総選挙の結果によっては,この日本は,これまでよりはさらにおかしな国家体制に変質していき,そこに落ちこむ恐れが予見される。とりわけ「希望の党」の代表の立場にある小池百合子は,安倍晋三以上にまた「別種の極右・反動の政治家」である。もしも,その選挙の結果,自民党・公明党・日本維新の会に希望の党をくわえて,「衆議院における議員勢力が3分の2以上になった」としたら,憲法の改悪などがただちに開始されるかもしれず,21世紀の日本の政治は危機に瀕するほかなくなる。

 ② 安倍晋三自民党改憲案の危険性

 以下は,2016年7月7日時点の議論であった。自民党憲法草案「緊急事態条項」の検討と危険性に関する話題である。

 a)「今回〔2016年7月〕の参議院選挙で,改憲派が3分の2の議席をとると改憲がなされる可能性が高くなります。根拠は現行憲法96条」である。「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で,国会が,これを発議し,国民投票において,その過半数の賛成を必要とする。」という趣旨「なので3分の2で発議が可能です」。

 こんどの2017年10月22日に予定されている衆議院解散総選挙で,希望の党(「小池百合子」の党)が自民党などと組んで「国会で3分の2以上の勢力図が実現されれば」,安倍晋三はただちに前段のような試みを開始する危険性がある。憲法を改定することじたいが悪いといっているのではなく,悪い方向に「改定(改悪)することが」が問題である。(画面 クリックで 拡大・可 ↓  )
緊急事態条項の問題点IWJ2017年10月2日
出所)https://www.youtube.com/watch?v=wp1dKRsrUoM
選挙公約に改憲を入れる方針(安倍晋三)
出所)https://www.youtube.com/watch?v=sw9b0DgjP08

 b) 草案98条以下が緊急事態条項ですね。長いんですが簡略化していうと,緊急を要する事態が起こったときは,内閣総理大臣が緊急事態宣言を発し,これにより内閣が法律を作ることができ,何人もこれらに従わなければならないということです。

 立法と行政は同一の人間がやってはならないのです。そのようなことをすると,自分で作った法律を自分で執行することになってしまい,三権を分けた意味がなくなるからです。今回の緊急事態条項はこれに反する可能性がきわめて高いです。なぜなら,内閣が法律を作れるからです。

 c)  立法と行政は兼ねられてはならない。これは人類があまたの血の上に掴みとった真理です。自民党の憲法草案はこれに真っ向から異を唱えるものです。とうてい許容することができません。
 補注)2016年5月19日時点のつぎの報道を紹介しておく。「衆院予算委員会で,安倍晋三首相は民進党の山尾志桜里政調会長への答弁のなかで『私は立法府の長であります』」と発言。実際には行政府の長であり,安倍首相が,中学生が公民など授業で習う『三権分立』」を理解していない可能性が明らかとなった」。
 註記) https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20160519-00057846/ つまり,安倍晋三というこの首相の頭のなかでは,すでに「三権分立の政治思想」はすっかり飛んでいて,どこにもない事実が判明していた。およそ民主主義の基本理念からは遠く離れているか,あるいはほとんど無縁の観念しか,この首相はもちあわせていない事実が鮮明になっていた。その関連でいえば「私:安倍晋三は立法府の長」だという誤発言は,彼にとってみればけっして間違いではなかった。改憲で彼がめざしているのは「自分が行政府兼立法府の長」になれる『憲法の改革』であり,立憲政治の全面否定である。

 
問題はまだあります。憲法草案99条3項です。要は「緊急事態においては命令に従いなさい」と書いてあります。どんな命令が発せられるのかわかりません。これを白紙委任してしまっていいんでしょうか。憲法とは政府の暴走を防ぐセキュリティ装置なんです。白紙委任は許されません。

 d) しかも緊急事態の間,衆議院は解散されません(草案99条4項)。国民がストップをかける機会は失われているといわなくてはなりません。「どのような事態が生じたときにどのような要件で緊急事態の宣言を発することができるかは,具体的には法律で規定されます。」と明記してあります。法律で。つまり,国会の過半数で,ということです。与党の思いどおりに,ということですよね。(与党はふつう,国会の過半数を占めています)

 e) 法律のコントロールは及ばないと考えられるでしょう。なぜならば,その法案を提出し,多数決を占めることができるのはほかならぬ与党なのですから。議会運営にもよりましょうが,与党は常に高い可能性で法律を成立させることができる,と考えてよいでしょう。

 今度の衆議院選挙〔2016年7月の〕が終わり,改憲派が参議院の3分の2を超えれば,憲法改正の発議がおこなわれる可能性はきわめて高いです。なぜなら,それが安倍首相の悲願だからです。
 註記)以上,https://togetter.com/li/997066 を参照し,抜粋しつつ引用。1年以上も前,2016年7月7日時点での議論であった。
 補注)第24回参議院選挙(2016年7月10日)で,各党などは,つぎのように当選者を出していた。自民党・公明党・おおさか維新の会の合計人数で,158名となっていて,定数242名に対する比率は65.29%である。民進党は

  自由民主党 121  民進党 49   公明党 25
  日本共産党   14  おおさか維新の会 12
  その他   21

 ③ 民進党解体,希望の党膨張,立憲民主党の立党

 さてつぎは,2017年9月28日以降になってからの話題である。衆議院解散後におこなわれた民進党の常任理事会は,党として比例代表を含め公認候補を擁立せず「希望の党」に公認申請を依頼し,事実上希望の党と合流することを提案し承認されていた。さらに,その後もたれた両院議員総会において全会一致で採択されている。これにより,民進党は事実上の「解党」となった。ちなみに,参議院議員の党籍および地方組織についてはそのまま据え置くこととした。
立憲民主党結成画像
出所)https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171004/k00/00m/010/129000c

 連合は同日,逢見直人事務局長名の談話で「大きなかたまりとして安倍政権に代わる選択肢を国民に示すことが重要である」として,一連の流れを支持する姿勢を明らかにした。ただし,小池百合子(希望の党)側は,民進党出身議員のうち希望の党側で選抜するとし,民進党全体との合流は否定した。これにより一部の立候補予定者は公認がえられる可能性がきわめて低くなった。また,同党の姿勢に反発して合流を拒否する者も現われ,このうち一部は無所属での出馬を表明した。また,枝野幸男を代表とする『立憲民主党』が結成された。
 註記)https://ja.wikipedia.org/wiki/民進党 参照。

 希望の党代表となった小池百合子東京都知事と民進党の前原誠司代表は,2017年9月29日に東京都内のホテルで会談したさい,衆院選の候補者調整について小池代表が,民進希望者「全員を受け入れる考えはさらさらない」と高慢にも宣言していた。

 その結果,小池の新党が「寛容な改革保守政党めざす」綱領を発表していたたものの,そもそも

 「(1)  寛容な改革保守政党をめざす」と謳った点は単にまやかしでしかなく,また,都民ファーストを離脱した2議員(音喜多駿・上田令子)が出現したことから,

 「(2)  情報公開を徹底し,しがらみ政治から脱却する」という標語からも真逆の小池百合子と,ごく数人の幹部による独裁党である事実も明らかになっている。

 さらに希望の党は,「(3)  国民の生命,自由,財産を守り抜く」とか,「(4)  平和主義のもと現実的な外交安全保障政策を展開する」,「(5) 税金の有効活用,ワイズスペンディングの徹底,民間のイノベーションの最大活用」,「(6)  国民が多様な人生を送れる社会を実現する」など,

 全部で「6点の基本理念」を公表していたけれども,安倍晋三政権(自民党プラス公明党政権)と,実質的にはなんら異なる点のない,すなわり「第2自民党」予備軍である事実ばかりが鮮明になっている。
 註記)以上の記述では「小池新党『寛容な改革保守政党めざす』綱領発表」(nikkei.com,2017/9/27 10:15,https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H0J_X20C17A9000000/)を参照・利用。

 小池百合子の「いっていること」と「やっていること」とのあいだには,大きな齟齬がみられる。とくに「寛容な改革保守」といった提唱は,よく形容して好意的にたとえところでも,ブラック・ユーモアの域から出ていない。またさらには,「笑うにも笑えないような醜悪的な奇怪さ」に満ちた,それも女性である小池百合子流の面妖さに満ちたごとき,政党の綱領における〈表現の方法〉も目だっている。

 かくのごとし,希望の党は民進党の衆議院議員全員を受け入れず,彼女流にきびしく〈自分の好み〉で,一方的・専断的に選別する意思を臆面もなく堂々と披瀝し,実際にもそうしてきた。この彼女流の強引な措置については,つぎのような批評が披露されていた。
   小池百合子は,1人ひとり選別するとか,全員受け入れるということはさらさらないとか,民進党議員の神経を逆なでするような発言を平気でしている。口の訊き方に気を付けろといいたい。

 たしかに理念や信念の違う議員が入党しても,あとで揉めるもとだとの意識があるのだろうが,あんないいかたはないだろうに。小池百合子の,覚えめでたい議員でないと希望の党に入れないということか。どうも過去の議員活動においての発言も,いちいちチェックしてランクづけするともいわれているし,ここまでのことをやるってすごすぎないか?

 いくらじり貧となっても,民進党という野党第一党のでプライドまで投げ捨てさせるような小池百合子の,そしてそれに同意した前原〔誠司〕の冷徹さが垣間みえる,今回の新党合流劇。すご~い嫌なものをみてしまった。
 註記)「今度の総選挙は,男独裁者 vs 女独裁者の究極の選択に 傍若無人ぶりが目に余る小池百合子に連合からも反発の声が」『まるこ姫の独り言 明るく,楽しく,優しい気持ち』2017-09-29,http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2017/09/post-ea36.html
 さすがに,この小池百合子流儀の発言「さらさらない」とか,査問方式になった民進党議員の選別は,当該の国会議員たちだけでなく,広く世間からも悪評を買うハメになってしまい,その結果,希望の党の〈にわか人気〉にみずから水を差す顛末(ヘマを犯すこと)になってもいた。そうした事情の推移にともない,10月22日の衆議院解散総選挙を踏まえて急遽創設されたのが,枝野幸男を代表とする「立憲民主党」であった。( ↓  画面 クリックで 拡大・可) 
BUSINESSINSIDER2017年10月6日枝野演説
出所)https://www.businessinsider.jp/post-105668

 ところで石原慎太郎元知事(83歳)は,以前から自分の息子たちとともに,この小池百合子氏(この人は64歳)への攻撃を強めていた。晋太郎は小池のことを,女性差別的に「大年増の厚化粧」と罵倒する発言までいいはなっていた。実は,石原の息子のうち,まず石原伸晃(いしはら・のぶてる)は衆議院選挙では東京8区(杉並区)より選出されており(10月22日の衆議院選挙では,希望の党から対立候補に木内孝胤が予定されている),またもう1人の息子である石原宏高(いしはら・ひろたか)は. 衆議院議員として同じ東京都の第3区から選出されている(同上で,希望の党から対立候補は松原 仁が予定されている)。
 補注)小選挙区制であっても「小選挙区比例代表並立制」なので,小選挙区で落選した候補者が比例区のほうで当選する実例が多数あって,これじたいが選挙制度のあり方としては問題になってもいる。この自民党と希望の党のあいだにさらに,新しく創設された「立憲民主党」の候補者やその他の政党からも立候補者が多数登場する予定である。明日〔10月10日〕になればその詳細が明らかになる。

 ③ 本日(2017年10月9日)『日本経済新聞』社説の意見

 この日本経済新聞「社説」は,経済問題になるとまるで財界側の利害しか視野に入っていないかのような見解・主張を展開しているけれども,本日におけるこの社説は政治問題なので,多少は骨のありそうな意見を披露していた。いつもは2本を組むこの社説欄を1本にして,それもかなりまともに論説している。

   ◆ 安倍政権5年へ審判を下す衆院選 ◆

 衆院選が明日公示され,〔10月〕22日の投票日に向けて選挙戦が始まる。選挙直前に新党がふたつ誕生し,なにがなんだか分からないという有権者も少なくないだろう。ここは政治の基本に立ち返り,約5年間に及ぶ安倍晋三首相の政権運営への審判を下す場と考えればよいのではなかろうか。1996年の衆院選から小選挙区制が導入され,政界の枠組みは「自民 vs 新進→民主→民進」の二大政党体制が続いてきた。

 a) 方向性が不透明な希望

 その民進党がふたつに分裂し,保守系は東京都の小池百合子知事がつくった希望の党に合流し,リベラル系は立憲民主党を立ち上げた。共産党などを含めた野党の大同団結を期待する市民運動勢力からは失望の声が出ている。だが,考え方の違う勢力が「非自民」だけをスローガンにして一緒になっても,結局はうまくいかない例をなんどもみてきた。かつては,右も左も包含するキャッチオール型だった自民党も,近年は保守系にほぼ収束した。非自民を名乗らなくても,政策で対立軸をつくることは可能だ。

 問題は,希望の党の方向性が不透明なことだ。日本記者クラブが開いた8党首の討論会で,小池氏はゴルフになぞらえて「フェアウエーど真んなかで有権者に選択肢を示す」と説明した。立憲民主党を結党した枝野幸男代表らを排除したことで,左寄りでないことは分かった。しかし,それと希望の党がかかげる「寛容なる改革保守」はどうつながるのか。そもそも寛容と改革の関係がよくわからない。安倍政権より右寄りと目される候補もいる。
 補注1)小池百合子のいっていることはすべてが正直・率直という立場(評価)に反するものばかりである。実際に衆議院解散総選挙が終わって,その結果しだいで,いくらでもカメレオン的に豹変する「予定のつもり」であるのが,この小池が専制独裁的に率いる「希望(?)の党」の今後だと,いまから見限っていたほうが賢明である。彼女になにかを期待して裏切られるよりは,そのほうがよほどマシな対応:評価になりうるはずである。小池の政治家としての野望実現のためだけにこそ「希望」がもてる「希望の党」の本性・本質に関していえば,いまからすでに十二分にその素性はバレている。

 また,安倍晋三が執拗に追求してきた「戦後レジームからの脱却」の基盤には,彼が抱いている「そのもともとの願望」とは,実はまったく異なっている「現在的な意味あい」がある。それはなにか? アメリカ国務省・国防総省に実質的に抑えられ,遠隔操作されているような「日本の政治の中枢(首根っこ)」に注目する必要がある。この事実を国際政治的な次元から実際に,それも軍事面から物質的に支援(し,そして威嚇)しているのが,ほかでもなく在日米軍基地の役割である。

 この日本国は,安保関連法体制という日米間の「特別である軍事同盟関係の状態」のなかに置かれている。アメリカからの遠隔操作が実在しており,実際にも機能しているのだから,これをないといったら大きな・白々しい嘘になる。この現実の事実をよく踏まえたうえで,その日米間に結ばれている軍事同盟関係の本質問題を理解しなければならない。日本はそうした国際政治関係を,長年にわたる「敗戦後史」として強制的に保持させられてきた。これが「両国間における基本的な事項」を構成する「間柄での基本特性」なのだといえば,そのとおりなのである。

 要するに,「憲法体系」よりも「安保体系」が優先・尊重される国柄に(外交とこのもとにおける内政も)一色に染まっているのが,この日本国である。つまり,日本のことよりもアメリカの世界戦略の全体的な都合や基本的な利害のほうが,この国土運営を支配・統制するための基本方針になっている。

 その「事実」は,憲法の第1条から第8条までに則って存在している人物,いまの天皇「明仁」も重々承知・納得である米日関係における国際政治事情である。「押しつけ憲法」だからといって,いままでも自民党など右翼政治家は盛んに反発してきた。だが,この反発以上に「それではどうすのか」と問われたさい,この憲法を改正(改悪)したうえで,さらに「対米従属国家体制としての日本」の定位置をより堅固にしたいらしい対応以外にはなにもないのだから,「彼らのいっていること・やっていること」は,完全に近い支離滅裂である。一言でいえば「売国奴的であり,他国の走狗である」。

 彼らは,自家撞着の極致に達したような「狂った理性(?)」の反映でしかない「日本国憲法はGHQに押しつけられた」という,敗戦後史の出来事=「事実に関する」被害妄想を喧伝していた。もっとも,象徴天皇制(当初はいうまでもなく天皇裕仁)の存在も同じに押しつけられてきたのではなかったか。のちには,自衛隊3軍(そのもとは警察予備隊)も押しつけられていた。以上のごとき「歴史の事実」は,完全に黙認状態でいままで過ごしてきたのが,彼らの立場であった。

 こういった敗戦後史の記録を回顧するとき,彼らが披露してきた腸捻転的かつアクロバット的な日本国憲法「観」からはただ,ご都合主義の臭いだけが強く放たれている。

 なお,ここで事前に配慮しておくべき論点がある。日本の国民・市民・住民たちの立場に即していえば,「民主主義の根本理念」など不在の状態にさせられるほかない,いいかえれば,その「反対である内政・外交の実際」を日本の政治のなかに搬入しつづけてきた「日米安保〔関連〕法にもとづく国家体制」は,小池百合子の専制独裁党である「希望の党」が,もしも10月22日の選挙結果によって多数の当選者を出すことになれば,より盤石な次元にまで高められる期待(希望?)も,大いに高められることになる。

 すなわち「希望の党」は,いまの自民党政権と合従連衡していけば,ほぼ完全にこの国を「対米従属国家体制」に引きずりこむ役割分担を,いまから引き受ける覚悟でいるとみなされてよい。小池百合子の政治家としての立脚点は,その気配を濃厚・確実に察知させてやまない。国民たちは
あらためて,小池に関するそうした確実な予想を踏まえたうえで,10月22日衆議院解散総選挙に挑む覚悟が要求されている。

 補注2)補注1につづいて日経社説のあいだであるが,さらにつぎの主張を挿入しておく。
◇ 日米安保条約こそ今度の選挙の
一大争点にしなければいけない ◇

=『天木直人のブログ』2017-10-08 =

 与野党8党首がネット上で初討論をしたらしい( 註記)「衆議院議員選挙 2017  ネット党首討論 ニコニコ生放送」)。私の注目点はもちろん憲法9条改憲だ。立憲民主・社民・共産の野党共闘は,安保法の違憲性を訴えて廃案を求める。

 しかし,ただのひとりも,日米安保条約の違憲性を指摘しない。ルべラルを自称する立憲民主党や,自民党と連立政権を組んで日米安保を認めた悔いのある社民党が,いまさら日米安保をなくせといえないことは分かる。

 しかし,天下の護憲政党である共産党が一言も日米安保条約に言及しない。これでは憲法9条は守れない。私が東京21区を選んだ理由のひとつは立川市が含まれているからだ。「日米安保条約は憲法9条違反だ」といい切ったあの歴史的な名判決(伊達判決)を生んだ歴史的な砂川闘争の地だ。
 補注※)10月7日で判明している【東京21区】 の立候補予定者は,小田原潔(自民党),小糸健介(社民党),長島昭久(希望の党)。ここに天木直人が参戦する。自民党候補を利する結果にならないか? 

 土地に杭を打つことはできても心に杭は打てない,という名セリフが生まれた土地だ。そして,なによりも安保闘争が安倍首相の祖父である岸政権を倒した。いまここで,この選挙で,日米安保条約の見直しを求めずしてなにが護憲だ。

 しかも,伊達判決を握り潰した田中耕太郎最高裁長官がマッカーサー米国駐日大使と密議して司法を歪めた事も米国の機密文書で明らかになった。いまこそ野党共闘は,いやしくも護憲,護憲というならば,日米安保条約という名の一大不平等条約の見直しを,声を大にしていう時だ。

 考えれば,日本外交の原点は,1958〔入力ミスで 1868〕年の日米修好通商条約という名の不平等条約の撤廃から始まった。この不平等条約の撤廃から明治維新が始まった。 それにくらべて,いまの政治家たちのこころざしの低さはどうだ。

 私は10月9日午後5時から開かれる青年商工会議所による候補者討論会で,この事を正面から訴えるつもりだ。日米同盟を支持する2人の改憲候補者に聴衆の前で問いかける。日米安保条約という不平等条約の是正を訴えない政治家など政治家の名に値するのかと。

 その動画が全国に配信されるとき,日本国民は,今度の選挙の本当の意味をしることになるだろう。私の立候補はそのためにある。日本国民を覚醒させるためにある。東京21区から,日本の政治を変えてみせる。
 註記)http://kenpo9.com/archives/2534

 これは元外交官であった天木直人の理解と見識にもとづく主張である。一般庶民の有権者次元にまでただちに浸透できる意見となりにくいところに,難があるといえば,ある。日米安保関連法が日米安保条約という名の一大不平等条約である「歴史の事実」は,どこまで国民・市民・庶民の生活次元において理解されているか?

 さて,この天木直人の挑戦については,以下のような異論が提示されている。「天木直人さん,志は分かりますがメーワクです -東京21区の選挙事情」(『代替案のための弁証法的空間』2017年10月07日)が,こう述べていた。

 つぎは,前段の補注※)を受けての議論となる。その補注※)はある懸念を指摘していた。さらには,このようにも懸念する意見が提示されていた。

 今回は,共産党の田川〔豊〕さんが立候補をとりやめ,野党統一候補で,牧師さんで社民党の小糸健介さんに譲った。共産党の英断に拍手を送りたい。というのも今回の選挙,連合は長島を支援しない。だいたい労働組合が,CSISと武器商人と新自由主義の走狗を応援してきたなんて,冗談みたいな話でしかない。自分で自分の首絞めてるだけだから。
 註記)CSISとは,戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)の略称である。ここでは,その詳細については各自で調べるようお願いしたい。
 

 連合が共産候補を応援する可能性は天地がひっくりかえってもないが,立憲民主や社民などの野党統一候補であれば,連合が支援に回る可能性がある。連合さえ長島の応援をしなければ,十分に勝てる可能性はある。共産党が涙を呑んで立候補を見送ったのは,そのへんの深謀遠慮があるのでしょう。

 選挙民は上から目線の落下傘候補を嫌います。地元のことをしらずして勝てるわけがない。長島氏は,なんだかんだ地元の会合に熱心に出てるから,それで彼の外交・安保政策が嫌いでも,投票しちゃっている人が多いんです。天木さんが落下傘候補で降りてきて,市民がつくりあげてきた野党統一候補の票を奪うのは,21区の選挙区民の目からみてすごく迷惑なのです。
 註記)http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/d8408f95497ad7fce7c0577e8bb04e87

 さて,本ブログのいつもの指摘となるが,憲法第9条の問題「日米安保条約という不平等条約の是正」を問題にするときは,その前項に並んでいる「第1条から第8条」の天皇条項も,当然のごとくに問題にされてよい。

 だが,こちらの問題は「天皇の退位に関する意思表明」(2016年8月8日に準国営放送を通して国民たちに伝達されていた)としてのみとりざたされるのでは,論点のとりあつかい方として不均衡のそしりを逃れえない。憲法体系に安保体系が優越してきている敗戦後史的な真相の中身から,天皇・天皇制問題が除外できると考える憲法学者がいるなどと聞けたためしはない。いずれも憲法内の重要問題である。


 〔ここで,日経「社説」に戻る ↓  〕
 くわえて,分からなさを助長しているのが,首相候補の不在である。党首討論で小池〔百合子〕氏は「しっかり戦い抜くのがまずあって,その結果としての判断だ。安倍1強政治を変えていくのが大きな旗印だ」と繰り返すにとどまった。非自民といういいまわしをしないところから類推すると,自民党に打撃を与え,安倍首相を退陣に追いこんだうえで,新総裁と連立するということなのだろうか。

 小池氏は希望の党の公約発表のさい,経済政策は「アベノミクスに代わるというか,くわえてといった方が正しい」と語った。同じ保守同士で政策的な違いはさほどないとしても,選挙後に自民党と組むことも視野に入れているならば,明言して選挙を戦うべきだ。自公政権打倒を期待する有権者が希望の党に投票し,選挙後に裏切られたら,政治不信はますます高まろう。
 補注)「希望の党」の,いまから濃厚に漂わせる異臭ぶりは,「安倍晋三政権寄り」の政治体質,本当のところはなんら自民党(と公明党)となにも変わるはずもないそれを嫌というほど「われわれ:国民・市民・庶民たち」に教えてもいる。つまり,ひどくみえすいた「第2自民党」そのものであるほかない「希望〔などもてない〕の党」が,まさしくこの「希望の党」なのである。いいかえれば「失望と絶望の党」である事実は,いまから透視できている実相であると断言できる。

 立憲民主党もなにがしたいのかがみえてこない。党首討論で,枝野氏は「誰かがどこかで決めて,多くの国民が従わなければならない」と強調した。安倍政権の国会運営がやや強引なのはそのとおりだが,多数を握った与党が公約したことを推進するのはある意味で当たりまえである。なんでも反対だった社会党が消滅したことを考えれば,抵抗型の政党が長続きするとは思えない。立憲民主党は「安倍政権のもとで格差が広がった」と攻撃するのであれば,具体的な社会保障政策などで違いを打ち出すべきだ。
 補注)日経のこの論説は,立憲民主党を旧社会党にたとえており,ここでは明らかに支配体制側が喜びそうな見解を披露している。とくに「安倍政権の国会運営がやや強引なのはそのとおりだ」という認識は,完全にネジが緩んでいる(安倍晋三への日経側の高い忖度が透けてみえる形容である)。

 安倍晋三政権のほうは「自分たちがなにをしたいのかきわめて明快でありながらも,これを隠し誤魔化す政治」を,いままでさんざんやってきた。ところが,いまできたばかりの党である「立憲民主党」に対する日経のものいいは,ずいぶん辛い論調がめだつ。

 日経は,同じ調子で安倍晋三政権を批判・論評していけば,立憲民主党など比較などならない程度に,自民党のこの政権に対しては「ものすごい・たくさんの批判・注文」が出てくるはずである。だからか,日経のこの社説であっても最低限,つぎのようにも論説はせざるをえなかった。


 b) 森友加計の説明丁寧に

 政権選択選挙は,ときの政権の継続を望むのか,望まないのかという選択肢を示すのが本来の姿だ。野党でもっとも多くの候補を立てる希望の党が,与野党交代をめざ指しているのかが不透明な現状では,安倍政権への通信簿のつもりで投票するしかあるまい。

 党首討論で,安倍首相は突然の衆院解散の大義について「北朝鮮の脅威」を挙げ,「圧力をかけていくことに国民の信をえる」と発言した。外交政策は重要な争点のひとつだが,この選挙が有事への白紙委任であるかのような表現には違和感がある。解散表明時の記者会見でほとんどの時間を費やした消費増税分の使途の変更と優先順位が変わった理由もしりたいものだ。
 補注)「北朝鮮ミサイル発射の問題」を全面に出せば,あとの政治課題はそのすべてがかすんでもいいのだと思いこみたいのが,安倍晋三に特有の考え方である。北朝鮮との戦争・紛争を「希望する党」(自民党)の総裁でもあるまいに,みっともないくらいに子どもじみた「オオカミ少年」的な発想はいただけない,もういい加減にしたらよい。

 あのアメリカのトランプでも,北朝鮮に対しては脅迫的な言辞を弄するものの,裏では外交交渉を完全に断っているわけではない。それに比べて安倍晋三君は「北朝鮮に吠えるだけ」が唯一できる「対金 正恩」君に対する外交姿勢(その交渉手段)であるゆえ,こうなると,ただただ「安倍晋三君,ミットモナイよ」の一言に尽きる。


 〔記事に戻る→〕 森友・加計疑惑については「私自身がなんども説明した」「妻については私が代わって十分に話した」と述べるにとどめた。理解をうるためにはもっと丁寧な説明をする必要がある。
 補注)「モリ・かけ問題」じたいについて,安倍晋三〔妻の分なども含めて〕テイネイに説明したことなど,1回たりとてない。まともに説明したら,安倍自身の立場が空中分解する点は,当人としてもよく承知している。これからもいっさい説明などするつもりないし,そうせざるをえない苦しい状況が,この「モリ・かけ問題」に関していえば,彼にとっては固有であった。

 今回の衆院選は,18歳選挙権が導入されて最初の政権選択選挙である。与野党ともこんな程度の説明で,高校生が納得すると思っているのだろうか。
 補注)この国の首相は「まともな高校生であれば〈書ける・読める〉漢字」が,実は「書けない・読めない」人であった。いまさらのように,「高校生(18歳)」に対してと同じ具合に,安倍晋三君を対置させておく発想に関しては,誰もがしらけることだけは請けあえる。

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