【在日米軍はこの国ではやりたい放題である。もしも,今回のような軍用機の墜落事故を米国本土で起こしたら,「米軍」といえども自国民たちから大きな非難を受けるし,住宅地にでも墜落したら最高司令官(国防長官)の首が飛ぶ】

 【だが,日本では全国が米軍のための訓練地であっても,警察はむろん,自治体から政府までがその無法ぶりに手出しすらできないでいる。この国では米軍(アメリカ宗主国?)の治外法権がまかり通っている】
(話が分かりにくいという向きには,ドイツやイタリアの事情が参考になる点を添えておく)


 ①「沖縄,米軍ヘリ炎上・大破 高江,小学校から2キロ」(『朝日新聞』2017年10月12日朝刊1面)

 1)記事の引
 〔10月〕11日午後5時半ごろ,沖縄県東村(ひがしそん)高江で米軍機らしきものが墜落した,と住民から119番通報があった。防衛省によると,米軍の大型輸送ヘリコプターCH53が基地外の民有地の牧草地に不時着し,炎上,大破した。消防や米軍が消火に当たった。住民や乗組員7人にけがはなかった。(▼38面=住民「またか」)。 
『朝日新聞』2017年10月12日朝刊米軍へり墜落
 『朝日新聞』2017年10月12日朝刊米軍へり墜落2『日本経済新聞』2017年10月11日朝刊米軍ヘリ墜落現場地図
  出所)右下の画像だけは『日本経済新聞』同日,朝刊から。

 小野寺五典防衛相は「米海兵隊所属のCH53が着陸したさいに火を噴いた」と説明した。CH53は2004年8月に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)近くの沖縄国際大学に墜落する事故を起こしている。米海兵隊は「飛行中に火災が発生し,緊急着陸した」と発表した。

 〔沖縄〕県によると,現場は県道70号のすぐ近くで,約2キロ北には高江小学校がある。翁長雄志(おなが・たけし)知事は那覇市内で記者団に「昨〔2017〕年の(オスプレイが大破した)事故から1年もたたないうちに,再び県内で事故を起こしたことに強い憤りを感じる。基地があるがゆえの事故。事故原因の徹底的な究明と早急な公表,原因究明がされるまでの同型機の飛行中止を強く要請する」と述べた。事故現場を訪れた東村の伊集盛久(いじゅ・せいきゅう)村長は「起きてはいけない事態。遺憾だ。強く抗議したい」と話した。

 高江地区の周辺には「米軍北部訓練場」があり,昨年末までに,訓練場の半分以上を返還する条件としてヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)6カ所が移設された。沖縄防衛局などによると,うち2カ所は2015年2月,別の2カ所は今〔2017〕年7月から米軍が使い始めた。周辺はヘリや輸送機オスプレイが頻繁に飛行している。

 沖縄では昨年12月,普天間に配備されたオスプレイが名護市沖に不時着水しようとして大破する事故が起きた。8月には普天間のオスプレイが豪州沖で訓練中に墜落して3人が死亡したほか,奄美空港や大分空港などにオスプレイが緊急着陸するトラブルが続いている。(引用終わり)
   本日〔10月11日〕『朝日新聞』夕刊11面「社会」の続報は,冒頭記事「見出し」として,「ヘリ炎上 民家から300メートル,沖縄  機体大破し黒焦げ」「知事が現場視察」「『今すぐ飛行やめて』怒り」という文句を並べていた。
 記事(前段朝刊)のなかには,「米軍北部訓練場」の「半分以上を返還する条件としてヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)6カ所が移設され」ており,2017年「7月から米軍が使い始め」「周辺はヘリや輸送機オスプレイが頻繁に飛行している」という段落があった。沖縄にある米軍基地関係占有地は21世紀になって,そのごく一部分は返還されてきたものの,実際的にはあくまで米軍の使用に支障が生じない程度でしかなく,その代わりにかえって,今回のような事故を起こす運用体制を「用意・整備してきた」ともみなせる。

 在日米軍は,米国本土ではけっしてやらない訓練方法を,日本の国土の上(領土・領空)では思う存分に展開してきた。軍隊の訓練であり兵器の運用:武器の使用)であるから「軍事的な効率性」(戦闘性の向上)を第1目標にしており,これを最重要視し,最優先する方法が採られる。

 そのことが必然的に軍隊にもたらす現象は,戦争がなくとも通常(平時)における「訓練時に発生する事故」の「率」は,民間側において通常発生する諸事故の「率」よりも,大雑把な理解では数十倍にもなる。この事故率に関する軍・民の領域における相違の発生は,いうまでもなく〈当然のなりゆき〉であり,結果として出てくるほかない事象である。事故なのだから,これにともない死傷者が出るのも,また当然の結果となる。

 2)日本国防衛相自衛隊3軍の事故死者数
 日本の自衛隊はまだ正式に,戦争事態に相対する戦闘状態を体験させられたりはしていないものの,軍事訓練によってすでに多数の死者(殉職者と呼んできた犠牲者)が出ている。2年半ほど前,『東京新聞』がつぎのように報じていた。

★ 首相「殉職自衛隊員 1800人いる」
「戦死者」への批判かわす狙い ★
=『北海道新聞』2015年5月16日 =


 新たな安全保障関連法案を閣議決定した〔2015年5月〕14日の記者会見で,安倍晋三首相が自衛隊員のリスクについて「いままでも1800人の隊員が殉職している」と述べたことに波紋が広がっている。殉職者の大半は任務中の事故によるもので,戦闘に巻きこまれて亡くなった隊員は,過去1人もいない。隊員に「戦死者」が出かねないとの批判をかわす狙いとみられるが,性質の違う数字を挙げる首相の論法に,専門家は「論理のすり替えだ」と批判している

 「まるでいままで殉職した隊員がいないかのように思っている方もいるかもしれないが,1800人が殉職している。私も遺族とお目にかかっており,殉職者がまったく出ない状況をなんとか実現したい」。首相は14日の会見で,新たな法整備によって隊員が死亡するリスクが高まると指摘した質問に対し,こう述べた。
 補注)通常の交通災害事故・産業災害事故に関していえば,死者が出ないようにするために「日常的な努力:予防措置」を意識的・継続的におこなっており,そのための具体的な目標値も設定しながら実施されている。けれども,そうだからといって事故を完全に撲滅できているかといえば,そうではなく不可能である。

 ましてや,軍隊での通常任務:日常的な訓練活動において,死者(事故死:殉職者)が絶対に出ないなどということはありえない。もちろん,可能なかぎり死傷者が発生しないように注意して軍隊の訓練活動はおこなわれているはずである。しかし,この「軍事業務の特殊な性格」上,絶対的に死者(犠牲者)を出さないで済む事情が保証される理由など,もともと存在していない。

 軍隊において発生せざるをえない災害事故は,産業の災害事故とはまた質的な水準においても,顕著に性格を異ならせているし,なおかつ,いわば非常に危険性の高い水準につねに同居させられている。そういった職場が軍隊という組織の特徴である。この事実は説明する必要もないくらい明白である。

 したがって,安倍晋三〔という嘘つき上手(?)の〕首相がいった「殉職者がまったく出ない状況をなんとか実現したい」という表現は,軍隊組織に関しては非常識とみなすほかない口調から出ていた。より正確にいうのであれば,自衛隊においては「殉職者を極力出さない状態が実現できるように徹底して最大限努力する」などというのが「最適ないいまわし」である。このところを,安倍のように「殉職者がまったく出ない状況をなんとか実現したい」などといったぶんには,もうお話にもならないままひとまずお終いである。つまり,非現実的な理解このうえなく,これ以上議論できない。


 〔記事に戻る→〕 防衛省によると,自衛隊の前身である警察予備隊が発足した1950年以降,殉職者数は今〔2015〕年3月末現在で1874人。車両や航空機,艦船による訓練など任務中の事故が7割以上を占め,残りは過剰業務による病気などが原因のケースが目立つという。
 補注)自衛隊内でも発生している自殺者が,一般世間におけるその発生率よりも高いのではないかという議論が,以前話題になったことがある。たとえば,政府のホームページにはつぎのような主意書に対する回答がある。
   これは「平成二十七年五月二十八日提出」「質問第二四六号」「自衛隊員の自殺,殉職等に関する質問主意書」「提出者 阿部知子」「自衛隊員の自殺,殉職等に関する質問主意書」に対する,

 「平成二十七年六月五日受領」「答弁第二四六号」「内閣衆質一八九第二四六号」「平成二十七年六月五日」「内閣総理大臣 安倍晋三」からの,「衆議院議長 大島理森殿」「衆議院議員阿部知子君提出自衛隊員の自殺,殉職等に関する質問に対し,別紙答弁書を送付する」とされた

 「衆議院議員阿部知子君提出自衛隊員の自殺,殉職等に関する質問に対する答弁書」の回答であった。

 ここではその全文は紹介できないので,ごく一部の段落のみ引用する。なかでもとくに最後の段落ほうに,つぎのように回答する部分があった。本ブログにおける,以上までの記述に関係した内容になっている。以下では,読みやすくするために適宜に改行などを入れたり,本文に関して漢字数字はアラビア数字にも適当に書きかえたりしてもいる。

 平成13〔2001〕年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成13年法律第113号。以下「テロ対策特措法」という。)に基づく活動に従事した自衛隊員数は,

 海上自衛隊員が延べ約1万9百人及び航空自衛隊員が延べ約2千9百人の合計延べ約1万3千8百人であり,イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成15〔2003〕年法律第137号。以下「イラク特措法」という。)に基づく活動に従事した自衛隊員数は,

 陸上自衛隊員が延べ約5千6百人,海上自衛隊員が延べ約3百3十人及び航空自衛隊員が延べ約3千6百3十人の合計延べ約9千5百6十人であり,テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法(平成20年法律第1号。以下「補給支援特措法」という。)に基づく活動に従事した自衛隊員数は,海上自衛隊員が延べ約2千4百人である。

 テロ対策特措法に基づく活動に従事し,在職中に自殺した自衛隊員数は,海上自衛隊員が25人及び航空自衛隊員が零人であり,イラク特措法に基づく活動に従事し,在職中に自殺した自衛隊員数は,陸上自衛隊員が21人,海上自衛隊員が零人及び航空自衛隊員が8人であり,補給支援特措法に基づく活動に従事し,在職中に自殺した自衛隊員数は,海上自衛隊員が4人であり,この4人の中にはテロ対策特措法に基づく活動に従事し,在職中に自殺した海上自衛隊員2人が含まれている。

 テロ対策特措法に基づく活動に従事した自衛隊員,イラク特措法に基づく活動に従事した自衛隊員又は補給支援特措法に基づく活動に従事した自衛隊員のうち,在職中に自殺した者の数について,原因の別にお示しすると,病苦を原因とする者が0人,借財を原因とする者が6人,家庭を原因とする者が7人,職務を原因とする者が3人,精神疾患等を原因とする者が14人,その他が5人及び不明が21人である。
 
 防衛省としては,一般に,自殺は,様々な要因が複合的に影響し合って発生するものであり,個々の原因について特定することが困難な場合も多く,海外派遣との因果関係を特定することは困難な場合が多いと考えているが,防衛省においては,自殺の原因について可能な限り特定できるよう努めているところであり,このような観点を含め自殺防止対策については,今後とも強力に推進してまいりたい。
 
 (中 略)

 公務に起因して死亡した自衛隊員数は,平成27年3月31日現在で,陸上自衛隊員が1025人,海上自衛隊員が416人,航空自衛隊員が409人及び内部部局等(防衛省に属する機関のうち,陸上自衛隊,海上自衛隊及び航空自衛隊を除く。)に所属する自衛隊員が24人である。また,死亡の原因別でお示しすると,「車両事故」が353人,「航空機事故」が586人,「演習訓練」が394人,「艦船事故」が41人及び「その他」が500人である

 お尋ねの「自衛隊の任務及び訓練等の特性」と自衛隊員の公務に起因する死亡との関係については,自衛隊の任務及び訓練は多種多様であることから,一概にお答えすることは困難である。

 お尋ねの平成27〔2015〕年5月14日の安倍内閣総理大臣の記者会見での発言については,自衛隊発足以来,多くの自衛隊員が任務中に公務に起因して亡くなられているとの事実を踏まえ,自衛隊員はこれまでも危険な任務に当たっているとの認識の下,行ったものである。
  註記)http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b189246.htm
 
 軍隊内における死者の発生は,戦争・有事の事態になくとも,この組織の特性にもとづく活動様式を原因にして,どうしても一定の犠牲者(殉職者)を出さざるをえない。そう指摘しておくべき「特別の事情というか特有の危険性」に囲まれ,満ちた条件・状況のもとで任務・業務にたずさわるのが,軍隊という〈お仕事〉の特徴でもある。

 そうした軍隊的な事実じたいは,「善悪の判断」とはまた別の基準で受けとめ検討すべき案件(考慮されるべき基本的な要因)である。比較の材料として言及するとして,最近における交通事故死者に関する趨勢でいえば,交通安全対策の向上・徹底により死者数が減少してきているものの,老齢層の交通事故死が相対的には若干だが増加している。これは,軍隊組織の活動において発生する諸種の事故死とは次元の異なる問題を意味する。


 〔 2)「道新」の記事に戻る→〕 首相はまた「自衛隊は日ごろから日本人の命,幸せな暮らしを守るために苦しい訓練を積んでいる。こういう任務をこれからも同じように果たしていく」と強調した。

 だが,関連法案が成立すれば「非戦闘地域」に限定されていた他国軍への後方支援が,より戦場に近い地域でも可能になる。邦人救出や「駆け付け警護」などの任務で攻撃を受ける可能性は高まり,危険性は格段に増す。政府高官も〔2015年5月〕15日,「自衛隊の活動場所や内容は広がり,隊員のリスクは確実に高まる」と認める。

 憲法9条のもと,戦後,自衛隊員が戦闘で殉職した例はなく,野党は「今回の法整備によって,戦闘に巻きこまれて死亡する隊員が出かねない」と危惧する。専門家からも「首相は戦死者が出ても驚くことではないといっているようだ」「自衛隊員の殉職はやむをえないとも聞こえる」と批判の声も上がる。
 註記1)原文は,http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0134402.html
 註記2)引用は,http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/880.html

 ②「米軍の事故『またか』住民,不安訴え 沖縄,ヘリ炎上」(『朝日新聞』2017年10月12日朝刊38面「社会」)

 「またか」。沖縄県東村(ひがしそん)の牧草地で〔10月〕11日夕,米軍ヘリCH53が炎上した。昨〔2016〕年12月には,県が配備に反対しつづける輸送機オスプレイが県沖に不時着したばかり。度重なる米軍機の事故に,住民からは不安の声や批判が相次いだ。(▼1面参照)
『朝日新聞』2017年10月12日朝刊米軍へり墜落38面1
 現場の牧草畑を所有する西銘(にしめ)晃さん(64歳)は事故当時,少し離れた畑で牧草の刈りとり作業中だった。「音はなにも聞こえなかったけど,真っ黒な煙がモクモクと上がっていた」。

 すぐに駆けつけると,乗員の米兵7人が畑の脇で炎上するヘリをみていた。1人は女性だったという。「救急車を呼ぶか」と聞くと「基地に連絡した」と断わられ,「危ないから近づくな」といわれた。

 現場から2キロほど北の集落に住む高江洲フミコさんは「風が強かったので,『ヘリが落ちた』と聞いてどきっとした」とおびえた様子で語った。昨年12月には約20キロ離れた名護市沖にオスプレイが不時着,大破した。「今回は陸地。いつ自分たちの上に落ちてくるかと心配」と話した。東村高江に住む伊佐真次村議(55歳)は知人からの電話で事故をしった。車で現場に向かうと,米軍の大型輸送ヘリが旋回し,海水をくみ上げて消火に当たっていた。周辺には非常線が張られ,米軍関係者が警戒していたという。

 伊佐さんは米軍北部訓練場(東村,国頭村〈くにがみそん〉)のヘリパッドを高江に移設・集約する工事に抗議してきた。「普段から激しい訓練をやっている。起こるべくして起こった事故だ」と憤った。高江区長の仲嶺久美子さん(67歳)は,米軍機の事故の報道をみるたび,身近で事故が起きないかと不安を抱いてきた。「言葉が出ない。住民が作業をする場所なので驚いた。人命が無事でほっとしたが,ショックが大きくて……」。そういうと涙をぬぐった。
 補注)以上の記事は,日本の国土(領土である)沖縄県の土地の上で発生した「米軍ヘリ墜落事故」に関する報道である。日本国民たちは完全に「カヤの外」に排除されている構図になっているが,実は,日本政府も地方自治体も同じであるような,在日米軍に対する実際の「法的地位(まるで占領されている側の立場)」に置かれている。次段は記事の引用に戻るが,その点を報道している。

  ※ 地位協定の壁,度々 ※

 基地外での米軍機の事故では,日米地位協定が米軍の警察権を認めており,日本の捜査機関が現場検証できないといった事態がたびたび起きてきた。沖縄県警は,今回も現地に警察官を派遣したが,午後8時時点で警察による事故機の検証などは始まっていない。(画面 クリックで 拡大・可 ↓  )
  沖縄国際大学米軍へり墜落火事
  出所)http://www.city.ginowan.okinawa.jp/cms/organization/hk/archives/shobo4.JPG
  沖縄国際大学米軍へり墜落火事2
  出所)http://www.city.ginowan.okinawa.jp/cms/organization/hk/archives/shobo1.JPG

 2004年の沖縄国際大学ヘリ墜落事故では,米軍が現場一帯を封鎖し,県警は機体にいっさい手出しができなかった。その後,「米軍航空機事故に関するガイドライン」で現場規制の日米の分担などが定められ,米側が同意すれば日本側も捜査が可能になった。しかし,昨〔2016〕年12月に名護市沖で起きたオスプレイ事故では,海上保安庁の共同捜査要請に米軍が応じないまま,事故機は撤去された。
 補注)だから,安倍晋三君に対してはいつもこういっている。「戦後レジームからの脱却」とは,寝言以上に出ない夢想である。この首相が調子にも乗って,国会における与党絶対多数体制のもとで推進してきたのは,戦後体制などなにひとつ変えられない「対米従属国家体制にある」「この日本国」を,その中身だけに限ってみれば「戦前・戦中体制に戻してきた」。

 いいかえれば,すなわち1945年8月「以後の悪い点」と「それ以前の悪い点」だけとを,わざわざ切り出してきて,しかも癒着させるかたちで復活させた。この大きなお世話的な仕事は,一言で片づけていってしまえば,まさしく『愚の骨頂』であった。しかし,アメリカ側では大いに,この安倍晋三君の手腕を買ってくれている。以前,つぎの画像を紹介していたが,ここに再度かかげておく。

安倍晋三画像国難は私だ
出所)https://tr.twipple.jp/h/fb/0b/国難x演説.html

 アメリカにとってだけはお得である
そうした「悪の相乗効果」を,日本側の総理大臣安倍晋三がみずから献上しつづけてきた。アベ君がつねづね強調してもいるごとき「ふつうの国」でありたい,と思いながらこの日本に暮らしているつもりの人間であれば,そのような自国首相の対米〈一辺倒のゴマすり〉の基本姿勢は,まったき「売国奴」と呼ぶのがもっともふさわしい。この点は中学生に対してでも説明してあげれば,すぐに理解できる程度の問題であった。
 「▼ キーワード」 CH53とは大型輸送ヘリコプターで,垂直離着陸輸送機オスプレイなどとともに米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている。全長約30メートル,高さ約9メートル,最大55人を運ぶことができる。
    CH53米軍ヘリ画像
    出所)https://www.youtube.com/watch?v=-P5XTekScGE

 ③ 日米安保関連法体制下の日本を考えるための文献

 以下にかかげる文献は,アマゾンの広告にもなんども出してきたものがある。けれども,今日はこの本文中にその書名・出版所などもきちんと列記しておく。かといって,なんでもかんでも関連する本を,以下に挙げておくわけにもいかず,本ブログ筆者なりの「独断と偏見」仕様でもって,そのほんのごく一部だけを掲出し,紹介する。これらのうちから1冊でもアマゾンでも検索してみれば,関連するほかの諸文献が下部にぶら下がって出てくるので,いろいろと発見できるはずである。さらに興味のもてる本も探してほしいところである。

 1)矢部宏治の文献

  ※-1 『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』講談社,2017年8月。

  ※-2 『日本はなぜ,「戦争ができる国」になったのか』集英社インターナショナル,2016年5月。

  ※-3 『日本はなぜ,「基地」と「原発」を止められないのか』集英社インターナショナル,2014年10月。

  ※-4 須田慎太郎共著『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』小学館,2015年7月。
  補注)この本は意味深長である。「戦争をしない国の天皇明仁」の,それも21世紀のいまにおける「立ち位置」に対する,その本質的な分析は「おこなわない」本である。結局,天皇・天皇制「讃美」にしかなりえていない中身である。とすれば,この本よりも前にかかげた3冊の内容とは,根本から矛盾するほかない。

  ※-5 須田慎太郎共著『本土の人間は知らないが,沖縄の人はみんな知っていること-沖縄・米軍基地観光ガイド』書籍情報社,2011年6月。

              


 2)創元社公刊の
書物

  ※-1 末浪靖司『「日米指揮権密約」の研究:自衛隊はなぜ,海外へ派兵されるのか』「戦後再発見」双書6,2017年10月。

  ※-2 吉田敏浩『「日米合同委員会」の研究:謎の権力構造の正体に迫る』戦後再発見」双書5,2016年12月。

  ※-3 吉田敏浩・新原昭治・末浪靖司『検証・法治国家崩壊:砂川裁判と日米密約交渉』 「戦後再発見」双書3,2014年7月。

  ※-4 前泊博盛編著,明田川融・石山永一郎・矢部宏治『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』 戦後再発見」双書2,2013年2月。
  
  ※-5 孫崎 亨『戦後史の正体』 「戦後再発見」双書1,2012年7月。

              


 3)最近の著作
から

  中村尚樹『占領は終わっていない-核・基地・冤罪 そして人間-』緑風出版,2017年8月。

  山田 順『永久属国論』さくら舎,2017年9月。

  小川和久『日米同盟のリアリズム』文藝春秋,2017年7月。
 
小川和久画像3 補注)最後に挙げた小川和久の新著は,軍事分析の内容としては評価できるものがあるが,政治学的な視点からは問題がある。小川はいま〔晩年〕になっては,安倍晋三政権にすり寄っている研究者である。

 だが,これまでに関していえば,公平・中正・客観であるべき視座と主張に徹しようとしてきた小川自身の「学習・研究上の原点」は,この5年から6年のあいだに雲散霧消してきた。換言すると,識者としては本質面から瓦解した様子をうかがわせている。

 以前も断わっておいたように,小川和久にあっては軍事学をよく語る資格はあっても,政治学はまっとうに語れる力量をもちあわせていない。この彼に対する評言が本当にもつ意味は「クラウゼビッツに訊くもまでもない」点である。
 出所)右側画像は2017年4月,http://toyokeizai.net/articles/-/168121?page=2