【鎖国の精神状態を21世紀のいまにも生かしている日本国の実情は,「従軍慰安婦問題」や「日本相撲協会におけるモンゴル力士」の存在を介して,ずいぶん嫌らしいかたちで再確認できる】


 ① ネジが完全にはずれたか(?)「国家の運営そのもの」が弛みきっているこの国:日本

 昨日〔2017年11月27日〕夜,テレビの『NHKニュース』を視聴しだすと,いきなり日本相撲協会の横綱日馬富士「暴力事件」から報道をはじめだした。

 国会で審議しだした「モリ・かけ」両学園問題よりも,たかが「国技中のモンゴル力士暴力沙汰」のほうがよほど「国家にとって大事件」という報道態勢である。呆れて視聴する気もなくなった。本日〔11月28日〕の新聞朝刊で活字で拾ってみればよいということで,テレビのそのニュースは途中で切った(⇒他チャンネルへ移動)。

 本日の『日本経済新聞』朝刊7面に掲載されたインタビュー記事「〈モネータ 女神の警告キーパーソンは語る〉 物価観,家計と日銀ズレ」で,慶大教授白井さゆりは,「アベノミクスの不成果」に関して,こう指摘している。回答の文句のほうのみを適宜に拾いあげて引用する。

 イ)「日銀はデフレマインドが根強いと主張する。しかしそもそも日本は物価が下がりつづけるデフレスパイラルではなかった。調査をみると,家計は物価が上がっていくと答えている。物価が上がって支出が増え,可処分所得が落ちたと感じている。政策金利の水準をとり戻すために2%のインフレを望む日銀とは分断が広がっている」。

 ロ)「みんな不思議に思っている。なぜ高い成長率でも物価が上がらないのか。グローバル化が進み,自国の環境だけで賃金を上げられなくなったことや,技術をもつ人とそうでない人で二極化が起きた点も影響している」。

 ハ)「ただそれだけではない。たとえば不動産価格の上昇はバブル期と違い,都市部など局所的にしか起きていない。金融機関に聞くと,世界的に株式投資は配当狙いが増えており,値上がり期待が薄い。経済成長が今後もつづいていくという期待感が低いのではないか」。

 ニ)「欧州も資産買い入れの縮小を始めるが,金融正常化へのペースは非常にゆっくりだ。高齢者の年金資産は利回りが低く,受給者はむりやりリスクの高い投資に乗り出している。『もう超金融緩和はやめてほしい』という声は欧州でも多い」。

 ホ)「金融緩和の効果はその国だけでなく,世界全体に波及して低金利が広がっている。実体経済が成長しているのは新興国なのに,金融政策は先進国が主導している。そこにも無理がある。新興国からすると,資本の流出入が先進国の政策に左右されてしまう」。

 ヘ)「金融緩和は為替が目的のようになってきた面もある。通貨安を誘導しようと政策金利を引き下げる動きにつながる。G7は為替介入しか言及しないが,自国のことだけを考えると全体の利益を損なう。まるで『囚人のジレンマ』だ」。(引用終わり)

 要は,日本経済とて,世界経済(国際経済)全体との広い・深い関係をもったなかでの判断を要する経済運営をおこなっている。アベノミクスの単純な発想でもって,一国内の経済のやりくりがどうにかなると勘違いする以前の,もしかすると「経済学のイロハからして無知な政治家」が,もしかするとまた「多分,経済学のABCは知悉しているはずの経済学者や高級官僚」にたぶらかされてなのか,あるいはその両者の共犯関係かはよく識別できないけれども,「ありえもしない・できもしない」経済政策を,それも自分の名字を冠してアベノミクスだなどと,恥じらいもなく名のっていた。

 同志社大学の経済学者浜 矩子が即座にであったが,それもほとんど罵倒に近い批判:「アベノミクスはアホノミクスだ」を浴びせていた。経済学の基本知識では常識論的に理解できるはずの,つまり単なる「ウソノ(フェイク)ミクス」でしかない,日本経済政策:アホノミクスの推進であった。結局のところ,当初において実現を目論んでいた具体的な成果は,なにも挙げえていない。いまとなっては,アベノクライシスとしての「ダメノミクス」性ばかりが,めだっているしだいである。

 とりわけ,庶民の立場にとってみれば,「物価が上がって支出が増え,可処分所得が落ちたと感じている。政策金利の水準をとり戻すために2%のインフレを望む日銀とは分断が広がっている」事実は,たとえば,食料品でも海産物小売価格の高騰をみせているマグロやサンマ,サバ,イカなどが,庶民の食卓からは縁遠くなっていることからも実感できる。
      安倍晋三夫妻結婚写真
   出所)説明不要,https://pinky-media.jp/I0017379
 安倍晋三のような為政者に向かい庶民の食卓の話題を出しても,おそらくなにも分かるまい。女房の昭恵(父は森永製菓社長を務めた松崎昭雄)も同列であって,それも能天気にはしゃげる1人でしかない。アベノミクスの提唱者であるらしい安倍晋三当人は,女性(主婦など)のパート労働に対する「月の報酬(収入)が25万円とすれば」などと仮定できるほどに,経済問題については「無知人」であった。

 しかも,この人が日本経済を国会の場で「アベノミクスの成果ウンヌン(でんでん)」を語ってもくれるのだから,もう悲喜劇こもごもなどといった次元を突き抜けてしまい,ほとんど異常(怪奇?)現象の世界になってもいる。観方にもよるが人によっては憤激さえ買うような,完璧なる「バカの壁」じたいになっているのが,この「首相夫婦の実像」だともいえる。念のためいまいちど断わっておくが,このうちの夫が日本国総理大臣である。

 ② 自国民をバカにしている安倍晋三夫妻が「国家にとっての〈バカの壁〉」そのものである現状・実情,これほどにまで人びとをコケにする首相とその妻
   -「安倍昭恵氏の講演で笑う人たち  国会で説明をしたらどうか『今年は学校でいろいろ』あったことを」(『弁護士 猪野 亨のブログ』2017年11月26日 14:47)-

 弁護士の猪野 亨が一昨日,この題名をかかげる文章を書いていた。日本というこの国家を指導する立場,その重い任務を背負っているはずの安倍晋三とその妻が,自国を完全にみくびる行為・言動を恥じることもなく,盛んに記録しつづけている。このような夫婦の存在をしかたなしにでも許すほかない国民たちの側にも,一定の責任がある点は重々意識してうえで,この猪野の批判を聴くことに

 --安倍昭恵氏がいまだに講演に招かれていることじたいに驚きました。民間団体主催のシンポジウム「第1回世界こどもサミット2017」だそうです。なぜ,この時期に安倍昭恵氏を招くのかというそのことじたいに,いかがわしくしかみえてきません。この「サミット」ですが,ユーチューブもアップされているようですが,はっきりいってなにをやっているんだか,まったくわかりませんし,ホームページをみてもよく分かりません。
 註記)ユーチューブ;https://www.youtube.com/watch?v=V4R22t0rZzk
    ホームページ;http://kodomo-summit.com/

 疑惑の渦中の人を招いて,いったいなにをしたいんだろうと思いますが,それよりも安倍昭恵氏は「今年は学校でいろいろ」といって会場から笑いを誘っただそうです。
 註記)「『今年は学校でいろいろ』=昭恵氏,森友には言及せず」(『時事通信』2017年11月23日)

 「学校法人「森友学園」が開学を予定していた小学校の名誉校長に一時就いていた昭恵氏は,学校教育について発言を求められ,「今年は学校のことで,いろいろございました」と述べ,会場の笑いを誘った」〔ということであった〕。

 この「今年は学校のことで,いろいろございました」で,笑える人たちってなんだろうと思う。説明責任を果たさず,安倍政権のなかで汚い部分を作り上げた張本人であるにもかかわらず,そういった人を招くだけでもどうなのかなと思うが,会場では笑っているというのです。

 いったい,どういう人たちが笑っているのでしょうか。多くの国民が安倍氏の説明ではわからない,説明責任を果たせといっている中で,このような国民を小馬鹿にした発言をした安倍昭恵首相夫人に,笑いで返すとは,会場参加者も一体となって国民をあざ笑っているようなものです。

 以前も安倍氏本人が,芸能関係者を集めた「桜を見る会」とやらで,「風雪に耐え」などと国民を小馬鹿にした発言をして,参加していた芸能人が笑うなどということがありましたが,まったく同じ構図です。国民をバカにしているのです。
猪野ブログ2017年11月26日画像
  出所)本文から。

 ところで,安倍昭恵首相夫人が名誉校長に就任していた森友学園ですが,籠池氏が命名した学校の名前は「開成小学校」だったようです。開示された文書のなかで判明しました。それについては以前,朝日新聞などが籠池氏に対する取材から「安部晋三記念小学校」と命名されていたと報じていました。
 註記)「朝日が森友学園の設置趣意書を報道」「籠池氏の証言で『安倍晋三小学校』」と釈明」(『産経新聞』2017年11月25日)

 この朝日新聞などの報道を虚偽報道だなどという人たちがいますが,どこまで歪んだ見方しかできないのだろうと思います。当時,文書は非開示(黒塗り)だったものを,命名した本人である籠池氏から取材して報じていたのですから,なんの問題もありませんし,むしろ隠し立てをしていたのは政府側です。しかも,これだけ開示が遅くなっているのですから,それだけで開示文書にもいかがわしさがつきまといます。
 補注)この点はいずれ,籠池泰典夫婦などにも確認すればよく,真実が判明するはずであるし,籠池夫妻の娘たちもその実名をしっているはずである。

 安倍氏も安倍昭恵首相夫人も本来,出席すべきところには出席もせず(もちろん国会のことです),みずからの説明責任は果たしていないのに,それ以外のところでは,いいたい放題で国民をバカにしているなどということが許されようはずもありません。

 私たちは,安倍夫妻にバカにされているのです。そのとり巻き連中も私たちを嘲笑っているのです。
 註記)原文住所,http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-3152.html
    引用箇所,http://blogos.com/article/261361/

  安倍晋三の馬鹿さ加減にみごとに合致していっしょに唱和し,騒ぎ,はしゃいでいる人びとがいる。国民・有権者たちの意思を本当には体現させていない,この日本国首相になるべく阿ねていたほうが得だと考える者たちが多いことは,いたしかたない事実である。誰でもそのように行動したがるからである。だが,こうした実に暗愚で無知な首相と大衆たちが織りなす「日本の政治」の堕落ぶりは,一筋縄では抑えきれないほどの惨状を呈している。国家体制そのものが “バカの壁「化」” しつくしている状態になってもいる。

 安倍晋三はだからか,いま開催中の国会では与野党の質疑応答時間配分を変えさせ,自分にとって不利が状況が生まれないように必死になって防御している。「衆院予算委の質問時間は慣例で『与党2対野党8』だったが,衆院選で大勝した与党が『5対5』を要求。厳しい交渉のすえ,今回は『与党5時間,野党9時間』で決着した」(『朝日新聞』2017年11月28日朝刊2面)。

  与党議員の質疑はまるでインタビューでなければ,幇間の太鼓もち的な演技にしかなっていない。前回衆議院でも自民党の有権者に対する絶対得票率は4分の1しかなかったのだから,この比率をそのままに反映させる質問時間の配分は「与党1対野党3」でいいはずである。もっとも,与党は事前に議事に目を通して吟味・検討しておく余裕が十分にあるゆえ,「与党2対野党8」という比率が措置されていた。安倍晋三は「モリ・かけ」両学園問題に関しては,よほど都合の悪い事情が秘めているのだと推理されるほかなく,そのところの「痛い腹」は絶対にさぐられたくないのである。

 ③ 日本の生産性問題

『日本経済新聞』2017年11月27日生産性問題 1)『日本経済新聞』の生産性問題特集記事
 『日本経済新聞』が昨日〔11月27日〕から生産性の問題を大きく特集記事的に報じている。最初のその日の題名は「〈生産性考危機を好機に〉(1)成長か衰退か 人手不足 飛躍のバネに」であった。ここにかかげられていた図表を右側に引用しておく。

 2回目の今日〔11月28日〕のその題名は「〈生産性考危機を好機に〉(2)週3日休む旅館 非製造業こそチャンス」。ここでは chance ということばが出されている。ここにかかげられていた図表を下に引用しておく。
 『日本経済新聞』2017年11月28日1面生産性問題
 以上,要は「いまの危機」を「これからのチャンス」に変えねばという危機意識が語られている。アベノミクスがとりくんでいるはずの,こうした日本の経済・産業・企業が対峙している課題,それも「生産性の問題」だと安倍晋三がこのアホノミクス流に強調してきたものは,「3・11」復興工事関連で潤っている一部の土木・建設領域をのぞいては,からっきし「いまだに冴えない」状態のままである。
 
 アベノミクスという空っぽの経済政策は,進軍ラッパの騒音だけはやかましくたてられたものの,実際的な効果は “いまだし” というよりは,もともと無理筋の期待であった。例のトリクルダウン効果の虚偽は,経済の現実そのものが証明してきた。

 2)藤本隆宏・東京大学教授「〈経済教室〉日本の製造業,大丈夫か(上)現場力低下の指摘は早計 原因分析と対策複合的に」(『日本経済新聞』2017年11月28日朝刊) 
 この「ものづくり問題」研究の第1人者藤本隆宏による議論を紹介する。この記事の冒頭から3分の1ほどを引用する。その前に最近における日本の産業界では,どのような事象(事件)が起きていたか,少しだけだが復習しておきたい。

 2017年11月中旬の時点でこう指摘されていた。日本の製造現場が揺らいでいる。神戸製鋼所や日産自動車,SUBARU(スバル)といった日本を代表する大企業で,不祥事が相次いで発覚した。2015年には東芝の大々的な会計粉飾事件が発覚し,その後しばらく世間を騒がせてきた。
   ここでは挿入するかたちで,今〔2017〕年の2月時点における関連の記事も紹介しておく。

◆ 今回もお辞儀謝罪が紙面に 東芝,三菱……相次ぐ日本
企業の不祥事を欧米メディアはどう報じているのか ◆

=『ZUU online』編集部 2017/02/28 =

 東芝は2015年7月にも,水増し会計上げ騒ぎで欧米メディアを騒がせた。当時ファイナンシャル・タイムズ紙は,2011年のオリンパス事件(不透明なM&Aで生じた巨額の損失を10年以上明るみにださす,負債を粉飾決算で処理した事件)を引き合いにだし,「日本企業の評判を落とす最大のスキャンダル」と報じた。

 また東京商工リサーチのデータにもとづき,2015年度から2016年度だけでも58件の会計不正行為が日本企業で発覚したことを指摘。オリンパス事件以降改善がみられるどころか,2倍に悪化している」と批判すると同時に,日本政府によるコーポレート・ガバナンス体制への疑問も唱えた。

 その後2016年,2017年にかけて,電通社員の過労死,三菱自動車による2度のリコール隠し・燃費データ改ざんなど日本企業の不祥事が相次いで海外を騒がすことになる。

 再び問われる日本のコーポレート・ガバナンス改革。海外メディアが大々的に報じた日本企業のスキャンダルは,過去にも多数存在する。2013年のみずほ銀行暴力団融資事件(2013年),日興コーディアル粉飾決算事件(2007年),山一證券の不正会計・破綻事件(1997年)などだ。

 今回の東芝の不祥事も含め欧米の受けとめ方で共通しているのは,「日本企業に根づく古い組織体質」「縦割社会」といった組織風土に対しての違和感だ。「強い指導者の欠落」「閉鎖的経営体制」などの表現も聞かれる。

 近年の日本企業による一連の不祥事は,「アベノミクス第三の矢」であるコーポレート・ガバナンス改革が正常に機能していない現状を,世界中にしらしめたことになる。コーポレート・ガバナンス改革に積極的にとり組んできたとされる東芝ですら,根本的な腐敗は改善されていなかった。腐った土台に築いたものは,どれほど頻繁に応急処置を施したところでいずれ崩れ去る。
 註記)https://zuuonline.com/archives/140998 
 経済界・実業界では,国際的な産業経営に問題次元が移動したかっこうで企業活動を展開しているゆえ,基本的なごまかしが潜在化させられていても,いつかはバレる日を迎える可能性が高まってもいる。ところが,日本の政治は国内に留めてゴマカシつづけることが可能でもある。ただし,アベノミクスは世界経済には通用しない国内経済の実態を,それこそ過不足なくあますところもなく教えている。「アベノミクス第三の矢」などは継がれたことはなかった。

 〔ここから藤本本文の引用に移る ↓  〕
 日本の一部の製造大企業で,品質保証部署によるデータ改ざんや無資格者検査などの逸脱行為が相次いで発覚している。むろん,契約や法規の不順守はあってはならぬことであり,徹底した原因調査,影響調査,再発防止策の構築が必要である。

『日本経済新聞』2017年11月28日朝刊生産性問題図表 個別案件はなお調査中なので今回は言及しないが,一般にこの問題の深層構造は複雑であり,逸脱発覚の当事者企業のみならず,製品安全にかかわるすべての企業,監督官庁,言論界など広範囲の組織体が緊張感をもって対処する必要がある。

 対応を誤れば,日本製品全体の品質に対する根拠なき不信が世界市場に広まり,せっかく長期的に回復基調にある日本の優良な産業現場の競争力をも毀損しかねない。そこで本件の事実認識⇒分析枠組⇒対策提案の3段階で筆者の所見を述べる。

 まず,正確な事実認識が必要である。今回起こったのは,「日本の一部の製造大企業の品質保証部署で長期間続いていた,製品の品質不良や安全問題につながる可能性のある,法規・標準・契約などに対する逸脱行為が,最近になって相次いで発覚した」ということだと筆者は考える。つまり,品質不良が最近にわかに発生したのではなく,長期間続いていた逸脱行為が最近になって発覚したのである。当然「逸脱行為=品質不良」とは即断できない。

 だからこそ,その間の長期的な因果関係について徹底的な調査が必要である。この点,発生と発覚,長期と短期を混同した言説が一部にみられるが,適切な対処には正確な状況把握が必須である。

 つぎに,多面的な原因分析と影響分析が必要である。ここでは「ものづくり経営学」の枠組みを援用する。ものづくりとは「顧客へ向かう付加価値の良い流れ」を作る現場活動であり,良い流れを統御する一群の組織ルーチン(手順)の束を「組織能力」という。よって,守るべきルーチンを守らぬ逸脱行為は,組織能力の毀損でありうる。

 一方,結果としての流れの良さを「競争力」と呼ぶ。競争力には,顧客が主観的に評価する「表の競争力」と,現場で客観的に測定する「裏の競争力」がある。顧客の品質不信は前者の毀損,製造物の品質不良は後者の毀損である。まずこうした因果構造の全体像の把握が大事である。

 そこで原因系の組織能力と,結果系の競争力について,今回の問題の因果構造を考えてみよう(前掲の図を参照)。まず,原因系の逸脱行為に関しては,(1)  発生,(2)  継続,(3)  発覚を俊別した複合的な原因分析が必要だ。一方,結果系では,(4)  逸脱継続に起因する品質不良は生じなかったか,(5)  逸脱発覚によって顧客や社会の品質不信が生じる可能性はないか,についての影響分析が必要である。(引用終わり)

 要するに,こうした経済運営・産業経営の問題は失敗を明晰に分析し,的確に概念化したうえで,これに対する対応・改善をほどこす必要性が説かれている。昔風の概念でいえば,「計画⇒執行⇒統制⇒対策」の管理過程を応用した,それも高度に総合的な思考方式を提示していた。

 とはいっても,政治・行政の問題領域ではこれを解明するさい,政治力学が全面に出てしまい,まさしく安倍晋三が必死になって「しっかり・テイネイ」に隠蔽してきた事実を究明することは,非常にむずかしくなっている。国会における質問時間を変更させ,野党に質問をなるべくさせたくないとした安倍の根性はみえみえであった。

 ④「井の中の蛙」である日本の政治家たち

 1)「サンフランシスコ市の慰安婦像は日本を貶めると大阪市と日本政府が抗議するのは,オランダや日本のアンネフランク像はドイツを貶めるとドイツ政府が抗議するようなもの」(秋原葉月稿『BLOGOS』2017年11月27日 07:17)。

 引用するこの記述は,安倍晋三君が蛇蝎のように嫌っている歴史問題,すなわち「旧大日本帝国史」が歴史のなかに実際に記録してきた「従軍慰安婦問題」に関した議論になっている。現在,日本国の「国内次元における経済問題」が円滑とも順調ともいえななかで,それとともに「国際政治に立ちむかうための国内事情」が「日本側に特殊な問題状況」(偏屈さ)を固めさせている事実も気になる。

 すなわち,従軍慰安婦問題に対する自民党的な極右政治家たちの観念・意識は,非常に強く否定したがっているし,その気分をいたずらにも横溢させている。しかも,この気分を「国内に普及」させたがっている。けれども,その気分に対しては,まったく正反対の「国際世論」が対峙している。従軍慰安婦問題をめぐる国内外の立場・見解についていうと,日本があまりにも「国際・世間しらず」のままである実情ばかりが目立っている。

 〔ここから,秋原の記事を引用する ↓  〕
 日本政府と大阪市は,また海外に向けて,日本は歴史修正主義とレイシズムと女性の人権蹂躙の国である,と公式に発表する事態となった。

 a) そのひとつめは,大阪市の吉村市長が「慰安婦は公娼であって性奴隷ではない,サンフランシスコ市が民間団体が設置した慰安婦像の寄贈を受け入れるのは日本を貶めることだ」と激怒,寄贈を受け入れれば姉妹提携を解消すると息巻いていた件である。

 サンフランシスコ市議会が全会一致で慰安婦像の公共化を決定し,リー市長も署名,姉妹都市提携は解消される運びになった。そもそも,慰安婦像寄贈の一件に関して大阪市はまったく関係がなく,完全な部外者であった。それなのに,一方的に逆上して噛みつくのでは,まるで狂犬,大人のやることではない。

 それも,「市長個人の歴史観」に反していて気にくわないという,これまた個人的で身勝手な理由で,60年築き上げてきた姉妹関係を帳消しにするなんて,控えめにいって公私混同・職権濫用である。
    サンフランシスコ市慰安婦像設置画像
  出所)https://www.excite.co.jp/News/it_g/20171127/Buzzap_46235.html
 吉村市長はリー市長に面会を要請していたのですが,なんとリー市長が「交渉,議論の余地はない」と面会を拒否した。ネオナチのような歴史修正主義者とは交渉・議論の余地はない,というのはいわば国際社会での常識である。つまり,日本で二番目に大きな都市の市長がネオナチ同様の歴史修正主義者であり,論外だ,姉妹関係を解消したいんなら勝手にしろ,と見放された。なんという恥さらし。

 しかしもっと恥さらしなことに,安倍首相みずからがリー市長に慰安婦像の受け入れ拒否するよう申し入れていた。安倍首相も管官房長官も「わが国政府の立場と相いれずきわめて遺憾」と述べている。

 大阪市と日本政府が敵意をむき出しにするこの慰安婦像は『性奴隷であった女性たちに捧げるためのものであり,現在でも続く世界中の性暴力や人身売買の撲滅運動を支持するためのもの(碑文の日本語訳より)』なのであるが,それが「わが国の立場と相容れない」とは・・・。

 自分の国が熾烈な性暴力振るっておいて,その被害者を悼むのは許さないというのは,凄まじいものいいである。

 ここでサンフランシスコ市議会での公聴会をみてみたい。大阪市長と日本政府の主張は「恥をしれ」といわれた日本人参加者と同じである。それでは,全会一致にもなる。日本政府は,以前もボロ負けしたグレンデール裁判でも「わが国の立場と相容れない」との意見書を提出していたから,世界は,日本はネオナチ同様の歴史修正主義国であるとの認識をいっそう強めた。

 だいたい「日本軍の関与のもと,大勢の女性に筆舌に尽くしがたい深い傷を負わせたことを誠心誠意反省し,お詫びする」という河野談話が,政府の公式見解のはずなのに,吉村市長や日本政府の言動は明らかに政府公式見解とは矛盾しており,非難に値する。

 ところが,国内のメディアは「慰安婦像は日本を貶める,慰安婦は性奴隷ではない」という吉村市長や政府のいいぶんを一方的に垂れ流すだけである。これだから歴史修正主義が「正史」として浸透していってしまうのである。慰安婦が性奴隷であったという事実は世界の常識。その常識が通じないのは日本国内だけである。まるで日本国内だけ “時空がゆがんでいる” ようである。

 歴史修正主義者達は国内と同じように海外でも「歴史戦」を挑んできたが,ことごとく敗北してきた。当たりまえであって,醜悪な歴史修正主義が国家に主導され幅をきかせているのは,日本国内だけである。しかし,国内でえられる成功体験のせいか,きっと勝てるはずだと思いこんでは「歴史戦」を繰り返す。日本が “醜悪な歴史修正主義とレイシズムの国である”ことは,ますます周知されていく。

 ワシントンポストにも,こう書かれてしまっていた。
 ※-1 hiroshi ono @hiroshimilano 世界中の人が読むワシントンポストで「日本人は非常に海外からどうみられているかに敏感だ。そのため20万人の女性が強制的に働かせられたことを史実と認めず,その汚点を消そうと努力している。しかし逆にその行為で新たな汚点を残しつつある。」と恥をさらしています……。
 註記)http://wapo.st/2yfvx6G?tid=ss_tw&utm_term=.e295d20d2bdb … 23:01 - 2017年11月23日

 ※-2 Hiroshi Takahashi @SeroriHitomi ワシントン・ポスト紙「日本はなぜ植民地時代の慰安婦像設置とのたたかいに負けるのか?」「皮肉なことに日本政府が怒れば怒るほど慰安婦像は拡散する。彼らが像に固執すればする程世界の平和活動家を刺激するのだ」。維新のバカ市長,ちゃんと読めよ,これw。
 註記)https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2017/09/21/why-japan-is-losing-its-battle-against-statues-of-colonial-era-comfort-women/?utm_term=.83af5eafda8b … 22:27 - 2017年11月23日 
 b) そして,そのふたつめを指摘する。自分で自分のクビを絞めている愚かな日本政府がある。官房長官はサンフランシスコ市の件に続いて,韓国政府が8 / 14を元慰安婦の日と制定したことに,「きわめて強い違和感を覚える」と述べ,2015年の日韓合意の趣旨,精神に反すると韓国側に抗議した。これは1日でダブルであった。

 ちなみに前日には,自民党竹下〔亘〕氏の「LGBTは宮中晩餐会に出席するな」,自民党山本氏の「なんであんな黒いのが好きか」という差別発言があったことが報道され,もう,なんという情けない人権後退国かと。

 日韓合意は見直されるべきと考えているが,それでも,元慰安婦の名誉と心の傷の回復事業を日韓両政府でおこなうべし,という日韓合意を忠実に守っているのは韓国の方であり,違反してるのは明らかに日本の方だとはっきりいえる。

 けれども,マスコミはこの件に関しても,韓国は合意を反故にしているという政府の宣伝を無批判に垂れ流し,韓国を合意を守らない悪者に仕立て上げている。本当にマスコミが「歴史修正主義やレイシズムの浸食を手伝っている」とひしひし感じる。

 河野談話という日本の公式見解に従い日韓合意を忠実に実行するなら,海外にも慰安婦像が建てられることで,戦時性奴隷という負の遺産を後世にしらしめることに協力し,国内にも慰安婦像を建て,同じ過ちを繰り返さないためのメモリアルとすべきである。

 ドイツだってホロコースト記念碑を国内に建てているではないか。もしドイツが,オランダや日本や建てられたホロコーストの象徴であるアンネフランク像に対し,撤去せよと抗議したら,どんな国際問題になると思うか? 日本がいま,慰安婦像に関しておこなっている恥しらずな態度は,まさにそれである。

 先日しったが,「安倍首相は歴史修正をするな,歴史を直視しろ」と世界の歴史家から暗に警告されていたようである。実に恥さらしな首相である。
 ※-3  spark @Yonge_Finch 糞馬鹿無知蒙昧たちは,慰安婦問題について,世界の日本研究者ら187人が,こんな共同声明出したことも覚えてないだろうな。慰安婦問題が海外でニュースになるときに,メインストリームの歴史家の見解として,何万人に及ぶ女性たちが性奴隷にされたというのが常識だから。
 註記)http://m.huffingtonpost.jp/emi-koyama/historical-revisionism_b_7253936.html … 12:44 - 2017年11月25日
 世界の日本研究者457人が慰安婦問題に真摯にとり組んできた「日本の歴史家を支持する声明」を発表(NAVERまとめ)。リンク⇒ https://matome.naver.jp/odai/2143098078343489001

 海外からの批判は高まり,それに反比例するようにどんどん内向きに「日本は正しかった,慰安婦は売春婦だ」と歴史修正主義を加速させるなら,日本は孤立しやがて,国連から脱退した戦前と同じ道をたどることになる。
 註記)http://blogos.com/article/261443/
 補注)もしかしたその事態こそが,安倍晋三君のこだわる「戦後レジームからの脱却」を意味しうるのかもしれない。

 ⑤「ついに横田早紀江さんも “圧力一辺倒” の安倍外交に異論」(『日刊ゲンダイ』2017年11月23日 09時26分)

 もう,ガマンの限界なのだろう。横田めぐみさんの母・早紀江さん(81歳)が,安倍首相の “北朝鮮外交” に異を唱え,波紋を呼んでいる。“圧力”一辺倒の安倍首相に対し,「金 正恩とケンカじゃなく話し合いをして欲しい」と注文をつけたのだ。ほかの被害者家族も〔11月〕21日,「安倍首相に訪朝して欲しい」と声を上げている。さすがに,いつも口先だけで成果ゼロの安倍首相に不信感を強めている。
 註記)https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/218122

 安倍晋三はトランプの尻馬に乗れた気分になって,北朝鮮に対する圧力をかけていたつもりである。だが,アメリカ・中国・ロシアがあれこれ画策・駆け引きするなかで,いいかえれば,圧力も対話も同時に混合的に使いわける外交をおこなっている各国のなかで,対話を実現させるための手がかりすらなにももちあわせない日本の安倍晋三君に限って,それも口角泡を飛ばすかのようにして「必死になって圧力,圧力……」だと,しかも完全にバカのひとつ覚えに復唱している。

 北朝鮮による日本人拉致被害者の家族たちは,安倍晋三の愚策でしかない圧力一辺倒の「対北朝鮮政策」に疑問を投じており,もういい加減にしてほしいと感じるようになった。しかし,いまの安倍「首相」に北朝鮮に対して講じられる新手があるかといえば,以前からそうであったが,正直いってもともと手詰まり状態でありつづけてきた。安倍はだから「圧力,圧力……」とだけ,吠えつづけてきた。彼にできることはそれしかなかった。あとは,北朝鮮のミサイル脅威も大いに国民たちに強調・誇張して,自分への支持を獲得できればよかった。

 --ここで話題を大きく変える。大相撲の11月場所では優勝した白鵬が表彰式の場で,みずから「万歳三唱」を提案・発声し,観衆からの唱和もえていた。この話題は,本日の記述で最初に触れた付近に戻ってもいる。これについては『livedoor' NEWS』に掲載された,つぎのデラックス・マツコの感想を紹介するが,ここでは要点だけ引用しておく。
   マツコ・デラックスが〔2017年11月〕27日の番組で,白鵬の万歳三唱について見解を述べた。九州場所で優勝した白鵬は,みずから音頭をとって万歳三唱し,批判されている。マツコは,観客に対しては「すごいサービスになった気がする」と語った。
 註記)http://news.livedoor.com/article/detail/13948119/
 さて,以下に記述する出来事は,記憶する人も多くいるはずである。

 1)「敗れて観客が万歳 / 白鵬の葛藤」(2015年1月27日8時51分 『日刊スポーツ』紙面から)
 大相撲初場所で史上最多33度目優勝を全勝で飾った横綱白鵬(29歳=宮城野部屋)が〔2015年1月〕26日,審判部を痛烈批判した。東京都墨田区の宮城野部屋でおこなわれた一夜明け会見で,とりなおしになった13日目の稀勢の里戦について言及。納得いかない様子で「子供がみても分かる。なぜとりなおしになったのか。2度とないようにやってもらいたい」などと,異例の注文を付けた。

 ◆-1「2013年九州場所〔11月〕14日目稀勢の里戦」
 初日から13連勝で迎えたが上手投げで敗れて観客が万歳三唱(下掲の画像参照)。「正直,あの雰囲気にビックリした。いままで自分に万歳してくれる人はいたけどね,優勝したときに。でも負けたときは初めてじゃないかな。でも,ちょっとうれしかった。自分が負けることを喜ぶっていうのは,そこまで強くなれたのかっていうことでもあるので」。
2013年九州場所14日目稀勢の里白鵬に勝つ万歳
出所)http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-3108.html
20131126白鵬稀勢の里に敗ける観衆万歳
   出所)http://sankei.jp.msn.com/sports/news/131123/mrt13112320000001-n1.htm → http://b-co811.hatenablog.com/?page=1385910000

 ◆-2「2014年名古屋場所」
 時間前の汗拭きが不十分で間接的に注意を受け,「汗が多いときには拭いているつもりだったが,気づいていないときもあったのかもしれないな。懸賞だって人間だから自然と力が入ってしまうときもある。反省はしないけれど,おとなしくやらないと」。

 ◆-3「2015年初場所6日目遠藤戦」
 仕切り中から遠藤コールが沸き起こるなか,張り手,かちあげと厳しい攻めで勝利。「燃えるという意識はなかったけど,どっかにあったんでしょうね」「(コールについては)もう別に。もう慣れたよ。ファンは人それぞれだから」。
 註記)https://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20150127-1426847.html

 2)「『白鵬が敗れて観客が万歳』 デーモン閣下が相撲ファンを一喝した言葉が重かった」(『COROBUZZ 何気なく転がっている情報を価値あるものに!』2017-07-25

 好角家として知られるデーモン閣下。7月24日放送のNHK総合「クローズアップ現代+」に出演し,白鵬の1050勝について,「遠い異国からやってきたやせっぽちの少年の血と涙と汗の結晶でしょう。数字だけではない,偉大なものを秘めている記録」と賞賛しました。

 番組ではつづけて『白鵬・前人未到 “国技” 支え続けて』が放送され,日本の相撲界を支え続けてきた白鵬の立場をフィーチャー。不祥事で存亡の危機に瀕したとき,客足が遠のき空席が目立つ本場所,白鵬は勝つことで横綱の威厳を示し大相撲を支えます。しかし,強すぎる白鵬に対するファンの目線は変化。日本出身の横綱力士・稀勢の里との取組みでは,白鵬が敗れて観客の万歳。相手への大声援。
       「感謝しなければならないのは日本人の方でしょ」

 ※-1  Saitoh Masaya @MS3110  最後のデーモン閣下の言葉が重かった。「あんなにブーイング受けても横綱で居てくれてる白鵬に日本人は感謝しなければ。白鵬が稀勢の里に負けたときに万歳三唱とは。北の湖にだってそんなことはなかった。イチローがアメリカでひどい扱いされたら悲しいじゃない」。 
 註記) #nhk #クロ現プラス 22:32 - 2017年7月24日

 ※-2  ジャド熊 @jadorekuma  デーモン閣下がゲストで良かった。白鵬への観客のひどい態度を強過ぎるからだというアナウンサーに対して,日本人横綱が強いからといって負けた時に万歳されたか? イチローに対してアメリカでそういう反応されたら悲しいですよね? とそこに差別的視線があることを指摘。ありがとう。
 註記)#クロ現プラス 22:30 - 2017年7月24日
 「あれだけ相撲界が苦難のときに,一生懸命屋台骨を支えて頑張ってきた白鵬に,ファンはああいう態度かよ。吾輩はやっぱ日本人に了見の広い気持で白鵬のことみてやらないといけないと思う」。

 「北の湖がいくら強かったからといって,負けて万歳は出ませんでしたよ。イチロー選手がメジャーリーグでなにかやったときに,ブーイングが起きたら悲しいわけですよね。そういうことを思って,相撲をみていかないといけないんじゃないかな」。
 ※-3 チョコビスケ @_Choco__Biscuit 返信先: @MS3110 @myfearyさん  白鵬は偉大な横綱だと思います。記録だけではなく,心技体揃って。海外から来て日本の相撲界を牽引してきてくれた人です。モンゴル勢の活躍が目立つからといって,それを憎し思う感覚はどうなのだろう。むしろ日本の相撲界の抜けた穴を埋めてくれている,ありがたいとさえ思っているのですが…。
  註記)http://corobuzz.com/archives/101652 10:05 - 2017年7月25日

 ※-4 io302 @io302  モンゴル人やアメリカ人横綱が欲しくなければ,はじめから相撲協会で「日本人に限る」っていう資格を作ってればいい話。ただ,そんなことしてたら小錦も曙も,朝青龍も白鵬も存在しないから,ずいぶん前に相撲じたい消滅してたけどね。
 註記)https://twitter.com/MS3110/status/889478275768098816 7:52 - 2017年7月25日

 ※-5 もーりー @mori26857822  本当に,それ激しく思う!!! どこの国の出身だってみんな同じように一生懸命練習して,苦しい思いもいっぱいして,プレッシャー跳ね除けてあの場にいるんだからさ,ブーイングやら万歳やらは,なんだか悲しくなるなぁ。
 註記)https://twitter.com/MS3110/status/889478275768098816 …
14:56 - 2017年7月25日
 このデーモン閣下の発言は4ヶ月前であった。白鵬が意趣返しのつもりがあったかどうかは,まったく分かりえない “彼自身内の気持の問題” である。モンゴル力士なしではもうもたない日本相撲協会の現状にとってみれば,モンゴル勢の一挙手一投足のなにかが社会の問題となったとき,なんとも表現しがたい苦衷を帯びたかのような反応を示す。

 他方の万歳三唱の件は,白鵬のほうに〈なんらかの含み〉があったと観ておき,突発的にであったとしても意図的にやったという〈疑い〉が抱かれてもいい。稀勢の里との対戦,2013年11月の九州場所で負けたとき,観衆がみせた「日本人・民族」側としての正直な反応 “万歳騒ぎ” は,白鵬はいつまでも心に “深く刻まれた記憶” としてもちつづけていたはずである。

 しかし,白鵬自身はいままで,それへの反発を露骨に表現することはけっしてやらなかった。その結果として観るとき,2017年11月場所で優勝したときに初めて,観衆に対してみずから「万歳三唱を誘導させる方法でもって,おだやかに復讐してみた」のではなかったか。

 ところで,日本人同士のあいだでもある部屋では,新弟子イジメで死者が出た事件があった。それは,時津風部屋力士暴行死事件であった。2007年6月,大相撲時津風部屋に新弟子として在籍していた序ノ口力士の少年が,愛知県犬山市の宿舎で暴行(私刑)を受け,死亡した事件である。新弟子リンチ死事件とも呼ばれている。

 いまの日本政府にとっての「従軍慰安婦問題」とは明確に異相をもつかのように映るのが,最近起きた日馬富士による貴の岩に対する暴行事件であった。だが,前段の事件との対比でみたとき,日本相撲協会がどのような判断を下すか関心がもたれると同時に,「従軍慰安婦問題」の根底にある〈なにものか〉と,まったく無関係だとはいえない。

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