【安倍晋三政権を支持させるための《政治的な具材》に利用されている「北朝鮮による日本人拉致問題」】

 【安倍晋三は北朝鮮に対して「圧力一辺倒」の基本姿勢しか示してこなかったが,この方向性こそ,自民党政権の維持にとって好都合でありうる,それも「解決などしたら多分,困る」のが拉致問題か?】

 【安倍晋三の北朝鮮関連問題に対する解決能力はゼロに等しいゆえ,できることいえば関係者に対する口先奉仕(リップ・サービス)の「圧力を最大限にかける」だけである】


------------------------------

             

------------------------------

 ①「首相『拉致問題,後ろに押しやらない』 被害者家族会と面会」(『日本経済新聞』2018年1月26日朝刊4面「政治」)

  【断わり】 この記事は「最近の」本日〔2018年1月26日〕の報道であるが,以下では時系列をさかのぼっていく方向で,関連する記事などをたぐり寄せる記述の方法を採っている。さきに断わっておきたい点である。記事を引用する。

 --安倍晋三首相は〔1月〕25日,北朝鮮による日本人拉致被害者の家族会と支援組織「救う会」のメンバーと首相官邸で面会した。国連安保理による北朝鮮への制裁強化などに触れ「核・ミサイル問題の解決に焦点が当たり,拉致問題が後ろに押しやられることになってはならない」と強調。「国際社会と連携してしっかり解決していきたい」と解決にとり組む決意を語った。(引用終わり)
『日本経済新聞』2018年1月26日朝刊拉致問題画像

 こうした安倍晋三の発言は,いったいいままでなんど聞かされてきたか? いままでの北朝鮮による日本人拉致問題に関する「安倍の実績」を振りかえってみるかぎり,この「拉致問題が後ろに押しやられることになってはならない」などと安倍の口からは強調されているものの,「ふだん」においては「いつも」「後ろに追いやられ,しまいこまれていた」のではないか。

 要するに,安倍晋三の立場・利害からみて都合のいいときだけ,いいかえれば彼にとって政治的に利用できそうなときだけは,日常的には「後ろに押しやられていた」この「北朝鮮による日本人拉致問題」がそのつど引っぱり出され,関連しそうな記事がしたてられて報道機関のニュースに流されるといったごとき政治手法が,毎度のように繰り返されてきた。

 結局,その割りに効果はいっさいないどころか,北朝鮮側の反応は冷たいままであり,しかも完全にみくびられているような状態が継続してきている。最近になってからは,安倍にとってみれば「北朝鮮ミサイル問題」のほうが,北朝鮮の脅威を強調するための政治的な具材(道具立て)としてはとても都合がよく,日常的には拉致問題などは脇に追いやられてきた。

 ②「『どうしたらいいか教えて』=拉致家族ら,諦めといら立ち」(『JIJI.COM』2017/11/29-09:23)


 「どうしたらいいか教えてほしいぐらい」。北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射したと伝えられた〔2017年11月〕29日,拉致被害者の家族からは諦めやいら立ちの声が上がった。40年前に拉致された松本京子さん=当時(29歳)=の兄で,鳥取県米子市の孟さん(70歳)は「いまは政府のいっているとおり,圧力を強めるしかないんじゃないか」と重い口調。拉致問題については「状況を見守るしかないでしょう」と語気を強めた。

 拉致被害者の増元るみ子さん=同(24歳)=の兄で,鹿児島県姶良市の信一さん(66歳)は「個人ではどうしようもない」と無力感をにじませる。米国がテロ支援国家に再指定したあとも,北朝鮮の姿勢に変化はみられない。「次元の違うところでものごとが動いているよう。家族を返してくださいとしかいいようがない」と語った。
 註記)https://www.jiji.com/jc/article?k=2017112900423

 そうである。「次元」の話だとはいったところで,日本の安倍晋三君の場合は,かなり低次元での話題になっている。「政治家としての自分の立場・利害」にとって利益になりそうだと感じたときだけは,北朝鮮拉致問題をふだんはしまいこんでいた引き出しからもちだし,騒ぎだすという姑息なやり方を反復させてきた。安倍君の立場にとってみれば,「現在日本の総理大臣」である地位に自分が就いている者だとしても,それを「拉致問題の解決」に向けてうまく活かせられない立場にはない。その点を個人的には十分に承知であるはずである。

 それよりもこのところは,北朝鮮のICBMのほうが当面する重大問題になっており,例のJアラートをときおり発令してまでして,北朝鮮というエセ社会主義独裁国家の危険性を国民に向けて訴求したほうが,最近における東アジアをめぐる国際情勢のなかでは,安倍晋三の立場・利害にとっては,一番「大切な事情(お手軽な判断基準)」になっている。その意味で安倍の正直な気持を憶測するとしたら,多分「北朝鮮はそれなりに・けっこうな利用価値」がある相手国だという評価を下せる。

 よくいわれるように一国における「内政の不調・失策など」を「外交のほうで目立つ問題」を強調することで,国民たち側における当面の関心事から目をそらす政治手法は,しばしば活用される政治手法である。だが,安倍晋三君のその種に属する政治手法は,あまりにも稚拙かつ露骨であって,拉致問題を完全にといっていいほど無視・放置しておく時期がしばしば長くめだっていた。このごろは,ラチ被害者家族たちの側において,相当に不満を鬱積させる原因になっている。

 ③「拉致被害者家族 いら立ち募る 『ストックホルム合意』から3年」(『新潟日報』2017年5月29日)

 日朝が拉致被害者の再調査に合意した「ストックホルム合意」公表から〔2017年5月〕29日で3年。拉致問題は北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威の陰に隠れ,今〔2017〕年4月には北朝鮮側が「合意はすでになくなった」との見解を表明した。日本政府は合意の履行を引きつづき求める立場だが,実効性は不透明で,被害者家族は焦りといら立ちを募らせている。 「最近は国民の間でも政府に対し,本当にやる気があるのかという声が増えている」。
 註記)www.niigata-nippo.co.jp/sp/news/national/20170529326617.html

 安倍晋三君にそもそも,本気で北朝鮮による日本人拉致問題にとり組む姿勢があるかといえば,いきあたりばったりだったとしかいいようがない。自分の政権維持・強化に役がたつと判断できるときは,もちろん前面にその問題をもちだしてはくるけれども,それ以外の通常時では “もうすっかりしらんぷり” である。

 この点についていまでは,日本国民たちのあいだでも自然に感じてとられている「安倍晋三的な政治手法」になっている。いまさらとりたてて指摘するまでもない,彼の側における常套手段であった。結局,これまでどおり,なにも動かず・なにも変わらぬままである「この問題に対する日本政府の態度」が,依然維持されてきたに過ぎない。

 ④「拉致被害者の年内救出求め『国民大集会』 家族会など」(THE ASAHI SIMBUN DIGITAL,2017年4月23日19時05分)

 北朝鮮による拉致被害者家族会や支援団体「救う会」が主催する「国民大集会」が〔2017年4月〕23日,東京都千代田区であった。「拉致問題を最優先として今年中に全被害者を救え」と銘打ち,「核・ミサイル問題と切り離し,独自制裁解除などを見返り条件として実質的協議を」と求める決議案を採択した。
      『朝日新聞』2017年4月23日救う会安倍晋三出席画像
       出所)https://digital.asahi.com/articles/photo/
          AS20170423001973.html

 飯塚繁雄・家族会代表(78歳)は「家族会が立ち上がって20年,必死の闘いを続けてきたが,拉致被害者5人が帰った以外は進展がない。北朝鮮情勢が混沌とするなか,救出の旗が吹き飛ばされるのではないか」と懸念を述べた。安倍晋三首相は「長い年月が経ち,被害者も家族も年を重ね,もはや一刻の猶予も許されない。拉致問題は最重要,最優先課題。安倍内閣で解決する」と強調した。
 補注)本ブログ筆者の立場から判断しても,この安倍晋三の発言「拉致問題は最重要,最優先課題。安倍内閣で解決する」という大見得は,まさにミエでしかないものだから半信半疑で聴くよりも,ほとんど完全に近い「大ボラ(それもいまでは聴く人の立場にとっては “ホラー” にしかならないもの)」である。

 小泉純一郎が首相のときであった2002年9月17日,安倍晋三も官房副長官として随行した北朝鮮訪問では,当時,同国においては事実上の国家元首であった国防委員長金 正日(朝鮮労働党総書記)と小泉首相との会談がおこなわれ,両者は「日朝平壌宣言」に署名し,国交正常化交渉を10月に再開することで合意した。この会談を契機に第2回目の日朝会談が2004年5月22日に平壌でおこなわれ,前回と同じく小泉純一郎と金 正日とが話しあった。

 その2度目の会談では,日本人拉致問題が話しあわれ,家族の帰国は地村家と蓮池家の家族5人の一時帰国が認められた(その後,この5人などは北朝鮮には戻らなかったが),曽我家の家族は後日,第三国にて話しあうことになった。また 「死亡」「不明」の10人について,北朝鮮側が再調査を約束しており,拉致被害者家族会では「もうすでに北朝鮮は十分な資料をもっているはず」だみなす立場から,2回目の小泉総理訪朝の成果を強く批判した。この批判に小泉が反発したことはいうまでもない。
 

 〔記事に戻る→〕 体調を理由に欠席した横田 滋前家族会代表(84歳)はビデオで登場。「めぐみちゃん。お父さんですよ。いまめぐみが隣の部屋で待っているのと同じような感じがします。もうすぐ会えるかもしれませんが,体だけは気をつけていて下さい。ほんのわずかですからがんばって下さい」と語る場面が流された。(編集委員・北野隆一)
 
 ⑤「〈北朝鮮拉致〉進まぬ被害者救出にいらだち 家族会・飯塚繁雄代表,秋田で講演」(『産経ニュース』2016. 8. 26 16:58 更新)

 北朝鮮による拉致被害者,田口八重子さん(60歳)=拉致当時(22歳)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(78歳)が〔2016年8月〕26日,秋田市千秋明徳町の県民会館で開かれた県地域婦人会大会で講演し,進まぬ被害者救出にいらだちをみせた。

 飯塚さんは「北朝鮮にいる被害者たちは肉体的にも精神的にも我慢の限界を超えている」と推測。北が拉致問題の再調査をおこなう特別調査委員会を解体したことについて「北は拉致被害者を管理しており,『調査』など茶番」と指摘し,「すべての日本人被害者が一括して帰ってくるのが解決の条件だ」と強調した。

 「解決できるのは安倍晋三首相しかいない」とする一方で,「首相は忙しくて,本当に考えてくれているのかなという感じがする。片手間ではなく,拉致問題を24時間考える首相直轄のグループをつくってほしい」と求めた。

 講演後も報道陣に対し「拉致問題をなんとかしようという動きは政府にまったく感じられない。われわれは怒りやいらだちをもちながら活動している。政府は『家族の方は休んでいてください。責任をもってとり戻します』と救出の期限を示すのが当然だ」と述べた。
 註記)http://www.sankei.com/world/news/160826/wor1608260026-n1.html

 この産経新聞のニュースは,いまかから1年と5ヶ月前の報道であった。だがそれでも飯塚繁雄たちは,① に紹介した記事「首相『拉致問題,後ろに押しやらない』 被害者家族会と面会」(『日本経済新聞』2018年1月26日朝刊4面「政治」)で報道されていたように,安倍晋三に期待する姿勢は,拉致問題に対する「怒りやいらだちをもちながら」も,まだ維持しつづけているというのである。

 ここまでの記述内容からも判るように,安倍晋三にあっては,本気で拉致問題を解決しようとする気持(覚悟)も決断力(本当の勇気)も,カケラさえもちあわせていない。2017年11月1日の『産経ニュース』は,こう伝えていた。「〈安倍首相会見〉北朝鮮対策『圧力を最大限まで高める』対話のための対話では意味がない』」と。
 註記)http://www.sankei.com/politics/news/171101/plt1711010041-n1.html

 日本国のこの首相は,はたして「外交というもの」を理解できているのかと問えば,最大級の「?マーク」を着けるほかない。彼自身が日本国の最高責任者として,北朝鮮とじかに・差しで交渉をする気持などもっていないらしく,いいかえれば,その覚悟をするための決心もできないまま,今日まで来た。だから,拉致問題の解決につながるような外交努力は,当初より放棄したに等しい状態であった。

 国際外交の流儀に即していえば,「対話のための対話」も必要と思われるし,この必要性を日常的に円滑に維持できていれば,きっと「いざというときにも役にたつはず」である。だが,そのような国際政治(日朝関係)における「引き出し:余裕(下準備)」など,安倍晋三君の政治手法になかにはなにひとつ用意されていない。

 北朝鮮による日本人拉致問題に限らず,どの国との外交関係であっても,それをうまく起動させるためのなにかを工夫するなどといった技倆は,この「世襲3代目の政治家」には皆無であった。

 当面している問題は国際政治関係であり,しかも敗戦後いまだに国交が回復していない北朝鮮との外交問題である。アメリカのお尻しかみえていない内政・外交に終始している「安倍晋三の政治路線」であるから,もともと期待はしないほうがよいのかもしれない。

 それにしても,安倍晋三君の唱えていた「戦後レジームからの脱却」は大いに笑わせるアドバルーンであったが,北朝鮮問題の全面解決もそのアドバルーン以上に笑止千万の話題でしかありえない。いまの安倍晋三君に備わっている政治家としての実力については,嘲笑的に位置づけておくしかない。
 【 参考記事(画像資料で紹介 】
       
( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
    『日本経済新聞』2014年7月10日朝刊
 ⑥「北朝鮮が拉致再調査に同意,日本は独自制裁解除へ」(『REUTER』東京発,2014年5月29日 19:10)

  〔日本〕政府は〔2014年5月〕29日,日本人拉致被害者の安否を再調査することで北朝鮮と合意したと発表した。北朝鮮は解決済みとしてきた拉致問題に関する立場を一転,生存者がいる場合は日本に帰国させる方向で同意した。日本は調査の進展を見極めながら独自の制裁を解除するほか,人道支援も検討する。
 註記)https://jp.reuters.com/article/suga-north-korea-idJPKBN0E90VB20140529

 くわしく説明するまでもないと思われるが,この記事は ⑤ ④ ③ などへとつながっていく内容であった。このように,拉致問題に希望の明かりが点ったようにみえる機会がときどき現われてくるのであるが,必らずといっていいほど事後,それに冷水を浴びせるような事態が「再び生まれていた」。そうしたことのなりゆきは,いつも同じように繰り返されてきた。

 その種である事態のいわば無限・反復みたいな経緯は,ここで完全に阻止しておくのがまさしく政治家の役目であり,現況においていえば,安倍晋三のもっとも重要な「対北朝鮮問題」にかかわる責務だと考えてよい。ところが,実際にこの首相がやっていることといえば,「北朝鮮対策では『圧力を最大限まで高める』」というだけで済ませてきた。

 その程度の外交努力に終始していたゆえ,もとよりその効果はまるでナシであって,できたことといえば,在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)に対する圧力(締めつけ)を強化させることぐらいしかなかった。安倍晋三はたびたび,北朝鮮に対する『圧力を最大限まで高める』と力説してきたけれども,具体的にできることは少なかった(ほとんどない)。彼が口でいっていることと実際にやれることとのあいだには,大きな落差があった。

 ⑦「『早く結果を』拉致被害者家族,いらだち 政府主催集会」(THE ASAHI SIMBUN DIGITAL,2010年12月11日19時15分)

 北朝鮮による拉致問題の政府主催シンポジウムが〔2010年12月〕11日,東京都内のホテルで開かれた。拉致問題の進展がないなか,拉致被害者家族から早期解決を求める声が相次いだ。

 シンポには拉致問題担当相を兼務する仙谷由人官房長官が出席。「一日も早い被害者の帰国を実現すべく政府一丸となってとり組んで参りたい」とあいさつした。家族会の飯塚繁雄代表は「われわれは結果だけがほしいのです。早く。はっきりとこの問題に突き進んでいるという実感をぜひ与えていただきたい」と訴えた。

 一方,拉致被害者の曽我ひとみさんは同日,新潟県佐渡市で拉致被害者救出を訴える署名活動をおこなった。担当相だった柳田 稔氏が失言で辞任したことについて,曽我さんは「なにもしないうちに大臣がつぎつぎと代わってしまうようでは信頼できない」と政府を批判した。
 註記)http://www.asahi.com/special/08001/TKY201012110189.html

 この記事は民主党政権時の報道であったが,現在は安倍晋三首相の時代にある。以前,自民党の小泉純一郎政権のなかで安倍が官房副長官を務めていた時期,拉致問題を解決しようとする動きが表面に登場し,一定限度ではあったが部分的に解決する〔帰国できた者もいた〕ことになっていた。だが,安倍第2次政権になって早6年が経過していても,この首相による「北朝鮮拉致問題の政治利用(?)」は旺盛であった記録のほうは残せていても,その根本解決に向けた具体的なとり組みはなにもできていなかった。

 ⑧「 “いつまで待つのか” - 拉致家族 5年目の夏~」(NHKテレビ『クローズアップ現代』No. 2464   2007年9月18日[火])
の紹介


 北朝鮮が「拉致」を認めた日朝首脳会談から5年。北朝鮮に “死亡” とされた拉致被害者の安否は,いまも分からない状況が続いている。この夏,「核問題」をめぐってアメリカと北朝鮮が接近するなかで,被害者の家族たちは拉致問題の先行きに懸念を強めていた。

 そして,今月初めにおこなわれた日本と北朝鮮の外交交渉。両国は協議を継続していくことで合意したものの拉致問題に具体的な進展はなく,家族たちの期待はまたも裏切られる結果となった。国際政治の動向に翻弄されながら焦燥感を強める被害者家族のいまをみつめる。
 註記)http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/2464/index.html
           ※ ダイジェスト ※

   “いつまで待つのか”  ~拉致家族 5年目の夏~

 一昨日(〔2007年9月〕16日)開かれた拉致被害者家族の緊急集会。 拉致問題が一向に進展しない状況にいらだちの声が相次ぎました。

  田口八重子さんの兄:飯塚繁雄さん 「北は帰す気があるのか。日本はとり戻そうという気があるのか。」

  横田めぐみさんの母:早紀江さん  「必らず解決するまで私たちは訴えつづけてまいります。」

 この夏,被害者の家族は北朝鮮をめぐる外交交渉に注目しました。核問題でアメリカと北朝鮮が接近。そして,今月(〔2007年〕9月)初めにおこなわれた日本と北朝鮮の直接協議。〔これを伝えた〕ニュースは「拉致問題について具体的な進展はありませんでした」。

 家族の期待はまた裏切られました。さらに先週,拉致問題の解決を最重,課題にかかげていた安倍総理大臣が辞意を表明。

  田口八重子さんの兄:飯塚繁雄さん 「あまりショックが大きくてですね,コメントも出ない。この拉致問題の解決,どうなっていくんだろうと」。

 国の内外の政治の動きに翻弄される被害者の家族たち。 5年目の夏,その思いを見つめました。
   [以下「続きを読む」(は割愛)]

 出演者    中山恭子さん(拉致問題担当首相補佐官)
        今西 章    (NHK・社会部記者)
  註記)http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/2464/index.html
 
 その後,2012年12月26日なると第2次安倍晋三政権が発足していた。それから今日までの「北朝鮮による日本人拉致問題」に関する経過は,飛び飛びの出来事の紹介ではあったが,ほぼ前述のとおりになっていた。

 安倍晋三という首相には「北朝鮮に圧力を最大限にかける」ほか,なにも期待できない(「圧力が必要だと発声すること」しかできていない)。しかし,その圧力の実体:中身は「実は,単なるこちら(日本国内)側における空気作り」を意味するだけであって,あちら側にむけては〈ほとんど無意味〉というほかない『空語・虚句』でありつづけてきた。

 ⑨ 参考記事-日本政府の自己欺瞞・満足的な拉致問題に関する解説-

  『北朝鮮による日本人拉致問題  Abductions of Japanese Citizens by North Korea 』にとり組んでいるという,「政府 拉致問題対策本部」(www.rachi.go.jp)「内閣官房 拉致問題対策本部事務局」がある(〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1)。

 このホームページは,拉致問題について以下のように概説している。なにかの足しにはなりそうな解説であるが,ごく限定的にしか受けとれない中身になってもいる。ともかく引用しておく。ただし,いつの日付の文書であるのか分かりにくいままであった。以下の引用では,適当に番号・符号も着けておき,読みやすくする工夫としてみた。
 
◆ トップページ > 北朝鮮による拉致問題とは
 > よくわかる拉致問題> から
(6)

  (6) 解決のためにできることは?
 拉致問題の解決に向けて,政府のみならず民間団体でもさまざまな取組みが行われています。

 ※-1 政府が一体となった取組み

 日本政府は,北朝鮮に対し,すべての拉致被害者の安全確保とすみやかな帰国を要求しています。拉致問題の解決なくして国交正常化はありません。政府は,総理大臣を本部長とする拉致問題対策本部を中心に,一体となって拉致問題の解決に取り組んでいます。

 ※-2 国際的な関心の高まり
 
 拉致問題については,国連でも,重大な人権侵害として深刻な懸念を表明する決議が採択されています。拉致問題での日本の立場は,諸外国からの理解と支持を得ています。

 ※-3 家族を取り戻すための民間の救出運動

 平成9年(1997年)3月,それまで孤独に戦い続けてきた拉致被害者の家族が団結して,家族会を結成しました。国民の間には,拉致被害者の家族を支援し,被害者の救出を求める運動が活発に展開され,現在にいたっています。
 
 こうした救出運動は,街頭での署名活動にとどまりません。海外の拉致被害者家族との連携のほか,アメリカや国連,国際赤十字などを訪問し,救出に向けた国際的な協力も求めています。また,北朝鮮に拉致された疑いを否定できない失踪者の調査なども独自に行われています。

 また,国内外のアーティストや映画監督が,拉致問題の解決に向けた活動をしています。

 ※-4 ブルーリボンを知っていますか?

 羽田空港のタラップを降りる5人の帰国者の胸に,また,拉致被害者のご家族の胸に,ブルーリボンが揺れていたことに気づきましたか? ブルーリボンは,拉致被害者の救出を求める運動の中で発案されたものです。ブルーの色は,日本と北朝鮮をへだてる「日本海の青」,そして,被害者と家族を結ぶ「青い空」をイメージしています。「北朝鮮による拉致被害者の生存と救出を信じている」意思表示なのです。

 ※-5 あなたにもできること
  補注)この項目は「安倍晋三君にもできることだ」と読み替えのできる,それも「とても大切な一歩」である。

 家族を,人生を奪い去った北朝鮮による拉致。ある日突然連れ去られ,今も救出を待ち続けている…。それが,もしも自分だったら,自分の家族だったら。拉致問題という問題があり,いまだに解決していないことを知ってください。拉致問題に関心を持ってください。それが,この問題の解決のために,とても大切な一歩となるのです。

 --以下は引用しなかった(1)から(5)までも表示した全体の目次。

     (1) 拉致された13歳の少女 横田めぐみさん(前編)
     (2) 拉致された13歳の少女 横田めぐみさん(後編)
     (3) 拉致された人は何人いるの?
     (4) 北朝鮮とは? なぜ拉致をしたの?
     (5) 北朝鮮による日本人拉致問題とは?
     (6) 解決のためにできることは?

 註記)以上,https://www.rachi.go.jp/jp/ratimondai/yokuwakaru/vol6.html
 安倍晋三君自身からして,上のこの文章をもう一度よく読んでもらう必要がある。とはいっても,この拉致問題に対する〈初心の姿勢〉が,そもそも彼においては不純であった。
★ 〇 〇 の手柄話はあとから創られる

 小泉総理政権下でおこなわれた北朝鮮拉致被害者の一時帰国時に関する事実(真相!)は,どうであったのか?

 北朝鮮拉致被害者の一時帰国時の回想は,こう記録されている。「安倍晋三官房副長官」と「古川貞二郎官房副長官」の両名が『5人を戻さない』との方針をかかげた文書をもってきた。5人の意向を確認するように指示すると翌日,『確認をとった,帰らなくてもよいということでした』と報告してきた」。このことによって,いまの安倍総理は,北朝鮮に返そうとするのを体を張って止めたとされている。

 ところが,拉致被害者の蓮池 薫さんの兄で,家族会の元役員だった蓮池 透にいわせるとまったく違う内容になっている。蓮沼 透は「安倍さんの手柄というのは全然違います」と断言していた。「実際に弟を引きとめたのは,私です。親だって,2週間の滞在期間まであと何日ってカレンダーみていました。訪ねてくる友人も腫れものに触るようで『戻るな』とはいわなかった」。

 「(政府も含め)みんなが2週間で戻るのは決まったことだと思っていました。そんななか,帰国しないことをもちかけたのが私で,最終的に弟が(日本に留まることを)決めたのです。そして,『われわれは戻りません』という思いを中山恭子内閣官房参与(当時)に伝えました」。「それを受けて,中山さんや安倍さんが福田さんや田中 均アジア大洋州局長(同)らが話しあいをもち,最終的に戻らないことになったのです」。

 つまり,小泉総理ら政府側は北朝鮮との約束を守り,拉致被害者を帰そうとしていたのですが,蓮池 透に説得された被害者らが「私たちは北朝鮮へは戻りません」といわれ,福田官房長官や安倍不官房長らが慌てて対策を講じたというのが真相だった。

 呆れた話であった。蓮池 透こういっていた。「こんな(福田元総理の)話を聞くと,ますます,安倍首相は本気で拉致問題の解決にとり組む気があるのかと疑わしく思えてきます。拉致担当相はクルクル代わるし,安倍総理はわれわれを単に  “政治利用”  としているとしか思えません」。

 「今回の内閣改造でも,重要課題(TPPや経済問題など)を担当する大臣は『留任』となりましたが,その他の沖縄問題,震災・原発問題,拉致問題を担当する大臣はアッサリ交代になりました。つまり,沖縄問題も,拉致問題も,そして震災・原発問題も安倍政権にとって “最優先重要課題ではない” という証しですから,蓮池さんが指摘するのは当然です」。「それでも,支持率が下がらないのは・・・謎です」。
 註記)http://iwasironokuni.cocolog-nifty.com/komiti/2015/11/post-f158.html 参照。
 ------------------------------


              

            

------------------------------