【大学数・大学生数を減らす文教政策は当然の道筋であり,問題はそれをどのように絞りこんでいくかにある】

 【日本の大学
の全体像をしらずに(大昔風にいえば〈天ぷらの衣的な大学生にもなりえていない「多くの学生の実在」〉を配慮しないまま),ただ議論だけする文部科学省の中央教育審議会】


 ① 大学生の半分以上が本(電子書籍も含む)を読まないというこの国「高等教育の奇観
 
 1)「大学生の読書,『0分』初の5割超」(『朝日新聞』2018年2月27日朝刊37面「社会」
 1日の読書時間が「ゼロ」の大学生が2017年,初めて5割を超えたことが〔2月〕26日,全国大学生協連合会の調査で分かった。一方,「読書をする」という大学生の平均読書時間は1日あたり51.1分で前年より2.5分延びており,「二極化」が進んでいるようだ。

 調査は昨〔2017〕年10~11月,大学生協を通じて,全国の国公私立30大学の学生を対象に実施し,約1万人から回答をえた。その結果,1日の読書時間が「0」と答えた学生は53.1%で,前年より4.0ポイント増加。この5年間で比較すると,18.6ポイントも増えていた。

 読書時間を「120分以上」と答えた学生は5.3%で,10年以上にわたってほぼ横ばいで続いている。同連合会は「大学生になって本を読むかどうかは,高校生までの読書習慣で決まっているのではないか」と分析している。

 2)「大学生の5割超が読書時間ゼロ 実態調査で初」(『日本経済新聞』2018年2月27日朝刊44面「社会1」) 
『日本経済新聞』2018年2月27日朝刊大学生毒時間
 全国大学生協連(東京)は〔2月〕26日,1日の読書時間について大学生の53%が「ゼロ」と回答したとの調査結果を発表した。半数を超えたのは,調査に読書時間の項目が入った2004年以降初めて。「本離れ」が若い世代で進行している実態が明確になり,アルバイトをする学生に読書時間ゼロが多いとの結果も出た。

 調査結果の分析を担当した浜嶋幸司同志社大准教授(学習支援)は,「高校までの読書習慣が全体的に身に付いていないことの影響が大きい」と指摘する。

 この調査は「第53回学生生活実態調査」。大学生の1日の読書時間は平均23.6分。ゼロと答えた学生は53.1%で,昨年より4.0ポイント上昇。文系が48.6%,理系が54.5%だった。

 1カ月の生活費のうち書籍費は,金額,支出に占める割合がともに1970年以降最低。自宅生が1340円,下宿生が1510円だった。アルバイトをしている学生のうち読書時間ゼロと答えたのは54.5%,アルバイトをしていない学生では49.4%。

 調査は昨〔2017〕年10~11月に実施。全国の国公立・私立30大学の学生1万21人が回答。電子書籍も「読書」に含む。読む内容がどこまで読書に入るのかは,回答者の判断に委ねた。(引用終わり)

 この手の調査には,どうしても特定の不満が残る。文系と理系の差が指摘されていた。「文系が48.6%,理系が54.5%だった」というだから,この差「5.9%」に統計的に有意な違いがあると観てもいいかもしれない。ただ「その不満」というのは,もうすこし調査対象に層別的な分類・区分をほどこしたうえで,調査結果を分析しつつ解釈を示してほしいと感じる点に発している。

 文系と理系の区別をするならば,国立と私立,大学入学時の偏差値との相関(その詳細な関係分析まではあえて求めない),男女,学年,地域などなど,さらに突っこんで調べて探してみたい要因ごとの意味も,あれこれあるはずである。ただし,あまりこまかく分けて分析をしていくと,調査の対象となった母集団の大きさによっては,ほとんど意味をみいだせない分析・解釈にもなる可能性もあるので,どこかの水準で留めておく留意も必要である。

 大昔から指摘されてきたのは,日本の大学生は高校までは入試のために必死で勉強するけれども,大学入学後は一般的には学力が落ちていくといったふうな,冗談にもならない実話的な物語も生まれていた。いまの大学生で本を読まないという若者は,高校生の時代からほとんど書物には接していないと指摘されていた。それでもまだ,大学生に関する話題が「本を読むか・読まないか」というアンケート調査の対象になっていたとすれば,これは笑うに笑えない『日本の大学事情』に関した “正直いって” 皮肉な事情である。

 本ブログ筆者の体験では,ある大学生が「オレは漫画しか〈本〉は読まない(読んだことがない)」と豪語する場面に出会ったことがある。このあたりの問題についてはいろいろと議論の余地があるにしても,四半世紀・半世紀も昔に大学生をやっていた父母や祖父母の世代だったとしたら,そうした娘や息子や孫のいいぶんを聴かされたぶんには,驚いてそっくり返ってしまうに決まっている。

 「本を読まない大学生が半分以上いる」というけれども,彼らは漫画のほうはきっと読んでいる(観ている)に違いあるまい。ともかくも,電子書籍を介しての読書もしないのが,この「本を読まない過半の大学生」だと報告されていた。日本の大学・大学生という社会集団,つまり学生(とりあえず大学院生は除外しておくが)のうち,半分以上が読書しないなどといったごとき,現状における教育社会の事実は,ある意味でなどと断わりを入れるまでもなく,この日本にとってみれば末期的現象の現われだといえなくもない。

 ② そういえば2017年の出生数は百万人を切っていた。

 昨〔2017〕年に誕生した新生児については,たとえば,2017年12月25日に記述された「2017年,出生数は100万人を切り,人口は40万人超の減少となる見込み-厚労省」(『メディウォッチ』2017年12月25日)なども,「今年(2017年)における出生数は94万1000人,死亡数は134万4000人で,わが国の人口は前年から40万3000人の自然減となるみこみである」と言及していた。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
人口推移統計図表2017年まで
 いずれにせよ,2017年4月以降1年間に生まれた者たちは,17歳になった2035年(度)の大学入学に備えて,大学受験の時期を迎える。
 註記)http://www.medwatch.jp/?p=17932

 2017年4月以降1年間に生まれた者たちは,17歳になった2032年(度)には大学受験の時期を迎える。このあたりに関連する政府統計は,たとえば2016年については,つぎのようにまとめられている。
『平成28年度学校基本調査(確定値)の公表について』
平成28〔2016〕年12月22日


 ※ 大学進学率が前年度より上昇 ※

  ◇-1 大学・短大進学率(現役)は54.8%(前年度より0.2ポイント上昇)で過去最高。

  ◇-2 大学(学部)進学率(現役)は49.3%(前年度より0.4ポイント上昇)で過去最高。

  ◇-3 専門学校進学率(現役)は16.3%(カ)(前年度より0.4ポイント低下)。また,過年度卒業者を含む進学率(就学率)についても前年度より上昇。

  ◇-4 大学・短大進学率(過年度卒含む)は56.8%(前年度より0.3ポイント上昇)で過去最高(平成22〔2010〕年度と同率)。

  ◇-5 大学(学部)進学率(過年度卒含む)は52.0%(前年度より0.5ポイント上昇)で過去最高。

  ◇-6 専門学校進学率(過年度卒含む)は22.3%(前年度より0.1ポイント低下)。

  ◇-7 高等教育機関進学率(過年度卒含む)は80.0%(前年度より0.2ポイント上)で過去最高(平成26〔2014〕年度と同率)。
  註記)http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2016/12/22/1375035_1.pdf

 つぎの画像資料は「◇-4 大学・短大進学率」に関する統計図表である。
      大学などへの進学率
  出所)http://www.garbagenews.net/archives/2014387.html
 以上は,文部科学省が公表した直近の統計資料もあるが,ここでは,旺文社教育情報センターがさらに整理した文書(2017年9月4日)に,関連する事情を尋ねておきたい。

 2017年3月に高校を卒業した107万5千人のうち,大学・短大には58万9千人,54.8%(現役進学率)註記)が進学したことが,このほど発表された文部科学省の『平成29年度学校基本調査速報』でわかった。ここでは,つぎの表だけを借りてみておきたい。
 補注)この「%:比率」の数値は前年度と同じであった。つぎの表のなかにも記載されている。(画面 クリックで 拡大・可  ↓  )
大学進学率推移統計図表
  出所)『〔平成〕29年度学校基本調査速報 ① 29〔2017〕年度大学・短大「現役進学率」は54.8%大学の学部学生数は1.6万人増加』,http://eic.obunsha.co.jp/pdf/educational_info/2017/0904_1.pdf


 人口はどんどん減少していくのに,いまの,それでなくとも過剰である「日本の大学数・定員総数」を,いったい・どのように適正な規模にまで縮小させつつ調整していくのか?

 現状における日本の大学「全体の様相」について,以下の問題点が想定される。

  イ) 国立大学・公立大学・私立大学・大学校系の高等教育機関は,法人として基本的に異なった企業形態が入り交じる。
  ⇒ 整理統合しようにも,それらの相違が大きな障害になる。

  ロ) 前段の大学群ごとに,そしてその群ごとの内部においても,学生の卒業品質に大きなバラツキがめだつ。
  ⇒ 本を読まない大学生が半分以上いる。単純にいってしまえば「読書もしない大学生は学生にあらず」であるゆえ,これらの大学生は大学から追放することにしたら,この関係分だけで,大学生(学部)は半分〔以下〕に減らせる計算となる。
 補注)本ブログ筆者は,日本の大学の3分の2は不要であり,高校生には卒業資格認定試験を課し,センター入試にたとえて判断するとしたら,70%を最低の合格線にしたらよいなどと主張してきた。「本をよまない〈大〉〈学〉生」というのは,形容矛盾以前の異常な事態であり,トンデモないなどといって非難する以前・以外の現象である。大学問題としてこのような学生がいままでも存在してきた事情じたいが,「怪奇現象そのものだ」とも形容されてよいほどに不思議な問題であった。

  ハ) 授業料など納付金が高額に過ぎる。だから,貸与型奨学金の制度に原因し,発生する社会問題が世の中を騒がせている。教育制度の一環として位置づける奨学金制度のなかで,貸与型が主座を閉めている日本の高等教育界の現状は異様である。本来であれば奨学金とは給付型を意味するにもかかわらず,この貸与型奨学金を主に運用する日本学生支援機構が日本の社会にもたらしている深刻な事態は,たとえば「奨学金破産 延べ1.5万人 5年で 親族半数,連鎖招く」(『朝日新聞』2018年2月12日朝刊1面冒頭記事)として報道されていた。

 ところが,現在までのところ,国家側が打ち出している手立ては,いずれも弥縫策と断定されるほかなく,それも小出しでみみっちいものばかりである。

 ③ 2040年における大学進学問題の展望
   
 1)「大学進学者,〔20〕40年度に2割減に 文科省推計」(nikkei.com 2018/2/24 20:09「社会」)
 少子化の進行により,2040年度の大学進学者数が現在より2割減の50万人程度となるみこみであることが文部科学省の推計で分かった。〔2月〕21日に開かれた中教審の有識者会議で示した。あくまで試算で,実際の推移とは異なる可能性もあるとして,同省は「将来的な大学規模のあり方を議論するさいの参考のひとつにしたい」と説明している。

 文科省によると,2014~17年度の都道府県別大学進学率の増減を基に,2040年度までの進学率の変化を独自に試算。日本の将来推計人口などと掛けあわせて算出した。2017年度に62万9733人だった進学者数は2033年度に56万9789人になり,2040年度は50万6005人となる。一方,政府の各種統計によると,18歳人口は2040年度までに3割近く減るとみられているが,文科省は今後,大学進学率が向上していくことで,進学者数は2割程度の減少にとどまるとしている。

 現在の入学定員が維持されると仮定した場合,大学全体の定員充足率は2017年度の104.4%から83.9%に下がる。文科省は,大学の連携や統合を進める必要があるとして,国立大のグループ化や私立大の学部譲渡などを検討しており,中教審の有識者会議でも,6月までに一定の方向性を示し,今秋に報告をまとめる方針だ。〔共同〕
 註記)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27363170U8A220C1CR8000/

 この記事の内容は,現状が推移していく事情そのものにそのまま即した方向性でしか,議論も提案もできない(しない?)。文部科学省の「展望なし・決断なし」の基本姿勢を教えている。なんどもいうが「本を読まない〈大〉〈学〉生」の問題をかかえたまま,それも大学への進学者数に関する数字いじりに終始した議論だけが,前面に出ているようにしかみえない。いったいなにを考えているのかというよりは,いったいに考えがない様子がうかがえるとまで,一刀両断しておく。

 2)「2040年,大学進学者12万人減 進学率は女子も5割超に 文科省,初の詳細試算」(『朝日新聞』2018年2月22日朝刊)
 2040年度の大学への進学者は,2017年度より12万人減り51万人弱になる。文部科学省は将来の大学進学状況を初めて詳細に試算し,〔2月〕21日に中央教育審議会の部会に示した。大学進学率は上がり続けるものの,18歳人口の大幅減少を反映し,大学進学者数も現在より2割少ない結果となった。
『朝日新聞』2018年2月22日朝刊大学進学予測
 現在の全国の大学の定員は合計で約60万人。試算によると,このままで推移した場合,現在104%の定員充足率は2040年度に約84%まで落ちこみ,東北地方などでは60%台となる県もある。中教審は今後,これらの数字などを参考に,2040年ごろの大学や高等教育のあり方について議論する予定で,大学の数や定員も焦点のひとつになりそうだ。

 文科省は試算にあたって,2014年度から2107年度までの都道府県・男女別の大学進学率の傾向や,18歳人口の推移予測などを使用。女子の大学進学率は49.1%から56.3%まで伸び,全体でも52.6%から57.4%に上がると予測している。

 だが,18歳人口は120万人から88万人と26%も急減するため,進学者も大きく減り,約50万6千人になるとみている。推計は,2019年度から始まる専門職大学の数字は含んでいない。
 文部科学省のやることといったら,物差しを線引きに使ってそれもただ,いままでどおりになぞってまっすぐ線を描くことしかできていない(しようとしない?)。以上の記事で読みとるかぎりでは,若者(大学受験者)の人口統計をいじりながら単純に,増減計算(ここでは減少傾向)を考慮するだけの議論になっている。まるで,トイレットペーパーの国内向けの生産と販売は人口が減るから,これに合わせて同時に減らしていこうなどといった議論の仕方と,なんら変わりがない。

 ④ さらに日本の大学問題をまともに考えるための問いかけ

 こういう議論をつぎに紹介しておく。「海外ではありえない『大卒でショップ店員』進路変更できない日本の大学の問題点」(以下は『MADAME RIRI』2015年3月31日からその後半を引用)

 a) 日本の大学では学習とキャリアプランが直結してない。国際研究組織と日本労働研究機構がおこなった調査によれば,日本の大卒者はヨーロッパの大卒者に比べて,在学中の学習と直結していない就業経験者が多い。筆者(この文章の)は “潰しが効きそうだ” という単純な理由で経済学部を選んだが,実際に法学部でも商業学部でもある程度の潰しが効いてしまう。

 日本では大学の学部とキャリアが別物であるから,真剣に学部を選ぶ必要がなく,入学後も進路を変更する必要もない。だから就活の時期まで将来のことはなにも考えずに学生生活を送ることができる。日本の高等教育の専門的知識の伝達が不十分であるせいで,日本の学生は「進路」について真剣に考える機会を奪われているといってもいい。

 b) 高等教育機関の重い学費負担がある。ヨーロッパの学生は文学部から法学部に学部変更したり,途中で軍隊へ入隊したり,学士号をとったのちにMBAを付与するビジネススクールに通うなどさまざまである。30歳になってやっと卒業するという人も少なくない。なぜこんなことができるのか?
高等教育公的支出2013年図表
  出所)http://editor.fem.jp/blog/?p=2846 「大学など高等教育への日本の公的支出は6年連続でOECD最下位,33カ国平均の半分以下と突出して低い大学への公的支出は日本の『競争力』低下と連動している」『editor 月刊誌『KOKKO』編集者・井上 伸のブログ』2016/9/16。
 それは,大学の費用がほぼ無料だからである。OECDの調査によると,日本は教育に対する公共支出比率が低く,とくに高等教育では29か国中最低である。対して大学費用が完全に無料な国はオランダ,イタリア,ポルトガル。年間12万円以下の国がスペイン,フランス,ドイツ,ベルギーなどであり,国公立大学で50万円の授業料を払う日本とは桁が違う。
 補注)国立大学の場合は一律に,授業料は53万5800円(毎年度),入学金28万2000円(入学時の1度のみ)。

 さらに国からの子育て支援も進んでいるので,家計の教育費負担は日本に比べるとかなり軽い。家計の負担が少ないことがわかっているからこそ,ヨーロッパの若者は進路をじっくりと悩むことができ,向いていないとわかれば路線変更することも容易なのだ。

 c) 日本で新卒社会人の離職率が高いのは,学生が社会に出るまでに「自分の将来を真剣に考えなくてはいけない状況」に置かれることがなく,さらに社会が学生に「進路に迷う」ことを許していないことに起因しているように思う。

 また,学生側も集団に流されるように「なんとなく大学進学」をして,周りの人がしているように行動すれば安心できるという “甘え” が根底にあるため,いつまでたっても “やりたいことがわからない” という状況に陥ってしまうのだ。

 これが筆者の「学生のころにしっておきたかったこと」だ。周りにあわせていれば良いというのは単なる幻想。自分の頭で考えることが大切だ。
 註記)https://www.madameriri.com/2015/03/31/海外ではありえない「大卒でショップ店員」進路/
 
 この意見・指摘は,文部科学省の中央教育審議会「当該」部会に所属する識者全員が,はたしてまともに考慮に入れている現実の問題「要因」かといえば,どうやらそうではなさそうであって,いうなれば,彼ら審議委員にあっては〈定量的な検討〉はできていそうでも,《定性的な分析》とは縁遠く感じる。

 今日の記述に即していえば,「本を読まない大学生が5割以上もいる現実」を,大学への進学率や進学者数の問題次元と有機的に結合させる議論をしなければならない。そうとしか思えないが,こういう方向とは無関係に,今後における〈数合わせのための話〉だけをおこなっていたところで,将来における日本の大学の進路をより創造的に議論することはできまい。

 要は,文部科学省の中央教育審議会「当該」部会は,大学生の答案になぞらえていえば,大部分が「論点はずし」の議論に走っている。非一流大学に勤務している大学教員たちが大勢いる。彼らは,日本語もろくにできない大学生(だから本ももともと読みもしない若者たち)を,2・3流大学の教育現場において毎日相手にし,もちろん悪戦苦闘しているこちら側の大学教員の1人や2人でもいい,その審議会の委員にくわえて議論したらどうか?
 
 たとえば『日本経済新聞』の「教育面」の記事に登場する関係の識者たちは,そのほとんどが一流大学(超一流大学)の教授や一流の企業ないしは研究機関に属する人士であって,日本の大学の底辺を現実に支えていて,その実情のなかでひどく苦労・呻吟させられている教員たちの立場など(まさしくそこにこそ,日本の大学に関する〈裏面的な事実:覆面的な真実〉=「重要な論点」が潜在している),まったく理解できていない。

 換言すると,それらの人びと〔前者の人たち〕にあっては,「日本の大学全体の様相(真相)把握」の立場として獲得され保持されていてよいはずの「眺望的な現場感覚」がゼロに近い。

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