【自国の問題をまともに理解できず,むろんそのありかも認識できない,なによりも自分の存在じたいの下劣さすら感得できない自民党議員お歴々,その無限的なはしたなさ】

 【この国は,2020年東京オリンピックを最後のかがり火にするかのようにして,燃えつきてしまいたいのか? 高齢・少子社会に歯止めをかけられない “無策・無能” の「安倍」政権的な末路】

 【愚かな世襲政治家たちの「悪の楽園:ニッポン」】


 ①「首相,党首討論『歴史的使命終わった』枝野氏発言受け」(asahi.com 2018年6月27日16時56分)

 安倍晋三首相と野党党首が一対一で議論する党首討論が〔6月〕27日午後,国会でおこなわれた。議論の中身はなかなか噛みあわず,首相は立憲民主党の枝野幸男代表が前回の党首討論終了後に語った言葉を引きあいに出し,「やりとりを聞いていて,(党首討論は)本当に歴史的な使命が終わってしまったと思った」と述べた。

 枝野氏は5月におこなわれた前回の党首討論のあと,記者団に対し,「意味のないことダラダラとしゃべる総理を相手に,いまの党首討論は,ほとんど歴史的意味を終えた」と述べていた。

 この日の党首討論に立った枝野氏は,来〔2019〕年10月に予定される消費増税や参院の定数を6増やす自民党案などについて質問。もち時間15分の最終盤で,「安倍政権の問題点を7つ列挙したい」と切り出し,森友・加計(かけ)学園問題や米軍のF15戦闘機墜落事故に関する首相答弁について指摘した。

 首相が答弁に立ったときは枝野氏のもち時間は1分程度しか残っておらず,米軍機事故についてのみ答えた。そのうえで,枝野氏が問題点を列挙したことを「枝野さんの質問というか演説」と評し,「歴史的使命は終わった」と語った。

 枝野氏は,自民党の二階俊博幹事長が〔6月〕26日に「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考えて(いる人がいる)」と述べた発言についてもとりあげた。これに対し,首相は「子どもをもつかもたないかは,それぞれが選択をするべきことで,私たちが意見をいうべきではない」と述べた。そのうえで「産みたいという思いをもっておられる方が産むことができるような社会をつくっていく」と語った。

 このほか,国民民主党の大塚耕平共同代表は外国人労働者の新しい在留資格や財政再建の問題,共産党の志位和夫委員長は森友・加計問題をそれぞれとりあげた。日本維新の会の片山虎之助共同代表は参院の選挙制度改革について首相の考えをただし,衆院野党会派「無所属の会」の岡田克也代表も森友・加計問題に対する安倍首相の政治責任を問うた。
 註記)https://digital.asahi.com/articles/ASL6W4DYLL6WUTFK00X.html?iref=pc_ss_date

 「産みたいという思いをもっておられる方が産むことができるような社会をつくっていく」と語ったという安倍晋三が,それでは「日本国の首相」として実際に考えている家・家族観は,戦前・戦中流の旧式〔つまり時代遅れ〕の,いいかえれば,旧民法風の概念(このような観念を確実にもちあわせていればと仮定しての話になるが)に相当するものゆえ,枝野幸男に答えた話の中身は虚言的である。

 安倍晋三夫婦自身に子どもが居ないことは個人的な家庭・世帯の事情なので,個別的にはなんともいえないが,子どもの欲しい夫婦がたとえば人工授精などの努力によって,子どもを儲けようとする必死の挑戦に対して,もっと国家側の社会保障体制として援助してもいいといった発想は,この首相には縁遠いものであった。

 だいたい「家族の絆」を強調する自民党政権のこの中枢に陣どる議員たちは,少子高齢社会が急速に進むなかで,そのような「家族の絆」を高唱することの,それも「完全に近いくらいの無意味さ」を全然理解できていない。

 若者が結婚しづらい,結婚できても子どもを作りたいが家政(家計)がくるしくなりそうだから,ガマンをしている。そういう夫婦も多い。こんな・そんな子作りのためのひどく貧しい環境しかない日本の社会のなかで,いまごろなってもなおのんきに,「産みたいという思いをもっておられる方が産むことができるような社会をつくっていく」などとのたもうたうその間にも,日本国における人口の減少・社会の縮小は,どんどん進展していっている。
 補注)もっとも日本では「少子化の原因は未婚化という認識のもと,各地で『婚活』のとり組みが実施されているが,結婚と出産をセットで考える必然性はない。発想を転換する時期に来ている」という認識が,一番浸透しにくい国情のままにある。
 註記)舞田敏彦(教育社会学者)「婚外子が増えれば日本の少子化問題は解決する?」『ニューズウィーク 日本語版』2017年7月13日 15時00分,https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7974_2.php

 この国の総理大臣は「戦前回帰」の政治思想の持ち主らしいが,目の前に現在する政治的に具体的な課題の本質・根柢がみえていない。「働き方改革」など字面だけはかっこよく,耳にも心地よく聞こえる文句:標語を出していたが,今日〔6月29日〕はその法案を参議院でも可決・成立させるみこみだと報道されている。だが,これほど評判の悪い労働法関連の法案はなかった。過労死が増える結果を誘因させる法案だと,いまから危惧されている。

 ②「〈党首討論〉岡田〔克也〕氏『総理,良心の呵責感じませんか』」(asahi.com 2018年6月27日19時19分)

 国会の「党首討論」が27日おこなわれ,安倍晋三首相と5人の野党党首らが1対1の論戦を繰り広げた。国会のとりきめで,討論の時間は計45分間かぎり。立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長,衆院会派「無所属の会」の岡田克也代表は森友・加計(かけ)学園問題を追及。国民民主党の大塚耕平共同代表は「骨太の方針」をとりあげ,日本維新の会の片山虎之助共同代表は参院の定数を6増やす自民党案について首相の考えをただした。主なやりとりはつぎのとおり……(以下では割愛する)
 註記)https://digital.asahi.com/articles/ASL6W4GBJL6WUTFK014.html?iref=pc_ss_date

 5名を相手にして党首討論をやるのに,たった45分間でなにを議論できるのかといえば,しかも安倍晋三の国会内における議論の仕方を観ていると,はてしなくも絶望的な期待である点は,事前より分かりきっている。安倍晋三ほど国会のなかでは “汚い・下品なヤジ”を 飛ばすだけでなく,討論においてだらしなく時間ばかり浪費する話法を駆使する才能に富んだ首相は,いままでいなかった。

二階俊博画像3 首相が首相なら,自民党の幹部議員から三下・陣笠議員までもそうなのであって,まことに品のない,そしてとくに人間としてまったく魅力に欠く〈連中〉が,この党には目白押しになって蝟集している。
 出所)画像は,https://www.news-postseven.com/archives/20171220_638489.html

 その代表格がなんとあの二階俊博(1939年生まれ,79歳)である。現在まで衆議院議員に12期当選している,自由民主党幹事長(第48代)であるが,つぎのように,真っ向から批判されるべき非常識,そうみなしてもいい〈放言〉を繰りだしていた。

 ③「『子ども産まない幸せは勝手』 自民・二階氏の発言に呆れる人続出 『時代錯誤も甚だしい』『子育てできる法整備もろくにないのに』」(キャリコネ編集部『カリコネニュース』2018.6.27)

 a) 自民党の二階俊博幹事長が6月26日,都内の講演で少子化問題に触れたさい,「子供を産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」「子供をたくさん産み,国が栄え,発展していく方向にしよう」などと発言していたことが分かった。結婚や出産の強要とも捉えられかねない発言に,「時代錯誤も甚だしい」「また自民党か」など,ネットでは多くの批判が上がっている。

 「いま,食べるのに困る家はない」〔と〕「困窮する人を蔑ろにする発言も」〔この二階は放っていた。このような発言をできるその無神経さ,政治家としてのいたらなさが,以下においては具体的に批判されている〕。

 東京大学 Cedep とベネッセ教育総合研究所が実施した調査によると,2人目の子どもをもちたくても,経済面から難しいと感じている世帯は,年収800万円以上でも約68%いるという。年収400万円未満では約91%にも上る。

 子育てに金銭的不安をもつ人が多いのは,多額の教育費や保育園不足などの問題を,自力で埋める必要があるからだ。現在の子育て支援政策だけでは安心して子どもを育てられない,という意識の表われともいえる。
 補注)「Cedep: セデップ」とは,2015年7月1日の開設された「東京大学大学院教育学研究科附属・発達保育実践政策学センター」のこと。詳細については,同センターのホームページを参照されたい。⇒ http://www.cedep.p.u-tokyo.ac.jp/

 『朝日新聞』の報道によると二階氏は「食うや食わずの戦中,戦後,子どもを産んだら大変だから産まないようにしようといった人はいない」という自身の考えを踏まえたうえで,「子どもをもたない人は勝手」と発言したという。まるで,政府は子育て環境を十分整備しているのに子どもをもたないなんて怠慢だ,ともいいたげだ。
 補注1)戦争中に叫ばれた標語「産めよ殖やせよ」を,いまも当然視したかのような発言であるが,トンデモな(い)考え方である。1941〔昭和15〕年1月22日に閣議決定された人口政策確立綱項にもとづくその標語「埋めよ殖やせよ」は,同年の12月8日に開始された大東亜戦争の進行にともない,それまで日本が「産んで殖やした」人間の命(主に大正年間のそれ)をどのくらい殺していったか,まさか1939年生まれの二階俊博がしらないわけはあるまい。

 「食うや食わずの戦中」でも,お国の勝利のために必要であった人的資源,それもとくに男は兵隊に使えるので「子どもをもたない人は勝手」と非難されることがあった。国策のもとで家・家族が子どもを作れと奨励された時代を懐かしがる二階俊博の発言は「時代錯誤」というよりも,21世紀に生きる「過去の遺物」的な「状況音痴」そのものである。

 〔記事に戻る→〕 日本おいても昭和に入ってからは出生率減少傾向がみられた。とはいっても,明治以来の富国強兵策には永続的な人口増加が不可欠と考えられた以外に,戦争激化による生産人口の不足,植民地の殖産など人口増が不可欠と考えられていた。

 わけても,1941年(昭和16年)1月22日の近衛文麿内閣の閣議決定は,歴史的にみて「個人の権利を侵害する」決定であった。当時の日本は大東亜共栄圏の確立をめざしており,人口増強策を採っていた。
 補注2)さらにこういう歴史の事実があった。戦前・戦中まで高齢出産の数が多いのは,衛生面や社会インフラ,医療技術の点などで現在と比べてはるかに死亡リスクが高く,その結果平均寿命が短いがために「出産が国策的に奨励されていた」ことが要因である。いわゆる「産めよ増やせよ」「富国強兵」に連なった動きといえる。

 また生物学的・本能の面でも,人口の維持増大のためには,健康であるかぎり高齢でも出産をするという社会的性質も後押ししていた。いわば「多産多死」の状態であった。高齢出産は母親の心身にかかる負担なども合わせ,さまざまな問題が指摘されている。同時に時節の流れの上で仕方がないとの意見もある。
母の年齢別にみた出生数図表

 しかし「現在の高齢出産化」は,「戦前の高齢出産状況」とは明らかに異なる事由により発生している。出産時の環境も大いに違うため,戦前までの事例・対策は役に立たない(さらに上記状況からも分かるとおり,戦前の場合は第二子,第三子の事例が多いが,直近においては第一子の事例が多くなっている)。現状を社会現象の一端として認識するとともに,対処が必要ならば早急に適切な立案と,その実施が求められよう。
 註記)この補注2)の青字段落の引用は,https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20131012-00028689/  不破雷蔵稿「意外な事実が分かる,戦前から見た日本の高齢出産化」『YAHOO! JAPAN ニュース2013/10/12(土) 10:04。

 自民党の重鎮だか文鎮だかはしらぬが,この二階俊博は日本における人口問題の重要性に関する基本的な認識は,どうやら皆無であるそれも自身が “後期老齢の国会議員” であった。このような自民党の議員が「国民が選挙で国会に送りこんできた選良だった」となれば,そしてさらに,国家の責任としてかかえる重大性のある問題に関して,当初より「無知・固陋であった」となれば,問題がありすぎる。もちろん,その責任の一端はこうした人間を国会に送りこんだ有権者側にもある。

 〔ここで,③ の本文の引用に戻る ↓  〕 
 b) ネットでは一連の発言に,「子供をもつかもたないかは夫婦の問題で国が口を出す権利はない。しかし,自分達の政策の悪どさを棚に上げてよくいえたものだ」とか,「子育てができる法整備もろくにないのに,子供を作らないやつは非国民みたいな扱いを政治家にされたらふざけんなよってところはあるだろうし,この超少子化を招いたのは長年政権を担いながらも問題を放置しつづけた自民党の責任は重大なはずだけど,そこは謝罪もないあたりがまた」,などの声が相次いでいる。

 二階氏は講演中,「戦後と違い,食べるのに困るような家はもういまはない。今晩お米が用意できないという家はない。こんな素晴らしい幸せな国はない」とも発言している。厚労省の調査によると,2016年度の1月あたりの生活保護受給世帯数は約164万世帯で,過去最高を更新している。深刻化する貧困問題への理解不足を露呈させただけでなく,現在困窮している人を蔑ろにする発言だ。
 補注)二階俊博は多分,「『給食だけが唯一のまともな食事』という子どもが増えている… “学校給食の中止” はなぜ誤った判断なのか」(『日刊 SPA!』2016年11月08日,https://nikkan-spa.jp/1231445 ~ https://nikkan-spa.jp/1231445/2)といったふうに社会問題化してもいるのだが,「日本の子どもたちが摂食に不足している現実の問題」などについて,なにもしらないと推察される。

 この文章は途中の見出し文句,「給食のない夏休み,体重の減る子がいる」「給食費を『払わない』保護者と『払えない』保護者」という2項目を出していた。こうした指摘がなにを意味しているか余計な説明が要らない。

 5月には別の自民議員が「結婚したら必ず3人以上子どもを産んで」と発言し謝罪。自民党では,子どもをもたない人や家族の価値観を否定し,「国のために子どもを産め」という趣旨の発言をする議員があとを絶たない。直近では5月上旬,加藤寛治衆院議員が,派閥の会合の場で「結婚披露宴に出席するさいは,必らず3人上の子どもを産み育てるようお願い」していると発言。批判を浴び,謝罪した。
 補注)安倍晋三の強調する「戦後レジームからの脱却」がまさに戦前・戦中への回帰を一方的に志向していた点は,このように成功裏(?)に,自民党のいまどき「時代の流れが全然読めない」愚昧な議員たちによって,しかも最近では性懲りもなく反復されている事実からも再確認できる。

 c) 同〔5〕月下旬には萩生田光一幹事長代行が,宮崎市内の講演で,こう発言している。

      ◇-1「男女共同参画や男も育児だとかいっても,子どもにとっては迷惑な話」

      ◇-2「赤ちゃんにパパとママどっちがいいか聞けば,ママのほうが良いという
        に決まっている」

 補注)男女共同参画社会の構想が大嫌いな自民党議員の本音が吐かれている発言であった。萩生田光一も子どものころは,きっとパパよりもママのほうが良かった(より好きだった)としても,こういう発想に囚われているようでは,人口が急激に減少しだしている日本の社会のなかで「女性を大いに活かす」ことは,とうてい不可能である。たとえ専業主婦であっても,「女性の立場=人生の全体」を視野に入れて考えればすぐに理解できることだが,「子育てにたずさわる時期:行程」だけがその人生の前提になっているのではない。

 萩生田流のそうした主張は「女は家庭にいろ,家族に奉仕していればいい」といった,古式(?)ゆかしき反動的な考えに根をはやしている。要は,現在の日本が抱えている社会問題に関して全体像をまともに理解しない政治家が,講演をするなかで自分自身の無知ぶりをさらけ出すほかなかった語りを,それも得意げに披露する風山東昭子画像景が展開されていた。
 出所)画像は山東昭子,https://芸能人の旦那特集.com/2017/10/22/https://芸能人の旦那特集.com/2017/10/22/

 昨〔2017〕年11月には山東昭子議員が,子どもを4人産んだ女性を表彰して少子化対策につなげようと提案し,物議を醸した。相次ぐ自民党議員の失言に「また自民党かよ」と呆れる声も出ている。
 補注)山東昭子は結婚しておらず子どもも儲けていないらしい。どのような発言をしようと勝手であるが,同じ女の一員として「この種の発言をするとき」に,なにかひっかる点を感じることはなかったのかと,首をかしげざるをえない。
 註記)以上,本文は,https://news.careerconnection.jp/?p=55840 〔 〕内補足は引用者。

 ④「素粒子」(『朝日新聞』2018年6月28日夕刊1面)

 このコラム「素粒子」の引用は,① から ③ の記述の全体を受けたつもりで,してみた。

     問われたことに答えずに
     うだうだ紋切り型で応じ
    シ 首相はまたもかわしてた
    ュ 許しがたい,言いっ放し

    ト とうてい理解は広がらぬ
    ウ うんざりしました今回も
     論外ですね中身の空疎さ
     んー,時間が足りないよ

    ミ 短く30秒以内で一問一答
    ナ 長口上,独演は禁止して
     お互いもっと丁々発止と
     争点論点きっちり詰める
     うまい討論,聞きたいな

 安倍晋三は〔したり顔で,なのか〕党首討論の『歴史的使命終わった』と断定していた。だが,党首討論の苦手である自分の立場からいえば,たしかに「党首討論など終えたい」と切望していた。もっとも「安倍1強〔狂・凶〕」になる専制的・独裁志向の政権でもあるから,そのような身勝手な発言が飛びでていたと解釈できる。

 つぎの ⑤ は,二階俊博の発言に戻って,さらに批判している。

 ⑤「〈社説〉二階氏の発言『産めよ』の発想の罪」(『朝日新聞』2018年6月29日朝刊)

 これが「女性活躍」をかかげる安倍政権中枢の本音なのか。人権意識の乏しさ,政治が果たすべき役割への無理解に,あぜんとする。自民党の二階俊博幹事長が都内で講演し,少子化問題に触れてつぎのように語った。

 「このごろ,子どもを産まない方が幸せじゃないかという勝手なことを考えて(いる人がいる)」「この国の一員として……みんなが幸せになるためには子どももたくさん産んで,国も栄えていく」。

 まるで「産めよ殖やせよ国のため」と呼びかけた戦前の発想だ。「一夫婦の出生数平均五児」などの目標をかかげた人口政策確立要綱を閣議で決めた時代と,根っこは同じではないか。いうまでもなく,結婚も出産も,個人の自由だ。政治家が口出しする話ではない。政治がなすべきは,結婚,出産を希望する人が安心して子どもを産み,育てることができる環境を整えることだ。

 深刻な少子化の責任を,国民に転嫁するのもまったく筋違いだ。女性の社会進出,家族の多様化など,社会の変化に対応し,必要な政策を進めてこなかったのは,政治の怠慢である。

 1992年には共働き世帯が専業主婦世帯を初めて上まわった。子育て支援の必要性が叫ばれたのに,日本の予算は先進諸国のなかで最低レベルという状態が続き,出生率は2005年に1.26まで落ちこんだ。2001年にかかげた待機児童ゼロの目標はいまだに達成されていない。

 同じ講演で,二階氏はいまの日本に貧困問題がないかのような発言もした。不安定な収入,将来への不安から結婚や出産をためらう若者が多くいる現実が,目に入らぬのだろうか。7人に1人という子どもの貧困率は,先進諸国で最悪の水準だ。

 国家のために子どもを産むのは当たりまえ,子育ては女性の仕事だという価値観にもとづく発言は,自民党の有力政治家がこれまでも繰り返してきた。子どもを1人も産まない女性の老後に税金を使うのはおかしいと述べた森〔義朗〕元首相(2003年),女性を「産む機械」に例えた柳沢伯夫・厚生労働相(当時,2007年)。

 最近も「『男も育児だ』とかいっても,子どもには迷惑な話かも」(萩生田光一・党幹事長代行)などの発言があった。長年,政権を担ってきた自民党のそんな姿勢が,子育てを社会全体の問題ととらえて支援を充実させることを阻み,少子化を深刻化させたのではないか。そのことを猛省し,発想を転換することが出発点だ。(引用終わり)

 いまの安倍晋三政権の中枢に連なるの面々に向かい,いままで「子育てを社会全体の問題ととらえて支援を充実させること」を怠ってきたのだから,現状のごとき出生率にも端的に露見している「少子化を深刻化させた」自民党の社会政策に対しては,あらためて「猛省し〔てもらい〕,発想を転換することが出発点」に据えられるべきだと強調してみたところで,おそらく “馬の耳に念仏” である。その点を馬に聞かせるくらいなら,奈良の鹿に聞かせたほうが,まだ数段マシかもしれない。

 ⑥「なぜ,舌禍,暴言が続くのか 安倍化という劣化が進む自民党」(『日刊ゲンダイ』2018年6月28日,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232197)
 
 1) 党首討論でもやりたい放題
 「岡田さん,ルールは守んなきゃ」  27日,党首討論を終えた安倍首相は衆院会派「無所属の会」の岡田克也代表にこういい放った。この男の減らず口には開いた口が塞がらない。先月30日以来となった党首討論は,前回同様にモリカケ問題の追及を中心に展開されたが,安倍は相変わらずの論点ズラシで逃げまわってゼロ回答。

 ラストバッターで質問に立った岡田が「当事者でないかのようなものいいはズルい」と攻めると,安倍は「当事者という意味を正確に定義していただきたい」とブチ切れ。討論をとりしきる鉢呂吉雄参院国家基本政策委員長から「時間が来ております」と3度注意を受けるもガン無視で,持論を垂れ流し。岡田のもち時間を消化した。

 それで終了時間を過ぎてしまった岡田が最後に「良心の呵責,感じませんか」と締めのひと言。そうしたら,掟破りの常習犯である安倍がルールをもち出したのだから,盗っ人猛々しい。

  “腹心の友” が熱望するビジネス拡大を実現するため,「岩盤規制を打ち破る」と称してルールをねじ曲げたのではないのか。国家戦略特区を利用し,「総理のご意向」で加計学園の獣医学部新設計画に便宜を図ったのではないのか。世論の7割がこうした疑惑を抱き続けている。 “腹心の友” のいいわけにもならない釈明で,疑惑はますます深まっている。

 2) 安倍首相の本音代弁で機嫌とり
 犬は飼い主に似るとはよくいったもので,自民党議員もやることなすことメチャクチャだ。衆院厚労委員会の参考人として発言中のがん患者に,「いい加減にしろ!」と執拗にヤジを浴びせた穴見陽一衆院議員は,不祥事の量産装置と化した “魔の3回生” の安倍チルドレンだ。
   穴見陽一発言画像
 出所)https://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/31e4060d4cc743759b326b365e18bfa1
 受動喫煙対策を話し合った党会合でがん患者を「働かなければいいんだよ」と冷たく切り捨てた大西英男衆院議員も “魔の3回生” 。加計問題をめぐり,「総理のご意向で行政が歪められた」と告発した前川喜平前文科次官の講演先に対し,文科省を通じて圧力を掛けた池田佳隆衆院議員もそうだ。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はいう。
 「小選挙区制で党本部がカネと公認権を握り,総裁がポストも差配する構図ができあがっている自民党は,安倍首相に権力が集中しています。

 とりわけ “魔の3回生” は安倍首相の総裁時代しかしらず,安倍1強と呼ばれるに至る過程を目の当たりにしてきた。

 安倍首相に目をかけられることが保身に直結するため,つねに顔色をうかがい,有権者には目もくれません。彼らの発言は本心であると同時に,安倍首相の本音を代弁しているといっていいでしょう」。
 3) 浸透する封建的家族主義
 穴見のトンデモ発言をめぐって安倍は,「がん患者の方が自分のお気持ちを述べておられる。その姿勢に対し,寄り添ったかたちで対応をしなければならない」ともっともらしくいっていたが,口先だけだ。とがめもせず,なんの処分も下していない。

 重鎮としていさめるべき立場にあるはずの二階幹事長も「このころ,子どもを産まない方が幸せじゃないか,誇れるんじゃないかと勝手なことを自分で考える」「子どもをたくさん産んで国も栄えていく方向へいくように,皆がしようじゃないか」などとぶち,物議を醸している。

 それぞれの家庭が抱える事情はお構いナシ,明治の富国強兵を地でいく発想だ。安倍側近の萩生田光一幹事長代行も「赤ちゃんにパパとママどっちが好きかと聞けば,ママがいいに決まっている」と放言し,騒ぎになった。

 自民党議員の舌禍,暴言はなぜ続くのか。答えは簡単で,国民よりも安倍サマ。それをトップの安倍が強いているからだ。立正大名誉教授の金子 勝氏(憲法)がいう。
 「戦前の軍国主義に憧憬をもつ安倍首相の頭を占めているのは,封建的な家族主義の復活なのでしょう。個人の自由や権利を認めず,国家のトップが独裁権力を握る。そこには国民主権も民主主義もありません」。
 第2次安倍政権発足以降の5年半で,安倍の価値観と自民党のそれは同化しつつある。アベ化が進む自民党議員のオツムと品性は推してしるべしなのだ。

 4) 過労死が嫌なら仕事を辞めろ
 国民が大反発した安保法を強行採決した2015年以来の会期延長となった通常国会は,狂った集団が連発するデタラメ強行採決によって修羅場と化すのは必至だ。野党による疑惑追及から逃れるため,国会を閉めたがる安倍が32日間の大幅延長に踏み切ったのは,世論の半数が反対する働き方改革関連法案,カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案,参院合区対策として定数を「6増」する公職選挙法改正案を確実に成立させるためだ。

 いずれの法案も問題だらけだが,とくにヒドイのが,安倍が「70年ぶりの大改革」と意気ごむ働き方改革である。比較データの捏造で裁量労働制拡大は削除に追いこまれたが,長時間労働や過労死の助長が指摘され,スーパー裁量労働制とも呼ばれる輪をかけて悪質なる高度プロフェッショナル制度は含まれたままだ。

 必要性を把握するための厚労省のヒアリング実施は法案要綱の作成後といういい加減のきわみのうえ,ついに安倍は「適用を望む企業や従業員が多いから導入するものではない」と労働者ニーズを否定。「時短を目的とするものではない」と開き直った。高プロの削除を求めて野党が提出した問責決議案は〔6月〕27日,与党などの反対多数で否決。与党は28日の参院厚労委で可決し,29日の参院本会議で成立させる算段だ。
 「労働者を安い賃金で死ぬまで働かせようとする働き方改革でもっとも得をするのは,安倍首相を支える財界です。財界の長年の熱望を今回まとめなければ,総裁3選は危うい。安倍首相はどんな手を使ってでも成立させるつもりでしょう。

 政権ナンバー2の麻生財務相が〈10~30代の新聞を一番読まない世代は全部自民党支持だ〉という趣旨の発言でいみじくもいい表していましたが,徹底的に国民をコケにするのがこの政権の本質なのです」(金子 勝氏=前出)
 補注)もっとも「朝日川柳」(『朝日新聞』2018年6月26日朝刊)では,「☆麻生さんそりゃあ違うとYS紙(茨城県 岩井廣安)」という揶揄が秀作として選ばれていた。いうまでもないが,Y紙とは『読売新聞』,S紙とは『産経新聞』だから,麻生太郎のいいぶんは支離滅裂。このような世襲政治家が現在,副総理大臣というか,10年ほどまえには総理大臣をも務めていた。
 過労死が嫌なら会社を辞めればいい,生産性の低い労働者は企業の荷物だといわんばかりの発想。もはや自民党には,弱者を冷酷に切り捨てる政権に群がり,唯々諾々と従うヒラメ議員しかいないのか。国民を代表する意識もなければ,国会軽視が国民主権をないがしろにしていることにも頓着しない。すべてはイカれたトップのせいだろう。この先にみえるのは荒涼と殺伐しかない。亡国首相に引導を渡せるのは世論だけだ。
 註記)引用は,http://www.asyura2.com/18/senkyo247/msg/111.html

 日本国の「イカれたトップ」とは「安倍晋三首相,麻生太郎副首相,二階俊博(自民党幹事長)など」の存在であった。いまのこの日本国は世紀末どころか,世紀初めのさえない10周年期を反復してきた。アベノミクスもただ無策を結果させてきたのが,成果といえば(目にはよくみえないその)成果であった。

 安倍がもしも自民党総裁を3期目まで務め,総理大臣職もさらに続けるとなったら,その間にも日本の人口は拍車をかけられたかのようにドンドン減少していく。「産めよ殖やせよ」とだけ一方的に発声・提唱してところで,この国は間違いなく人口統計面から確実に衰弱していく。(画面 クリックで 拡大・可 ↓  )
  日本人口の歴史的推移と予測
 西暦600年から2200年までの人口の推移をみると,平安時代が500万人強,関ヶ原の戦いの時で現在の10分の1の1200万人,江戸時代に3000万人を超えて,明治以降,急激に増えた。2010年まではドカンと上がった。ところが,そこが頂点で,これからジェットコースターのフリーフォールのように急減していく。
 出所・註記)木本武宏稿「日本人は『人口急減の恐怖』を知らなすぎる 今後はフリーフォールのように急減していく」『東洋経済 ONLINE』2016年12月08日,https://toyokeizai.net/articles/-/148363
 安倍晋三君も麻生太郎君も,このように現時点において確実に予測されている人口統計の趨勢など「いまのオレたちにとっては,どうでもいい,未来(あさって)の問題さ」というわけか? トンデモな世襲政治家たちが現に,この日本を滅ぼしつつある。

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 【 参考記事 】

  ※-1 「室井佑月の連載対談『アベを倒したい!』第10回ゲスト 古賀茂明(前編)室井佑月が元官僚の古賀茂明に聞く! 『なぜ佐川氏や柳瀬氏ら官僚は安倍首相をかばい続けるのか』」『リテラ』2018.06.26,http://lite-ra.com/2018/06/post-4090.html

  ※-2 「室井佑月の連載対談『アベを倒したい!』第10回ゲスト 古賀茂明(後編)古賀茂明が室井佑月に語った『安倍首相は残虐』の意味,そして加計疑惑の決定的な問題とは?」『リテラ』2018.06.28,http://lite-ra.com/2018/06/post-4093.html

  ※-3「安倍首相『討論のルール守れ』⇒小西ひろゆき議員『どういう育ち方をしたのか』『倫理を持っていない』」『情報速報ドットコム』2018.06.27 23:00,https://johosokuhou.com/2018/06/27/6845/


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