【救いようのない「傲慢と幼稚」「暗愚と無知」「欺瞞と粗暴」の終末的な展望は,日本にとっての不幸・不運】

 【「社会の木鐸」とは無縁である読売新聞社,産経新聞社は安倍強権・狂信政治への腰巾着的な奉仕をおこない,反社会的な機能を発揮】
上岡直見表紙日本を潰すアベ政治
付記)画像にはアマゾン広告へのリンクあり

 ① 最新刊 上岡直見『日本を潰すアベ政治』緑風出版,2019年3月(四六判上製,304頁,2500円)の紹介

  「日本を取り戻す」「新たな国づくり」を標榜する安倍政権だが,その政策は米国追従かと思えば旧態依然の公共事業バラマキ,消費税率引き上げなど,支離滅裂である。もはや安倍政権の存在そのものが「災害」である。本書では防災・原子力・国土利用・交通・経済・防衛・教育などのあらゆる分野にわたって,具体的なデータをもとに安倍政権の誤りを指摘する。
【内容構成】

はじめに
第1章 「災害」をどう捉えるか
 「災害」とは何か  自然災害の現状と対策
 リスクの捉えかた  リスク認識の操作
 専門家はなぜ「楽観」するか

第2章 災害便乗事業
 震災と惨事便乗事業  「ショック・ドクトリン」とは
 国土強靱化災害  オリンピックもショック・ドクトリン
 「ショック改憲」のおそれ

第3章 避難を「権利」で考える
 避難と権利  いつまで「体育館にごろ寝」なのか
 オスプレイより従来型ヘリを  災害弱者の課題
 物資も人権  原子力災害と避難

第4章 人災としての水害
 減らない水害  水害の形態と防災
 ダムの現況と機能  「貯める」対策の限界
 「流す」「止める」の問題点  「逃げる」「免れる」について
 土砂災害も人災  ダム自体が作り出す危険

第5章 原発災害
 福島原発事故は人災  安全神話も再始動
 次の惨事はどこか  避難はできるのか
 避難に起因する経済的被害  「野球被ばく」と精神論
 北海道系統崩壊

第6章 大規模工事と国土荒廃
 「人災」としての公共事業  国土利用計画の推移
 全総と防災  歴代内閣と公共投資
 すでに始まった「リニア人災」  リニアの地域への影響

第7章 交通災害と通勤地獄
 交通事故は「人災」  自民党が道路を作る
 通勤地獄は「人災」ではないのか   格差を助長する「くるま社会」
 「くるま社会」と災害避難

第8章 経済でも「災害」は起きる
 アベノミクス災害  日銀災害
 先送り災害  政府の財政と債務
 経済はすでに敗戦  自民党支持層こそ警戒を

第9章 防衛
 「戦災」の教訓  日本兵は精強ではなかった
 工業力の不足と国民生活  戦争はもうからない
 防衛予算と使い方  「買わされる」装備
 イージス・アショアは誰を守るのか  戦争を起こすのは文民
 自衛官は尊重されているか

第10章 市民と防災
 危機への対処  議会がいらない政治
 法律がいらない行政  「隣組」は防災で機能するか
 日本の教育がつくる無関心
 日本の「エリート」はなぜ機能しないか
 市民と自治体の役割

あとがき-市民運動の再構築
 ②「いよいよ打つ手がなくなった安倍外交」(『天木直人のブログ』2019-03-04,http://kenpo9.com/archives/5690

 今日〔3月4日〕発売の『週刊ポスト』最新号(3月15日号)に,「この国の中枢でなにが起きているのかー政治部記者覆面座談会」という特集記事がある。この手の覆面座談会は無責任なものと思われがちだが,必らずしもそうではない。読み手の判断力が正しければ,その真贋をみきわめることができる。

 今回はフリージャーナリスト武富 徹氏の編集だ。「権力者たちの本当の姿も,国民生活の将来さえ,新聞報道からは本当のことはなにひとつ伝わってこない。長期政権とは,かくもメディアを麻痺させるものか。ならば一度なにもかも引っぺがして,国民の前に忖度のない政治のありのままをさらしてみようではないか」。

 そういう前書きで始まる今回の覆面座談会はかなり真実に迫っている。少なくとも安倍外交に関しては私はそう判断する。その安倍外交について,こう書かれている。安倍首相の北方領土交渉への熱意は,1月の日ロ首脳交渉以後,目にみえてしぼんでいると。そのかわり,日朝首脳会談が急浮上していると。笑ってしまうのは,その理由だ。
   今井尚哉首相秘書官画像
    出所)https://www.youtube.com/watch?v=MeIMYguEau0
 今井〔尚哉〕秘書官ら官邸側近が心配しているのは,日ロの6月基本合意がむつかしくなってきたことで,安倍総理が精神的に折れてしまわないかということだというのだ。だから,「ロシアがダメでも北朝鮮があります」とおぜん立てして安倍首相のモチベーションをなんとか維持させたいというのだ。

 なんと情けない安倍首相であることか。まるで赤ん坊だ。
 

 みているがいい。これからの新聞の紙面は,日ロ関係より日朝関係の記事が増えてくる,そう座談会の覆面記者たちは語っている。しかもである。それは国民の目をロシアから北朝鮮に向けさせるという面もあるが,情報を流す官邸側にすれば,「国民が期待しています」と安倍首相の士気を鼓舞したいという目的が大きいというのだ。

 これが「外交の安倍」の一面の真実であると,武富 徹の週刊ポストの記事は書いているのだ。私もそう思う。安倍外交は,官邸官僚たちに振りつけられた赤ちゃん外交なのだ。トランプ,プーチン,習 近平,金 正恩,文 在寅が凌ぎあう首脳外交に入れてもらえないはずである。(引用終わり)

 これまでは確か「子ども」だと思っていた安倍晋三君であった。ところがこのたびはとうとう「赤ちゃん」だとまでこき下ろされている。それでも『コンナ人ガ,ナント  日本コクノ  総理大臣デアル」のだから,いままでの「日本の為政(政治と経済)」が実質では低空飛行を余儀なくされつづけ,しかも深刻な危機に直面させられてきたのは,この「岸 信介の外孫」である血統を唯一の矜恃とする安倍君」であろうがなかろうが,そのやることなすことすべてが「幼稚であり稚拙であった」というお粗末。

 内政では「専制的な独裁志向のやり方」でなんとかごまかしつづけてきたものの,外交ではまったくその志向(恣意)とは別世界でのお仕事であるために,安倍晋三という日本の血統書付きの政治家であってもまったく通用していなかった。今月(3月)1日は隣国において「三一節  100周年記念  式典」が開催されていたが,関連して韓国紙『中央日報』はつぎのように報道していた。この日本政府の1人芝居的な対応は,まるで1世紀前におけるごとき “大日本帝国時代の政治意識”を思いおこさせる,いうなれば『タイムスリップ』的な「過剰反応的な〈萌えのコッケイ〉」に映っていた。その理由を以下に説明する。

 ③「日本政府,三一節控えて国民に韓国訪問自制要請を検討」(『中央日報』日本語版,2019年03月05日06時41分,https://japanese.joins.com/article/849/250849.html

 1)この記事の引用
 日本政府が「韓国の三一節(独立運動記念日)」を控え,自国の国民にできるだけ韓国訪問を控えてほしいという要請を検討していたことを,日本メディアが伝えた。共同通信が複数の韓日関係筋を引用した〔3月〕4日の報道によると,日本政府は三・一運動100周年を控えて韓国を「危険情報」を「レベル2」に引き上げることを一時考慮したという。

 日本政府は国民に海外訪問の自制を要請する場合,4段階で構成された「危険情報」を発表する。4段階うち「十分注意してください」という内容のレベル1がもっとも低く,「退避してください。渡航は止めてください」というレベル4がもっとも高い。レベル2はその中間レベルで,アジアの国の中ではミャンマー,バングラデシュ,フィリピンの一部の地域に適用している。

 共同通信によると,日本政府の官僚は三一節の前後に韓国内の反日世論が拡大するおそれがあるとみて,危険情報をレベル2に引き上げることを検討するよう外務省に指示した。しかし内部でゆき過ぎた措置だという指摘があり,外務省は結局,韓国国内に滞在中の日本人に集会場所に近づかないよう要請する「スポット情報」を先月28日に発表したと,共同通信は説明した。

 2)2019年「3月1日」韓国から日本人が通信してきた内容は,いつもどおり「安心・安全」
 その日における韓国の様子については,「マスコミと政府が『独立運動記念日の韓国は反日で危険』と煽動も実態は…ツイッター韓国現地レポの “ほのぼの” ぶり」(『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』2019.03.02 09:5,https://lite-ra.com/2019/03/post-4580.html)が,つぎのように伝えていた。

 --昨日〔3月1日〕,韓国では「三・一独立運動」から100周年を迎え,ソウルで政府主催の記念式典が催され,各地でも集会やデモがおこなわれた。「三・一独立運動」とは,1919年〔3月1日〕に朝鮮半島で起こった日本による植民地支配に抵抗して起きた運動のこと。レーダー照射問題以降, “嫌韓” ムードを必死に煽る日本政府だが,この独立運動記念日にさいしても,外務省は韓国への渡航について,こんな「注意喚起」情報を出した。
 韓国への滞在・渡航を予定している方や滞在中の方は,最新の情報に注意し,デモ等が行われている場所には近づかない等慎重に行動し,無用のトラブルに巻きこまれることのないようご注意ください。
 さらに,この外務省の「注意喚起」に対して,自民党の小野田紀美・参院議員は,こんな投稿をおこなった。
 外務省から,韓国に渡航する方への注意喚起が出ております。遅きに失するうえに甘い…… 危険情報のレベルを1,2に上げるべきだという意見も外交部会でありましたが,結局それはなされず。渡航される方,よくよくご自身の安全を考えて下さい。
 「注意喚起が甘い」「安全を考えて」という言葉にはものものしさしかないが,そもそも外務省による危険情報のレベル2といえば「不要不急の渡航は止めてください」というもの。現在は,武装組織によるテロがたびたび発生しているシリアとの国境にも近いトルコの一部地域や,衝突が散発的に発生しているというレバノンの一部地域などに発出されているレベルだ。

 そのような地域と同様に,韓国への不要不急の渡航は止めろ,と主張する自民党議員がいたというのである。客観的な情勢分析でなく差別的感情で危険情報を上げるなど,まともな近代国家とはとても思えない。しかも,こうした主張に丸乗りしたのが,メディアだ。

 たとえば,昨日1日放送の『とくダネ!』(フジテレビ)では,トップから「きょう “反日” 1万人集会 渡航者に注意喚起も」とテロップを出して報道。式典準備中の広場から中継までおこなって「韓国国内では日本への批判がさらに高まることが予想」と伝え,司会の小倉智昭もこう発言した。

 「旅行で韓国,ソウルとかにお出かけの方もいらっしゃると思うんですが,きょう3月1日という日はちょっと心配」「これを機に,また反日の気運が高まったりすると日韓関係もややこしくなりますからねえ。なるべく穏やかにしてほしいと思いますが」

 ほかのワイドショーでも文 在寅大統領の「親日清算」という言葉をとりあげ,「親日」というのは韓国では「大日本帝国の植民地支配に協力した者」を意味する用語であるにもかかわらず,あたかも現在の日本と友好関係を否定したかのように,誤用・混同し日韓の対立を煽り立てていた。

 独立運動記念日に韓国中が「反日」を叫び,日本人が危険に晒される可能性が高い。安倍政権とメディアは,そう煽りに煽ったのである。はたして日本政府やメディアが主張するように,独立運動記念日の3月1日,韓国で日本人は危険な目に遭ってしまうのか。多くの人が注目するなか,Twitter 上では,こんなハッシュタグが登場した。

 「#在韓日本人現地レポ2019年三一節その時私は」

 結果,Twitter 上には,このハッシュタグをつけた,韓国に住む日本人や韓国を旅行中の人たちが「現地レポート」を続々と投稿。そして,そこで伝えられたのは,「韓国が危険」「反日ムード高まる」「日本人は身の安全を守って」という安倍政権やメディアが喧伝した空気とはまったく違う韓国の街の様子と,旅行や韓国ライフを楽しむツイートの数々だった。

 在韓日本人や旅行客が「普通のお祭り」「TWICE の曲を日本語で踊ってた」。その一部を紹介しよう。
 〈3.1ソウル駅前。AREX 乗ろうと駅前通ったけど,別に罵倒されたりするわけでもなく普通のお祭りだったよ。それよりお気に入りのコンナムルパプ(編集部註・豆もやしご飯)を見て欲しい。〉

 〈サムギョプサル食べて〜ビビンパ食べて〜ソルビン食べて〜カフェラテ飲んで〜楽しい韓国旅行でした〉

 〈確かに新村とかウリナラ万歳的なイベントやってたけど,本人達が盛り上がってるだけだから通りすがりの人が何人かとか見てないし,それより SPAO(編集部註・韓国のファストファッションブランド)のセールの方に夢中な人も多数。〉

 〈日本人が運営するパン屋&レストランで働いております。メニューもかなり日本色の強い弊社ですが,昨日も至って普通の祝日でありました。〉
 日本人だからなにか危険な目に遭ったという報告は,いまのところ見当たらない。さらに,
 〈ホンデのバスキン(編集部註・路上パフォーマンス)では,TWICE 等の曲を日本語 ver.で踊っていた〉

 〈カルメギサル(編集部註・豚ハラミ)のお店では TWICE とバンタンの日本語バージョンが流れてた〉

 〈飲食店では東方神起の日本語曲が当たり前かのように流れてた〉
という報告も。

 もし,日本政府やメディアが言うような「反日感情がもっとも高まる日」だったとしたら,韓国アーティストの日本語曲を流すことなどご法度のはずだが……。

 一方,寄せられた投稿を見ていると,このような意見がかなり目立った。
 〈1番の敵はミセモンジ〉〈ただただ1人でミセモンジと戦っていました〉

 〈ミセモンジがとにかく酷かった〉〈今日はミセモンジが深刻すぎた〉
 
 〈ミセモンジが本当にやばい〉
 ミセモンジ……? もしやこれは「反日」的ななにかを指す韓国語なのかと思いきや,実はミセモンジというのは微細粉塵(PM10,韓国語ハングルでは 미세먼지)のこと。いま,韓国では大気状態の悪化が深刻になっており,独立運動記念日のこの日もひどかったらしい。つまり,韓国に住む日本人や旅行者が独立運動記念日に襲われたのは,「反日」感情の高まりによる危険などではなく,この「ミセモンジ」だった,というわけだ。反日どころか,韓国の人たちに親切にされたツイートも続々。

 また,このハッシュタグでは「ミセモンジ」問題のほかにも,思わずほっこりする,こんなツイートも多く寄せられた。
 〈大規模集会をしていたソウル駅付近の店でクルクッパ(編集部註・牡蠣のクッパ)の店に入ると私が日本人と分かるやいなや日本語メニューを優しいアジュマ(編集部註・おばさん)がもってきてくれた。追伸,クッパ,美味しかった。〉

 〈特別な出来事といえば死んだような顔して電車乗ってたらアジュンマが『あんた! 私降りるからあそこはやく座りなさい!』と強引に座らせられたぐらいでした(私は一瞬で日本人バレするタイプです)〉

 〈鐘路のカフェで日本語教えてたら,隣に座ってたおっちゃんに「わしも日本語勉強したいんやけど…どうやったらいいんや? 家族を日本に連れて行きたいんや!」と絡まれ,最後に相談に乗ってくれてありがとうと胸ポッケからあったかい飴ちゃん出してくれた www 〉

 〈カンナムでタクシーに乗った。日本人とわかると運転手さんに「俺は沖縄に住みたいんだ ♪」っていわれて楽しく会話した。 最後は「旅行楽しんでね〜 ♪」って降ろしてくれた。〉

 〈シンチョンでコプチャンを食べて,ホンデで日本から来てくれた友達と話題のタピオカのお店へ。タピオカやさんのお兄さんは友達が日本人だとわかると日本語で丁寧に接客してくれました。タピオカおいしかったなぁ。〉
 3月1日の韓国のさまざまな場所で交わされた,ささやかだけれど心温まる交流。どんなに国が関係悪化を強調して “嫌韓” ムードを煽っても,それとは関係なく,人と人はこうやって,親切にしあったり,コミュニケーションを深めたり,たがいの文化を認めあったりしながら,分断を越えて結びついてゆくことができる。はからずもこのハッシュタグは,そんなシンプルで大切なことを教えてくれたのだ。

 最近,日本のメディア,とくにワイドショーは「反日」という言葉を使って “嫌韓” を煽るネタばかりとりあげている。テレビをつけると暗い気分になるが,しかし,きょうも市民どうしの交流は生まれつづけている。メディアの空気の醸成に惑わされることなくつながりあう人たちの存在は,いま,とても大きな希望だろう。(編集部)

 以上(長い引用だった)が,『LETERA-本と雑誌の知を再発見-』の記事が書いていた,2019年「3月1日」「三一節」のかかる時期に,韓国に旅行などで滞在していた日本人から発信された感想(現地報告)である。日本政府は,海外に滞在する自国民向けに発する「危険情報」を〔その日にかぎって?〕「2」に引き上げたかったが(繰りかえすが,なぜその1日だけなのか?),もともとそのように対処すべき「韓国側の危険な様子」など皆無だと教える,しかも現地に「滞在中の日本人たち自身」からのSNSによる発信がなされていた。そういったふうに,韓国における「三一節」当日に関する状況経過が日本人自身からなされていた。

 ということで,「日本政府の官僚は三一節の前後に韓国内の反日世論が拡大するおそれがあるとみて,危険情報をレベル2に引き上げることを検討するよう外務省に指示した」のだが,「内部でゆき過ぎた措置だという指摘があり,外務省は結局,韓国国内に滞在中の日本人に集会場所に近づかないよう要請する『スポット情報』を先月28日〔「3月1日の前日だがそれで韓国に大勢居る日本人全員 註記)に対して連絡〔周知徹底〕が間に合うと考えていたのか?〕に発表したというのだから,この話はコッケイを通りこしているどころか冗談にもなっていなかった。まるで「無風の日よりのなかで凧あげ」でもしたかったのか,という要領(無様)になっていた。
 註記)なお,2017年10月1日現在で韓国に滞在していた日本人の総数は3万9778人であった。⇒ https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000368753.pdf 参照。

 つまるところ,外務省の官僚たちが安倍晋三に対して忖度したかのごとき過剰的な反応が,「韓国における国家(国民)的行事である三一節」の,それもちょうど「100周年記念式典」を迎えたさいであったがゆえか,韓国に滞在する日本国民たちに対する「危険情報をレベル2に引き上げ」る〔ことはできないで『スポット情報』を出す〕という手配になっていた。

 だが,これは,安倍が「北朝鮮の核実験やミサイル発射の問題」と「韓国の三一節記念行事(しかも100周年であった)」とを,なんらみさかいもなく同一視した “盲目的な過剰反応” だと観察される。いうなれば「猫がお化けや幽霊をみた」すえに過剰反応したかのような「安倍風のこけおどし的な韓国観」が,外務省官僚の忖度を介して登場させられていた。

 もしかすると,この手になる外務省官僚の「安倍晋三忖度」的な対応は,この国の首相である「赤児」の感性(ご機嫌)を彼らがなだめるために率先したかっこうで,「3月1日の韓国内情勢」に関した海外における危険情報の公表として,それも,日本側で「100年前の出来事」を思いだしながらも出していたといえそうである。安倍晋三は,間違いなく「自分の影に怯える人びと」の1人でありうる。少なくとも「自分が怯える姿」を国民たちに向けて訴え,強調したかったことになる。

 従軍慰安婦問題が歴史上なかったといいたい彼の心情でもあるゆえ,今回における,つまりまったく否定できない韓国史の事実:「三一節」〔100周年記念式典〕については,在韓中の「日本人がともかく危ないのだ,気をつけろ,近づくな(!)」といいたかったのかもしれない。それにしても笑止千万。

 ④ 日本の新聞記者たちの腰抜けぶり

 小林 節「報道機関の記者は紛れもなく主権者国民の代表である」(『日刊ゲンダイ』2019/03/02 06:00,更新日:2019/03/02 06:00)は,いまではすっかり安倍晋三の代弁機関になり下がっている大手紙などマスコミ・報道機関のなかで,菅 義偉官房長官に対してはただ1人だけの「天敵」であるかのようにみられている東京新聞記者望月衣塑子をとりあげ,つぎのように批評していた。

 --東京新聞が「記者(望月衣塑子)は国民を代表して質問に臨んでいる」と記したら,官邸が「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員で,東京新聞は民間企業で,会見に出る記者は社内の人事で決められている」「記者が国民の代表とする証拠を示せ」と返したとのことである。まるで子供の喧嘩のようである。秀才揃いの官僚たちに囲まれた最高位の政治家がこんな明白な嘘を返して平然としているとは,この国の政治はいよいよ末期症状である。
   望月衣塑子画像2
      出所)https://twitter.com/isoko_mochizuki
 選挙で選ばれた政治家が形式的に国民の「代表」であることは間違いない。しかし,歴史の教訓が示しているように,権力者もその本質はただの人間であり,絶対的権力は絶対に堕落するものであるから,人類は,政治権力を牽制する仕組をさまざまに工夫しながら,今日まで進歩してきた。立憲主義,三権分立,議院内閣制,法治主義,権力の乱用に対する盾としての人権と司法の独立,法の支配,地方分権などである。

 それでも,最高の権力を握る人間どもは巧みに法の網をくぐり抜けながら私利私欲を追求し悪事を繰り返すものである。モリカケ問題は未解明・未解決であるが,これなど権力の堕落の典型である。国会議員は,形式上,国民の代表であるが,例えば菅官房長官は1億人もいる日本人の中の12万人余りから明示的に支持されただけの存在である。

 1776年にアメリカが独立して世界初の民主国家が誕生して以来,人類は,政治家の堕落を直視しながら政治の質を高める努力を続けてきた。そして,そのなかで重要な役割を果たしてきたのが主権者国民のしる権利を代表する報道の自由である。つまり,国民が皆それぞれに自分の生活に忙殺されている日常のなかで,職業としての権力監視機関として,報道が発達し,憲法の重要な柱のひとつとして確立され,世界に伝播(でんぱ)していったのである。

 だから,報道機関は紛れもなく憲法上,国民の代表であり,また,権力を監視する以上,権力の紐が付かない民間機関なのである。これは,わが国を含む自由で民主的な社会における世界の憲法常識である。
 註記)https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248548
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248548/2

 以上,小林 節は,最近ではすっかり安倍晋三のいいなりである報道機関各社の様相(腰抜けぶり)を踏まえて,そのなかで孤軍奮闘する東京新聞の望月衣塑子記者の立場を支持する見解を披露していた。ところが,現状において日本の大手紙の記者たちは,すっかり安倍晋三政権の「ポチ化」している。ましてや「社会の木鐸」的な役割をまともには果たせなくなっていた。そのためにかえって,望月記者だけが内閣府からは蛇蝎のように嫌われ,集中攻撃を受けている状況を,彼らはだらしなく黙過するだけで,実際にはそうした「官邸側と記者団側とのただれた日常的な関係」を承認する態度しかとれないでいる。

 日本の大手紙・準大手紙が一致団結して安倍晋三の政治・経済を真っ向から「社会の木鐸」的に論じて批評し,必要とあらば思想・言論・表現など自由をかかげて批判し,論争することもいとわなければ,いまの日本の政治の現在的な状況のもとにあっては,まともな改革などできない。安倍晋三の私物化国家体制が完成したかとみまごう「昨今日本の政治体制」が現出している。これほどデタラメ三昧の総理大臣にこの国の運営を任せていていいのか?
◆ 斎藤貴男「『私が国家です』の安倍首相
あなたに命と尊厳がわかるか」◆
=『日刊ゲンダイ』2019/03/06 =

 アベさん,あなたは日本を,最低の列島にしてくれた。まっとうな社会に回復させるには,現時点からでも数十年は要しよう。このまま東京五輪だの憲法改正だのにもちこまれれば,永久に立ちなおれなくなる。

 保守や右翼を気どりたがる人びとにもいっておく。アベさんのやっていることは,正真正銘の売国だ。放置しておけば,私たちは米国の傭兵か奴隷にされる。アベさんよ,国を滅ぼし,世界中の憎悪と軽蔑を一身に浴びて死ぬのが本意でもなかろうに。
 註記)https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/248777/3
 ⑤ 初鹿明博「安倍総理の口から出まかせ発言がエスカレート! 「私が国家」と述べる総理の危うさ…」(『BLOGOS』2019年03月04日 08:00,https://blogos.com/article/361641/

 この ⑤ に引用する当該の記事は「安倍晋三の政治と経済」運営が,いかに子供じみたものになり下がっているかを追及している。以前であれば子どもだ幼児だと指弾されていた安倍晋三が,とうとう赤児だとまで見下される(格下げされる)事態に至った。ともかくつぎの記述に聞こう(文体は適宜に補正した)。

   --今〔2019〕年の通常国会が召集され1ヶ月が過ぎ,先週末に来〔2019〕年度予算案が衆議院を通過した。国会召集当初は毎月勤労統計の不正調査問題で,国会審議が滞るだろうと思われていた。しかしながら,予算委員会が始まってみると,予想どおりではあったが,政府は必要な資料を出し渋り,調べればすぐに分かるようなことでも,ちゃんと答弁をせずにしばしば審議が中断。質問に答えられなくなって止まっているのに,予算委員長は時間を止めず,野党の質問時間を浪費し,結果,与党側は審議時間が積み重なってきたからと採決を強行した。

 これではまともな議論にならない。聞かれたことには正面からちゃんと答え,聞かれていないことを長々と話しつづけることは止めて欲しいと思う。そのなかでも私が最近とくに問題だと感じているのは,安倍総理の口から出まかせの答弁が多くなっていることである。しかも,明らかに事実と異なることを堂々と発言し,事実と異なることを指摘されても,いいわけにもなっていないいいわけをいって,けっして訂正したり,とり消したりしなくなっている。

 今日はそのいくつか実例を示して,事実はどうであるのか,安倍総理の言い訳が如何に理屈の通っていないおかしなものであるのかをご紹介しようと思う。

 a)「あそこのサンゴとは,どこのサンゴか」
 安倍総理の嘘は新年早々から始まっていた。〔2019年〕1月6日のNHK日曜討論に出演した安倍総理は,辺野古の新基地建設についての発言のさいに「土砂を投入していくに当たってですね,あそこのサンゴについては,移しております。」と述べた。この発言に地元,沖縄の方をはじめ,私含めて辺野古新基地建設の反対運動にかかわってきた者はみんな大変驚いた。

 なぜなら,辺野古の新基地予定地のサンゴはまだ移植されていないにもかかわらず,NHKという公共放送を使って,明らかな嘘を総理大臣が堂々と発言したことに唖然とした。昨〔2018〕年末から辺野古では,大浦湾を護岸で囲った閉鎖された区域の一部で埋め立てのための土砂の投入が始まっていた。これまでサンゴの移植は,9体おこなわれたのは事実である。

 しかし,護岸で囲われていない大浦湾側には7万4千群体もの移植対象のサンゴがあり,これはまだそのままの状態にある。普通に考えたら「あそこ」のサンゴといわれたら,辺野古の基地建設予定地すべてのサンゴと受け止めるが,安倍総理のいいわけは違っていた。「土砂を投入していくに当たって」といっているので,護岸で閉鎖している区域のサンゴのことだというのであった。

 ところが,これも正確ではなくて,護岸で囲っている区域は2つの区域に分けられており,すでに移植されたサンゴ9体があったのは,現在土砂が投入されていないほうの区域のサンゴであって,現在土砂を投入している区域には,移植対象のサンゴは1体もなかった。ここで,安倍総理が防衛省からいったい,どのような説明を受けていたのか説明したさいの資料の提供を求めて問い質したら,なんと,「資料を示して説明はおこなっていない,他の事項の説明のさいに合わせて口頭で説明した」と答えてきた。

 つまり,安倍総理は正確な事実を把握せず,ざっくりとした印象だけでこの発言をしていたということになる。

 b) 野党側からは,仮に安倍総理は護岸で仕切られた区域のサンゴのことだけを話したというのであれば,新基地建設予定地すべてのサンゴがすでにに移植されたものと誤解した国民も多くいる,説明不足で誤解を与えたなら申しわけない,と発言を訂正したらどうかと批判することなく求めても,頑として発言の撤回も訂正も応じなかった。

 そもそも移植対象のサンゴは,一定の大きさ以上のものなど限られており,正確にいえば,移植対象のサンゴを移植するというだけのことである。さらにいえば,移植すれば自然環境は守られるのかはなはだ疑問だということである。

 辺野古の新基地建設と同じように,沖縄県の海を埋め立てて造られた那覇空港の滑走路増設工事に当たって,小型サンゴ3万7千群体,大型サンゴ37群体を移植していたが,3年後,大型サンゴはすべ生存していたが,小型サンゴの生存率は41%と半分以上が死滅してしまっていた。

 自然環境を守るためにサンゴを移植するのだから,移植しても生存できないのでは方法として適切ではないのに,このことも正確に説明がされていない。つまり,基地の建設を止める以外に自然環境を守る方法はないのである。軟弱地盤で7万本もの杭を打つ追加工事をしないとならない事態になったことを考えても,あそこに基地を作るのは現実的ではない。

 c) 自衛隊員新規募集で「6割の都道府県が協力拒否?」
 2月10日の自民党大会における演説で,安倍総理は憲法改正の必要性を訴え,そのなかで「(自衛隊の)新規隊員募集に対して都道府県の6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態があります。 (中略) この状況を変えようではありませんか。憲法にしっかりと自衛隊と明記して,違憲論争に終止符を打とうではありませんか。」と発言した。

 この発言も予算委員会で指摘され,約6割の都道府県が協力していないという事実があるのかが問われた。

 岩屋防衛相は,全国1741市区町村のうち,4割の自治体は住民基本台帳から募集対象の18歳〔と〕22歳の住民の氏名や住所などの資料提供があり,3割の自治体では対象者を抽出した情報の閲覧,2割は全部を閲覧して防衛省職員が書き写すことを認めるというように,9割の自治体は住民基本台帳の情報を取得できるようになっている。また,残りの1割の自治体でも,学校での説明会の開催や広報活動などには協力しており,まったく協力していない自治体は5自治体のみであった。

 〔安倍晋三の指摘は〕都道府県ではなく,市区町村単位で協力しているという事実もきちんと把握していない発言であるうえに,自衛隊が違憲だからという理由で,協力を拒否している自治体はほとんどないことでも事実に反している。

 住民基本台帳の提供をしていない自治体も,自衛隊が違憲だからという理由ではなく,個人情報保護の観点から慎重な対応をしているのであって,憲法に自衛隊が明記されたところで,現在の対応が直ちに変わるものではない。

 そもそも,住民基本台帳の情報を入手して新規隊員の募集要項のダイレクトメールを送付したり,戸別訪問したりしているようだが,そのような方法で効果が上がっているのか疑問がある。高校3年生や大学4年生が,大量に送られてくるDMの封を切って中身をみているとは思えないし,いきなり家を訪問されても引くだけで募集につながっているとはとても思えない。

 安倍総理はこんないいがかりのような批判を自治体におこなうのではなく,効果が上がっているのか分からない現在の募集方法じたい,見直すべきだと思う。

 d) 櫻田大臣の任命理由でも事実誤認
 〔2019年〕2月13日の予算委員会では櫻田・東京五輪・パラリンピック担当大臣を任命した理由について問われたさいに,文科副大臣として2020年東京五輪・パラリンピックの招致に尽力したことを理由に挙げた。しかし,実際には,櫻田氏が文科副大臣に就任したのは招致決定後であった。この発言についてはのちに訂正したが,調べればすぐに分かるようなことを確認もせずに口から出まかせでいうのは,総理大臣の発言としては軽すぎるす。

 このほかにも「私や昭恵がかかわっていたら,総理大臣どころか国会議員も辞める」と発言したことなど,列挙したらキリがないほど,嘘とまではいえないまでも,事実とは明らかに異なることを堂々と発言し,事実でないと追及されると屁理屈をいい出し,絶対に撤回しないということが続いている。
   安倍晋三風刺画 安倍晋三風刺赤子画像
   出所)左側画像は小林よしのり作。

    選択広告『朝日新聞』2019年3月1日朝刊4面
 謝って撤回すればよいことをすぐにムキになるような人が,この国の総理大臣であるのは非常に恥ずかしいことである。このような事態を引き起こしているのも選挙で勝たせてしまっているからである。この夏の参院選が非常に重要だと感じる。(引用終わり)

 最後に,2019年7月21日が投開票日に予定されている次回参議院選挙では,半数の議員を入れ替えるための選挙がおこなわれるが,「現行の小選挙区比例代表並立制の弊害」のもとでは,そのもっとも端的なその弊害である〈死票〉が,現状のような「1強多弱である政党勢力」という状況のなかでは,非常に多く生まれることに変わりはない。また野党が健闘して与党(自民党と公明党,その他)を過半数未満に抑えたとしても,そう簡単に現在の安部「1強多弱」になる専制的独裁主義政治が変質するとは思えない。

 ------------------------------

 【未 完】  「本稿(1)」の続きは,できしだい,ここにリンクを設ける。

 ------------------------------
    ※ 以下の画像には「Amazon 広告」へのリンクあり ※