【『外交青書』2019年版がロシアや北朝鮮に対する態度を変えた内容になったが,アベ流のへっぴり腰に依るものか,それともシンゾウ流のカラ元気的なウソ性の発揚か】

 【歴史に名を残す偉大な総理大臣になりたい安倍晋三君が,任期中に挙げてみたい遠大な野望】



 ①「『四島,日本に帰属』削除  外交青書,日ロ交渉に配慮」(『朝日新聞』2019年4月24日朝刊1面左下配置

北方領土画像 外務省が〔4月〕23日に公表した2019年版の外交青書(せいしょ)で,2018年版にあった「北方四島は日本に帰属する」との表現がなくなった。

 北方四島について政府は昨〔2018〕年11月の日ロ首脳会談から,ロシアを刺激しないよう「帰属の問題」「ロシアによる不法占拠」といった従来の言葉を国会答弁などで避けてきた。その流れを外交青書でも踏襲したかたちだ。
 出所)画像は,https://www.jiji.com/jc/article?k=2018121802590&g=int

 外交青書は,国際情勢や日本外交について政府の現状認識や方針を示した文書で,毎年発行される。河野太郎外相は〔4月〕23日の記者会見で表現を変えた意図を問われ,「外交青書は,その年の外交について総合的に勘案をして書いている」と話した。
 補注)ロシアや北朝鮮は,安倍晋三が日本の首相としてこのように態度の変更を示唆したところで,これが明確な表示の仕方であるだけにかえって「小馬鹿にされるだけの基本的な流れ」を,わざわざ作ったとしかみなさざるをえない。

 専門の研究者はすでに,つぎのような見解を披露していた。その説明をした記事の題名はこういうものであった。

 「【断言】北方領土と平和条約交渉の行方,日ロ首脳会談でも専門家はかみ進展しない』『安倍晋三首相は「地獄の1丁目」に立った』。岩下明裕・九州大教授はそう話した」とまで(『HUFFPOST』2019年01月22日 09時43分 JST,更新 2019年01月25日 09時46分 JST,https://www.huffingtonpost.jp/2019/01/21/akihiro-iwashita_a_23648880/),極論的に断定されていた。

 安倍晋三の外交下手については,少し以前の解説になると,このようにまで断定されていた。「〈木村正人 欧州インサイド Report〉 安倍首相はロシアの『有益な愚か者』か  プーチン大統領のプロパガンダ戦争」『Newsweek 日本語版』2018年05月17日(木)13時00分,https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2018/05/post-44.php)

 〔ここからは岩下明裕の記事に戻る  ↓  〕
 北朝鮮に関しても表現が変わった。2018年版では核・ミサイル問題について「重大かつ差し迫った脅威」「圧力を最大限まで高めていく」と記述,拉致問題でも「北朝鮮に対する国際社会の圧力をテコとして,北朝鮮に拉致問題の早期解決を迫っていく」と強調していたが,2019年版ではいずれもなくなった。政府関係者によると,北朝鮮から前向きな対応を引き出すために刺激するような表現を避けたという。
 補注)この北朝鮮に対する日本側の姿勢変更も,金 正恩君のほうから見返すときは,「ナンダ,あのアベ,きっとなにかがモノほしくて,そのように外交青書を書きかえたんだ」としか理解してくれそうもない。金は,アベとは半分ほども年下の「同じ世襲3代目の政治家『国家最高指導者同志』同士」であるが,金のデブさ加減に関する評価さておき,金のほうが全般的にアベに勝っている。

 同じ3代目でも金メッキの厚さは,金君のほうでは本格的に作られていたようである。アベ君のほうは安っぽい金メッキかも……。金君からしたら,「アベの奴」のみえすいた根性の程度など高がしれていると,きっとその「高をくくっている」はずである。

 ところで,『日本経済新聞』2019年4月28日朝刊3面「総合2」「トランプ氏『今回合意できないか』 日米首脳会談  トランプ氏『他国に劣後嫌だ』 安倍首相『大統領選前に形に』」という見出しに載っていた写真をみると,安倍の上着(左襟)にはまだ「ブルーリボンバッチ」が着けられている。
   『日本経済新聞』2019年4月28日朝刊3面
  出所)『日本経済新聞』2019年4月28日朝刊3面「総合2」。
  トランプ夫婦と安倍晋三夫婦赤絨毯
  出所)ついでに報告しておくべき出来事もあった。
     
赤絨毯
の上には立たせてもらえなかった安倍晋三夫婦の
     明白な「国辱性」。
     
http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/photos
     /uncategorized/photo_6.jpg
  トランプ夫婦と安倍晋三夫婦赤絨毯2
  出所)こちらの写真は安倍晋三が左足をなんとか絨毯の上に乗
     せることができている。安倍晋三夫婦は窮屈そうに寄り
     添っているが,トランプ夫婦はどのように立っているか?

     https://johosokuhou.com/2019/04/28/14142/

 追補)ここでは,関連させて「
岡田光世『トランプのアメリカ』で暮らす人たち 大統領は安倍首相に『近寄るな』と叫んだのか」(『J-CAST ニュース』2019/4/30  18:00,https://www.j-cast.com/2019/04/30356600.html)の話題を紹介しておく。

 ホワイトハウス前のレッドカーペットでの写真撮影中,トランプ大統領が安倍首相に対して,「Stop.(これ以上,近づくな)」という場面が屈辱的だ,と一部韓国メディアの報道をきっかけに,韓国と日本のネット上で話題になっている。

  2019年4月30日午9時現在も,「近寄る安倍首相に『ストップ』と叫んだトランプ大統領...『レッドカーペット上の屈辱』」と題する記事が,日本の『 Yahoo !  ニュース』でランキング入りしている。
 註記)首相官邸公式サイト(http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201904/26usa.html)より。編集部で一部編集。

  ※ 韓国メディアが強調する「Stop」※

 複数の韓国メディアのこうした一連の報道をみながら,私は疑問を感じていた。米国内でも,そのことはほとんど話題になっていない。

 日本国内では,韓国メディアの一連の報道に対して,疑問を抱く人はいるものの,トランプ氏の無礼を非難したり,韓米首脳の「2分会談よりはましだ」と皮肉ったり,「安倍氏はここまでバカにされている」と嘆く人も多い。これが事実なら,「トランプ氏が世界へみせつけた強烈な政治的メッセージだ」と危惧する声もある。

   安倍首相は4月26日(現地時間)から2日間,トランプ氏との首脳会談のため,首都ワシントンを訪れた。会談後,ホワイトハウスで夫妻同伴の夕食会が予定され,その前におこなわれた記念撮影の場でのことだ。

 冒頭で触れた記事は,韓国最大の新聞社,『中央日報』の日本語版だ。記事のなかで,韓国メディアが流したニュース映像に触れ,写真撮影時にカメラマンの「もう少し近づいて」という要請に従って,安倍首相夫妻がトランプ氏に近寄った。

 すると,トランプ氏が安倍氏を「Stop.」と一喝したとしている。韓国のテレビ局では,トランプ氏の顔をアップにして,「Stop.」という吹き出しを付けて流しているものもある。そのため,安倍氏はレッドカーペットにぎりぎり片足だけ乗せ,またぐ形で撮影されることになったという。

 また今回,トランプ氏は,2019年4月10日に韓国の文 在寅(ムン・ジェイン)大統領がホワイトハウスを訪問した時と違って,スーツのボタンもかけていないと指摘している。
 〔ここで補注に戻る→〕 いずれにせよ,外交青書から「北朝鮮に対する国際社会の圧力をテコとして,北朝鮮に拉致問題の早期解決を迫っていく」と強調していた部分を,2019年版では削除したというのであれば,このさい「ブルーリボンバッチ」の佩用も止めておくのが筋であると思われる。北朝鮮側からこちら側の様子を観たとき,このブルーリボンバッチのもつ意味・事情は,そもそもどのように受けとめられてきたか。

 外交青書の内容関係を本当に配慮するのであれば,この「ぜひ皆様の拉致被害者救出の志をさまざまなイメージで着用してください」と期待されているブルーリボンバッチ,すなわち,安倍晋三「総理も着用〔している〕ブルーリボンバッジ」,そしてこの「安部総理をはじめ,多くの関係者が佩用しているブルーリボンバッジ」は,「拉致被害者救出の願いをこめて作られていた」としてもその使用は止めるべきだとしかいいようがない。

 〔記事に戻る→〕 韓国の項目で〔外交青書〕は,「日韓関係は非常に厳しい状況に直面した」と指摘した。一方,韓国外交省の報道官は〔4月〕23日,外交青書が竹島(韓国名・独島)の領有権に触れていることについて,「不当な主張を繰り返すことに強く抗議し,即刻,撤回することを求める」との立場を表明した。(引用終わり)

 ブルーリボンバッチの使用と,外交青書 2019年版における「北朝鮮による拉致問題の早期解決」ウンヌン(デンデン)とでは,政治的な問題次元で考えるに,だいぶ “不釣りあい” な意味関連が含まれているとみてもおかしくない。青書の書きかえにあわせるならば,ブルーリボンバッチの使用は止めたほうがすっきりする。

 ②「北方領土問題に対する北海道の考え方」(北海道総務部北方領土対策本部,最終更新日:2019年3月11日,http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/hrt/hp/policy.htm)という文書から

 北海道の北方領土問題に関するこの見解は,安倍晋三政権のもとで,2018年版の外交青書にあった「北方四島は日本に帰属する」との表現が2019年版では削除されなくなった事実と,いったいどのように突きあわせて考えればいいのか。

 この ② における「北方領土問題に対する北海道の考え方」 は,つぎのように主張している。

 --北方四島は,我が国民が父祖伝来の地として受け継いできた土地です。これまで,一度も外国の領土となったことがなく,国際的な取り決めから見ても,日本に帰属すべき領土です。

 しかし,現在,ロシアに不法に占拠されていることから,我が国は外交交渉を通じてこの問題を解決し,日露平和条約を締結して両国間に真の相互理解に基づく安定的な関係を確立することを基本方針としています。

 「北海道」としては,(1)  国に対し,領土問題の早期解決に向けた強力な外交交渉を求めるとともに,これを積極的に支援するため,(2)  つぎの1~3の考え方に立って,返還実現に向けた環境整備に努めることとしています。
 .北方領土は,北海道の行政区域の一部であり,領土問題の解決が本道の発展と道民生活に密接に関係することから,北方領土復帰対策を道政上の重要施策として位置付け,必要な諸対策を積極的に推進します。

 .北方領土の返還の実現は,「領土」という国の主権に関わる外交上の問題であり,返還要求運動は国が主体となって促進すべきものです。

 「北海道」としては,国と連携し,返還要求運動や領土問題解決のための環境整備を進めるとともに,地方自治体や返還要求運動団体などの活動に対して,国の支援を積極的に働きかけます。

 .領土問題が未解決であるという特殊な地位にかんがみ,元居住者等への援護対策の拡充強化を国に働きかけます。また,北方領土隣接地域(根室管内1市4町)が置かれている特殊事情から,この地域の振興及び住民生活の安定を図るための諸施策を国との連携のもとに推進します。
 現在における北海道のこの「日本に帰属すべき領土(北方領土)」の関する基本的な立場は,外交青書2019年版との整合性という意味とは,全然,整合性が保てないものとなった。少なくともロシア側の立場からすれば,日本は「あの4島=自国の領土」という主張を,安倍晋三自身が首相として正式にいわなくなったのであるから,これほど都合のよいことはない。

 外交下手の安倍晋三君には手に余る課題であったけれども,ともかく「北方領土」を日本にとりもどすのだというこの課題の解決が,彼の目前に置かれていた。

 ③「【産経・FNN合同世論調査】北方領土交渉の進展,北海道民の74.4%が期待 全体でも67.7%」(『産経ニュース』2016.11.14 20:23 更新,
https://www.sankei.com/politics/news/161114/plt1611140024-n1.html

 産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査(〔2016年11月〕12,13両日実施)で,安倍晋三政権が「新しいアプローチ」をかかげている北方領土交渉について聞いたところ,安倍首相が12月15日に地元の山口県にプーチン露大統領を招いておこなう首脳会談での交渉進展に期待する人が67.9%に達し,とくに北海道民は74.4%が「期待する」と回答した。

 領土交渉に当たっては,4島(歯舞・色丹・国後・択捉)返還にこだわらない「柔軟な対応」を求める声が多い。衆院の比例代表ブロックごとにみると,南関東(74.8%),九州(74.6%),東京(73.3%)など,計6ブロックで7割を超えていた。ただ,北海道では「4島返還をめざすべきだ」が39.5%に上り,最多だった。(引用終わり)

 このような日本国民の声が実現するために,はたして安倍晋三という首相が実際になにをできるのかといえば,まことに心もとない状況にある。

 ④「 “外交の安倍” ってここまでロシアに舐められるのか!」(『森本尚樹の社会面の作り方』2019年1月17日,
https://n-morimoto.com/外交の安倍” ってここまでロシアに舐められるの/

 森本尚樹は,新聞記者と県議会議員を務めたのち,現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問だと名乗っている人物である。安倍晋三のロシア外交の拙劣さを,つぎのように痛烈に批判していた。

 1)とんでもなく後退(?!)北方領土問題
 どうなってるんだろ安倍外交?! ここまで舐められているとは,情けなくなってきた。北方領土の2島返還どころか,主権は渡さない,北方領土という名称も使うな(!)と。これってどれだけ後退してるんだ。恐らく戦後,北方領土が一番,遠くへいってしまった感は否めない。こんな力関係でまさか平和条約を締結するというばかなことは,くれぐれもしないでくれ。
 補注) ② で触れたように「北方領土」(「北方四島は日本に帰属する」)ということばが,外交青書2019年版から消えたとなれば,この森本尚樹がさらに,なんと批判すのか訊きたいところである。

 昨〔2018〕年11月,いまにも2島〔歯舞群島と色丹島〕が返り平和条約が締結されると,すべての新聞が報じていた。例によってNHKの安倍スポークスマン・岩田明子記者など,興奮気味にテレビ語っていたが,どうなったんだろう。

 2)北方領土の呼び方も変えろだと?
 ロシアのラブロフ外相が河野太郎外相との会談後におこなった記者会見。「南クリール諸島(北方領土)がロシア主権下にあることを含め,第2次大戦の結果を日本が認めないかぎり,平和条約締結交渉の進展は困難」との考えをはっきりと示されてしまった。

 さらに「日本が国内法で『北方領土』と規定していることは受け入れられない」と述べ,名称変更も迫ったから,唖然とするばかりだ。日露間でかつてこんなことを彼らにいわれたことはない。完璧に舐められている証左だろう。日本固有の北方領土を『南クリール諸島』って,初めて聞いた人が大半では。
 補注)ところが,今回における日本の外交青書では「日本固有の北方領土」関連の表現を削除した。日本側におけるこの対応(変化)は,これをより分かりやすくとらえていえば,相手のいいなりであって,外交面の駆け引きとしては「完全に負けている」としか把握できない。本格的になにかを交渉しようとする前の段階で,すでに負けたも同然の力関係になっていた。この安倍晋三の基本姿勢は政治家失格であった。

 また,安倍晋三首相が北方領土の返還を前提にロシア人の島民に,帰属変更への理解を求める趣旨の発言をしたことについて「受け入れがたい」と批判した。さらに,両国間の査証(ビザ)制度撤廃を要求。まずサハリン州と北海道の間でのビザなし往来実現を提案した。

 まさか素直に受けるなよ,安倍晋三。戦後70年余。安倍政権にかぎらず強い国にはおもねることなく,毅然としてきたらこうした主張を振りかざされることはなかった。

 3)絶対,シンゾーと呼ばないプーチン大統領
 第2次大戦の結果を日本が認めないかぎりって,日本はあの大戦に勝ったなんていったことはない。大戦がまさに終結寸前にソビエト連邦が参戦し,終戦後,樺太や北方領土を占領したのはしっている。

 日本固有の領土をクリール諸島などと呼ばなければならない事態になったら,政権はどう責任をとるつもりなのか。安倍さんはプーチンのことをウラジミールとファーストネームで呼び,親しさを強調している。しかしプーチンは絶対にシンゾーとは呼ばない。このへんに大きな気持のいきちがいがある。
【参照したい記述】

 藤田直央・朝日新聞編集委員(日本政治,外交,安全保障)「北方領土交渉を急ぐ首相の落とし穴」『WEBRONZA』2018年11月18日,https://webronza.asahi.com/politics/articles/2018111700002.html?page=1〔~page=4〕
 ⑤「日本の外交青書から読み取れるシグナルは? -中国メディア」(『excite. ニュース』〔『レコードチャイナ』配信〕2019年4月26日 20:10, https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190426057/〔~ 057/?p=2〕

 a) 日本の〔2019年4月〕23日の閣議で「外交青書 2019」が配布された。「外交青書」は,日本の外交の全体的な動向を体系的にまとめ,日本の外交政策の方針を反映するとともに,今後の外交政策をめぐる見通しも示しており,日本の外交戦略の原則を読み取ることができる指導的文書といえる。

 〔この2019年版〕青書の内容の変化は,日本の外交政策及び国家間関係の現状への反応であり,今後の日本の外交政策の方向性もしることができるため,とくに注目に値する。(文:王広涛・復旦大学日本研究センター副研究員。環球時報に掲載)

 2019年度版の外交青書には,いくつかの表現に明らかな変化があり,日本国内外で大きな注目を集めている。主な変化は,ロシア,韓国,北朝鮮,中国との関係の位置づけに関する表現だ。

 b) たとえば,「北方四島は日本に帰属する」という従来の表現や「北朝鮮に対する圧力を最大限に高めていく」という強い表現が削除された。また,韓国との関係については「非常に厳しい状況に直面した」と説明し,「未来志向の発想により,平和条約の締結を実現する」という2018年版にあった前向きな文言を削除している。
 補注)安倍晋三はとりわけ「強いモノには弱く,弱いモノには強く出たがる」姿勢(個人的な資性)を濃厚に有しているが,今回ももっとも正直にその兆候を現わしていた。この相手国によってカメレオン的に変幻する日本の首相の基本姿勢は,かえって相手国によっては「安倍がいいように舐められる」材料をみずから提供してきた。

 以上の変化から,日本の今後の北東アジアをめぐるいくつかの政策の変化を読みとることができる。これまで,日本の外交の焦点は,領土の保全と国家の安全だった。安倍政権はロシアとの間にある北方領土問題を解決したいと考えているため,「北方四島は日本に帰属する」との表現を削除したとみられる。

 領土問題をめぐる交渉の打開策をみつけるために,日本政府のこれまでの原則的立場という表現をトーンダウンさせることが,吉と出るか,凶と出るかは,いまのところ未知数だ。

 c) 北朝鮮の核問題に関して,日本は北朝鮮と意思の疎通を図る有効なルートがつねに欠けている状態で,米朝首脳会談により北東アジアの緊迫した情勢がいったん緩んでいるため,今回の青書の調整は,日本が積極的なシグナルを発していると読みとることができる。しかし,北朝鮮側がそれに応じた対応をとるかは,今後の両国の実際の政策をみなければならない。

 総じていうと,この2つの変化から,日本がロシアや北朝鮮との関係を積極的に改善しようと決意していることが分かる。もちろん,具体的な政策が予期どおりの效果をうることができるかは,それぞれの国の努力,他の国がどのようなムードを作り出すかなどにかかっている。
 
 d) 現時点で,東アジア地域の秩序の構築において,日本が切ることのできるカードはそれほど多くないなか,中国との関係改善は,安倍政権の得点となる。日本と東アジア近隣諸国との関係はけっしてよいとはみられておらず,中国との関係改善ができれば,連鎖反応が起きる可能性がある。

 青書の表現から,ここ数年日中関係が改善する動向を読みとることができる。2019年版青書は,中国との関係について「大局的観点から,中国との安定的な関係構築は極めて重要である」としている。つまり,中国との関係改善は日本にとって,日中関係のみならず,外交戦略全体に影響を及ぼすものであることを示している。

 2018年の両国首脳間の相互訪問を通して日中関係は正常な軌道に戻った。2019年はその関係をさらに深め,発展させていく必要がある。

 もちろん,日中関係になんの問題もないというわけではなく,両国関係の構造的問題はまだ妥当な解決をみていない。たとえば,東シナ海と南シナ海問題に対する日本の非難は止まる兆しがない。安倍首相は善意を示すことで,日中関係を改善することができたが,彼自身は米国とヨーロッパに対しても活発な外交を繰り広げている。

 米中が戦略的競争を展開している現状において,どのように安全保障と経済利益の分野で,対中関係と対米関係のバランスをうまくとるかは,日本の外交にとって主要な課題となっている。

 e) 日本が中国の核心的利益を脅かさないかぎり,日中関係が今後も安定して発展するのは間違いない。今〔2019〕年,日本は元号が平成から令和に代わり,新たな時代に突入する。安倍首相は昨年中国を訪問したさい,6月下旬に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に,中国の指導者を招待した。

 くわえて,日本国内の参議院選挙や,想定される衆議院選挙の日程も,日本の外交にとっては,安定がなにより重要だ。日中関係がこの勢いに乗って,安定して前に進むかは注目に値する。(提供 / 人民網日本語版・編集 / KN)(引用終わり)

 この『人民網』の記事はあまりにも微温的で表面をなでるような内容しか書いていない。中国〔中華人民共和国〕の報道機関として,当たりさわりない中身に終始していた。もっともそうした報じ方でもあるゆえ,日本の外交問題(東アジアにおける)の概要・要点に関してだけは,よく理解できるといえなくはない。

 いずれにせよ「内政にめっぽう強いが,外交にはからっきしダメな」安倍晋三の為政ぶりはきわだっていた。いいかえれば,国内においての内弁慶ぶりはよく発揮されているものの,安倍本来の子供っぽさ(チャイルディッシュ)な稚拙さを存分に露呈させた演技ぶりとなれば,米・中・露・北朝鮮などの最高指導者と差しの勝負(外交の舞台での)にさいしては,いかにも荷が重く映るし,いつも適当にあしらわれている様子ばかりがめだっていた。

 米・露に対してとなるとひたすらヘイコラさし,気味の悪い愛想笑いも浮かべているもの,もうひとつ腰の据わらない外交に終始している安倍晋三君であった。だが,相手国が韓国になるとこちらに対してだけは,きわだってエラそうに見下したかのような態度を露骨に出してきた。そのような顔面神経の働き方じたいからして,けっして大物の政治家だとはみえさせないのである。

 もっとも,安倍晋三というボンボン政治家に「大物,中物」という分類・範疇はいっさい縁遠く,ただ「小物(以下?)」の胆力・手腕しかもちあわせない,それも「日本の国民たち」にとってみれば,まことに頼りがいがない総理大臣であった。肝心なところになると,とたんにコケるのが “特技みたいな” 安倍晋三君……。

 ところで,アベノミクスって,なんでしたっけ……。株価は上昇させた面があったけれども,庶民の生活水準(平均)は落としてきただけであった。

 要は,『トランプ 安倍晋三』であり,『プーチン 安倍晋三』であったに過ぎず,政治家そのものとして役不足という以前に,もともと地力不足だった彼……。副首相の麻生太郎との世襲3代目・政治家的コンビとあいなって,安倍晋三はこの国を “容赦なく着実に” 溶融させてきた。

 ------------------------------
    ※ 以下の画像には「Amazon 広告」へのリンクあり ※