【「令和」騒ぎのなかで,日常生活に関するニュース(NEWS),ふだんの「東西南北」に関する報道が排除,追放されている】

 【国民たちに「寄り添う」という新天皇の考えは,いかほどに「実現可能性」がありうるか】



 ①「天声人語」(『朝日新聞』2019年5月2日朝刊1面)が忌野
清志郎(いまわの・きよしろう)をとりあげていた

 この天声人語の執筆者は「平成から令和へと元号が替わる」ときに,大声で指摘するわけにはいかないけれども,なにか一言いいたいことがあったと推察する。

 だが,そのいいたいことがなんであったのか,この天声人語を読んだだけではよく察知できない。深読みすらできない。ただここでは,つぎのツイートなどを介して「忌野清志郎の発言」を紹介しておく。
 註記)以下の引用は「規制だらけの世の中で。グサッとくる忌野清志郎の名言34選」『ViRATES 毎日,オモシロイ』2015/02/16,https://virates.com/society/1590845 から「3件の発言」を拾っておく。
 ※-1 この国の憲法九条を知っているかい。戦争はしない。戦争に加担しない。愛と平和なんだ。まるでジョン・レノンの歌みたいじゃないか。
 註記)忌野清志郎 @kiyoshiro_bot,138   22:17 - 2013年7月14日。
       忌野清志郎画像
      出所)https://dic.nicovideo.jp/a/忌野清志郎 

 ※-2 この国は島国だから,なかなか人間の本当の痛みは伝わってこない。それで,ふぬけのパッパラパーのおぼっちゃんが総理大臣やら国会議員になって何か勘違いしながら,重要法案なんかが決定されてしまう。
 註記)忌野清志郎 瀕死の語録問屋 @kiyoshirogoroku, 63   0:49 - 2015年1月15日。ぼくの自転車のうしろに乗りなよ / 第76回 / TV Bros / 2004年5月29日号。
 
 ※-3 地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。国民をバカにして戦争にかり立てる。自分は安全なところで偉そうにしてるだけ。
 註記)忌野清志郎 @kiyoshiro_bot,65 17:26 - 2012年11月23日。http://bit.ly/wCIUpz(この住所のリンク先は現在不詳)
 ② 2019年5月1日『朝日新聞』と『日本経済新聞』の夕刊には「メーデー」の文字がみつからなかった

 1)メーデーの起源と意味
 5月1日とは May Day であるが,その行事がなされていたはずなのに,朝日新聞と日経の夕刊をみたかぎり,なにも関連する記事がなかった。ベタ記事すらみつからなかった。

 連合(日本労働組合総連合会)のホームページに「『メーデー』ってなに?」という解説があるので,これを引用しておく。
  註記)引用は,https://www.jtuc-rengo.or.jp/column/column005.html
 ゴールデンウィークのころになると,毎年ニュースでとりあ上げられる「メーデー」。全国で10万人以上が参加する大イベントだが,その起源は意外にしられていない。このメーデーは,英語で書くと “May  Day” 。古くからヨーロッパでは「夏の訪れを祝う日」とされ祝日とされてきた。

 その始まりは1886年の5月1日,アメリカのシカゴで,1日12~14時間勤務が当たりまえだった労働環境の改善を求めて労働者がゼネラルストライキ(全国的な規模でおこなわれる労働争議)を起こし,8時間労働の実現を要求したことに由来する。以降,労働者たちが集まり権利を主張する日として,ヨーロッパをはじめ各地に広がったのがメーデーである。

 いまでは5月1日を「労働者の祭典」として祝日とする国も多く,この日は世界中で労働者たちのイベントや,デモ行進などがおこなわれている。日本も例外ではなく,連合では毎年この時期に,東京での中央大会にくわえ,各地でも地方大会が開かれ,大規模なイベントを実施している。

 日本では1920年5月2日に第1回メーデーが東京・上野公園で開かれた。 第2次世界大戦中は政府により開催が禁止されたが,戦後,労働組合の活動再開とともに再び開かれるようになり,日本の労働者の地位や労働条件の向上,権利拡大をはじめ,人権・労働基本権の確立,民主主義の発展,恒久平和の希求に深く貢献し,その役割を果たしてきた。

 メーデーには各産業別に組織される産業別労働組合組織(産別)や産別を構成している単位労働組合(単組)から組合員が結集し,労働者の地位や労働条件の向上にとどまらず,人権や労働基本権の確立,民主主義の発展,恒久平和の希求など,社会に向けてメッセージを発信している。 (後略)  
 註記)https://www.jtuc-rengo.or.jp/column/column005.html
 2)いまも『男尊女卑の国』:「明治謹製」になる
        「近代的な伝統」が『皇室内の女性を差別』
 戦前・戦中における治安維持法が労働者たちの「メーデー的な意志・活動」を真っ向から抑圧する法律であったことはいうまでもない。治安維持法は当初,1925年に(大正14年4月22日法律第46号)として制定されたのち,1941年(昭和16年3月10日法律第54号)に全部改正されてもいたが,その目的は「国体(皇室)や私有財産制を否定する運動」を取り締まることであった。

 要は,普通選挙法が帝国臣民の男性のみに適用され,選挙権は満25歳以上の男子,被選挙権は満30歳以上の男子のみに与えられていた。その意味で当時の女性は,選挙権に関して人間としての基本的な権利を与えられていなかった。

 そのころの時代背景には,大正デモクラシーの要望に譲歩して1925〔大正14〕年3月に普通選挙法を成立させたものの,これに反対する枢密院工作として治安維持法を同時に成立させたという経緯があった。
 補注)枢密院(すうみついん)とは,国王・皇帝(日本では天皇)の諮問機関である。大統領が元首を務める共和制国家にはこのような機関はなく,「枢密」とは機密や政治上の重要な秘密を指している。敗戦後にはなくなった。

 21世紀になっても日本の皇室では,女性天皇を認めない「明治謹製」の旧皇室典範の〈伝統〉をそのまま継承している。戦前・戦中における女性に参政権がなかった事実と並べてみるとき,実に意味深長である。敗戦後,新憲法(日本国憲法)が1946年(昭和21年)11月3日公布され,1947年(昭和22年)5月3日施行されて,ようやく女性の参政権が認められた。

 3)女性天皇
問題
 しかし,皇室典範は新憲法下でも,旧憲法(大日本帝国憲法)との整合性に難がある条項をのぞいたり修正したりした以外は,そのまま女性天皇を認めずに現在も使用されている。ということで,21世紀の冒頭における一時期,それも小泉純一郎内閣のときであったが,つぎのような議論がなされていた。

 日本政府は1997年から2004年まで,皇位継承の有資格者を女性皇族にまで拡大できるかどうかについて,極秘の検討会を開いていた。政府の内部文書や証言で確認できたのは,女性・女系天皇を認める皇室典範の早期改正方針が記されていた点である。この検討会開始の背景には,天皇陛下の孫の世代に当時,継承資格者がいないという危機感があった。

 小泉純一郎首相が設置した有識者会議の結論(2005年)を受け,小泉は皇室典範の改正に乗り出そうとしたが,2006年に秋篠宮夫婦長男悠仁(ひさひと)が生まれたので,断念することにした。しかし,現在のところ,悠仁以外に同世代の継承資格者はおらず,課題は残ったままとされる。

 以上  2)の話題をまとめてみると,ひとまずこうなる。

    戦前・戦中の帝国臣民の参政権:男性のみ ⇒ 戦後の日本国民のそれは「男女平等」

    戦前・戦中の皇位継承は「男子のみ」 ⇒ 戦後のそれも依然「男子のみ」

 参考にまで紹介しておくが,本日〔5月2日〕『朝日新聞』朝刊2面「総合」の記事「〈1条 憲法を考える:2〉『皇室に親しみ』,ふわっとした国民統合」は,最初にこう書き出していた。
  憲法1条は天皇について,「日本国の象徴」であるとともに「国民統合の象徴」とも定める。平成の30年間,全国を駆けまわり,被災者らに寄り添って平和の大切さを伝えてきた上皇ご夫妻の姿を通じて,国民の間には好感が広がった。これは,象徴天皇制や「国民統合」の理想モデルなのか。
 そして,この記事は最後の段落をこうまとめていた。
 「裏返せば,国民は不満をある程度解消され,議論や思考を深めてぶつけ合わずに済んだ。天皇のおかげで良い意味でも悪い意味でも,ぬるくて快適な日本の社会機構を続けられたともいえる」。

 「価値観やルーツの多様化が加速していく令和の時代に,このまま天皇に頼る『統合』のモデルは今後も通用するのだろうか。私たち国民も考えなければならない時を迎えている」。
 ③ 大日本帝国憲法と日本国憲法の共通性

 a) 明治謹製の天皇・天皇制が21世紀の現段階において,はたしていかほど妥当性がありうるか。この疑問点をどのような立場・思想からであれ,まともに議論する雰囲気が希薄になっている。

 そもそも憲法の第1条で「天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて,この地位は,主権の存する日本国民の総意に基く」と断わられてはいるものの,

 この憲法が準備されたとき,「日本国民の総意」なんぞは,直接的にという意味でいえば「まったく介在しておらず,完全に無視されていた」。これは事実である。一部の政治家がGHQやマッカーサーとウンヌンしたたぐいの問題は,ひとまず埒外。

 旧憲法(大日本帝国憲法)と抱きあわせというか,むしろその冠の位置に定置されていた「皇室典範の政治的な価値体系」は,敗戦後のなかに実質的にそのままもちこまれた。男系天皇しか認めないという明治以来の『新しく「創られた天皇・天皇制」』の根本的に不可避の矛盾は,いまだに元気に生きながらえているわけである。

 市川房枝がこういっていた。日本の「近代国家は女性の政治的権利を奪って成立した」と。

 皇室内における女性天皇禁止(しかもこれはけっして古来からの伝統ではないもの)も,明治の時代において近代国家とともにはじまっていたのだから,これをいまとなっても,まだ修正(是正)できていない日本という国家は,現在的にという意味でも,その民主主義としての『基幹に潜む問題性(痼疾)』がきびしく問われてつづけている。

 b) したがって,『朝日新聞』朝刊が3面「特集」の冒頭記事は,「皇族減少,対策不可避 皇位継承権,男系男子3人のみに 女性・女系議論,先送り続く」との見出しをかかげてつぎのように伝えた皇室事情は,いったいどのように受けとめればいいのか。複雑な気持をもって受けとめられるはずである。
   『朝日新聞』2019年5月2日朝刊剣璽等承継の儀
 1日午前の「剣璽(けんじ)等承継の儀」。皇位のしるしとされる神器などを引きつぐ儀式には皇位継承資格のある成人しか立ち会えないため,陪席は53歳の秋篠宮さま,83歳の常陸宮さまの2人だった。皇統を担えるのは,12歳の悠仁さまをくわえた3人しかいない。
 日本の皇室はいまどき,ここまでとことん,女性を差別している。観方にもよるが,ある意味では “風刺されるべきかっこうの対象” にもなる。そのようにとりあげられて当然の「日本皇室事情の一環」が,国内外に向けて常時晒されている。ヨーロッパの王室事情には触れるまでもあるまい。この国が本当に先進国であるつもりならば,「恥」とみなされるほかない皇室事情が放置されていていいわけがない。

 また『朝日新聞』朝刊が4面「特集」は,「〈憲法を考える〉敗戦が生んだ条文はいま  日本・ドイツ・イタリア,根幹の理念に」との見出しで,「憲法を考える〔ための〕視点・論点・注目点」として,「1条・象徴天皇制 / 9条・戦争放棄 不可分の一対,受け入れ」「自衛隊の役割拡大,欠ける国民合意」「『国民主権』考えるとき」「ドイツ『人間の尊厳』 イタリア『社会権』 虐殺・ファシズム,反省」などの項目を立てて議論している。
『朝日新聞』2019年5月2日朝刊4面日独伊敗戦比較
 
 この特集記事に添えられていた上の表は「敗戦後」における「日独伊3国の憲法比較」であるが,これをのぞいてみただけでも,日本の新憲法の「押しつけ」性はすぐに感知できる。「押しつけられた」のは9条だけでなく,その前の条文に置かれた第1条以下の「天皇関連条項」でもあった。

 ④「平成から令和への元号変更」で大騒ぎするマスコミは,メーデーを極力無視する紙面構成(報道姿勢・編集方針)を採ったが,これがのちの歴史のなかでなんと形容されるか承知だと推察する

 この ④ は最初に「【社会】『きょうは労働者の日』全労連メーデー」(『東京新聞』2019年5月1日夕刊,https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019050102000223.html)を引用する。

 これは,2019年5月1日「夕刊」の段階での指摘となる。毎年恒例であり,この日にも開催されていた「労働者のお祭りの日:メーデー」の行事を,新聞社として報道していたのは,本ブログ筆者がしりえた範囲内でいうと,この『東京新聞』夕刊の報道があった。記事を引用する。
 全労連の第90回中央メーデー式典が〔5月〕1日,東京都渋谷区の代々木公園で開かれ2万8千人(主催者発表)が参加した。あいさつに立った小田川義和議長は「元号が変われば富の偏在は改まり,過労死するまでの働き方でも賃金低下する異常は解消されるか」と祝賀ムードにくぎを刺した。

 中央のステージには「なくせ貧困・格差」「8時間働けば暮らせる社会を!」などのスローガンがかかげられ,労働組合の代表者らが長時間労働の是正などを訴えた。

 参加した目黒区の木村新一さん(85歳)は「天皇が代わっても,われわれ庶民の暮らしは苦しいままだ」と指摘。豊島区の野本祐一さん(75歳)は「今日は労働者の日。開催できて良かった」と話した。

 全国労働組合連絡協議会(全労協)もこの日,日比谷野外音楽堂(千代田区)でメーデー式典を開催した。
 全労協という労働組合の上部組織の名前が出ていたので,つぎには,関係する記事の2点を組みあわせて引用してみたい。ただし,5月1日以前の日に開催されたメーデーの行事に関する報道もある。

 1)「連合がメーデー中央大会『過労死・自殺根絶を』」,『共同通信』2019/4/27 11:52 配信,引用は『YAHOO! JAPAN ニュース』https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190427-00000059-kyodonews-soci

連合がメーデー中央大会 「過労死・自殺根絶を」★

 連合は〔4月〕27日,第90回メーデー中央大会を東京都渋谷区の代々木公園で開き,約3万7千人が参加した(主催者発表)。神津里季生会長は「長時間労働を是正し,過労死・過労自殺を根絶することが先決だ。働く仲間が生き生きと働くことのできる世の中にしないといけない」と訴えた。

 冒頭で日本のメーデーは大正時代から始まったと触れ,「令和につないでいく記念すべき大会」と述べた。ジェンダーの平等で日本が世界的に後れをとっていると指摘し,「あらゆるハラスメントの撲滅は大きな課題。しっかりと取り組まなければいけない」と強調した。
 補注)なお,メーデーの開催日に関しては,このような期日(4月27日など)に設定がなされている。つまり,メーデーの「5月1日」が連休の真ん中あたりに位置する関係上,メーデーをその先頭の日付に写して開催するようになっていた。

 2)「全労連がメーデー式典」(「ゆがんだ政治を正せ」『共同通信』2019/5/1 18:46,https://this.kiji.is/496234621765682273)

全労連がメーデー式典 ★

 全労連系の第90回中央メーデー式典が〔5月〕1日,東京都渋谷区の代々木公園で開かれ,主催者発表で約2万8千人が参加した。小田川義和議長は,政府が進める働き方改革について「安価な労働力として女性や高齢者,外国人を調達するためのものだ」と批判し,「ゆがんだ政治を正すため力を合わせよう」と訴えた。

 小田川氏は,平成の30年間で平均賃金は低下したにもかかわらず,大企業の内部留保が5倍になったと指摘し,「元号が変われば,富の偏在や賃金低下は解消されるのか」と訴えた。共産党の志位和夫委員長は「8時間働けば普通に暮らせる社会をいっしょにつくりましょう」と呼びかけた。

 3)「全労連が中央メーデー」(『NHK NEWS WEB』〔首都圏 NEWS WEB〕2005月01日  12時34分,https://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20190501/1000029149.html)にも聞いておきたい。

 元号が平成から令和に変わった5月1日はメーデーで,各地で労働組合の集会が開かれ,元号が変わっても貧困や格差をなくし,雇用を安定させるよう訴えていくことを確認しました。このうち,東京・渋谷区の代々木公園で開かれた全労連の中央メーデーには,主催者の発表でおよそ2万8千人が参加しました。

 全労連の小田川義和議長は「元号が変わっても,富の偏在や賃金の低下が解消することはない。労働者は,どの時代にも人間らしく働ける社会や,貧困の恐怖のない未来をめざして闘いつづける存在であることを確認しよう」と訴えました。

 このあと,集会では「貧困や格差,ハラスメントが深刻になっている」として,8時間働いて普通に暮らせる賃金や働くルールの確立をめざすことなどを盛りこんだメーデー宣言を採択しました。

 出版社で営業を担当しているという40歳の男性は「平成は長時間労働が厳しく,大変な時代だった。新しい時代は働きやすく,平和な時代であってほしい」と話していました。

 労働組合の役員を務めているという58歳の男性は「企業の思うがままに首を切られるなど,悲惨な相談が労働組合に寄せられている。働き方をこれからの時代で変えてほしい」と話していました。(引用終わり)

 この話題,労働者の賃金や労働条件に関する現実の問題というものが,はたして「平成」だとか「令和」だとかいった「元号による時期の区切り」をもって,一定の特別な意味をそれぞれの時期内においてもちうるのかと問われて,まともに返答できる人はいない。

 ただ「そうだからそうなのだ」「そう思えば思えないこともない」という程度にしか考えるほかない。その意味があると考えたい人についていえば,自分なりに十分に,しかも問答無用的にも「先験的に得心したつもりの観念」を抱きつつ,元号の変更による時期の区分には “なにか格別に意味がある” と受けとっている場合,この意識まで否定することはあるまい。それほどにまで「主観的な次元における問題」でありうるのが「元号の意識」であった。
   
 4)「待遇改善の訴え,外国人労働者も メーデー大会」(『朝日新聞』2019年4月28日朝刊2面)

 5月1日のメーデーを前に,労働組合の中央組織・連合が〔4月〕27日,90回目の「メーデー中央大会」を東京・代々木で開いた。4月から新たな在留資格「特定技能」が設けられたことを受け,外国人労働者でつくる労働組合の幹部らも参加して待遇改善を訴えた。
 
 「在日ビルマ市民労働組合」(東京)のミンスイ会長(58歳)が岐阜県で働く技能実習生3人とステージに立ち,「(3人は)以前,人権侵害に悩まされていた」と紹介。「これから増える外国人労働者のために,皆さんの力を貸してください」と,集まった約3万7千人(主催者発表)に訴えた。

 2002年に結成されたこの労組には約130人が加入し,日本で働くミャンマー人から相談を受けている。主に技能実習生から「3カ月間無給で働かされている」「1カ月に休日がまったくない」といった声が月に7,8件寄せられるという。ミンスイ会長は「人手不足のなかで外国人労働者が働く環境をよくしていくことは,日本の未来のためにもなるはず」と話した。

 特定技能をめぐっては大会前日の〔4月〕26日,カンボジア国籍の女性技能実習生2人が初めて,特定技能での在留資格の取得を認められている。

 大会はさらに「(時間外労働について労使で結ぶ)36協定 註記)の順守など,真に働く者のための働き方改革を確実に遂行していかなければならない」とのメーデー宣言を採択した。働き方改革の関連法が施行され,まず大企業に残業時間の罰則つき上限規制が4月から導入されている。連合の神津里季生(りきお)会長は「長時間労働を是正して過労死,過労自殺を根絶していく」とあいさつした。
 註記)36協定とは, 従業員に残業や休日労働をおこなわせるさいに必らず締結しておかなくてはいけない協定である。この協定が労働基準法36条に定められていることから,通称「36協定」と呼んでいる。 正式名称を「 時間外・休日労働に関する協定届」という。

 ⑤ 申しわけ程度に「反対集会」を報道する記事


 『朝日新聞』朝刊20面「社会」に,つぎの記事が掲載されていた。
代替わり儀式,「違憲」と批判 都内で講演会やデモ ◆

 天皇制を批判する講演会やデモ行進が〔5月〕1日,都内であった。

 明治学院大(東京都港区)では,「天皇の代替わりを考える講演会」があり,教職員や学生ら約100人が参加。小森陽一・同大客員教授(日本近代文学)は,代替わりで「三種の神器」が引きつがれたことを挙げ,「近代の国家権力と結びついた万世一系の天皇神話を実体化するための儀式。憲法違反の宗教儀式だった」と批判した。

 東京・銀座周辺では,デモ隊が天皇制に反対して行進。多くの警察官が警戒に当たる中,デモ隊は「元号を押しつけるな」「代替わりしても,天皇の戦争責任は終わっていない」などと声を張り上げた。
 昨日〔5月1日〕の記事でも『朝日新聞』は,キリスト教関係の組織・団体が集まって,天皇代替わりの儀式そのものに反対する集会を開催した,とのニュースを小さく伝えていた。

 ⑥ 皇室の女性たちは大昔から養蚕にたずさわってきた〔かのように〕語るのは「事実に反した確たる歴史の証拠のない俗説」

 本日〔5月2日〕の,いま参照している『朝日新聞』朝刊は,奇妙な記事も載せていた。19面「文化・文芸」に「〈令和に寄せて〉)平成は終わる,うやうやしく 小説家・金井美恵子」という題名で皇室問題を語るこの寄稿は,このなかで歴史的に確たる根拠のみいだせない “仮りの話” にも触れていた。

 まずは,その点を示唆させようとする内容を含んだ段落のみ引用する。
 「私たち日本国民はなんという優雅で深切(しんせつ)な国母をもち,皇室を持っていることか,と幸福な思いに満たされ」(高橋睦郎),

 もう1人の詩人は,女たちが蚕のそばで暮らしてきた何千年もの歴史をふまえて「蚕の命にまで耳を澄ませ」「万物の立てる響きにお心をお寄せになる皇后陛下の詩心はとても深い」(吉増剛造)と讃美(さんび)する。

 それは詩人の言語的批評意識をこえた存在なのだろう。
 いずれにせよ,すごい讃頌ぶりである。多分,この作家の記述(形容)がまったく期していなかった伏線かもしれないが,同じ朝刊の21面「社会」の記事,「〈新天皇と新皇后〉令和,笑顔晴れやか 皇后さま,東北の若者にエール」のなかには,つぎのような「小見出し」を付した記事も登場していた。
★ ヘビもイモリも,きちんとお世話

 蚕を育て,繭をつくる「養蚕(ようさん)」。文化継承などのため歴代皇后が担ってきた伝統を,新皇后の雅子さまも引きつぐ。実は,幼少時から小さい生物に関心があったという。

 皇后さまは田園調布雙葉学園小学校(東京)時代,生物クラブに所属していた。顧問だった日本蛾類学会の岸田泰則会長(69歳)は「小さなヘビやイモリ,ハムスター,メダカなどを可愛がっていたのをよく覚えています。触れることも嫌がらず,きちんとお世話をしていました」。

 結婚後,お住まいの敷地内に迷いこんだ犬を保護して世話をしたり,ノコギリクワガタのメスを拾って育て,繁殖させたりした話も皇后さまから聞いた。愛子さまも生物に興味があるという。「上皇ご夫妻が大切にされてきた生物や自然を大切にする気持ちは,両陛下にもしっかり引きつがれるでしょう」。
 この記事のなかでは,「文化継承などのため歴代皇后が担ってきた伝統を,新皇后の雅子さまも引きつぐ」のが「 蚕を育て,繭をつくる「養蚕(ようさん)」という農事である,と説明されている。だが,この記事では「歴代皇后」という単語がミソとなって,いかにも大昔から「皇后=養蚕」という想像(国民側に抱かせる「イメージ」)を,いまの時代にあって固めておきたいかのような印象操作がなされている。

 歴代皇后が養蚕にたずさわるという「伝統」も,実は明治天皇の妻:一条美子に発してからの「それ」であって,明治に『創られた天皇制』のなかでも,もっとも典型的・代表的な「天皇家のための新しい伝統作り」の一環であった。
 
 ⑥「天皇陛下『象徴の責務果たす』 皇位継承の儀式 『国民を思い 寄り添う』」(『日本経済新聞』2019年5月2日朝刊1面冒頭記事)


 『日本経済新聞』朝刊1面のほぼ全体を充てたこの記事であった。だが,新しく天皇となった徳仁がこれからの「令和の時期」,それもアベノミクス(アホノミックス)のために,よりいっそう目茶苦茶にされてきた「国民生活」の実態・実情というものに対面しながら,いったいなにかを具体的に改善・向上させることができるのか。そう問われて,まともに答えを出せる人はいない。

 『日本経済新聞』朝刊2面「〈社説〉「令和のニッポン(2)人口危機の克服に総動員で臨もう」は,本ブログ筆者もすでに話題にしてきた論点であったが,とくにこう言及していた。  
 各種世論調査は,子供を2人以上持ちたいと願う夫婦が少なくないことを示している。まずはこの希望をかなえるための環境を整えることに力を注ぐべきだ。最近,驚くべき調査結果が明らかになった。

 1992年からの23年間に,18~39歳の日本人のうち性交渉の経験がない男性が20%から26%に,女性は22%から25%に増えた。東大大学院とスウェーデンの研究所の共同研究だ。この割合は主要国のなかで高く,男性は無職者や非正規社員に多い。

 これが本人の意思なら問題はない。だが「失われた20年」「就職氷河期」と呼ばれた長期停滞期に重なったのをどうみるべきか。雇用の不安定さから結婚に二の足を踏む若者が増え,結果として子供が減っている。不本意な非正規雇用に甘んじている若者を安定雇用に導く労働市場改革に,官民あげて取り組むときである。

 もうひとつ欠かせないのが,社会保障の改革だ。たとえば日本の年金制度は負担・受益に関する世代間の格差が大きい。高齢層ほど受益超過になり,若い層やこれから生まれてくる世代は負担超過,つまり生涯収支が赤字になる。
 こうした日本における経済社会の全体状況のなかに存在する難題に対して,天皇自身が『国民を思い 寄り添う』と発言したところで,はたしていかなる程度にまで “可能性のある含意” を発揚しうるのか? しかし,このことばが「国およびこの民を統合するための象徴である(新)天皇」が発した総論部分であるとひとまず解釈できたとしても,あとの各論部分に関してはすべて,日本国総理大臣の安倍晋三君の出番だ,責任だとなる。

 しかし,アベノミクスのサギノミクス性の魂胆は,すでに十二分にバレバレであって,なんら具体的な効果を上げえていないどころか,安倍政権によるこれまで為政(6年間以上)は「国民たちの生活全般」を悪化の一路に追いこんできた。

 要は「天皇のことば」があれば,日本の経済・社会が今後に向かい,とくにどうにかこうにかなるわけではないし,また,天皇があれこれ口を挟める政治・経済の問題があったとしても,具体的な効果が上げられわけでもない。そうとしかいいようがない。

 日本国憲法は天皇条項をどのように規定していたか。それでもなお,いやそうではなくて,「天皇様の〈寄り添う〉気持が日本の国民」にはどうしても必要だといいたいのであれば,その点に関して実証的な解明が要請される。指摘するまでもないが,「天皇のおことば」で日本経済の景気がよくなったことはなく,またそれによって「安倍晋三政治のデタラメさ加減」が少しでも匡正されたこともなかった。

 安倍晋三政権がこれからさき,どのくらいつづくかしらぬが,新天皇に対してもまた「国とこの民を統合する象徴であるその立場」をめぐって,きわめて恣意的な態度で接していく。この点は,天皇代替わりにかかわってきた彼の態度・行動に照らしても,容易に類推できる自明の事情である。

 ------------------------------
    ※ 以下の画像には「Amazon 広告」へのリンクあり ※