【創価大学経営学部は,先日大きく報道された「深井智朗の著書問題」の余韻がまだ強く残るなかで,同学部・元教員の論文剽窃問題が関連づけ(=共鳴)させられて,マスコミなどからやたらほじくられ,社会的により大きく騒がれる事態(話題)になるまえに,しかも当人の氏名を出さないで措置する手段を採り,みずから公表した】

 【もしかすると,この論文剽窃事件で自学全体が受ける打撃を最小限にしようと努力したつもりか】



 ① 創価大学経営学部元教授の論文剽窃は448行にも及ぶのだから,ものすごい分量(字数)の盗用-『朝日新聞』と『共同通信』の報道-

 1)「創価大教授が論文盗用,
退職」(『朝日新聞』2019年5月15日夕刊10面「社会総合」

 創価大学(東京都八王子市)は〔5月〕14日,4月まで経営学部に在籍した元教授が,著書に他の研究者の論文を盗用していたと発表した。4月22日の常任理事会で依願退職を認めた。懲戒処分はしていない。

 大学によると,元教授は引用元を明記せずに29カ所で計448行を他の論文から転載しており,大学は盗用と判断した。他にも引用元の論文と構成などがほぼ同じ部分があった。大学の調査に対して元教授は盗用を認めた。
 
 2)「創価大教授,著書に論文盗用  学外者から告発,依願退職」(『KYODO』2019/5/14 22:42 (JST),https://this.kiji.is/501027124301759585?c=39546741839462401)

 創価大(東京都八王子市)は〔5月〕14日,経営学部教授が著書に他人の論文を盗用する不正行為があったと発表した。教授は4月に依願退職し,大学側は懲戒処分はしなかった。

 創価大がホームページで公表した調査結果によると,著書には,引用元の論文名を明記しなかった引用部分が29カ所計448行あるなどしたため,「盗用」と判断した。

 昨〔2018〕年4月に学外者から告発があったことを発端に,大学側は副学長や弁護士らで構成する調査委員会を設置。元教授の著書と,引用元とされた論文などを比較したほか,本人から聞き取り調査した。

 ② 創価大学ホームページから


   2019年05月14日「本学教員の研究活動上の不正行為に関する調査結果の公表について」
  お知らせ

 本学の経営学部教員(当時)について,その著書に盗用の疑いが,2018年6月に生じ予備調査を経て調査委員会を設置し調査を行ってまいりました。その結果,以下のとおり研究活動における不正行為(盗用)があったことを認定しましたので,ここに報告および公表いたします。

 このたびの不正行為は,本学の教育・研究に対する信頼を大きく失い,さらには,多くの関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけすることとなりました。心からのお詫びを申し上げます。本学では今回の状況を受け止め,今後このような行為が二度と起こらないよう,全学をあげて研究倫理,行動規範の周知徹底を行い,不正行為の再発防止に全力で取り組んでいく所存です。
 註記)創価大学ホームページ,https://www.soka.ac.jp/news/2019/05/3935/
 2019年5月14日
 『創価大学教員の研究活動上の不正行為の認定について(概要)』

  1.発覚の時期及び契機,調査に至った経緯等

 平成30〔2018〕年4月10日に学外者より,当時,本学の経営学部教授(以下「被告発者の教授」)の著書第4章において,データの改ざん及びねつ造が疑われるとの告発とともに,資料の提供があった。その後,予備調査委員会で調査した結果,告発者が指摘した「ねつ造」「改ざん」の可能性は確認できなかった。
 補注)ここでは冒頭からいきなり「著書第4章」と報告しているが,どの著書のその第4章なのか,あえて教えていない。この著書を購入し,所蔵している「同学分野などの研究者」は,きっと大勢いるはずである。

 その点に鑑みてもこの第4章とは,いったいどの著書のその章なのか分かりえない “報告のしかた” は,どうみてもおかしい。当該する経営学部元教授の姓名を出さないために,このように報告している。少なくとも,外部の人間がこの「概要」と限定された委員会の報告書を読んで感知できるのは,そこまでである。

 〔報告書に戻る→〕 この過程において予備調査委員会が,被告発者の教授から提出された他者の論文を一読したところ,被告発者の教授著書第4章の文章中に酷似している箇所を数箇所発見したため,「創価大学における研究活動の不正行為防止規程」(以下「防止規程」という。)に定める「不正行為」のうち,「盗用」にあたる可能性が示唆された。

 同年6月7日「創価大学公的研究費及び研究活動の不正行為に関する通報・告発細則」(以下「通報・告発細則」という。)に定める「種々の情報及び相当な理由により,不正行為の疑いが高いと判断したとき」に該当すると判断し,通報・告発に準じて取り扱うこととした。

 同年6月14日,最高管理責任者の指示により「盗用」について予備調査を行った結果,研究活動上の不正行為が行われた可能性を否定することができなかったため,同年9月7日最高管理責任者は,本格的な調査(以下「本調査」という。)を行うことを決定し,「通報・告発細則」に定める調査委員会を同年10月15日に設置し,同年11月8日より本調査を開始した。

 2.調査体制


  4名(内部委員2名,外部委員2名)

   神立孝一  創価大学副学長・教授
   栗山直樹  創価大学経営学部教授
   高橋宏幸  中央大学名誉教授
   若旅一夫  弁護士
    補注)このうち高橋宏幸は,中大の前任校が創価大学経営学部だったゆえ,完全・純粋に外部関係者とはいいにくい。

 3.調査内容


  1)調査期間   平成30年11月8日から平成31年4月16日

  2)調査対象
   ア) 対象研究者:本学経営学部教授(当時)
   イ) 対象論文等:被告発者の教授著書1編  単著-本調査では,予備調査の結果を踏まえ本書籍を調査対象とした。
   ウ) 対象経費:科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(以下「科研費」という。)

  3)調査方法・手順
     盗用の疑いがある書籍と,引用元とされた論文等との対照表を作成し比較検証するとともに,被告発者の教授に対して聞き取り調査を行い,弁明の機会を与えた。
 
 4.調査結果の概要

  1)不正行為の内容 文献照合・精査及び被告発者の教授の弁明並びに被告発者の教授及び学内外の関係者への聞き取り調査を総合的に検証し,被告発者の教授著書 1 編において,研究活動における不正行為である「盗用」が行われたものと認定した。
(認定理由) 調査した同書籍では,下記の状況が見られた。
 
   ・被引用論文からの不適切な引用(引用元を一切明記しないほぼ同一の記載)部分(一部語句が変えられたものを含む):計29箇所計448行

   ・被引用論文との構成や文章がほぼ同一のものとなっている部分:計12箇所計178行
 これらは,被告発者の教授が研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠っていたことによるものであり,盗用があったと判断した。
 補注)経営学分野に関連する著作では,単行本としてはよく採用されるA5判の場合,横組みでだいたい1頁見当「千字が入る」(もっとこまかくいうと980字となるが,これは改行などで生じる空白分も数えている)。

 その1頁あたり980字の活字を組んで制作される単行本で換算するとしたら,その「448行」と「178行」との頁数は,ほぼ「16頁」と「6.4頁」とに相当し,22.4頁ほどになる。盗作(剽窃)が問題となった〔姓名のイニシャルすら発表していない〕当該教授の著書が,仮に280頁になる本を公刊していたとすれば,そのうちの8%分が剽窃そのものに該当する部分:分量となる。

 この委員会の報告書『創価大学教員の研究活動上の不正行為の認定について(概要)』だけでは判断しづらい点が残るゆえ,決定的ないいまわしはできないものの,なぜこの元教授はそのような盗用をしたのかという動機が「一番気になる,しりたい点」であった。


 今回のこの剽窃「事件」も,1年前の2018年4月10日に「学外者より,当時,本学の経営学部教授(「被告発者の教授」)の著書第4章において,データの改ざん及びねつ造が疑われるとの告発とともに,資料の提供があった」ので,この事件が発覚していた。

 どの大学における学部・学科教員組織であっても一般的にいえるのは,中規模の大学だとしていうと,ある教員が専門領域とする特定の研究分野を専攻している者は,当然のことその教員1人しかいない。つまり,専門を同じにする仲間は学内にはいない,いるのは学外である。専門別の学会組織(広い意味では学界という圏域)には,もちろん,同じ研究分野に従事している多くの人たちが居る。学外において居る,いわば「同学の士(同じ専門・専攻)の仲間」から〔の不正に関する〕通報(告発)があったはずである。


 今回の事件に関して創価大学の調査委員会は,1年と1ヵ月もの長い時間を経過してから,ようやく社会に向けて発信,公表していた。ずいぶん時間がかかっていた。集中的に調査を実施すれば半年以内にでも処理することはできたはずである。
 
 本ブログは昨年(2018年)11月の時点にすでにとりあげ記述した「東洋英和女学院院長深井智朗のドイツ語文献・引用問題」は,今年(2019年)5月11日に再度とりあげ問題にしていたが,その間,半年ほどで決着がついていた。深井の場合ももちろん,外部の大学で同じ専門領域を研究する学究から指摘がなされるかっこうで,問題が発覚していた。

 創価大学経営学部におけるこのたびの剽窃問題は,もしかすると,大学全体の意思として内部的にのみ処理することを期待していたのかもしれない。だが,おりしも,東洋英和女学院大学における深井智朗の捏造問題が,この5月に入ってからあらためて大きく報道されたためにしかたなく公表した,という具合にも受けとれる節もあった。ともかく,その調査のために費やした期間が長すぎていて,外部の人間の視線からすると異様に感じる要素がないとはいえない。

 深井智朗の問題のほうでは,当人が調査委員会の調査を攪乱させる対応をしていたがゆえに,問題の解明にさいしてさらに手数がかかった面があり,その分よけいな時間も費やされたと想像できる。だが,それに比べて創価大学の場合は,発表する時機がかなり遅めになっていた。なんらかの配慮が働いていたとみられても不自然ではない。ともかくつづく報告を聞いていきたい。


  2)特定不正行為と認定した研究活動に対して支出された競争的資金等又は基盤的経費の額及びその使途 盗用の認定があった書籍に係る研究活動は,科研費(基盤研究 (C) )及び私費により実施されたものである。

 そのため,不正行為が認定された書籍の執筆,作成過程における科研費の支出の有無を調査したところ,原稿整理のためのアルバイト支出の一部において直接因果関係が認められる支出があった。
 ・当該書籍に関する研究費の支出について 原稿整理のための人件費 計314,800円が使用されている。

     平成28年度  41,160 円
     平成29年度  273,640 円

  なお,当該書籍に関する研究費以外の支出については,研究課題遂行に必要なものとして適正に使用されており,不適切な経費の支出はなかった。
 
 ・当該書籍以外の研究活動について 当該著書以外の論文・学会発表はないが,研究計画に則り,調査及び資料収集活動は適正に行われている。
 5.調査機関がこれまで行った措置の内容

 1)被告発者に対する創価大学の対応(処分等)   被告発者の教授から依願退職願いが提出され,4月22日の常任理事会で退職を認めた。このため,懲戒処分は行っていない。
 補注)深井智朗に対して東洋英和女学院大学がおこなった措置にくらべて,創価大学経営学部のこの問題を起こした教員に対する処分は,なぜか姓名を世間に出さないかたちにして処理されていた。

 本ブログのなかでは,たとえば『日本経済新聞』(nikkei.com)2019年3月26日に報道されたつぎの記事を引用したことがある(5月11日)。こちらでは姓名が公表(明示)されていた。
★ 熊本地震論文で不正,撤回を勧告  京大 ★
= nikkei.com  2019/3/26 21:05 =

 京都大学は〔2019年3月〕26日,大学院理学研究科の林 愛明(りん・あいみん)教授が2016年に米科学誌サイエンスで発表した熊本地震に関する論文について,不正があったとの調査結果を発表した。6つの図のうち4つで改ざんや盗用を確認した。林教授に論文を撤回するよう勧告した。処分については今後検討する。
 註記)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42952160W9A320C1000000/
 この林 愛明教授の「事例」と,創価大学側における姓名の公表がない人物(教授)の「事例」とでは,それぞれ「問題性」に関して,しかも理系と文系の差があっても,それほど軽重そのものの差は観取できない。林教授の姓名がこのように報道されているの対して,創価大学の元教授の姓名がいっさい伏せられているという事情は,釈然としない「比較材料」となっている。

 本日〔2019年5月16日〕の『朝日新聞』朝刊の「社会面」にはこ,ういうニュースが掲載されていた。分野は違っているいるものの,なにかの比較の素材にはなりそうである。こちらの事件は昨年6月に発生していたというから,なにをいまさら,いまごろになって,という感想もある。
◆ 海保船内で飲酒し暴行 停職12カ月,依願退職 ◆
=『朝日新聞』2019年5月16日朝刊26面「社会」=

 日本海で北朝鮮漁船による違法操業を警戒していた海上保安庁の巡視船内で昨〔2018〕年6月,複数の海上保安官が規則に反して酒を飲み,うち1人がほかの保安官に暴行していたことが,海保への取材でわかった。

 暴行した保安官は酔っていたといい,停職12カ月の懲戒処分を受け依願退職した。海保は関係者のプライバシーを理由に処分を公表していなかった。

 海保によると,飲酒していたのは夜で,保安官らは勤務時間外だった。海保はレセプションや3日以上の航海で船長の許可があった場合を除き,巡視船内での飲酒を禁じている。監督する立場の船長や,ともに飲酒していた保安官らを厳重注意処分にしたという。
 【創価大学調査委員会に戻る ↓  】

 6.特定不正行為の発生要因と再発防止策

 ◉ 発生要因

 創価大学における不正防止体制は,平成27〔2015〕年3月に制定・施行した防止規程に基づき,全研究員参加の研究倫理教育・研修会を開催するとともに,学外の競争的資金及び学内の個人研究費・共同研究費等の申請・交付に当たっては,CITI  JAPAN  の e-learning の教材(現在の eAPRIN イー・エイプリン)の受講を条件としてきたものの豊富な研究歴を持つ研究者に対する研究倫理教育が十分でなかったことはいなめない。
 補注)この段落では「豊富な研究歴を持つ研究者に対する研究倫理教育が十分でなかったこと」と指摘されている点が,まだよくは理解しにくい。

 というのは,ごく常識的に考えての発言になるが,「豊富な研究歴を持つ研究者」であれば,いわれなくとも,最低限の「研究倫理」は彼ら自身が「いちおうでも十分」にもちあわせていると思ってみたいからである。しかし,そうはいっても現実にはいくらでも起こってきたのが,今回におけるような研究者自身による「論文や著書の盗用・剽窃・捏造」でもあった。

 大学の研究者がそれこそ巧みにおこなう他者の論著からの盗用・剽窃を,同じ職場の専攻分野を異にする同僚が見抜くのはたいそうむずかしい。それゆえ,外部の専門が同じであるかかなり近い教員たちが発見し,その指摘・通報がないかぎり,不正の事実を掘り起こすことには非常な困難が伴い,埋没したままになって発覚することはない。

 ところが,この創価大学元教授がその盗作のために遣った手法は稚拙であったとみられてもよく,いずれバレることをかえりみずに盗用・剽窃に及んだとも思われる。つぎにつづく調査委員会の報告がその点に触れている。

 とはいえ,主因は,論文等の執筆に際して当然守られるべき倫理手続(他の研究者の成果に対する適切な引用等)に対する教授の重大な認識不足から生じたものである。特に,研究関連の書籍の出版は通常,論文の執筆を積み重ね,熟考した上での成果であるべきところ,被告発者の教授が今回執筆した同書籍の全12章中8章が初出であることから分かるように,拙速な出版を図るなど,研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことが不正行為を招いたものと言える。
 補注)ここでの指摘は必ずしも正しいとはいえない。専門書であっても,1冊の図書(著作)の全編が「初出」で構成されていていけない理由はない。むろん,ふだんから大学の研究紀要や学会誌に投稿した個別の論文を,事後に集成するかたちで単著(単行本)を編集し制作する場合も多い。だが,必らずしもそれだけだとはいいきれないゆえ,「初出」うんぬんの指摘には違和感があった。

 本ブログ筆者の経験を頼りに説明する。著書を発行するさいは,おおよそ3種類の方法が考えられる。まず,すべての内容を新規に書き下ろして制作した本,つぎに,部分的に既発表の論文を含めて(その割合の多寡はいろいろとなるが)制作した本,最後に,すべて既発表の論文を集めて編集し,必要ならば推敲もくわえて本を制作する場合などである。

 したがって,前段の報告書が「書籍の全12章中8章が初出であること」が「拙速な出版を図るなど,研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったこと」になり,「不正行為を招いた」という論理の運びは,形式論理からの指摘として受けとめるにしても,必ずしも必要かつ十分に整備要件をととえていない “一方的な判断” である。

 大学の研究者が「その内容のすべてが初出になる単行本」を公表する場合,「拙速な出版を図る」ことになる(なりがちだ?)とか「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った」ことにもなる(なりがちだ?)とかいいきったら,拙速な断定となる。それは実は,まったくに別個の問題に属することがらを短絡的に結合した説明をしている。

 単著(単行本)の公刊時に,既発表の論文を集成して制作する形式であっても,また全編を一気に書き下ろしで制作する形式であっても,その精神知的な苦労になんら変わりはない。この問題と,盗用・剽窃・捏造が発生・介入するといったたぐいの問題とは,ひとまず別物だといっていい。ただ,その種の苦労をしたくない者が,研究者として風上にも置けない行為(「盗用・剽窃」など)を犯しているといってもいい。

 したがって,つぎにつづいて報告されている「再発防止策」も,ある意味では「賽の河原の石積み」に感じられる点を回避できていない。

 要するに,大学の教員になるべき人物が「盗用や剽窃」の問題を起こすのは,もしかすると(多分)「研究者としての基本的な能力や資質」に関して,もともと,なにか決定的な不足があったとみられて不思議ではない。自身の研究に日常から熱心に意欲的にとり組んでいる研究者であれば,他者の業績・成果に学ぶことはあっても,それを盗んでいるヒマ(余裕?)など全然ない。

 〔委員会報告書に戻る  ↓  〕
 ◉  再発防止策

 (1) 研究不正防止体制の強化 今後このような不正行為が発生することのないよう,不正防止にかかる各委員会の役割を明確にするとともに,最高管理責任者である学長を筆頭に,研究支援援担当副学長,研究科長及び各学部長が研究倫理教育に責任を持ち,すべての構成員が研究倫理にのっとった研究活動に取り組む姿勢を身につけるよう徹底することとした。

 また,「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26〔2014〕年8月文部科学大臣決定)を踏まえ,研究データ等の保存及び管理に関する規程を改正した。(平成31〔2019〕年4月)
 
 (2)所属研究者への啓蒙と支援
 ・CITI JAPAN  の  e-learning の教材(現在の eAPRIN イー・エイプリン)の受講を定期的に実施させ,研究者としての倫理意識の徹底を図る。

 ・公正研究推進協会に講師派遣を依頼し,研究分野(文系・理系)ごとの研究倫理研修を開催する。
 
 ・論文を投稿する際のチェックを強化するために,剽窃検知ツールを導入する。また,資格審査にかかる研究業績審査体制の強化に取り組む。

 ・ 研究の実施,研究費の使用に当たっては,学内関係規程や法令等の遵守について,継続的に注意喚起を行う。

  以上
 ③ なぜ,創価大学経営学部元教授の論文盗用「事件」(依願退職)では,東洋英和女学院大学深井智朗の著作内容「捏造」事件(懲戒解雇)とは違い,姓名が公表されないのか?

 この疑問は途中でいったん指摘(喚起)しておいたが,各事件のそれぞれが,いったいどの程度に「問題である」のかは,そう簡単に比較するわけにはいかず,判断しにくい要素も残っている。

 今回において創価大学が公表した『創価大学教員の研究活動上の不正行為の認定について(概要)』2019年5月14日は,この題名どおりであって,ただ「概要」に関する釈明でしかない。それぞれの事件において,個々別々の内容・事情がさらに詳細に絡んであったはずだから,外部の立場にあるわれわれからは,その詳細な事情までしりえない。それゆえ,そこまで立ち入っての判断を下すことはできるはずもない。

 似たような事件を報じたニュースとしては,こういうものもあった。このニュースはネット上に同じものがたくさん掲載(転載:拡散)されている。
★ 論文で盗用,東大が博士号取り消し…北大准教授 ★

 東京大学は〔2017年11月〕30日,中国籍の周 倩(しゅう・せい)氏が博士号を取得した論文で他人の著作物を盗用していたとして,11月24日付で博士の学位を取り消したと発表した。

 東大によると,周氏は2013年3月,大学院学際情報学府で博士号を取得していた。学外から情報提供があり,調査したところ,他人の著作を修正して自分の文章であるかのように使用するなど,論文全体の3割にあたる計320か所で不正が確認された。

 周氏は現在,北海道大学の准教授を務めている。東大での博士号取り消しは6件目。
 ところが最近,ネット上にはつぎのような「周 倩に対する批判の声」が上がっていた。
臨時‏ @ringi2018(3:22 - 2019年4月13日)

 博士論文の盗用で東大が博士を取り消した周 倩北大准教授はいまでも辞めず何の処分も受けていない。不正な方法で得た学位をもとにポストを得て何の処分も受けないなんて!

 博士取消しと盗用の公告
   https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/p01_291130.html

 最近は論文も出しているようだ。
   https://researchmap.jp/zhouqian
    この事例の場合は,いままでになにも処分を下していなかった北大当局側に,特別の問題がありそうである。少なくとも,学位(博士号)の保持が教員として採用されるひとつの要件になっていたはずだから,そう判断されてよい “当然の疑問” となる。これに対して創価大学における今回の事件は,まだまともに処理されたといえる。

 東大で取得した学位をとり消されていても,北大の准教授にようにまだこの職場にしがみついている人間がいた。辞めるつもりもないらしいが,こちらは本来,懲戒免職に相当する。また,学者の守るべきの基本原則を破っていた創価大学元教授は,その姓名は出さないかたちで依願退職していた。なにゆえ,当人の姓名が秘されているのか不可解である。

 ともかく創価大における「盗用・剽窃」事件の場合は,この大学じたいが,もしかしたら世間につつかれて騒がれるのがきっと嫌な事情でもあったのか,などと推察しておく。しかし,創価学会が新聞広告などに出稿している広告経済的な事情は,結構な重みをもっているはずである。このあたりの広告事情も併せて考えつつも,創価大学が世間に対してなにか恐れなければならない事情が,今回の学術領域における事件の発生に関してあったのではないか,とまで推察してみる。

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