赤っぽい部屋

 広島東洋カープの試合レポとデータコラムっぽいものによるBLOG。カープ戦は十何年連続全試合フルイニング観戦中。衣笠にはまだまだ遠い。  アーケードゲームのベースボールヒーローズ(BBH)日記もちょいちょいと。緒方入りのカープ使い。現在大監督らしい。

シーズンオフのカープネタメモ7

 昨年特に数字を伸ばした3選手とルーキー田中について成績を眺めてみる。

■エルドレッド
 外のスライダーで三振するイメージは強いが、エルドレッドはスライダーで打率を稼いでいる打者である。対スライダー打率は12年.302、13年.290、14年.308で、対直球は12年.244、13年.209、14年.223とはっきりしている。

 HRの内訳は直球、シュート系が多いが、他の打者より直球による三振が多い。一昨年は26/73、3年前は26/67、そして昨年は169三振のうち80が直球で奪われた三振だった。

 対左右別打率は対左.300、対右.242。傾向として真っすぐで押せる右投手に弱く、軟投派の左は得意といったところか。個別対戦成績はサンプル数が少ないので個人的にあまり重視しないが、それでも対福谷の8打数7三振や、対藤浪18打数11三振は目立つ数字だ。

 昨年8月頃に急激に失速したエルドレッド。9月以降打率.295と巻き返したため、研究されて通用しなくなったわけではないが、バットに当たらないが長期化するようでは計算しづらい。今季成績予想もばらつきが出そうだ。その調子の波による影響を軽減するための4番グスマン5番エルドレッド構想だが、不安を吹き飛ばすようなスタートダッシュを期待したい。


■會澤
 ついに結果を出した打てる捕手。スローイングやブロック、ワンバウンド捕球等は優秀だが、キャッチングやリードにはまだ課題があり、特に右投手の外のスライダーでミットが流れるのは早急に改善が求められる。とは言え次世代の正捕手育成は急務であり、黒田、マエケンと球界を代表する投手がチームメイトである今年は大きく成長するチャンスでもある。

 例年二軍では3割を軽く超える打率をコンスタントに残しており、実力はあった。一軍では思い切りはいいが…と豪快さだけが先行していたが、パワーだけが売りではない。ようやく結果を出したかというクラスで、将来の中軸候補である。

 昨年の数字を見ると、200打席で.307 10HR、OPS.892は勿論優秀な数字。三振も四球も少なかったが、球種別打率に偏りがない。

 左右別打率は対左打率.360 6HR(83打席)と強さを見せ、対右.269 4HR(117打席)。しかし打率よりも、28三振中24三振が対右というのは気になる点。

 今年は打席数増が期待される。課題の守備面の成長は注目点だが、それ以前にまず「打てる捕手」というセールスポイントは継続しなければならない。


■鈴木誠也
 期待値の高い20歳の若鯉。昨年はシーズン終盤に一軍に昇格し、36試合(68打席)で打率.344、プロ入り初HRを先頭打者HRで記録するなど印象的な活躍をした。その勢いのままU21日本代表としてWCに出場し、打率.423で首位打者とベストナインを獲得した。今年は1番サードのスタメン構想まで持ち上がる。
 身体能力が高く、パンチ力とスピードがある。とは言えまだ今年で高卒3年目、実績は少なく課題も多い。二軍成績を見てみると

・13年
 93試合364打席 打率.281 2HR 38打点 10盗塁8盗塁死 出塁率.326 長打率.367
 守備成績
  三塁62試合 13失策 守備率.909
  遊撃36試合 10失策 守備率.937
  外野16試合

・14年
 50試合197打席 打率.284 4HR 19打点 8盗塁6盗塁死 出塁率.327 長打率.415
 守備成績
  三塁 8試合 1失策 守備率.938
  遊撃31試合 9失策 守備率.930
  外野21試合

 パンチ力がアップしているのがまず着目点。内野守備は守備率のみでは評価できないとはいえ、この失策数では一軍でまだ使えない。一軍で打力を活かすために外野出場が増えたのは妥当な路線であり、いきなり一軍のサードのレギュラー候補にするのは堂林が増えるだけだ。
 四球は少なく三振は多め、犠打は少なく盗塁死が多い。高卒2年目野手の数字としては非常に優秀で将来有望ではあるのだが、まだ数字の裏付けのない期待値優先。失敗してもいいから思い切ってやって来いという起用方法が数字にも表れている。
 二軍成績は今年の一軍での活躍を期待させる水準ではない。どれだけの伸びしろがあり、そして飛躍できるか。魅力的なだけに、自称目利きを悩ませる素材だ。


■田中
 昨年の試合を見るたびに、こんな選手がルーキーで、しかもドラフト3位で獲れるのかと驚かされたのを覚えている。内野ならどこでも守れ、平均以上の守備力。足(10盗塁3失敗)とパンチ力(333打席9HR)もあり、最終的には打率.292、出塁率.348、長打率.434を残した。言ってみれば、攻撃力のある次世代ショートが突然現れたのだから、将来のチーム構成が一気に変わった感がある。
 82打席と数は少ないながら、対左OPS.969と左に対して強さを見せたのがまず注目点。対右は265打席でOPS.714だった。
 四球はやや少なく、三振はやや多め。

シーズンオフのカープネタメモ6 キクマルコンビの数字を眺めてみる2


 前回の続きとして、丸の打撃成績を眺めてみる。

■出塁試合数
 菊池188安打に対し、丸は166安打。コンスタントにヒットを打った試合数で見れば菊池が上だ。丸の昨年の安打を放った試合数の内訳は

 ・0安打 42試合 29.2%
 ・1安打 55試合 38.2%
 ・2安打以上 47試合 32.6%

である。

 一方で丸の特徴は四球の数。安打ではなく出塁した試合数を見ると129試合。およそ9割の試合で出塁していた。中には1試合5四球を記録した試合もある。ちなみに菊池の出塁試合数は125試合だった。この二人がともに出塁できないという試合は、レギュラーシーズンではかなりレアケースだと改めて見て取れる。


■月別打率
 6月打率.254、8月.269など打率の変動はあったものの、全ての月で出塁率.350をクリア(菊池は2ヵ月のみ)。特に7月は21試合で出塁率.505(97打席で49回出塁)と驚異的な数字を残した。ちなみにこの月のOPS 1.133。


■球種別打率
・ストレート  13年.325(81/249)→ 14年.345(80/232)
・スライダー  13年.238(24/101)→ 14年.292(35/120)
・その他変化球 13年.211(33/156)→ 14年.277(51/184)

 菊池同様、高い直球打率を維持しつつ、変化球打率を向上させて高打率を残した。


■カウント別打率
 昨季の丸の進化の驚くべきところは、(彼にしては)早打ちになりながら四球を増やした点にある。初球打数の割合は13年11.7%→14年13.8%、2球目打数の割合は13年24.7%→14年28.9%と、前年よりも積極的になっている(それでも早打ちではないが)。

 この影響もあって三振率は13年5.83→14年6.78、しかし早打ちになれば傾向として減るはずの四球率が13年7.07→14年6.44と、逆に増加。出塁率も.376から.419へとジャンプアップし、初のシーズン100四球を記録した。


 年々ビルドアップを行い、スケールアップを続ける丸。盗塁増、三振減、四球増、逆方向への長打など、着実にいずれかの項目で数字を伸ばし、リーグ屈指の打者に成長しつつある。今年は更にどんな進化を見せるのか、楽しみでならない。例えばそれがトリプルスリーのような分かりやすい成果でも、十分に可能性はあるとみている。

シーズンオフのカープネタメモ5 キクマルコンビの数字を眺めてみる1

 今後のカープを考える上で、重要なファクターとなりつつあるのがキクマルコンビこと菊池と丸である。若手ながら走攻守に優れ、昨年は打撃成績も大きく向上、名実ともにチームの中心選手となりつつある。

 この二人のタイプが全く違うという点も興味深い。バントや右打ちなどで繋ぎ役をする一方、積極的に打って出て高打率を残した菊池。選球眼と長打力でどっしりと待ち構え、リーグ屈指の得点能力を有した丸。言ってみれば早打ちと待球、相乗効果が生まれそうな組み合わせである。

 今回と次回で、もう少し詳しくこの二人の成績を見比べてみたい。今回はまず菊池から。


 3割を超す打率で打線のキーマンの一人となった菊池。一昨季とは異なり、昨季はコンスタントにヒットを打ち続けた。データ的に変化はどういったところにあるのか、眺めてみる。

 まずヒットを打った試合数について。

■13年(141試合出場、途中出場1)
 ・0安打 45試合 31.9%
 ・1安打 65試合 46.1%
 ・2安打以上 31試合 22.0%

■14年(144試合出場)
 ・0安打 23試合 16.0%
 ・1安打 70試合 48.6.0%
 ・2安打以上 51試合 35.4%

 以上の通りノーヒットの試合が激減。この持続性こそが昨季の菊池を象徴する数字の一つと言っていいだろう。

 この特徴は月別打率からも見ることができる。

■13年
 ・3-4月 .264 (29/110)
 ・5月 .195 (17/87)
 ・6月 .200 (11/55)
 ・7月 .291 (25/86)
 ・8月 .259 (28/108)
 ・9-10月 .250 (23/92)

■14年
 ・3-4月 .291 (30/103)
 ・5月 .289 (26/90)
 ・6月 .400 (28/70)
 ・7月 .311 (28/90)
 ・8月 .3346 (37/107)
 ・9-10月 .328 (39/119)

 一昨年は月間3割を記録した月が無かったが、昨季は月間MVPを獲得した6月から加速し、月間3割をクリアし続けた。最も打率の低い5月も悪い数字ではなく、コンスタントなヒットメーカーとして活躍した。


■スライダー打率の向上
 球種別打率では対スライダーが注目点。昨年はスライダー打率.171(26/152)と苦手な球種であり、この課題克服が大きなテーマだった。

 なにせストレートに続いて多く投じられる球種である。菊池の球種別打数(打席結果が出た球種割合)を見てみても、直球42.8%、スライダー28.3%、その他の変化球系28.9%であり、直球とスライダーだけで7割を占める。

 昨年はキャンプから右打ちに取り組んでいたが、このスライダー対策の意味合いも含まれていたのではと推測される。そして迎えた昨季はスライダー打率が.297(30/101)と向上。この改善点も菊池の変身理由の一つである。


■高いバント成功率
 昨年の菊池は52企画で50犠打成功、今季も38企画で37成功と9割台後半の成功率を誇る。この特徴に変化はなく、監督が菊池を2番に置く理由の一つであるが、もちろん打率の面でも影響はある。内野安打を除き、バントを成功させても打率は変化しないが、失敗したときは下がる(内野安打はあるが)。リーグトップの犠打を記録する2番でありながらの高打率は、このバント成功率も見過ごせない点である。


■積極性
 カウント毎の打数割合。昨年は初球打数割合14.5% だったのに対し、今季は19.6%。2球目まで(0-0、1-0、0-1計)の割合は昨年30.5% から今季41.2% と大幅増。一方で丸の2球目までの打数は13年24.7%、14年28.9% であり、明らかに早打ちの傾向が強まっている。

 単純な話、相手投手に3球投げさせなければ三振はせず、4球投げさせなければ四球は取れない。これだけ早打ち傾向が強まれば、当然三振も四球も数が減る。

・三振率 13年 5.23 → 14年 8.28 (x打席に1回三振)
・四球率 13年16.66 → 14年27.25 (x打席に1回四球)

 打席成績は全体的に向上したが、こういったタイプはコストパフォーマンスや再現性が低い傾向にある。セカンドというポジションであり、2番や高い犠打成功率、守備力を複合的に加味すれば素晴らしい選手ではあるが、今後継続的に高打率を残せるかどうかは、昨年一年間だけでは判断できない。

 カウント別打数に関しては、機会があればこの2選手以外とも比較したい。

(四球と三振の話)
http://blog.livedoor.jp/bbh3_carp/archives/1699783.html

シーズンオフのカープネタメモ4 先入観と投資効果と複合的視点

 今更ながらの話であるが、著名になった「マネーボール」という本について。野球統計学の入門書だとか、あれはただのドキュメンタリー本だとか、様々な見方はあるが、個人的な印象は「投資効果を考える」が肝であり、資金力の限られるカープにとって最も重要な部分であると考える。

 それまで重要視されていなかった四球や出塁率に着目し、他球団が見向きもしないような選手に対する先入観を捨て、数字上得点貢献能力が高い選手を集める。もちろん最終的には年間勝率を高めることが目標ではあるものの、何故「マネーボール」という表題が付いたかを考えれば、それは要するに「お買い得」だからである。

 一般的に打率や本塁打、打点等に優れた選手は年俸も高い。足が速くて守備もうまくて、ファイブツールプレイヤーに近づけば評価も高まる。逆に言えば、その項目が低ければ年俸を抑えられる。その低年俸のカテゴリーの中で、実は高年俸の選手と同じくらいの勝利貢献能力を持つ選手がいれば、その選手の獲得は高い投資効果をもたらすことができる。

 打率は低い、三振も多い、足も遅い。ただ四球を良く選び、長打力がある。これが同書で良く登場した典型的なモデルである。当然ながらすべての項目に優れた選手の方が好ましいが、希少価値もあり、高額だ。

 結局のところ評価項目を増やし、投資効果を考え、チームとしての戦略を練り直したという話であり、「四球信者」になるか否かという話ではない。こういったタイプが市場で妥当な相場へと地位を向上させれば、また新たなアプローチを模索することになるだろう。

 このような話を統合すると、例えば単純なモデルとして「打率は低いが四球は多い」というタイプと、「打率は高いが四球は少ない」というタイプでは、どちらが投資効果的に好ましいのか、というような視点ができる。勿論選手の評価は複合的なものであり、この2点のみで語るのはナンセンスであるが、それでも少し前まで一般的だった「打率が高いか否か」のみで行われていた議論がいかに恐ろしいものだったか、想像するだけでゾッとする。

 というわけで近年様々な評価項目によって議論がなされている。重要であり発展性がある。しかしネックもある。わかりにくいのだ。コアな野球ファンだけが満足し、一般のファンが置いていかれては、マイナー化に進むのではないかという懸念もある。

 違った視点として、あるいは大前提として、野球はビジネスである。例えば人気はあるが勝利貢献能力の低い選手がいたとする。当然データ的な評価は悪く、いわゆるデータマニア的には出場数を減らせとなる。ただその選手によって集客数がアップし、グッズが売れれば、収入が上がる。その収益によって優秀な選手を獲得できたとなれば、長期的、間接的には勝率の期待値が上がることになる。これまでのNPBではこの項目が重視されすぎていたきらいはあるが、無視できるファクターでもない。

 極端な話、太めの体型で足も遅い、ただ得点貢献能力は高い、そんな選手だけを集めて強いチームを作ったとして、さて収入は見込めるだろうか。収益が低ければ戦力を維持できなくなり、一度足が遠のいたファンを呼び戻すのはなかなか簡単なことではない。

 昨今の「カープ女子」に代表される集客増、それに伴う収益増と、黒田の復帰。もちろんそこに関わる人間の意思を無視できないが、マツダスタジアムの建設から続くこの一連の流れを見ていると、独立採算型のカープは改めて色々な要素を考慮する必要があると思わされる。

 閑話休題。

 だからもっと複雑で混合多項的なモデルを作ろう、なんてベクトルとは別に、いかにファンにわかりやすいアプローチをしていくかも重要だと思う。この選手はRC27やRFがいいから、なんてことを球団やマスコミが声高に叫べば客足はおそらく遠のく。

 一般的な先入観が多ければ多いほど、高い投資効果を得られる手段は多くなる。これは模索していくべきだ。ただ先入観を先入観のまま放置していけば、全体的なビジネスは先細りではないだろうか。

 ファンの二極化を避けるべきか、ファンの多様化と好意的にとらえるべきか。議論の種はいくらでも転がっている。我ながら情けなくはあるが、結論はまだ出せそうもない。

シーズンオフのカープネタメモ3 打者の四球と三振

 今回は打者の四球と三振数について眺めてみる。

 数字を見る上で、まず必要なのは目安。ということで2パターンの平均をとってみる。投手も含めた全打席の平均値と、シーズン100打席以上の打者成績に限定した数字だ。結果は以下のようなモデルになる。

■全体
 打 率 .261
 出塁率 .329
 長打率 .385
 四球率 12.10 (四球/打席)
 三振率 5.53 (三振/打席)
 BB/K  0.46 (四球/三振)

■100打席以上
 打 率 .270
 出塁率 .339
 長打率 .401
 四球率 11.73 (四球/打席)
 三振率 5.89 (三振/打席)
 BB/K  0.50 (四球/三振)

 分かりやすい目安を作れば、四球は打席数の1/10以上なら多い、三振は1/5以下なら少ないといったあたりか。犠打を含む打席数よりは打数の方が好ましいが、条件を合わせた。またWHIPのようにパッと見てわからないようだと簡易な指標としては適さないと判断した。


 さて、カープで昨年100打席以上は下記の15人。赤が平均以上、青が平均以下。

2014 carp打者KBB



 続いて全体の四球率トップ30を抽出。

2014 打者BB top30

 四球の割合は再現性が他の指標より高いため、ここの顔ぶれは例年それほど変わらないが、大きく変動した選手も数人いる。吉村、嶋、秋山は四球率が大幅に改善され、C木村、比屋根、森岡、ブランコ、S川端、DeNA石川らは大きく悪化している。また、四球率のワースト順に見ていけば菊池が下から14番目(171人中)。レギュラークラスでは楽天藤田、ロッテクルーズらと並んで極端に少ない。

 続いて三振。ここの顔ぶれはレギュラークラスなら、D大島、銀次、内川、今江、M鈴木、E藤田、S川端ら早打ちやコンタクトヒッターが並ぶ。カープでは小窪、松山、菊池が上位に来る。一方で三振が多いのはメヒア、エルドレッド、ブランコ、ゴメス、L中村ら大砲タイプ。カープでは更に堂林、キラ。

 続いて四球と三振の割合であるBB/K。三振が少なく、四球が多いタイプであり、今回の分類では最も優秀だ。三振と四球が少ないタイプは早打ちが多く球数が稼げない、三振が多く四球が少ない選手はレギュラークラスの打力を備えていない等の傾向が見て取れる。

 では上位30人。

2014 打者BBK top30


 和田や鳥谷が長年の常連であるが、三振数の減少で丸がランクアップ中、四球増の角中と共に上位に食い込んだ(谷繁は打席数が少ない)。一方で大幅ダウンが一昨年までの常連阿部で、三振増と四球減。

 年々数字を伸ばしている丸、この項目上位の常連になれるかにひそかに注目している。

シーズンオフのカープネタメモ2 観客動員と総年俸推移

 カープのチーム総年俸と観客動員数の推移について眺めてみる。

2014オフ カープ年俸観客動員数推移

2014オフ カープ年俸観客動員数推移 表


 外国人はバリントン、ミコライオ、フィリップス、キラが退団し、4人の総額は約4億。
 エルドレッドが10900万(5900万増)、ロサリオ3300万(2300万増)、途中入団のヒースが9000万、新入団のグスマン1億、ジョンソン7000万、ザガースキー4250万。
 差し引きで外国人年俸は3500万ほどダウン。各年は当時の為替レート計算。やはり実績組が抜けた分助っ人費用は去年よりは抑え目になってはいるが、それでも年間推移でみれば十分に高い。

 日本人は昇給減俸、新入団と退団引退ひっくるめて小幅の増加になる見込みだったが、黒田の電撃復帰により総額は昨年より43000万増の約25億。ブラウン政権より10億近く高い。

 これは勿論観客動員数の伸びによる収入増と切り離せない。一昨年は関東圏でのファンの拡大が話題になったが、収入の肝となるホームでの入場者数は伸びなかった。しかし昨年の「赤ヘル女子」等の言葉にも代表するように、熱気は全国に拡散し、なんと約34万人増(21.7%増)となる190万人のホーム観客動員数を記録した。室内練習場の建設等で経費はかさんだとは思われるが、ビジネス的には右肩上がりだ。

 また、今年度の年間指定席の完売も明るいニュース。チーム成績がある程度伴うことが条件だが、今年も高水準の集客が期待される。

 ただこの好循環を長期的に継続していくためには、やはり次期エースの育成が望まれる。黒田、前田健太の年俸合計は7億で、近い将来この年俸分が減る。その時に集客減、成績低迷が伴ってビジネスが縮小してはまた長い低迷期になる懸念がある。マツダスタジアムがオープンして今年でまだ7年目。今の集客数を一過性のフィーバーではなく、足場固めとするためには、ダブルエースが抜けた先でも上位を狙える投手陣が不可欠であろうし、それがスター選手であればなお望ましい。

 現状で候補となるのは大瀬良、福井、野村、戸田。現状ではまだエースへの道は遠いし、スケールアップが不可欠だ。ポテンシャルで言えば塹江、今村。同時に、ドラフトでの投手の上位指名を狙いたいし、ある程度即戦力型が望ましい。

 いずれにせよ優勝を狙う中で、先発陣の育成も重要課題だ。ジョンソンやヒースが好成績を残すことは期待するところだが、それ以上に若手の日本人投手がマエケン、黒田に次ぐ3番手4番手に名を連ねることを期待したい。

シーズンオフのカープネタメモ1

 CS突破ではなく、シーズン優勝を狙える戦力が揃った。こんな書き出しをするのはどのくらいぶりだろうか。

 昨年は9月に失速したものの、貯金6の3位。得失点差+39は巨人の+44に次ぐ2位だ。当然ながら不安要素は多々あるものの、勝率5割以上を狙える地力の上に、黒田復帰のビックニュース。期待するなという方が無理であろう。

 戦力が充実してきた一方で、カープは若いチームである。選手の起用法もさることながら、経験の少ない若手がどれだけ伸びるか、どこまで辛抱して使うか、これもシーズンを大きく左右する。外国人の入れ替わりもあった。戦力の見極めと起用法、緒方新監督には早速のかじ取りをしてもらわなければならない。


 では昨年の数字を振り返りながら、課題と傾向を眺めてみたい。

 まずは全体成績から。

■簡易版
2014全体成績簡易

■プチ詳細版
2014全体成績


 カープの得点率はヤクルトに次ぐセ2位。総得点では649で、1位ヤクルト667と18点差。ここから阪神(599)、巨人(596)が中位で続き、中日(570)、横浜(568)の順となる。昨年のカープの攻撃力はセリーグトップクラスだったと言える。

 続いて失点率。ここは巨人が頭一つ抜けて3.80。中位に中日(4.11)、広島(4.28)、阪神(4.31)、横浜(4.36)、下位にヤクルト(5.03)というグループ分けができる。

 防御率で言えばカープ3.79、巨人3.58でその差は0.21だったが、失点率では0.48差。カープは自責点(540)と失点(610)の差が大きく、70差はセリーグで2番目に大きい。ちなみに1位は横浜84で、6位は巨人32。失策数は116横浜、97ヤクルト、89広島、87阪神、75中日、71巨人。失策数が飛び抜けて悪いわけではないが、防御率だけを見るのは危険である。


 さて、簡単に言うと、攻撃力は上位、防御力は中位というのが昨年のカープの戦いだった。もう少し投手について区分分けして見てみよう。

■チーム先発成績
2014先発成績


 黒田が加わりセリーグ屈指の先発陣へ。こんな見出しの記事が最近多いが、これには注釈がつく。昨年の先発成績は、マエケンとヒースを除いて軒並み悪い。セリーグの平均先発失点率は昨年4.33。これをクリアしたのがマエケンとヒースのみであり、他の先発は9イニング平均5点前後失点している。単純にマエケン抜きの先発成績を比較すると、13年防御率3.92、失点率4.21が14年は防御率4.15、失点率4.80である。

 マエケン、黒田という2本柱は強力でありリーグ屈指だが、ここに続く先発の名前が釣り合わず、総合力には不安もある。とは言え、候補は豊富だ。残りの枠を争う若手の成長次第では、屈指の先発陣になれる可能性を十分に秘めている。このあたりは別記したい。


■チームリリーフ成績
2014リリーフ成績


 リリーフ成績に関してはシリアスな状況ではない。13年の防御率3.29、失点率3.94から14年防御率3.75、失点率4.09と悪化はしているが、巨人と阪神の悪化はそれを上回る。巨人は防御率2.57、失点率2.83と12球団屈指の成績だったものが、防御率4.03、失点率4.23。阪神も防御率3.10、失点率3.34の上位クラスの成績が防御率4.20、失点率4.60と、揃って下位に転落しているためである。中日が防御率3.24、失点率3.64と抜けているが、先発成績ほどの開きはない。

 不安点はミコライオの退団と、中田の勤続疲労。プラス要素はザガースキーの3A成績に期待できる点と、リリーフ起用も予想されているヒース、昨年後半に変身した中崎らの上積み。横山の引退と久本の故障で実績組は減ったが、永川と昨年後半に存在感を見せた江草、一岡、復活が待たれる今村、更に先発起用で無ければ戸田や九里の名前もあがる。方程式の形は未定だが、やりくりのできる陣容だ。ベンチに数を数えられる人さえいれば。


 もう少し全体的な数字を見てみると、カープ投手陣の特徴は奪三振率と与四球率の低さが特徴として挙げられる。被HRとQS率は平均的。四球の少なさは大きな武器であり、また打たせて取るタイプが多いのは菊池という強力な武器が心強い。ただし一方でサードに誰を使うかがポイントとなりそうだ。何故なら有力候補の鈴木の二軍守備成績は堂林並みのエラー率であり、堂林にしても内野守備の課題はクリアされていない。木村、梵、田中で三遊間を形成するのが無難ではあるが、攻撃力と将来性は劣る。

 可能な状態かはわからないが、新外国人のグスマンのサード起用があれば選択肢は大きく広がる。マイナーでは通算820試合中504試合でサード出場。セカンドも104試合守っている。ただしサードの守備率.908と堂林ら以上にコンスタントにエラーをしているので現実的ではないが、同じく守備に我慢をするならば、検討する価値くらいはあると思われる。単純に内野よりも外野の方が期待する選手が多いためだ。鈴木、堂林、小窪、木村、梵の中から一人を選ぶよりも、鈴木、天谷、松山、堂林、野間、土生らの中から二人を選ぶ方が魅力的だ。更にエルドレッドを左翼に回し、栗原を一塁に、なんて妄想まで出来る。

 野手の話になってきたが、個別の数字を見る前に、次回は全体の打撃成績について眺めてみる。


■打順別成績
2014カープ打順別成績

2014カープ打順別成績グラフ


 上記はスタメンのみの野手成績(途中出場は含まない)。

 3番にピークが来る流線型の形。1番の出塁率はもう少し欲しいが、ここ数年の凸凹のグラフに比べれば理想形に近い。例えば2012年は以下のようなグラフだった。人材不足はあったものの、どちらが効率的かは明白だろう。

打順別OPS


 ただし今年も流線型に収まるかはわからない。そもそも起用法や打順は未定であるし、菊池とエルドレッドの成績のブレが今季どうなるか、グスマンがどこまで打てるか、鈴木や田中を固定できるか、打力に期待される會澤が何番を打つのか、等々。

 とはいえ、昨年は12球団トップの153HRと長打率.420、出塁率も同3位の.337。野手の大きな入れ代わりはキラの退団とグスマン、野間の入団くらい。そのスタッフでこの数字が大きく落ち込まれては困るし、若手の成長を期待するならば同程度を期待したい。

 これまでの報道では緒方新監督の傾向として身体能力型、バランス型を好みそうな雰囲気はするが、実戦ではどうなるだろうか。

 ということで第1回は全体成績をざっと眺めつつ、いくつか個別の選手名をあげた。次回はもう少し細かいところの数字を見てみたい。
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