二〇一四年如月
柔軟なアイディアの生み方
手作りピザ 2/19
クリスマスローズ 2/18
人生成功のルール
オグ・マンディーノ『人生は素晴らしいものだ』
孤児で障害者という、人生のスタート時から背負っていたハンディをものともせず、あらゆる逆境を乗り越えて成功を手にした男、ザアカイ。この物語では、彼を敬愛し、生涯彼に仕えた親友ヨセフの目を通して、不屈の精神のもと、次々と襲いかかる試練を克服していくザアカイの姿が描かれる。「不可能なことなんて何もない。それが不可能だと本人が思わない限り」「不運の時にも必ず終わりがくる」「かつてなかったほどの暗闇に閉ざされている時こそ思い出せ。あらゆる失敗は成功への一歩なのだ」。主人公ザアカイが語るこれらの言葉は、マンディーノの全作品に流れる不変のメッセージであり、不安に満ちた時代を生き抜くための知恵として、私たちを勇気づけ、不可能を可能にする力を与えてくれる。「本当の意味の成功を手にしたいと願うなら、彼の代表作とも言うべきこの作品を読むことだ」と世界的成功者たちが絶賛した、オグ・マンディーノの最高傑作、待望の邦訳。
「ネバー・ギブアップ」オグ・マンディーノの成功哲学は、広く青い空みたいに痛いほど明快だ。
そして風化することなく、どの時代にも力強く、新鮮な輝きを保ち続けている。
何冊かこの人の著作を読んだけれど、この作品は一番シンプルで、ダイレクトに心を打つ。
他の本はもう僕の本棚にないけれど、この本だけは残しておいた。
ふと、この本を思い出した。オグ・マンディーノの成功哲学に、再び触れてみたくなった。
ここ数日自己啓発本を続けて読んでいるけれど、
どの本にも反対しない単純な一本の芯、力強さ、そして明朗さがあった。
鈍感な者の意義
長谷川英祐『働かないアリに意義がある』
女王バチのために黙々と働く働きバチや、列を成して大きな荷物を運ぶアリたちに共感を覚えた経験は誰にもあるはず。しかし実際に観察すると、アリもハチもその7割はボーッとしており、約1割は一生働かないことがわかってきた。また、働かないアリがいるからこそ、組織が存続していけるというのである!これらを「発見」した著者による本書は、アリやハチなどの集団社会の研究から動物行動学と進化生物学の最新知見を紹介。人間が思わず身につまされてしまうエピソードを中心に、楽しみながら最新生物学がわかる科学読み物である。生命の不思議に感動すると共に、読後には社会・会社・家族などへの考え方が少しだけ変わる、ラクになる。
同じに見えるアリにも個体差がある。
ちょっとのことで「働かなくちゃ」となるアリと、なかなかそうはならない鈍いアリ。
鈍いアリは鈍感なだけで、働く意志はある。ただ他のアリよりも「働かなくちゃ」となるのが遅い。
鈍感だけど働く意志があるアリが存在することで、
「働かなくちゃ」という出来るアリだけのグループよりも、適応力のある強いグループを作ることができる。
鈍感なアリやハチがグループ内の潤滑油になっている。
ただ、鈍感だけど働く意志があるアリではなく、完全に寄生型のアリがいると、いずれグループが壊れてしまう。
社会には、乗っかるだけのものが生まれてくるのも自然な流れ。
働く意志はある。でも鈍感。グループ内におけるそんなアリの存在意義を、とても論理的に知ることができた。
幕末の主人公
司馬遼太郎『最後の将軍』
ペリー来航以来、開国か攘夷か、佐幕か討幕かをめぐって、朝野は最悪の政治的混乱の陥ってゆく。文久二年、将軍後見職として華々しく政界に登場したのちの十五代将軍徳川慶喜は、優れた行動力と明晰な頭脳をもって、敵味方から恐れと期待を一身に受けながら、抗しがたい時勢の流れにみずから幕府を葬り去らねばならなかった
切れ者とは普通参謀で将軍ではない。
幕末一の切れ者が将軍徳川慶喜。
将軍自らが策を考じ、実行する。
将軍でありながらその物語は孤軍奮闘といったものだった。
自ら歴史上の人間として在り様を意識し役を演じる。
大坂城を去るところを読みながら、同じ時に弾幕の下を走る土方歳三を思った。