風狂の天地

ブログの趣旨を変えました。徒然なるままに読んだ本の記録です。読書メーターもBOSSA BOOKSも自分で本の画像を投稿できないのが不満。改善求む。既存の読書サイトはアマゾンなどの商売とつながり過ぎだ。そもそも読書子たるものがアフェリエイトでちまちま儲けることを喜ぶなどと思っているのが失礼千万、根本的な誤りであって…愚痴愚痴

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厚い。この厚すぎる文庫本に、少年時代は手を出せなかった。
フリーセックス容認の思想など、少年にはちょっと早い内容が
多々あるので、それでよかったのかも知れないが。
いざ読んでみれば、800頁近い本書は一気に読めてしまう。
後書きによれば、
ハインラインの当時の作品の中では異質とされたようだが、
私は寧ろ「月は無慈悲な夜の女王」につながる
作者の真骨頂と感じた。

主人公が、初めて人間とは何かを認識(グロク)した時の描写がいい。
「なぜ人間が笑うのか、見きわめたんだ。
 人間はつらいから笑う…つらさをとめる、
 それがただひとつのやりかただからだよ」(P553) 

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野中広務という希代の政治家の実像を、
本人が書いてほしくないところまで描ききった傑作。
引退したとはいえ、存命の政治家を対象としているわけだが、
下世話な覗き趣味とは一線を画すノンフィクションだ。
なぜなら、本書はありがちな一代記ではなく、
差別の中で権力の階梯を登った野中という人物を描くことで、
時代と地域そのものが浮かび上がってくるからだ。
その意味で、本田靖春の「瑕」を想起させる作りである。

そして、なぜあの時、あの法案があんなことになったのか、
あの疑惑にはどういう背景があったのか、それを知る上でも必読。
後書きで、佐藤優が「スクープ」と書いていたのはちょっと違うのだが、
その「ビデオ」は当時、多くの人間が入手しようと躍起に なっていたのだ。
懐かしい思い出である。 

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歴史学者にも研究されていない近現代史の闇を、
ジャーナリストが調査し報じるという、新たな地平を拓いた一冊。
当時はまだ共同通信に在籍していた魚住昭氏が、
フリーになる転機ともなったとのこと。
お話を伺ったところ、「渡邉恒雄はサービス精神旺盛で、
愛すべきところもあるが、瀬島龍三は本当に嫌な奴だった」そうな。 

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「九頭竜川ダム汚職事件」をモデルとし、政界と財界の癒着と腐敗を描いた小説。
石川達三はこんなに救いが無い作品も書いていたのだ。
仕事で少々使う必要があったので、再読。
しかし、これが既に絶版になっていたとは。
こういう世界というのは、連綿と続いていると思うのだが、
今の時代には受けないのだろうか。
「石原参吉」のような“怪物”と呼ばれる政界ゴロも、居なくなってしまったからなあ。
映画版の方は、DVDなどで残っているので、そちらを。

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