信頼の証 充実のひと時をサントリーホールで過ごしてきました。

テミルカーノフ円熟のショスタコーヴィッチ交響曲第7番 冒頭はやや抑え気味に入り、コントラバスとチェロの音がいつも以上に深い音を奏でていました。
小太鼓がピアニシモでリズムを打ち、例のチチンプイプイ戦争の主題が厳かに聞こえてきます。主題の裏でチェロとコントラバスがサポート的ではなく、むしろ何かを暗示するような動きをしていることは発見でした。

フルート、オーボエ・・と受け継ぎ金管楽器へ 正面にトランペット4本、左がホルン8本で右がトロンボーン3本とチューバ 右奥にトロンボーン3本とトランペット3本 これらの重厚なサウンドがホールを徐々に覆っていく様は正に圧巻です。
重戦車の行進が収まるとファゴットによる悲痛な叫び声が聞こえてきます。テミルカーノフ・マジックと言ってもよいくらい読売日響から縦横無尽な音を引き出しています。
外交的な音や嘆き、悲嘆、ユーモア、諧謔、揶揄・・・などを感じさせながら集中度の高い演奏を繰り広げます。音色は極端に暗いということはなく、それでいて聞き手に多様な人のココロの有り様を感じさせる ここまでこの作品の持つ可能性を追求した演奏を聞けたことに感謝したいところです。

1楽章の終わり方も百戦錬磨 何ともいえない余韻を残していました。2楽章は小クラリネットとバスクラリネットの扱いが流れに適度なアクセントをつけるスパイスの役割をしています。
藤原コンマスも気合いが入っていて弦楽合奏の部分での勢いをつけるところなど絶品です。低弦もいい働きをしています。
3楽章 木管によるコラール的な響き ここでもテミルカーノフ・マジックなのでしょうかロシアの空気を感じます。

そして4楽章 コーダの人間の主題の再現 ロシアの魂を感じさせる圧倒的な強さ この作品にここまでいろいろ感じることができるとは思いませんでした。聞きながら人生を感じたコンサートでした。

テミルカーノフの求めるロシア民族の音、ショスタコーヴィッチの音に反応する読売日響の能力の高さをまざまざと感じます。