お疲れ様です。いよいよBICも中東情勢による不況の流れに片足がかかって来ました。
今後の自動車車体整備(鈑金塗装)業界がどうなっていくのか予想が困難ですが、
BICとしては今後も変化する所は変化して、変わらずお客様に支えて貰える会社で居続けます。
さて、本題にはいりますが同業者の皆さん
最近、いつもの塗料屋さんから「シンナー入ってこないんですよ…」「また値上げです…」って言われていませんか?
「まあ、中東で戦争してるから一時的なもんでしょ。待ってりゃそのうち元の値段に戻るよ」って思っている社長さん。
それ、マジで会社潰れますよ。
今回は、なぜ僕らの手元にシンナーが届かないのか、そして今年の年末から年始にかけてどんな「ヤバい未来」が待っているのか、めちゃくちゃ簡単に解説します。「うわ、これ完全にウチの事じゃん…」って絶対に思うはずです。
そもそも、なんでウチらにシンナーが届かないの?
僕らが毎日ジャブジャブ使っているシンナーって、実は「中東の石油」からできているんです。日本は原油輸入の約95%を中東に頼りっきりです
上流(石油元売り): 中東の原油からわずかに出る「ナフサ」っていうシンナーの素を作る。
中流(化学・塗料メーカー): ナフサから溶剤を作り、各メーカーがシンナーとしてブレンドする。
下流(卸売・販売店): 全国のデカい問屋から、いつも配達してくれる地域の塗料屋さんへ。
なんと、最低でも5社〜7社もの会社を経由してるんです。
今、一番上の「中東」でドンパチやって原油が止まりかけています。すると間にいる会社全員が「ヤバい!自分の会社の在庫を確保しなきゃ!」ってパニックになって【買い占め】と【売り惜しみ】を始めます。
結果、一番下っ端の僕らのところに来る頃には、完全に流通が目詰まりを起こして一滴も届かなくなるというわけです。
原油が上がると、僕らにどんな大ダメージがあるの?
原油が上がると、シンナーの大元である「ナフサ」が手に入らなくなり、メーカーの作るコストが爆上がりします。 すると大手塗料メーカーは「ごめん、シンナー75%値上げするわ」と平気で言ってきます 。 でも、現場のリアルはそんなもんじゃありません。品薄で市場がパニックになった結果、今まで1缶4,000円弱で買えていたシンナーが、なんと「16,000円」にまで跳ね上がっているケースが実際にバンバン報告されてるんです 。驚愕の4倍ですよ!?
【警告】シンナーだけじゃない!テープもゴミ袋も、そして塗料・パテも全部消える
そして、ここからが本当に恐ろしい話です。「高いけどシンナーさえ買えば仕事はできる」なんて甘い考えは捨ててください。
実は、不足している「ナフサ」はシンナーだけでなく、プラスチックやビニール製品の大元の原料でもあります。 つまり、僕らが毎日湯水のように使っているマスキングテープ、マスキング用のビニールシート、調色用のビニール手袋、そして大量のゴミを捨てるための産業用ゴミ袋まで、ありとあらゆるモノが連鎖的に手に入らなくなります。
さらに追い討ちをかけるように、少し遅れてウレタン塗料や硬化剤、そしてパテまでもが入手困難になります。 すでに、ウレタン塗料を固めるのに絶対必要な硬化剤の原料は、1トンあたり500ドルという異常なレベルで爆上がりしています
年末から年始、想像を絶する地獄がノーマルになる
今年の年末に向けて、これらの副資材や塗料が完全に物流ストップし、現場からありとあらゆるモノが消え去るリスクが高まっています。
そして年が明けた来年。別の国から買ったりしてモノ自体は少しずつ入ってくるようになるかもしれませんが、「シンナー1缶16,000円」「テープもパテも超高額」という今のバカ高い値段がそのまま「普通の値段(ノーマル)」として定着してしまいます。 元の安い値段に戻ることは、もう二度とありません。
今すぐ僕らがやるべき具体的な6つの「生存戦略」
国や元請けが助けてくれるのを待っていても遅いです。僕らが今すぐやるべきことは以下の6つです。
① 原価をしっかり見直す 今までどんぶり勘定だった部分を洗い出してください。シンナーをジャブジャブ使い捨てるのをやめ、本気で溶剤回収機・シンナー再生機を導入するなど、1回の修理にかかる本当のコスト(原価)を1円単位で把握し、無駄を削ぎ落とすことが第一歩です 。
② 代替えできるものは代替えする(パテ無し鈑金・デントリペアの習得) 塗料やパテ、テープ類が超高額になるなら、「使わない技術」を身につけるしかありません。例えば、小さな凹みならパテも塗料も使わずに裏側から直せる「デントリペア」を習得するのも手です。材料費をゼロに近づけ、再塗装を避ける代替手段を持つ工場が圧倒的に有利になります。
③ 「大阪府自動車車体整備協同組合 青年部」に入る 「大阪府」とついていますが、実は全国から入会資格があります。ここに入れば、各塗料メーカーから直接リアルな情報共有を受けられるだけでなく、この異常な値上がり状況を「日本損害保険協会を通して各保険会社へ客観的エビデンスとして提示する場」が用意されています。つまり、一人では絶対に勝てない保険会社に対して、「工賃値上げを交渉するための強烈な根拠(武器)」が手に入るということです。
④ 仕入れルート(ブレーン)を広げる 現在、多くの販売店が「新規取引不可(一見さんお断り)」になっていますが、だからこそ今のうちに複数のルートを開拓し、知り合いのネットワーク(ブレーン)を広げておくことが重要です。いつもの塗料屋さんがパンクした時のための「次の一手」を今すぐ準備してください。
⑤ 状況を正確に把握する 「ニュースでやってたから高いらしい」という浅い知識では交渉も対策もできません。この記事で書いたように、原油からナフサができ、どんな工程(サプライチェーン)を経て僕らの手元に届くのか。その根本的な仕組みの流れを把握し、自分の言葉で説明できるようになることが、経営者としての強い土台になります。
⑥ やっぱり工賃を適切に上げて行く そして最後はこれです。もちろん自社でのコスト削減努力は必須ですし、無理な値上げで客離れを起こして潰れてしまっては元も子もありません。しかし、エビデンス(証拠)をしっかり揃え、胸を張って適正な工賃をお客様や元請けに請求していく勇気を持ってください。
「安い材料をガンガン使って全面塗装する」というやり方は完全に終わりました。これからは、知恵を絞って塗料や副資材を極限まで節約し、正しい情報を武器にできる工場だけが生き残れます。 同業の皆さん、手遅れになる前にマジで今のうちに動き出しましょう!

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