2008年02月18日

MC 5 / KICK OUT THE JAMS

本作は大抵の洋楽名盤カタログには掲載されており、よく『パンクの原点』などと評されている彼らのデビュー“ライブ”アルバムだ。

Kick Out The Jamsしかしながら、1968年という時期(本作の発表年は69年だが、音源(ライブ)収録は68年だ)を考えれば、まだロックがカウンターカルチャーとしての効力を保っていた時代であり、個人的には表現の過激さやラウドなサウンドだけをもってして『パンク』と結び付けて考えるのはいささか抵抗があり、後年のパンク・ムーブメントとは切り離して捉えた方がよいのではないかと思っている。

また本作については、タイトル曲「Kick Out The Jams」のイントロ部分の“Mother Fucker!”という叫び声にまつわる逸話ばかりが話題となり、音楽的な貢献について語られることへの障壁となっているように思われるが、実際のところはどうなのだろう。

サウンド面では、パンクというよりはむしろ70年代に大きな成功を手にすることとなるKISS、Aerosmith、Grand Funk Railroadといったハードロック系バンドのサウンドフォーマットを60年代に既に完成しているという点において重要であるということが言えるとは思うが、なぜかそのような歴史的価値といったもの以外にこれといった感慨が湧き上がってこない。

本作の前半部分においてはそれなりの勢いというか密度を感じるが、後半になるに従い、サイケ、ブルース、ファンク、フリー・ジャズやプログレといった様々な部分が顔を出し、多様な表現というよりはむしろ欲張りな感じでかえって焦点がぼけてしまい、「一本筋が通っていない」といった印象が拭えない。演奏力も高いしパワーもあるのに実に惜しい。
そういった意味で、単純に普遍性という部分においては、やはり同時期のデトロイトシーンの出身であるThe Stoogesの方に軍配があがるだろう。

まあ名盤と呼ばれる作品の中にも、自分と相性が良くないものがあるのは当たり前だが、好きになれない理由について考えてみることも必要だと思う。
MC 5ファンの方ゴメンナサイ。
では、YouTubeよりタイトル曲「Kick Out The Jams」をどうぞ。

「Kick Out The Jams」 (この曲はカッコいいんですけど・・・・。)



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beerks880311 at 23:59│Comments(4)TrackBack(0)clip!ロック 

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この記事へのコメント

1. Posted by マサ太郎   2008年02月18日 09:46
まあこれは名盤って感じではないですよね。ライブ録音ですし。MC5という忘れてはならないガレージ・バンドがいて、それを思い出すのに最も適したがこのアルバムだと、そういうプロセスだと自分は考えてますね。好みもいろいろなら、名盤もいろいろです。
2. Posted by ハリー   2008年02月18日 20:21
実は私もこのアルバムは余り評価していません。繰り返して聴くという「耐久性」の意味合いにおいてですが。
MC5の怪しげなライブ盤は山ほど出回りその度に買うのですが、当然それらよりは価値があるのは間違いないと思います。2枚目の「BACK IN THE U.S.A.」こそ全ロック・ファンが脳内に叩き込むべき「音塊」というのが持論です。
さすがはジョン・ランドゥ。
3. Posted by ケニー   2008年02月22日 01:14
>マサ太郎さん

コメントありがとうございます。

そうですね。ライブ音源が最も注目されていること自体がこのバンドにとっての不幸かもしれませんね。ライブが真骨頂ではあるんでしょうけど、それゆえに、普遍的な評価を獲得し損ねたような感じです。
4. Posted by ケニー   2008年02月22日 01:25
>ハリーさん

コメントありがとうございます。

まさしく仰る通りに、わたしも初めて聴いた時が一番良かったですね。その後は聴く度に薄まっていったような感じです。

2枚目を聴いてみた方が良さそうですね。

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