2008年03月09日

Sonic Youth / Daydream Nation

1988年にリリースされたSonic Youthのインディー時代最後の作品であり、間違いなく彼らの代表作と言ってよい作品だ。

Daydream Nationただはじめは、Sonic Youthについてインディー時代とメジャーデヴュー以降との比較という論点でこの文章を書こうと思っていたのだが、そのためには未聴の作品が多すぎるし、ファンの方ならよくご存じのように、その飽くなき実験性のもたらす混沌ゆえに、アルバム毎、いや曲毎に異なった表情を見せるのが彼らの最大の特徴であり魅力であるので、単純な比較は意味をなさないと判断し控えることにした。

あえて個人的な印象の範囲で比較をすれば、メジャーデヴュー以降の方が全体的にモノトーンというか圧縮された音の塊がアルバム全体に亘って鳴り響き、やや陰鬱な印象を与えている感じなのだが、インディー時代の方がやや軽やかで、カラっとした曲が浮き上がって聴こえるような印象だ。

どちらが好きかというのはこれはもう個人の嗜好に委ねるしかないのだが、要はどちらの印象をよりSonic Youthらしいとするのかにかかっているのではないだろうか。
わたしはと言えば、どちらかというとインディー時代の方が好きなのだけれど、上述のように、この文章をお読みいただく方に向けて確固たる論拠を提示できうるものでは決してない。

そういった意味では、本作にも曲毎に異なった表情を見せるという彼らの特徴がよく表れているが、何と言っても「Teen Age Riot」という曲の存在はあまりに圧倒的だ。ある意味Sonic Youthらしからぬ明るさを持ったこの曲が、本作全体に対しどのように機能しているのかが本作への評価を左右するのではないかと思えるぐらいだ。
多くのファンの心を捉えて離さないこの曲だが、その三味線のようなカッティングギターによりもたらされる疾走感といい、重くなり過ぎず適度にダルなヴォーカルといい、わたしにとってもまさしく“ど真ん中ストライク”の曲であり、こんな言い方をするとミもフタもなくなってしまうが、この曲が10回繰り返されるアルバムでも構わない。

つまり、オルタナのベンチマークとして君臨する1曲、それが「Teen Age Riot」であり、その名曲を擁しているという事実が本作『Daydream Nation』に対する高評価へのアドバンテージとなっていることは否定できないだろう。
いまさらこんなことを言ってもしらじらしいばかりだが、もちろん他の曲も素晴らしい。ただ「Teen Age Riot」の放つ閃光が眩し過ぎる・・・・。

では、YouTubeより「Teen Age Riot」をご堪能ください。マイスペはこちらです。

「Teen Age Riot」


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beerks880311 at 17:35│Comments(8)TrackBack(1)clip!ロック 

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1. 【126】名盤で聴くロックの要点 (Sonic Youth)  [ Blogs Like Teen Spirit 2 ]   2008年04月01日 11:47
4 『Daydream Nation』 (1988) Sonic Youth 先の話と重なるようではあるが、「ロックは死んだのか」という議論は、この頃には既に行われていたようだ。そんなロックに追い討ちをかけるように、(現代からの視点にはなるが)テクノロジーの目覚ましい進歩により、一人の天才...

この記事へのコメント

1. Posted by コハゲ   2008年03月09日 19:05
おお〜「Teen Age Riot」!!
いつ何時聴いても気分が高揚するオルタナの金字塔。
僕もこの曲は特別に好きです。
ライブは過去2回行ったことがありますが、Teen Age Riotのときは、まさに狂ったように暴れました。

ちなみにSYで2番目に好きな曲は「Schizophrenia」だったりします。
(これまた眩し過ぎる・・・)
2. Posted by FUJIMIROCK   2008年03月10日 23:23
ついに登場ですね!ソニックユース!
実は,近年のSYの作品も結構好きだったりします。
2年前(でしたっけ)のフジロックは,雨の中,一人盛り上がっていました。
3. Posted by ケニー   2008年03月11日 00:43
>コハゲさん

コメントありがとうございます。

やっぱりイイですよねぇ〜「Teen Age Riot」。一体どれだけのバンドがこれに影響を受けたのでしょうか。

「Schizophrenia」も滔々とした感じでいいですよね。
4. Posted by ケニー   2008年03月11日 00:47
>FUJIMIROCKさん

コメントありがとうございます。

Sonic Youthはコアなファンの方が多いので、的を得た文章にするのが難しかったのですが、なんとか書いてみました。

雨のSonic Youthというのも何か絵になりますね。
5. Posted by kura_mo   2008年03月14日 02:56
90年代初頭に青春時代をおくった者としては、ソニック・ユースを中心としたUSオルタナ勢の存在はやはり特別です。ビデオ「1991:The Year Punk Broken」は何回見たことか。。
今でも「Teenage Riot」の持つ力が有効かどうかは微妙ではありますが(懐メロになりつつもある?)、この曲自体の魅力は健在であると信じたい所ではあります。やっぱりライブでも聴きたい曲ですしね。
6. Posted by ケニー   2008年03月15日 14:27
>kura_moさん

コメントありがとうございます。

そうですね。オルタナムーヴメントは70年代のパンクに匹敵する影響力を持っていると思います。「Teenage Riot」という曲がその象徴的役割を果たしているのであれば、これからもエヴァーグリーンな存在であり続けるのでしょうね。
7. Posted by マサ太郎   2008年03月22日 11:56
お久しぶりです。その気持ち、すごくよく分かります。すごく馬鹿っぽく言うと、一曲目をアルバムのトータルタイム分だけリピートしていたいアルバムですよね。まあ才能あるソングライターが名曲を量産するタイプのバンドではないですから、この奇跡的なグルーヴはそうそう生まれないんでしょうけどね。特にメジャーに行ってからはその機会が激減した気がします。
8. Posted by ケニー   2008年03月23日 19:35
>マサ太郎さん

コメントありがとうございます。

大変ミーハーな表現の仕方になってしまったのですが、ご理解いただきうれしいです。

メジャーデヴュー後にキャッチーな曲が増えるのが普通のバンドだと思うのですが、必ずしもそうならないところがSonic Youthらしいのかもしれませんね。

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