前回の続き>
◆これまで述べてきたことは、スピーカーというオーディオ機器が本来抱えている問題だが、ここで<理想的なスピーカー>になれる条件というものを整理してみたいと思う。
①スピーカーの振動板は瞬時に立ち上がり、瞬時に止まれること。
②振動板自らが固有の音を発生しないこと。(内部損失が大きい素材であること)。
③振動板が歪まないこと。
④スピーカーユニットの振動が箱に伝わらないこと。
⑤箱が固有の音を発生しないこと。(内部損失が大きい素材であること)
上に述べた条件を満たすために、さらに解決すべき根本的技術課題はあるが、それらはまた次の機会としたい。
◆そこで今回のテーマである「何故イクリプスなのか?」についてだが、現時点において、上に挙げた5つの条件を最も高いレベルで実現出来ているのがイクリプススピーカーだと私は考えている。勿論その完成度は5つの条件いずれについても100%ではない。しかし、世界に数多あるメーカーのスピーカーに比べれば、遥かに高いレベルで実現していると断言できる。その証拠のひとつがあの卵型をした特殊樹脂製のエンクロージャーであり、内部構造であり、そしてスタンドの形状・構造なのだ。それらは単なるデザインではなく、理論を突き詰めた結果からくる必然の形なのだ。
◆私はこの投稿の第1回目で、スピーカーメーカーの設計者たちは、そもそもクラシックギターのことなど考えていない、また、そういう方たちにとって、クラシックギターというジャンルはまだメジャーではないのだろう、とも書いた。そしてデンソーテンの設計者の方々も、そういったメーカーと同様、クラシックギターの音などまったく意識はしていなかったはずだ。しかし彼らは理想的なスピーカーというものをとことん理詰めに追及し、、世界でどのメーカーも無しえなかったことをやり遂げた。その結果、ありがたいことに、世界で初めて、クラシックギターという楽器のための理想的なスピーカーができたのである。
◆そして最後になるが、もうひとつクラシックギターにとって幸いであったことは、直径12cmのユニット1個(シングルコーン)で、35Hz~26KHzもの広帯域を再生できるスピーカーとして完成させたことだ。しかもクラシックギターの再生には、そのうちの80~1KHzしか使用しないため余裕たっぷりだ。3ウェイスピーカーのようにウーファーとスコーカーの二つのユニットにまたがることもない。また2ウェイスピーカーのように、13cmや15センチ、さらには20センチ以上のウーファーの振動板を歪ませながら再生することもない。勿論、高周波倍音成分も、別のユニットにまたがることなく同じユニットで再生しているので、それについても優位性がある。
◆可能であれば、一度イクリプススピーカーでお好みのクラシックギターのCDを聴いてみてほしい。一般的なスピーカーで聞いていた音とまるで違った、生々しくはっきりとした弦の音が全域に渡って聞こえてきてきっと驚かれるはずだ。拙宅に来ていただいた何人ものギタリストの方に、イクリプスでご自分のCDを聴いていただくと、例外なく「こんなにいい音で録音されていたとは思わなかった!」と驚かれる。
◆クラシックギターのコンサートにおけるPA(SR)のスピーカーは、ギターの音を拡大してスピーカーから出しているのではない。生のギターの音に少しスピーカーから出る音をプラスしているのだ。だからスピーカーにはマイクで拾ったギターの音に可能な限り近い音で鳴ってもらわなくては困る。
やはりイクリプススピーカーでなくては不可能なのだ。
















