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◆昨日は大阪府門真市にあるルミエールホールで行われたギターコンクール、「第47回 ギター音楽大賞」へ行ってきた。私は午前中のジュニア部門の中学生の部から始まり、最後の大賞の表彰式まで見させて(聴かせて)もらった。

◆毎年このコンクールの主催者である「日本ギタリスト会議」の議長である猪居信之先生のご厚意によりここ何年も続けて行かせてもらっている。

◆このコンクールには、コンチェルトの時にはいつもPAをさせてもらっている谷辺昌央さんや、古くからの知り合いでもある加藤丈晴さんなどが審査員をされており、他のさまざまなコンクールに比べてとても親近感がある。

◆毎年進化を感じさせるこのコンクールなのだが、大賞部門においては、今年は海外からの出場者が3名もいて、当然レベルもぐんと上がってなかなか聴きごたえのある内容となったのは、私としても本当に嬉しいことといわなければならない。

◆また毎年感ずることだが、このコンクールにおいて、審査員の方々が下すその評価がまったく公平で、聴衆である我々に違和感を感じさせることのない立派なコンクールであるということだ。それは今回も同じで、納得性のある、大変良い結果になったように思う。

◆最終的には広島在住の外国人女性が第一位を獲得されたが、これもまた大変良識ある評価だったように思う。
ただ私がこの演奏に敢えてひとつ望むことがあるとすれば、本選の自由曲で弾かれた、ジュリアーニのロッシニアーヌ第5番について、今少し多彩な表現力を見せて欲しかったというところだろう。作品が長いだけに、表現が単調になるとどうしても冗長な印象が強くなってしまう。

◆さらに終了後、審査委員長の方が述べておられたが、出場者が演奏する楽器の違いが大変大きく、中にはその音がよく聞き取れない方も少なからずおられたのは残念であった。
演奏はとても素晴らしいのだが、さほど大きくないホールにも関わらず、その音が聴衆に聞こえないようでは、展覧会において、展示してある絵画に薄い布が掛けてあるようなもので、評価してくれと言われても困ってしまう。

◆また中には楽器の能力とは関係なく、敢えて極端に小さい音にして、結局聴く側にとっては意味不明となってしまった方もおられたのは残念だった。
確かにギターは、音の小さいことも魅力の楽器ではあるが、小さいながらもホールで演奏する以上、やはりよく通る音色、または音量で細部まで聞こえるように演奏してほしいものだと感じた次第。当然そういったところはしっかり審査結果にも反映されていたので、そういった評価を下された出場者の方には、さらなる今後の精進が望まれるところだ。

◆最後に審査員演奏として猪居亜美さんが演奏を披露されたが、その圧倒的なテクニックと表現力には、ついに日本のギタリストもここまできたかと感無量であった。