◆ごく最近、ガブリエロ・モンテーロというベネズエラ出身のピアニストの存在を知った。
今はまだ彼女の素性も経歴も何も知らないが、あのアルゲリッチ(アルゼンチン出身)がその才能を認め、数々のコンサートで共演し、嘘か誠か、「私の後継者」と言っているという話も伝わってくる。
◆とにかく彼女の才能はすさまじく、即興演奏が得意で、当然作曲もこなす。
もうすでに彼女の単独演奏によるCDも数枚出ているようだし、それに加えて、アルゲリッチとの共演のCD(ライブ録音)も何枚もあるようなので、とにかく今手に入るものをまずは一枚と思い、写真のCDを購入してみた。
◆このCDには、なんと彼女が作曲した、演奏に30分近くかかる堂々たるピアノ協奏曲とラヴェルのピアノ協奏曲が収録されており、彼女のピアノの腕前と作曲の才能が一度に味わえる。
◆CDが届いてから既に3・4回ほど聴いてみたが、確かに噂に違わぬ素晴らしい才能をいかんなく発揮している。とにかくスケールが大きく、幅広い才能をうかがい知ることができる。
◆ちょっと前衛的で難解な曲だったらつまらないなと思って聴き始めた、彼女自身の作曲による、ピアノ協奏曲「ラテン」と言う曲もなかなかいかした作品で、とにかくカッコいい。ちょっと見当はずれかも知れないが、なんとなくガーシュイン作曲「ラプソディ・イン・ブルー」の現代南米版といった趣があって、芸術性はともかく、なかなか楽しく聴ける。
◆ラヴェルのピアノ協奏曲などは、アルゲリッチも録音しているが、一聴した限りでは、私は今回のガブリエラさんの方が好みの様な気がした。新しい才能に出会った時は本当に嬉しいものだ。