日々思うこと

嘘つきは泥棒の始まり

◆このところやたらと政治家(特に自民党)や官僚の「嘘」が目立つ。
「知らない」「記憶にない」「やった覚えはない」「聴いていない」。
明らかに嘘と判るのにも関わらず、平気(ではないかも知れないが)で嘘を重ねる輩が後を絶たない。

◆「嘘つきは泥棒の始まり」という言葉があるが、なるほど、これだけ嘘をつく人間が多いわけだから、政治家や官僚の収賄という泥棒行為も後を絶たないわけである。

◆では「噓つきは泥棒の始まり」とはどういうことなのか。何故「嘘をつくことが泥棒の始まり」になるのか。はっきりと答えられる人がどれほどいるだろうか。

◆嘘をつくことはその人にとってひとつの「成功体験」となる。例えば簡単な小さい「嘘」をひとつつくことによって得をした、儲かった、あるいは窮地に陥らなかった、という「都合の良い成功体験」が脳に刻み込まれる。

◆そういった「都合の良い成功体験」を一度経験してしまうことによって、その後何かある度、「誰も見ていなければ・・・、誰にも気づかれさえしなければ・・・」という思いがつい脳裏をよぎる。

◆政治家や官僚は一種の権力者である。権力者には、その権力にあやかろう、利用しようという輩が必ず寄ってくる。そんなとき、脳の奥にあるかつての「成功体験」がささやくのだ。「今なら誰も見ていない、誰も気がついていない、こんなことは誰にも分らないはず・・・この前もそうだった」と。

◆しかし、人間長いお付き合いの中でそういった嘘をつき通すことはなかなか難しい。例えば知人に一度嘘をついてしまうと、その知人と付き合いが続く限り、自分のついた嘘をいつまでも覚えていなければならなくなる。でないといつ何時、昔ついた自分の嘘を忘れて、おかしなことを口走ってしまわないとも限らない。だから嘘をついたら必ずその場で嘘の内容を手帳に書いておかなければ、なんてことにもなりかねない。

◆「あれ、この人、今言ってること、以前言ってたこととまるで違うなあ」というようなことを経験したことはないだろうか。得てして人間は、自分の言ったことは忘れがちだが、聴いたことはなかなか忘れないものだ。

◆そんな嘘つき人間を平気で政府の別の要職に任命してしまう輩も出てきたが、自身も同様「平気で嘘をつける側の人間」だからか、そんなことはあまり気にならないようだ。

新総裁誕生

自民党の新しい総裁が決定した。

それにあたって出身地、秋田県では「秋田から初の総理を」と空前の盛り上がりを見せ、選挙区である神奈川でも同様の様子だ。

しかし、彼は先日「モリ・カケ・サクラなど諸問題については全て調査が済んで解決済み。従って再調査はしない」とはっきり断言した。

あれほど国民から未解決と疑われている大きな問題を、「既に解決している!」と言い放ってしまうとは、よほどの無神経か傲慢なのではないか。もうそれだけでも「国民のために働く内閣をつくる」と言っている言葉がいかにも嘘っぽく聞こえてしまう。もし私の地元からそんな人間が総理になることになったら恥ずかしくてしかたがない気持ちになるだろう。

国民のための政府をつくると言うなら、まず自身が担いできた前政権の負の遺産をはっきりと総括するべきではないのか。

権力を失うとき

「石破氏にだけは政権を譲りたくない」
 
 辞任する段になってもまだそんなことを言っているらしい。


ちょっと待て。政権というものは、個人の意思で譲れるようなものなのか。そういうのを政権の私物化というのではないのか。

権力を横暴に振ってきた為政者は、その権力が途絶えることを極端に恐れる。

しかし、どんな権力も手放さなくてはならない時は必ずやってくる。

そのとき、いつかは己の犯してきた罪が暴かれ、報復されるかも知れないと死ぬまで怯え続ける運命が待っている。

その運命からは誰も逃れることはできない。あまりにも証人が多すぎるのだ。

お殿様の経済政策

◆安倍政権は、最後まで国民(民間)の思考論理というものを理解していませんでした。アベノミクスは成功するはずはなかったのです。

 その経済政策は、株価を上昇させたことと、大企業の収益を少し高めたこと以外はことごとく失敗であっただけでなく、国民の購買力は10%近く下がって、より国民を貧しくしてしまいました。

◆総理の経済対策とは、「大企業を優遇し、より利益を上げ易くすれば、当然傘下の企業にもその恩恵は及び、次第に国内の景気は上昇する」、という論理なのですが、そういった思考は全くの机上の空論でしかなく、現にそういう論理を元にして経済政策を打った国や政治家は過去たくさん存在しましたが、未だそれを成功させた国はひとつとしてありません。なぜでしょうか。

◆企業というものは、いつも自分の身は自分で守らなければなりません。今回のコロナ禍のように、社会が一大危機にみまわれたとき、もし社内に充分な貯えがなければ、倒産するか、会社が他人の手に渡ってしまうという運命を辿ることになります。現に世界的な超優良企業であるトヨタ自動車ですら、リーマンショックの時は年間赤字を計上していますし、このコロナ禍では相当な収益ダウンを余儀無くされています。
そしてすでに国内では千社近い企業や店舗が倒産し、多くの企業が経営危機にさらされています。

◆従って企業は、いくら収益が上がっても、絶えず不測の事態に備えて貯蓄をしておかなければなりません。その時、貯えに上限はありません。多ければ多いほどその経営基盤は厚みを増し安定します。

 政府がアベノミクスを成功させようと、大企業の幹部に対し「何とか社員の給料を上げてやってほしい」とお願いしている場面が何度かニュースでも報じられてきましたが、政府の言う通り、ホイホイと社員の給料を上げるような、そんなお人好しな企業経営者は資本主義社会には存在しません。

 企業は潰れてしまったら雇用どころではありません。国が企業に対し、社員の給料を上げてやってほしいとお願いするなど、お門違いも甚だしい話なのです。ましてや、下請け企業から買い上げる部品の価格をかさ上げするなどできる相談ではありません。政府の経済対策によって大企業の景気が少し上がったとしても、その利益は、簡単には社員や下請けに還元されないのです。

 安倍政権は、民間企業の経営論理をまった理解できていない、江戸時代のお殿様のような思考をもった、全くの素人お役人集団でした。安倍総理が高らかに「アベノミクス」と歌い上げた経済政策は、その時すでに失敗を約束されていました。やはりこの7年8ケ月は、日本にとっては取り返しのつかない大きな時間の浪費だったのです。

演者は失意のうちに去る

◆総理を演じているだけの人がやっと辞任することになった。

◆歴代総理の中で、この人ほど国民のことに目を向けない、あるいは国民の望んでいることに興味を持たなかった人はいなかった。だからであろう、ことあるごとに「国民のために、国民の皆様に寄り添って・・・」という言葉を口にしていた。

 政治家が国民のために働くのは自明のことだ。しかるに敢えて総理が「国民の皆様のために・・・」と口にするのは、国民のために働いていないことを総理自ら自白しているようなものだ。

◆「私は国民のために働いている」という手前味噌な自己主張よりも、「あの人は我ら国民のために真剣に働いてくれている」という国民からの信頼こそが重要なのだ。

いつの時代も自分の評価は他人がする」。総理には最初からその自覚がなかった。

◆2020年、世界の指導者のテーブルに、何よりも国民のことを第一に考えざるを得ないようなメニューが用意された。それが「新型コロナウィルス」だった。

 私はキリスト教信者でも仏教信者でも、ましてやイスラム教信者でもないが、コロナウィルスが創り出した世界のこの状況は、世界の指導者に向けて神が行った期末試験ではなかろうか、という気がする。

 新型コロナウィルスは、世界の指導者にあまねく資質試験を行った。

 世界の指導者は、その先見性、実行力、統率力、そして国民のことを第一に考える精神性を一気に試され、国民にとって真の指導者であるかないかが暴かれることになったのだ。
そしてこの8か月ほどで大よそ結論が出た。世界の人々は、誰を信じ、誰を真の指導者として仰ぐべきか、はっきりと認識することができるようになった。

◆総理は、ただ国民のことを第一に考えさえしていれば、神の試験に簡単に合格できた。

 しかし、ことは既にそう簡単にはいかなくなっていた。それまで総理の「従う者だけを近づけ、異を唱える者には冷や飯を食わせ、自分のやりたいことだけを強引にやり、そして都合の悪いことは全て隠蔽させる」というやり方が仇となった。
 官僚や役人たちさえも、その心は次第に総理から離れていった。ある者は「このままではいけない」と目覚め、またある者は、忖度することが自らにとって何も得にならないと気付き始めていた。

 信頼を失った上司のいうことをきく部下はいない。誰もが聴いているふりをし、そしていつのまにか全てが動かなくなる。
 
 寝ているものは起こせるが、狸寝入りしているものは起こせない。

◆昭恵夫人は以前、「あの人は総理大臣を演じているんです」とおっしゃっていた。

 日本は最も総理にしてはいけない人を総理にし、そして7年8ケ月という膨大な時間を全て安倍という人間の自己満足のために浪費した。

 さて、このことから日本国民は何を学ぶのか。
ギャラリー
  • ペペ・ロメロ/ボッケリーニ
  • ガブリエラ・モンテーロ
  • 第48回 ギター音楽大賞
  • ホアキン・アチューカロ
  • マウリツィオ・ポリーニ
  • ポリーニのモーツァルト
  • 会所幹也 リュートリサイタル
  • 会所幹也 リュートリサイタル
  • 会所幹也 リュートリサイタル
アーカイブ
  • ライブドアブログ