2005年08月

2005年08月13日

表銀座の縦走の記録4

平成17年 8月? 焼岳の続き 常念岳(73座目)   翌日は、快晴。早速、おにぎりとコーヒーの簡単な朝ごはんを済ませ、出発。 林道前に車ゲートがあり、そこから20分も歩くと本当の三叉路に出る。ここで 登山届けを済ませ、右の常念岳コースへと入る。樹林帯で風が吹かず、汗がたくさん 吹き出す。そこに、後ろから熊除けの鈴を鳴らしながら歩く人から追い立てられ、 こっちが休むとあっちも休む、こっちが歩くとあっちも歩くで、ちょっと気になって 無理をし過ぎてしまった。ようするにマイペースの歩きができなかったというわけだ。 汗のおかげで、ビデオに露が付いて、ビデオが使えない状況にもなった。 視界が開けた頃、風が通り汗が引いて来て、ビデオも撮影ができるようになった。 鳥のさえずりも聞こえるようになった。鳥さえ嫌がる蒸し暑さというわけだろうか。 ここから、少し平行に歩き、左右の景色を見ながら楽しむ。まだ、穂高・槍は見えない。 前常念の登りは、森林限界を超えた白い砂利のようなガレ場で、急勾配で休みながら でないと辛い。明確な前常念という標識は無いが、地図・ガイドで書かれた祠は見た。 そこからさらに1時間で常念岳だ。蝶が岳から見た槍体力の半分を使ってしまった感覚だ。 しかし、森林限界を超えた稜線の縦走になったので、景色がすばらしい。常念を見ながら 歩く。頂上直下は急勾配だが、ひたすら登る。12時に頂上。20人はいたようだ。 ビデオを写してもらってから、周りの景色を写す。残念だが、ガスで槍が見えない。  ここから3時間で今夜の宿の蝶が岳ヒュッテだ。下りだし大丈夫と思っていた。 ところが、アップダウンが意外にあり、3〜4回 20分以上の登りを強いられた。 なかなか侮れない。縦走だから仕方が無いか。途中の花畑ではNHKの小さな旅のスタッフ に出会う。常念岳のクルマユリ後日、その番組を見たが、単なる常念岳の遠望をビデオに収めたかったから のようで、その場所は番組では紹介されなかった。  とにかく、蝶が岳までなんとか行けば、そこからヒュッテは10分と知っていたので 本日、2番目のピークで乾杯する楽しみでひたすら歩く。ピークは最新の地図では、 ヒュッテの裏手であったことが後日わかった。  ヒュッテは満員に近い状態だが、1畳1人のスペースは確保できる模様だ。グループ 登山の隣になったが、反対隣は単独の人だった。談笑がすでに始まっていた。積極的に 話に加わった。昔の山の思い出を話しているようだ。経験は数段上のようだ。こちらも 重かった百名山のシステム手帳を出して、いろいろ話してみた。少し立つと2人組みの おじさんが最後のスペースに入って来て、この談笑に加わった。後で聞いたところによる と、前の宿泊先で仲良くなったまったくの他人同士だということ。獣医らしきおじさんと 写真マニアで引退した方で、仲良くさせてもらい、夕食も一緒にいただいた。  冗談が盛んに飛び出すおじさんに乗せられた私たち2人に同席した3人グループも いつしか会話に加わり、6人で話をした。日銀の写真グループ3人が、同僚の女性を 山の写真の背景のためのモデルとして同行させているという。報酬は知らないが、まあ 写真写りのいい女性なのは確か。そして、2人のおじさんも金回りが良さそうな人のいい おじさんで女性としても安心なのだろう。そのおじさんたちにワインを2杯もご馳走に なった。山小屋でのワインというのもいいもんだ。今夜はこれでよく眠れそうだ。    蝶が岳から見た槍翌日は、朝から快晴。ご来光も見えた。朝飯前にもかかわらず、たくさんの人が新頂上 に集まって、ビデオやカメラで記念の場面を撮影していた。穂高・槍がまじかに見える。 裏銀座の稜線までは見えないが、圧倒的な迫力だ。朝飯もあのおじさんたちと一緒になる。 最後だった。おじさんの1人から名刺ももらい、後日連絡することを約した。そのおじさん から、妖精の池まで少し行ってみようと誘われ、1時間ほど時間を潰した。その池の 周りはお花畑で徳沢小屋へ降りるコースの途中にあり、ヒュッテから往復15分程度の 場所にある。  常念岳のギンリョウソウ頂上に戻り、テント場を通り抜け、そのまま三叉に下山する。途中に小さなお花畑があり 最後の撮影を行った後、展望のきかない山道をひたすら下る。ずっと、静かな一人旅だった。 途中、30人の団体を追い抜いて、急いで水場まで降りる。ここで冷たい水をたくさん汲んで 駐車場までゆっくり歩く。すでに午後11時を回り、強い日差しが照りつける。  充実した表銀座の縦走だったから、さらに戸隠連邦へ行く予定をキャンセルした。 途中の温泉で2日分の汗を流し、トンカツとビールを昼食に取った。少し酔い気分だが、 車に乗り、すぐ高速に入った。 

2005年08月05日

穂高岳のすぐ南 「焼岳」登山の記録4

平成17年8月?日  焼岳(72座目)   夏も本格的になり、毎日 暑くてたまらない。そろそろ高山で涼みたい気分なので インターネットで前々から調査していた焼岳の中の湯コースを登ってみることにした。 松本まで行くのだからと、今回は、常念岳・蝶が岳の周回コースと欲張って戸隠方面 へ行く準備をして、出発した。  中央高速はスムーズに走り、松本ICで降りて一般道を車の後を追いかけながら行く。 釜トンネル前の分岐で、飛騨側へ進み、すぐ旧道(国道)のくねくねに行く。中の湯 の前を通過し、少し行くと大きな路肩があり、すでに車が2台ほど停車していた。反対側 の山側に「ヤケ岳」とある。  登山道は3つ分かれている。下部の樹林、中部の谷筋、上部の火口岩地帯。樹林帯は 花もなく風も吹かないので、辛抱する道だ。中部は、目指す頂上が見ながら両脇の山の 岩場や樹林の緑を見ながら、ジグザクにゆっくり登る。クルマゆりが途中で見えた。 上部につくと、勢いよく噴出す火口の水蒸気の音と煙が目に付く。2〜3人降りる人と 出会う。分岐があり、左は最高点で噴火の危険で立ち入り禁止の南峰で、右が現在登山者 の目指す頂上の北峰だ。頂上へ行く道も大きな岩を除けながら進む。頂上すぐ前に硫黄 の危険部分があり、そこを逃げるように進むと頂上だ。  焼岳の花頂上には6〜7人先客がある。そこで、タオルを鉢巻にしたおじさんと世間話をする。 岐阜出身で今、無職で、山ばかり登っているとのこと。御岳は100回は登っているという。 今日も穂高温泉に駐車して、あちこち山へ行こうと考えていたが、車がいっぱいなので 長野側に逃げて来たとのこと。金が無いので宿泊したく無いとのこと。  今境遇をむしろ楽しんでいるようだが、明るいおじさんだ。おじさんが下山した10分後 に下山。途中、中の湯に前日止まった団体に会う。中の湯からのバスの送迎は無いとのこと。 下部の樹林に入る直前で休憩していたら、谷の反対側で「熊」をみかけた。2〜30m先 の熊が斜面をトラバースして、向うの樹林に入ろうとしていた。とっさにビデオを回す。 緊張と興味で、1分ほどだったが楽しめた。望遠レンズに変更する余裕はなかった。  そうそう、頂上付近で上高地から長い道を登った夫婦に出会い、中の湯側の下山はどうな のか質問を受けた。釜トンネルに直接降りられる道もあり、登りの時間から考えると 1時間強で降りられると答えた。どうも、これ以上下りも登りも歩きたく無いらしい。   下山して、車に乗ると雨が降り出した。ぎりぎりだった。すぐ中の湯で風呂に入る。 玄関先で質問を受けた夫婦を再開。結局、同じ道を降りて、歩いて中の湯に行き、 そこでタクシーを呼んでもらったようだ。  風呂は、露天もあるきれいな風呂だ。まだ2時なので夕方まで時間がある。缶ビールを 飲んで、フロン前の休憩所のソファで1時間半休む。雨もあがった。中の湯に泊まりたい と思ったが、ここから常念岳の登山口まで2時間はかかりそうだから、あきらめた。 登山口の車中泊を覚悟する。  車に乗り、松本に1度引き返す。途中の交差点で広域農道に入り、北へ向かう。 途中のコンビにでかき揚冷やし蕎麦やビールなどを買い込み、三叉へ向かう。 終点は100台が止められる駐車場があり、トイレ、水道もある。熟睡できる場所を 探して、車を止める。夕食をすぐ取る。トイレに行った帰りに車で寝る準備をしている 70歳くらいの男性に話かける。引退して、車であちこち山へ行っているとのこと。 明日は4時前に出発し、日帰りで周回する予定とのこと。後日、同じコースを2日で 登ったが、午前中でも登りに大汗を書く辛い登りだったことを考えるとこのおじさん は只者では無いようだ。感心しながら車に戻り、明日に備えて眠る。8時頃、1時間 ぐらいの土砂降りがあった。