前回のあらすじ
千佳ちゃんの元ベストセフレ直樹さんと、千佳ちゃんを装ってメール交換出来るようになったよ!




直樹さんとメールが出来るようになった僕は、そこから次の展開に対しては二の足を踏んでいました。
万が一この成りすましが千佳ちゃんにバレたらどうしようという不安があったのです。
もはや千佳ちゃんは僕にとって、『自分の寝取られ願望を満たしてくれるかもしれない女の子』ではなく、普通に『世界で一番大切な恋人』になっていました。
なので後日直樹さんの方から来た『今度暇なときある?』というメールに対して、『もう本当に会う気は無いので、メールしてこないで欲しいです』と返信してしまいました。
上手くやればここから色々とやれるはずなのに、僕は日和ってしまったのです。
なんなら直樹さんと直接お近づきになって、陰から浮気を促すような事も出来たかも知れません。
しかしもはや僕は万が一にも、千佳ちゃんに嫌われ、離れられたくないという気持ちを強く抱いてしまうようになっていました。
以前なら駄目で元々、最悪振られてもいいじゃないか。という自分勝手な想いでの交際でした。
でも今はもう違います。
千佳ちゃんが好きなのです。
千佳ちゃんも僕が好きだと言ってくれています。
だからその想いを裏切りたくは無かったのです。
寝取られフェチこそ消えたわけではないのですが、陰でこそこそするのは止めよう、と決意しました。
なのである日真っ向から、「千佳ちゃん。君が好きだ。だからやっぱり他の男としているところが見たい!」と正面突破を試みました。
千佳ちゃんは「はい出た変態。気持ち悪いです。消毒しときますね」とファブリースを掛けてきました。
「そこを何とか」と逃げながらも僕は懇願します。
千佳ちゃんはきゃっきゃ笑いながら楽しそうに追いかけてファブリースを噴射してきます。
僕の部屋でどたばたと走り回りながら、最終的には二人ともはぁはぁ息を切らしながら背中合わせで腰を下ろします。
「もう。いい加減それどうにかなりません? 手術します?」
「手術でどうにかなるのかなぁ」
「もういっそのことおちんちん切っちゃうとか」
怖いことをさらっと言います。
「あたし、先輩だったらセックス無しでも良いですもん」
なんだか複雑です。
僕の葛藤を感じ取ったのか、千佳ちゃんは慌てて弁明します。
「あ、別に先輩のが良くないとかじゃないですよ。ただこうして一緒に居られるだけで良いんです。本当。自分でも変なんですけど」
「じゃあ前に言ってた、色々な人としたいって感じはもう無いの?」
首だけで彼女の方を振り向きながら尋ねました。
以前彼女本人が言っていた、千佳ちゃんが彼氏を作らなかった理由です。
彼女は顎に人差し指に添えて、天井を仰ぎ、「うーん」と小さく呟くと、「そういえば無いですね」と言いました。
ガッカリしたのと同時に、安心もしました。
こっちはもう完全にマジ惚れ状態だからです。
「じゃ、じゃあ3Pとか……」
「やです」
喰い気味に即答。
しかしこっちもこの日のために理論武装してました。
「でもさ、昔セフレとしたって言ってたよね? 彼氏である俺としないって不公平じゃない?」
むちゃくちゃな理論です。
しかしそれでも千佳ちゃん的にはちょっと耳が痛かったのでしょう。
というかデリカシー無さ過ぎな発言ですね。
激怒されてもおかしくないですが、ついつい勢いで言っちゃいました。
彼女は膝を深く抱え、「……先輩と以外は嫌なんです」と囁きました。
可愛い可愛い彼女に、こんな風に言われたらこれ以上は追求できません。
「さっき俺のちんこ切ろうとしたくせに」
冗談を言ってお茶を濁します。
「あれは治療のためにそういう選択肢もあるってだけです」
「いやその選択肢は無い」
彼女がカラカラと笑い、「そうですね。赤ちゃん作れなくなっちゃいますもんね」と後ろから抱きついてきました。
そのまま週末の昼間から、僕らは裸で抱き合いました。
性器同士も裸です。
僕はイキそうになると、「このまま出して良い?」と尋ねました。
千佳ちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべて、「最近ピル飲んでないって言ったらどうします?」と問い返してきました。
「……それでも出したい。責任取るから」
彼女はにやぁっとなんとも言えない恍惚の笑顔を咲かせます。
そして「お願いしま~す!」と語尾に星マークが付きそうな明朗な口調でそう言葉にすると、両手両足で背中に抱きついてきました。
僕はなんの躊躇もなく彼女の中で果てました。
以前なら多少はあったかもしれません。
でも今は、彼女の全てが欲しくてたまりませんでした。
勿論責任を負う覚悟を重々しく受け止めた上で、です。
それほどまでに、彼女に対する想いは強くなっていました。
それでも、彼女が他の男に抱かれるのを見たい、という気持ちはなんら変わらないのは我ながら不憫な気もします。
あと結果的には千佳ちゃんはピルを飲んでいました。
僕の気持ちを確認したかったのでしょう。
彼女は彼女で不安だったのでしょう。
僕の性癖もそうですが、彼女にとっては初めてと言って良いくらいの本気の交際です。
本当に想い合えているのか。
その確認方法として彼女のやり方が正しいとは思いません。
それでもついつい憂慮してしまうのが恋愛というものなんでしょう。

それから一週間後辺りの話でしょうか。
直樹さんからのメールは来なくなりました。
そんな中、僕と彼女が半同棲をしている部屋に、珍しく客が来ました。
僕の友人Aです。
仮に足立としましょう。
彼は僕と同い年で、何度か軽くですが千佳ちゃんとも面識は済ましてあります。
足立は元々大柄なうえに鍛えてもいるので体格も良く、けして眉目秀麗と言った顔立ちではないですが、短かく刈られた黒髪と程よく焼けた肌をしているので、雰囲気的には爽やかな青年といった風体でしょうか。
皆の仕事上がりの金曜日の晩。
何となくといった流れで珍しく3人で部屋吞みになりました。
千佳ちゃんも僕の性癖に対して全く警戒していた様子もありませんでした。
それもそのはず。
僕もこの飲み会でどうにかしようなんて気は更々無かったからです。
本当に何の思惑も無く、友達との部屋吞みが決まっただけなのです。
普通にお酒を楽しみながら歓談してました。
「良いなぁお前。こんな年下の可愛い彼女出来て」
友人からのそんな言葉に彼氏として鼻が高くしていたのです。
しかし社交スキルが高い千佳ちゃんは、僕の友人もきちんと立てます。
「足立さんモテそうですけどね」
その言葉にかなり嫉妬しました。
「いやぁ全然だよ」と謙遜する足立に対して、「そうそう全然だよこんな奴」と顔を若干引きつらせました。
なんという器の狭さ。
「お前よかマシだよ」
「いや俺は千佳ちゃん居るし」
彼とは何の気も置かずに軽口を叩ける仲です。
足立がライフセイバーのような見た目のままの性格なのも大きいでしょう。
そんな流れで酒も進むと、やたらと足立が最近マッサージに凝ってることを主張しだしました。
酔った頭でなんだこいつと思っていたのですが、そこでようやく僕は思い出しました。
そういえば数年前、こいつに寝取られの性癖を教えたことがあったという事。
その時足立はマッサージのバイト(いかがわしいのじゃなく、普通のやつです)をしていて、彼女が出来たらマッサージする流れからセックスしちゃってくれよ、と冗談交じりの会話をした事。
まさか憶えていたとは驚きです。
よくよく考えると、ちらちらとやたら僕に視線を送ってもいました。
アルコールが入った頭に煩悩スイッチが入ります。
僕は足立と視線を合わすと、こくりと頷きました。
「じゃあやってくれよ」とまずは僕にやってもらう事にしました。
勿論千佳ちゃんに警戒させないためです。
ほんの少し前に、裏でこそこそするのは止めようと決意した直後にこれです。
酔った勢いということで勘弁してください。
マッサージは普通に滅茶苦茶気持ちよかったです。
流石経験者と感服しました。
「やばいめっちゃ気持ちいい」
「本当ですかぁ?」
千佳ちゃんは若干呂律が怪しいほどに、良い感じに酔っていて、俄然期待度が跳ね上がります。
「本当本当。千佳ちゃんもやってもらいなって」
「え~。悪いですよぉ」
「大丈夫だって別に。これくらいしか取り柄無いんだし」
「そうそう。俺なんてこれくらいしか……っておい!」
脳天にチョップを落とされ、笑いあう僕達を見て千佳ちゃんもくすくすと笑い、完全に僕の性癖を警戒していない様子でした。
酔いも手伝っていたのでしょうが、僕達からは邪気の欠片も感じられなかったはずです。
「それじゃ……ちょっとだけ」
キター! っと心の中で叫びました。
僕と交代でベッドに腹ばいに寝て、その腰の上に足立が乗ります。
そして肩を揉んでいきました。
率直に言うと、勃起しました。
友達に、恋人の肩を揉まれている。
たったそれだけで、こんなに興奮するとは予想だにしていませんでした。
「あ~……これやばいですねぇ」
目を瞑りながら、ふにゃりと表情を弛緩させる千佳ちゃんを見て、これは本気でイケる! と確信しました。
「なんだか…………ん~……にゃ」
極楽といった吐息を漏らす千佳ちゃんとは裏腹に、僕の酔いは完全に冷めて、足が震えてきました。
彼女が、他の男に抱かれる。
その現実が目の前に迫ってきたと思うと、背中がさっと冷たくなりました。
しかしその次の瞬間、身体全体がぐわっと暖まり、手の平はじんわりと汗を掻き、膝はより顕著に笑いだします。
僕は震える声で、「あ、ちょっと……会社から電話あったから掛け直してくるわ」と視線を泳がせながら言いました。
千佳ちゃんは目を瞑ったまま、「あ、ふぁーい」と何の懸念も無い声で返事します。
背中を揉み始めていた足立と目を合わせます。
互いに目はぎらついていました。
大きく頷きあいます。
二人に背を向け、部屋の外へと足を向けます。
足音よりも、どくどくと心臓の音がよほど五月蠅かったです。
まるで鼓膜が直接鼓動を鳴らしているかのようでした。
背後からは、ぎっ、ぎっ、と微かにベッドが軋む音が聞こえます。
そのリズムと同調するように胸が締め付けられました。
ドアノブの手を掛け、そしてゆっくりと外に出ます。
僕はその場に腰を下ろし、両手で顔を覆いました。
「やっちゃった……」
不意に出た言葉がそれです。
興奮と同じくらい激しい後悔。
なんてことを……。と自分の行動を悔やみさえしました。
あまりの息苦しさに胸を押さえずにはいられません。
こんなに彼女の事が好きだったのか、と改めて認識させられました。
すぐに電話が鳴ります。
足立からです。
僕は察しました。
こういった寝取らせ体験談の必須パターンです。
電話を取ると、喘ぎ声が聞こえる。
怖かったです。
携帯を投げ出したい気持ちに駆られます。
しかし僕の指は、無意識に通話ボタンを押していました。
そして取り乱すように電話を耳に押さえつけます。
今冷静に考えると、電話が掛かってくるのが速すぎでした。
『……千佳ちゃん寝ちゃったんだけど』
僕は返事も忘れ、大きく肩を落としながら息を吐きました。
正直なところ、安堵のが大きかったです。
部屋に戻ると、苦笑いでベッドの傍に立つ足立と、「すぴー……すぴー……」と安らかな寝息を立てる千佳ちゃんがいました。
漫画なら鼻提灯が描かれていたであろうほどの安穏とした寝顔でした。
「お前が出てってすぐ……」
足立は後頭部をぽりぽりと掻きながら、どこか申し訳なさそうな顔で言いました。
仕事納めの金曜日。
アルコール。
経験者の優れたマッサージ。
半同棲している彼氏の家。
裏ドラが四つ乗って満貫確定です。
その全ての要素が彼女を安眠へと誘ったのでしょう。
「……飲み直すか」
「……ああ」
意気消沈しながらも、男二人で飲み直します。
「でも本当良い子っぽいよな」
「まぁな」
「あんな感じで良かったん?」
「うん」
「また機会があれば、な」
「そうだな」
そう受け応えしつつも、やはり裏で勝手に段取りするのは堪らないほど罪悪感に襲われました。
「いや。やっぱりこういうのは駄目ってことで」
「そっか。そりゃそうだよな」
「ちゃんと真正面から許可貰うよ」
「そっちかよ」
足立は笑っていました。
帰り際に「おっぱい触ってって良い?」と聞いてきたので、「俺のだったら良いよ」と断りました。
足立を見送った後、千佳ちゃんの鼻をむぎゅっと掴むと、「ふんぎゃ」と尻尾を踏まれた猫のような声を出して目を覚ましました。
目を擦りながら、「あれ……足立さんは?」と寝ぼけ眼で尋ねてきます。
「帰ったよ」
「……うーん」
まだ半分寝ぼけているような緩慢な動きで僕に抱きついてくると、ごろごろと身体を丸めて、僕の膝に頭を乗せてまた眠ろうとしました。
「お風呂入らないと」
「ん~」
「歯磨きも」
「ん~」
そんな愛くるしい彼女の頭を撫でながら、僕はもう一度きちんと心に誓いました。
彼女が他の男に抱かれるのは、きちんと彼女の同意を得てからということです。
学生でもないんだから、酔った勢いなど言い訳にもなりません。

と、思っていたところに、こればかりは千佳ちゃんに黙って対処しないとな、と思わせる出来事がありました。
そう。
振られた(?)直樹さんの後処理です。
その更に後日。
直樹さんからメールが届きました。
勿論彼は宛先が千佳ちゃんだと思って出したメールです。
それにどういう意図があったのかわかりません。
嫌がらせなのか。
揺さぶりにきたのか。
脅迫の意を込めていたのか。
それとも何の意味も無かったのか。
とにかくそれは、看過するわけにはいかないと思わせる内容でした。
『懐かしいの出てきた』という文章と共に、いくつかの短い動画が添付されていたのです。
一つ目。
いきなりアップで映し出される男女の結合部分。
小ぶりながらも色白で綺麗な丸みを帯びたお尻は見覚えがありました。
千佳ちゃんのお尻です。
それを後背位で貫く赤黒い肉棒。
映像の中で生々しくも力強い質感を醸し出すそれは、明らかにコンドームを着用していません。
にゅぷ、にゅぷ、と音を立てて千佳ちゃんの陰唇を押し分け、ゆっくりと根元まで入っていきます。
やがてそれが全て彼女に埋まると、『あ……ん』という悩ましげな吐息が聞こえました。
やはり聞き覚えのあるその声の主は千佳ちゃんです。
そして今度はやはりゆっくりと、肉棒が抜かれていくのを画面は鮮明に捉えていました。
ゆっくり、ゆっくりと、千佳ちゃんの膣穴は男を吐き出しいきます。
彼女の膣から出てきたそれは、血管が浮き立つ表面に、白い半透明の粘液をコーティングされていました。
まだ亀頭は見えません。
少しづつ腰を引いていきます。
まだです。
中々全貌を露わにしないその長い男性器に生唾を飲み込みました。
ようやくカリが見えます。
大きな段差が彼女の膣穴をより広く押し広げました。
千佳ちゃんの腰が微かに左右に揺れます。
『や~だ意地悪』
その笑い声交じりの口調は気の置けない友人。
『言って』
また腰が今度は上下に揺れます。
そしてより男に向かって突き上げられました。
『……おまんこ……して』
それは先ほどの口調からは打って変わって、女が男に懇願する、甘く切ないものでした。
その動画はそこで終わります。
二つ目。
映像は、後背位で交わる二人の腰から膝辺りを、ほぼ真横から捉えていました。
一つ目との大きな差異は映像の角度だけではなく、打ち付ける腰の激しさもでした。
パンッ! パンッ! パンッ! とリズムカルに肌がぶつかり合う音と共に、『あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!』と千佳ちゃんの嬌声も聞こえます。
後ろに見える窓のカーテンからは、明らかに昼間の光が漏れていました。
三つ目。
アングルは二つ目と一緒。
『イクっイクっ! そんな奥、駄目って、あたし、我慢……あっあっあっあんっ!んっ!はぁっ、あっ!やぁっ、深いっ! 直樹さんっ!!!』
がくがくと腰を激しく痙攣させて絶頂する千佳ちゃん。 
『ひっ、ひぅっ、んっ、はぁ……あっ、あぁ、あっ、んっ………………は、う……すっごい……』
四つ目。
やはりアングルは一緒。
寝そべっているであろう二人の絡みあう膝から下だけが映し出されている。
互いのつま先を突きあう姿は恋人のよう。
時折「ちゅ……ちゅ……」と唇を甘く重ねているのが容易に想像出来る音が聞こえてきます。
『来週も泊まりに来なよ?』
『え? いいんですか?」
『いいよ。ていうか住む?』
『良いですねそれ。とか言っちゃったりして』
『マジで良いのに』
『あはは。直樹さん専用、って感じになっちゃいますよ?』
『やっぱ俺が一番良い?』
『あ~……まぁ、その、はい』
『ちゃんと言えよ~』
『やんっ、もう……直樹さんが一番ですってば』
『付き合おうよ』
『……いやぁそれはちょっと……』

その時送られてきて動画はこれが全てです。



次回に続く。