<丸の内仲通り法律事務所 澤田三知夫先生>

2009年09月28日

<栃木・柳澤法律事務所 栃木義宏先生>

photo_tochigi栃木義宏先生にインタビューをさせて頂きました。
 
Q1.なぜ弁護士になろうと思ったのですか?
A1.高校生の時に、岩波新書(B.ダンハム「現代の神話」「鎖につながれた巨人」)等を読み、社会改革活動をやりたいと思い、弁護士になろうと思いました。


Q2.弁護士になって特に印象に残っている事件は何ですか?
A2.昭和58年に、初めて個人企業の和議を担当して会社を再建させたとき、和議法のことなど何も分からないまま取りかかったので、右往左往してしまいました。

また、債務整理で企業の再建を図ろうとして債権者集会を開いたら、債権者の代理人で来ていた弁護士が、その企業に不正があると演説し、さらに仕入業者をまとめて破産をかけてきたため、衣料品の店舗を保全で抑えられそうになりましたが、機転の利く店長がいて、何とか差し押さえされずに済み助かりました。

もしこのとき機転の利く店長がいなくて商品の差し押さえがされてしまっていたら、和議による再建はできなかったと思うので、強く印象に残っています。


Q3.弁護士のお仕事の中で嬉しかったことは何でしょうか?

A3.世間的には和議法の時も今の民事再生法でも、企業の再建は難しいと思われています。しかし、申立書を作成し、裁判所から弁済禁止命令をもらい、金融機関を回り、従業員に説明して、従業員にもやり直そうという気持ちになってもらい債権者説明会を行うと、企業としての存続の見通しが立つので、ほっとしたような気持ちになります。

1つ1つの事件に個性があり、運・不運のようなことで影響を受けますが、必ず奇跡的なことがあって、何とか切り抜けられますが、そのようなときは非常に嬉しい気持ちになります。

 
Q4.弁護士としてお仕事をする上での信条・ポリシーを教えて下さい。
A4.・正しいことであれば、千万人といえども我一人で闘う、何者にも屈しない。

    ・白は白、黒は黒という気持ちで、正しいことをやりたい。

 
Q5.ご依頼者様に対して、特に気をつけていることを教えて下さい。
A5.債務整理でも、依頼者の方が本当のことを言いたがらなくて「実は!!」ということが3度あると言われています。そのために、最初に相談を受けた時より債務が増えてしまって、最初の方針通りではやることができなくなることがあります。

依頼者の方には、まずは弁護士を信頼してもらって本当のことを言ってもらいたい。それが中途半端だと、結局、依頼者のためにならないのです。

また、中には本当のことを言わないで、都合の良いことだけを言って弁護士を利用しようとする人もいるので、注意する必要はあると考えています。

 
Q6.弁護士として特に関心のある分野は何ですか?
A6.「中小零細企業の再建、債務整理の分野」です。

中小零細企業が、従業員の人数が減少したとしても企業として存続できれば、働く場所が確保され、それだけでも社会の役に立っているということが実感できるからです。

これまで116社の法的再建手続きを申し立てて、100社の認可決定をもらいましたが、死ぬまでにあと100社はやりたいと思っております。

再建させた企業の数で記録を打ち立てようという意気込みで取り組んでいます。

 
Q7.今後の弁護士業界の動向はどうなるとお考えでしょうか?
A7.司法改革は失敗だと思っています。日本はお金をかけないで改革ができると錯覚しますが、本当に必要な改革にはお金がかかるものです。

日本を法化社会にしようとの目的は正しいのですが、弁護士だけを大量に増員しても法化社会にはなりません。迅速な裁判のためには裁判官を増員しないとダメだと考えます。

弁護士の大量増員時代になって、それだけで仕事を新たに見つけ、どう分け合うかが課題になります。法化社会のためには、弁護士が経理の知識を取得し、一定以上の企業の監査役に就任していく必要があるのではないかと思います。

 

Q8.先生の今後のビジョンを教えて下さい。
A8.“破綻に至っても企業は存続することに価値がある”という私のような考えは、弁護士界ではまだ少数派です。

私のところに来ればやり直せたのに、他の弁護士のところに相談にいったばかりに破産・清算になってしまう事案はまだまだたくさんあると思います。

それだけに、私の元気な限り、企業再建という自分のライフワークを続けて皆様のお役に立ち、少なくともあと100件の民事再生認可決定を得たいと思っています。

 
Q9.ページを見ている方々に対してメッセージをお願いします。
A9.弁護士も医者と同じで得意分野と言いますか、専門分野があります。

間違えれば、外科の手術が必要なのに、内科の医師に診てもらっただけで命を落とすようなことになりかねません。弁護士の専門分野・経験に注意してください。

弁護士に相談する場合に、前に自分と同じような事案を処理したことがあるのかと、その内容を聞いてみられるのが良いでしょう。少なくとも経験の有無くらいはわかり、依頼する際の参考にできるのではないでしょうか。

 
Q10.ページを見ている法曹界を目指している方に向けてのメッセージをお願いします。
A10.自分のやっていることが、そのまま依頼者の役に立って感謝してもらえるという希有な仕事です。その面では医者と同じだと言えましょう。

しかし、人を相手にするのですから、社会・経済・哲学・歴史について深い見識と自分のバックボーンとなる考えがなければ流されてしまうことになるのではないでしょうか。事実を見て法律を適用することについても、自分の考えが要求されると思って、幅広く勉強してください。

人を助ける仕事なので、自分よりも他人を大切にするという温かい心を持ってほしいものです。1990年にバブル崩壊して以来、日本の社会はうまくいっていませんが、エリートの人たちに他人に対する温かい心が喪われたことが原因だと思っております。エリートになるのですから、他人への思いやりを忘れないでください。


<取材法学部生からのコメント>
栃木先生は、民事再生や債務整理にて多くの人を救ってきた救世主のような先生です。そんな栃木先生の「弁護士とは、法律だけでなく様々な分野に関する深い見識とバックボーンがないと他人の意見に流されてしまう」というお言葉が大変印象的でした。そして何より、弁護士とは人を助ける仕事なので温かい心を持たないといけないという考えは、本当にその通りだと思います。 お忙しい中有意義な時間を過ごさせていただき、誠にありがとうございました。

中央大学法学部3年 小林茉以




bengoshiretsuden at 11:20│Comments(0)TrackBack(0)

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