<川村・寒竹法律事務所 寒竹里江先生><高橋法律事務所 高橋正明先生>

2010年01月15日

<持田法律事務所 持田秀樹先生>

photo_mochida持田秀樹先生にインタビューをさせて頂きました。

Q1. 弁護士になろうと思ったきっかけを教えてください。
A1. 特に志があって司法試験を受験したわけではありません。高校卒業後、上京、就職し、働きながら夜学に通いました。その後、ちょっとしたことで、仕事を辞めようと思ったことがあったのですが、辞めたら何をしようかと考えました。そのときに、たまたま手にした司法試験の案内書を見てチャレンジしてみようと思ったのです。結局、研修所に入所するまで仕事を続けることになりましたが、なにが転機になるかわからないものです。


Q2. 弁護士になって特に印象に残っている案件(事件)を教えてください。
A2.苦労した事件はどの事件も印象に残っていますね 。そのうちの一つを紹介したいと思います。当番弁護士から国選弁護を受任した刑事事件です。事件自体は軽微な傷害事件ですが、被疑者は最初から全面否認でした。トラブルになったけれども暴力はふるっていないと。事件後、「被害者」とされている者から、被疑者に対して執拗に示談金の請求があり、事件をでっち上げた不当要求行為であると思われました。もちろん示談なんかしてません。第一審では、傷害の起訴に対して、暴行の認定がなされました。控訴、上告しましたが、高裁、最高裁でも覆らず、有罪が確定してしまいました。有罪の確定を伝えたときの被告人の悔しそうな震える声は今でも忘れられません。

Q3. 弁護士のお仕事の中で嬉しかったことは何ですか。
A3.依頼者と心が通じたときは嬉しいですね。少年審判の後、身柄を解放された少年から「先生のことは一生忘れません。」と電話がかかってきたときは、この事件をやってよかったと思いましたね。また、傷害致死の否認事件で、若い被疑者が、「ごめんなさい。嘘を言っていました。」「先生が毎日来てくれるんで、嘘を言い続けるのが申し訳なくなって・・・。」と自白してくれたことがありました。弁護士が、被疑者を自白させたような形になったのですが、長い目で見ると、きっと、人に信用されたことや、信用を裏切ってはいけないと思って正直に話したことは、その人にとっていいことだったのだと思いますし、私を信頼して自白してくれたことは嬉しかったですね。

 

Q4. 弁護士としてお仕事をする上での信条・ポリシーを教えてください。
A4.弁護士という職業は、人の悲しみに触れる職業です。傷つけられた悲しみ、罪を犯した悲しみ、かつては愛し合ったものが憎しみ合う悲しみ・・・そういう悲しみの渦中にある人に対して、少しでも希望を与えられればと思っています。また、法律家のできることは、依頼者が直面する問題の一つの側面における解決にすぎず、たとえ訴訟に勝っても、実は、その人の抱える問題の本質的な解決に至っていない場合も多いのだと自分に言い聞かせています。

 

Q5. ご依頼者様に対して、特に気をつけていることは何ですか。
A5. 暴力団関係者からの依頼は受けないようにしています。やや逆説的ですが、そうして健全な業務を心がけることが、現在の依頼者様を大切にすることにつながると考えています。

Q6. 弁護士として特に関心のある分野は何ですか。
A6. .関心ということであれば、いろいろな方面に関心があります。ただ、なかなか勉強する時間がなくて、単なる関心にとどまっているのが悲しいところですが。現在、住宅紛争の事件を受任していますので、これを足がかりに、その方面の勉強を進めたいと思っています。取り扱う案件に応じて、いろいろな分野の専門的知識を増やしていきたいですね。

Q7. 今後の弁護士業界の動向はどうなるとお考えでしょうか。
A7. 決してよい方向には進んでいないと思います。数が増えれば当然質は落ちてしまいます。弁護士会は企業や官庁が増員を吸収することを期待しているようですが、現実にはうまくいっていません。食っていけなければ、悪いことをする者も増えてくるでしょう。悪行に手を染める弁護士が増えることにより、弁護士という職業に対する信頼が低下するだろうと危惧しています。

Q8. 先生の今後のビジョンを教えてください。            
A8.今の事務所のスタンスを変えるつもりはありませんが、徐々に事務所の規模や取扱い分野を拡大していきたいと思っています。

Q9. ページを見ている方々に対してメッセージをお願い致します。
A9. これまでは、例外はあったにせよ、おおむね、弁護士の資格を有していれば、それなりの能力と見識を持った人物でしたから、誰に頼んでも、はずれを引くことはそんなになかったと思います。しかし、弁護士が大幅に増加するこれからはそうもいきません。今後は、弁護士に依頼するにも、その能力を見極めて依頼しなければ、依頼者が損害を受ける可能性があります。大きな手術を受けるときのように、初めて弁護士に事件を依頼するときは、他の弁護士にセカンドオピニオンを求めてみてはいかがでしょうか。

Q10. ページを見ている法曹界を目指している方に向けてのメッセージをお願いします。
A10. 勉強は大変だと思いますが、実務に就けばより多くの苦労が待っています。しかし、人の人生と関わる法曹の仕事は大変にやりがいがあるものです。法律書ばかり読んでいては無味乾燥な印象も受けますが、自分がどのような法曹になるのか想像しながら勉強に取り組んでみて下さい。

Q11.その他に特記したい事項やページを見ている方にお伝えしたいことがございましたら、お願い致します。
A11. 先ほど暴力団関係者からの依頼は受けないと言いましたが、それは暴力団対策の仕事をしているからです。暴力団は思いの外、身近な世界に巣くっています。弁護士に依頼することは時間もお金も掛かります。しかし、たとえ暴力団を利用した方が解決が早いことがあったとしても、結局は、自身が蝕まれてしまうことになります。そのようなことにならないよう、怪しげな人には相談せずに、トラブルがあったときは、弁護士に相談するのがよいでしょう。

<取材法学部生からのコメント>
お仕事を続けながら苦労して弁護士になられたこともあり、弁護士業への思い入れが深く、特に仕事を通じて依頼者の人生に関わるということを大切にしていらっしゃる先生でした。質問3にもある被告が自白してくれた話には私も感動しました。また、暴力団関係の事件に詳しく、事務所には警察庁や都からの、表彰状、感謝状もあり、貴重なお話を聞かせて頂きました。

東京大学法学部2年 槙野尚



 

 

 


bengoshiretsuden at 12:35│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

<川村・寒竹法律事務所 寒竹里江先生><高橋法律事務所 高橋正明先生>