<銀座ヒラソル法律事務所 古谷野賢一先生><村田敏法律事務所 村田敏先生>

2010年03月25日

<饗場総合法律事務所 饗場元彦先生>

饗場元彦先生photo_aiba先生にインタビューをさせて頂きました。

Q1. 弁護士になろうと思ったきっかけを教えてください。
A1. 昭和42年に司法試験合格後、学者も含めてどの法曹の道を選ぼうか迷い、大学院に残り、その間、先輩の弁護士、裁判官、検察官を訪問しました。道田信一郎教授の「アメリカのビジネスと法」と言う本を読み、ビジネスロイヤーに興味を持つと共に、渉外という分野があることを知り、アメリカのUCC(統一商法典)を勉強すると共に、その頃、余り人に知られていなかった製造物責任を修士論文としました。修習を終えてからは、渉外事件を得意とする西村小松法律事務所という私も含めて7名の弁護士の当時はまだまだ小さい事務所に入りました。最初についた弁護士は既に亡くなられた西村利郎弁護士で、西村先生の薫陶を受けることになりました。



Q2. 弁護士になって特に印象に残っている案件(事件)を教えてください。
A2. 交渉が難航し、調印まで長期間かかった事案が印象に残ります。カナダ大使館の青山の大使館用地の有効活用、ハーゲンダッツアイスクリームの日本導入についての合弁契約、バドワイザービールの国内生産のライセンス契約と数年後のその契約解消に関する交渉(幕開けと幕引き)、ペプシの日本におけるコーラ事業買収(営業譲渡)。
その他、勉強になったという意味では、弁護士になって2年目に開始した某大手電機メーカーの海外向け英文標準契約書作成(Distribution Agreement, License Agreement, Joint Venture Agreement、Joint Development Agreement等)のプロジェクトが印象に残っています。これにより、これら契約自体を研究するチャンスに恵まれると共に、日本の関連諸法律、輸出入実務、荷為替信用状等を知り、また、各国の代理店保護法、ライセンス規制法、出資規制を知るチャンスを得ました。

Q3. 弁護士のお仕事の中で嬉しかったことは何ですか。
A3. 案件が終わり、依頼者から感謝されることです。

Q4. 弁護士になって一番大変だと感じることは何ですか。
A4.弁護士は季節のない仕事(公認会計士が会社の決算時に忙しい、などというものと比べて)なので休暇の予定をたてにくいことと、予期せず難しい仕事が重なることです。

Q5.休日はどのようにお過ごしですか。
A5. ゴルフをすることもあれば、休日はインターラプトされないため集中したい仕事を処理するため、事務所で働くことも多いです。

Q6. 弁護士としてお仕事をする上での信条・ポリシーを教えてください。
A6. 何事にも集中して徹底的にやりとおす。突き詰めて多角的に考える。苦しくても逃げない。
法律業務との関係で具体的に言えば、
(1)法律構成、事実構成において、多岐的に考える。一つのビジネスの目的を達成する上で、いくつもの法的な選択肢を考え、その上で最適なものを選ぶ。ある事実を見るにしても、洞察力・推理力を働かせ、真実に到達できるよう努力する。その過程では、無駄になる考え方、無駄な勉強もあろうが、「無駄の効用」。
(2)事案が開始したら、事案の大小を問わず、全力を尽くす。「寝ても覚めても」。夜中に、アイデアがふっと出ることも多い。

Q7. ご依頼者様に対して、特に気をつけていることは何ですか。
A7. 難しい問題を分かりやすく説明し、コミュニケーションに務める。

Q8. 弁護士として特に関心のある分野は何ですか。
A8. 25年勤務した大手事務所のシニアパトナーを15年ほど前に「これからは百貨店でなく、路面店を始める」といって辞め、事務所を開きました。その結果、ビジネスローだけでなく、より多方面の法律に接することになり、幅広いそして興味深い経験をさせてもらっています。今後も、分野を限らず、対応していきたいと思っております。

Q9. 今後の弁護士業界の動向はどうなるとお考えでしょうか
A9. (1)35年ほど前にイタリアの弁護士から、イタリアでは弁護士が多すぎ、タクシーの運転手をしている弁護士もいる、と言う話を聞き、驚いたことがありましたが、それと似た状況が日本でも発生しつつあるとは、全く憂慮するべき状況と思います。
(2)このような状況を踏まえ、日本の大事務所は新人弁護士を雇い、どんどん規模を拡大していますが、全員がパートナーになれるわけではなく、パートナー競争に負けた弁護士はどうなるのでしょうか。アメリカでは、依頼者の法務部に雇われたりしていますが、日本では依頼者にもそれ程の吸収力はないし、どうなるのでしょうか。大事務所も単に拡大するだけでなく、パートナーになれなかった弁護士のアフターケアも考えて教育していくべきだと思います。
(3)昔、私が勤務したことがあるアメリカの法律事務所では、弁護士はその事務所で生き延びるために特定の法律分野の専門家になっていきましたが、それでは、弁護士費用が高くなりすぎ、依頼者がお気の毒に思いました。例えば、日本の会社が米国での投資案件で相談に来ても、その会議には会社法の専門弁護士、知財法の専門弁護士、税法の専門弁護士、それに日本法専門の私と言った具合で、弁護士報酬が時間制ということもあり、大変高い報酬金額になった記憶があります。専門に凝り固まらず、ジェネラリストの上でのスペシャリストを心がけるべきと思います。

Q10. 先生の今後のビジョンを教えてください。
A10. 人間は働ける限り働き、社会のお役に立つべきと思っておりますので、今後とも弁護士業務を続けたいと思っています。

Q11. ページを見ている方々に対してメッセージをお願い致します。
A11.問題がぐちゃぐちゃになってから相談に見えられる方々も多いです。そうなる前に、弁護士に相談なさることをお勧めします。

Q12.ページを見ている法曹界を目指している方に向けてのメッセージをお願いします。
A12. (1)法律家の業務は、世の中にとって欠くことのできない天職ですので、チャレンジし甲斐のある業務です。よき法曹となるためには、単に法律知識の習得のみでは足りず、しなやかで襞のある心、豊かな教養と常識力、とりわけ歴史に対する畏敬、好奇心と責任感の涵養が必要と思われ、私自身、日暮れて道遠し、の感がありますが、それに向けて努力をし続けようと思っております。
(2)あまり効率性ばかり考えず、無駄をし、心の中に一杯引き出しを作ることが大事と思われます。私が、弁護士になって最初についた弁護士は、故西村利郎弁護士でしたが、「おれは試験に受かるまで時間が掛かったが、それは一つの問題を考えていても次から次へと関連問題が浮かび、それだけでも10本くらい論文がかけるほどだった。」とよく言っていました。そのとおりだと思います。
(3)外国語を一つくらいマスターしてください。世の中がぐんと広がります。

<取材法学部生からのコメント>
饗場先生先生は、ハーゲンダッツアイスクリームの日本導入についての合弁契約について携わった先生です。饗場先生がいらっしゃらなかったら、現在日本にハーゲンダッツが販売されていないと考えると、本当に感謝すべきだと感じます。私がハーゲンダッツが大好きだという理由から、訪問時にはこの件についてのお話をたくさんしてしまいましたが、私のたわいない質問にも一つ一つ丁寧に答えてくださり、とても嬉しかったです。ありがとうございました。

慶應義塾大学法学部2年 清水朋子




bengoshiretsuden at 12:30│Comments(0)TrackBack(0)

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