<ピープルズ法律事務所 森川文人先生><小林・弓削田法律事務所 弓削田博先生>

2010年06月18日

<さかきばら法律事務所 打越さく良先生>

photo_uchikoshi打越さく良先生にインタビューをさせて頂きました。

Q1.弁護士になろうと思ったきっかけを教えてください。
A1.教育学を研究するため、東京大学大学院の博士課程でフェミニズムや教育を学んでいました。しかし、次第に、「学問というよりは、女性や子どもに関する実際の問題に携われれば」という思いが強くなってきました。家庭裁判所の調査官も考えましたが、年齢制限があったため、弁護士を目指そうと決意しました。



Q2.弁護士のお仕事の中で嬉しいと感じるのはどんなときですか。
A2.初めて相談に来たときは弱弱しくやっと小声で話しているという感じだったDVの被害者の方が、事件が解決に向かい、さばさばと元気に前向きになっていく姿を見るときです。

Q3.受験時代に苦労したことやモチベーションを維持するための工夫について教えてください。
A3.憲法が好きで、刑法や刑事訴訟法は理解しやすかったのですが、商法や手形・小切手法はなじみにくかったですね。私は、博士課程まで進んでいて「後がない!」という思いがあったので、やみくもに、猛烈に、死ぬほど(笑)、頑張りました。濃密に2年間、「瞬間最大風速」では一日19時間、コンスタントに毎日16時間以上、勉強していましたね。…無理に真似すると身体を壊しますので、それぞれの気力体力に見合うようにおやりになれば(笑)。

Q4.現在はどのような案件を中心に取り組まれていますか。
A4.家事事件が専門で、特に離婚事件を中心にして、DVの被害者関係の案件に取り組んでいます。また、日弁連の日本司法支援センター対応室の嘱託で、日弁連としての方針決定や提案をする際の下調べ役のような仕事をしています。
その他には、東京都の北児童相談所の非常勤嘱託として、児童福祉司の方々と子どもの虐待案件についても取り組んでいます。

Q5.家庭問題の案件で、ご依頼者様と接する際に、特に気をつけていることは何ですか。
A5.依頼者の方は、他人には話せないことを打ち明けられますから、その人の身にたって考えるように心がけています。また、日々の小さな出来事の積み重ねが家庭問題となっていますから、「些細なこと」などと安易に決めつけず、受け止めるようにしています。人の痛みをわかって受容することが大切だと思います。

Q6.先生ご自身は、ライフ・ワーク・バランスをどのように工夫されていますか。
A6.行き当たりばったりですよ(笑)。ただ、仕事は17時までにして、夜は家族との時間を作るようにしています。また、子供が起きる前の午前3時から6時までにも仕事をしています。私は仕事が好きなので、自分の時間は電車で本を読む程度でも苦にならないですね。

Q7.休日はどのような過ごし方をしていらっしゃいますか。
A7.日曜日くらいですが、午前中に家事をまとめて済ませた後、子供と近所の図書館や公園、遊園地に行ったりしています。

Q8.弁護士になって特に印象に残っている案件(事件)を教えてください。
A8.一番辛かった案件は、フィリピン人の母親が、子どもを日本人の父親に奪われてしまったという事件です。
日本人の父親に離婚届を勝手に出されてしまったため、子どもの親権の帰属をめぐって、離婚無効確認訴訟を提起しましたが、長期化しました。5年間以上に及ぶ裁判の間に、子どもは日本語しか話せなくなってしまい、母親への引渡しは認められませんでした。裁判官も非常に同情してくださり、和解で、監護権の分属や面会交流が認められることとなりましたが、母親の気持ちを思うと、辛かったです。

Q9.弁護士としてのこれからのビジョンをお聞かせ下さい。
A9.ちょうど今年で弁護士10年目になり、当初やりたいと思った女性や子どもに関する個別の案件に数多く取り組むことができ、満足しているので、このまま取り組んでいきたいです。
その一方、両性の平等や家族法改正の実現、あるいは恵まれない子どもの救済など、社会的な問題についても、日弁連の一員として、あるいは有志として、ロビイング活動等を継続していきたいと考えています。

Q10.先生にとって、弁護士に最も求められると思う力は何でしょうか。
A10.「健全な想像力」―傷ついた人の痛みに共感する力―だと思います。同業である夫の口ぐせですが、まさにその通りと思っています。

Q11.ページをご覧になっている一般市民の方にメッセージをお願い致します。
A11.法的なところは弁護士が専門ですし、相談内容のプライバシーも守られます。問題が深く、重くなる前に、安心して気軽にアクセスしていただければと思います。

Q12.これから法曹を目指す学生たちにメッセージをお願い致します。
A12.弁護士として働けることに、すごく満足しており、日々充実しています。皆さんも、痛みをもった人の役に立てるように、ぜひ頑張って勉強してください。

<取材法科大学院生からのコメント>
先日訪問させていただいた今泉亜希子先生のご紹介で、お話を伺いました。さかきばら法律事務所は、家事事件を専門とする女性の弁護士で構成されており、依頼者の方が安心して心を打ち明けられる雰囲気が感じられます。
打越先生は、何事にも全力投球で、子育てママをされるかたわら、夜明け前の3時間を仕事の時間にあてられるそうで、そこには働く女性の気迫と家庭を大切にする母親の愛情が湧き出ていました。インタビュー以外の質問にもこたえてくださる気さくな先生で、きっと依頼者の方々も癒され、元気をもらえるのだろうなあと思いました。

早稲田大学法科大学院3年 江上 明子




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