2010年09月02日

<吉田修平法律事務所 吉田修平先生>

photo_yoshida吉田修平先生にインタビューをさせて頂きました。

Q1.弁護士になろうと思ったきっかけを教えてください。
A1.積極的な理由から言うと、文系で議論するのが好きだったからです。消極的な理由は自分がサラリーマンとしての働き方に向いていないことが挙げられます。さらに、父が事業に失敗した経験から、その際に良い弁護士が支援してくれていれば、という思いから弁護士を目指すようになりました。



Q2.ゼミ活動はどのようなことをなさいましたか。
A2.破産法のゼミに所属していました。早稲田大学の司法試験用のサークル(蛍法会)に所属していまして、そのサークルの先生が破産法を専攻されていたことから、私も破産法の分野に興味を持ちました。

Q3.受験勉強の際、勉強をする中で工夫していたことがあれば教えてください。
A3.当時は、今のように参考書やレジュメがなかったので、自分で作っていました。基本書や判例集から自分で抜き出して、論点や学説、自分が採る説などを書いていました。かなりの時間を費やしましたが、やはり自分の手を動かしているので忘れることも少なかったと思います。現在では参考書などが豊富ですが、自分で書いて覚えるということは大事にすべきだと感じます。大学で客員教授をしているのですが、最近でもこの自分で作ったレジュメを学生に配布するなどして活用しています。

Q4.大学の客員教授をやられているということですが、実務だけでなく客員教授をやられている理由を教えてください。
A4.単純に教えることが好きだからです。早稲田の法職課程教室で講師をやっていたこともありましたし、司法試験に合格した後、受験予備校でバイトしていた経験も大きく影響しているでしょう。これは勉強方法にもつながりますが、人に教えるということは、自分の勉強にもなります。教えるには自分が100%理解している必要があるので徹底的に覚える必要があります。例えば、ロールプレイのような形で、先生役・学生役を交代でやっていくと効果的だと思います。

Q5. 今後の弁護士業界の動向はどうなるとお考えでしょうか。
A5.司法制度改革により弁護士の人数は確実に増加します。従って、今とは違う形態の弁護士が増えるでしょう。具体的には、企業や地方公共団体に入ることが予想されます。さらに、東京ではなく地方で活動する弁護士も増えるでしょう。別の観点から言うと、弁護士が専門化することも考えられます。従来は、何でもやる、つまりオールラウンダーが求められていました。なぜなら人数が少なかったからです。しかし、今後は「この分野では120点の仕事ができる」ことが要求されると思います。

Q6.弁護士として特に関心のある分野は何ですか。また今までのお仕事の中で一番うれしかったことは何でしょうか。
A6.借地借家関係や破産関係です。これは大学で学んでいたことともつながっています。一番うれしかったことは、定期借家権という法律を作るお手伝いをしたことです(議員立法)。従来からある借家契約では、正当の事由がない限り家主からの更新拒絶はできないこととなっていましたが、定期借家契約では、契約で定めた期間の満了により、更新されることなく確定的に借家契約が終了します。定期借家権と従来の借家権を比較した場合、最大の相違点は、定期借家権は期間の満了により賃貸借が終了するため、明け渡しを求める際に立ち退き料が不要となることです。従来の借家権は契約期間満了後も借家権が継続するため、明け渡しを求める際は立ち退き料が必要となります。私は国土交通省等の委員の仕事もしているので、こういった立法のお手伝いもしています(終身借家権)。借地借家関係を含め、今の法律にはまだ不備があるので、今後もこういった立法の仕事もしていきたいと考えています。

Q7.ご依頼者様と接する際に、特に気をつけていることは何でしょうか。
A7.主に4点あります。1点目として、絶対に必要なことは、ミスをしないことです。例えば、短期消滅時効にかけてしまうことです。法律には時効があるのでそれを過ぎてしまうと基本的には何も行動を起こせなくなってしまいます。2点目は、できないことはできないということです。つまり、依頼者の方に過度な期待を持たせないということです。3点目は、依頼者の方に消極的なことばかり言わないことです。そして4点目は、親切に、親身な気持ちで対応することです。

Q8.吉田先生にとって弁護士に最も求められると思う力は何でしょうか。
A8.2点あると思います。1点目は、原理・原則をきちんと理解することです。法的三段論法というものがありますが、この第一段階である法律の原理・原則を理解するということです。2点目は、原理、原則をあてはめる対象である事実(社会現象)を理解することです。例えば、1つの法律を作る場合、それが社会にどういった影響を及ぼすかを考えなくてはいけません。つまり、近視眼的かつ法律的な視野だけでなく、長期的かつ経済的な視野で社会を見ていくことが求められると思います。

Q9.法曹を目指す学生に身につけておいて欲しいことなど、法曹を目指す学生にメッセージをお願いいたします。
A9.Q8と重なる部分もありますが、社会や経済を理解する力を養ってほしいと思います。すなわち法律論だけを学ぶのではなく、新聞を読んだり、その新聞を理解するために経済学を勉強したりするということです。もちろん、法律を学ぶことで文章力や議論する力を養うことはできます。ただそれだけではなく、もっと幅広い知識を得て欲しいと思います。

<取材法学部生からのコメント>
吉田先生には、非常に親切に対応していただきました。勉強法についてのお話で、書いて覚えること、そして友人と議論しながら勉強することの重要性を伺い、私もこうした方法で試験勉強すべきだったと感じました。また、今後の法曹界の動向や法律(特に借地借家関係)の改正について、強い熱意をお持ちになってお話しされていたのが印象的でした。

首都大学東京法学系4年 古賀圭一朗




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