2010年12月22日

<弁護士法人ファースト法律事務所 藤井総先生>

藤井総先生にインタビューをさせて頂きました。photo_fujii

Q1. 弁護士になろうと思ったきっかけを教えてください。
A1. 子供の頃に身近なところで弁護士の活躍を聞いて、憧れを持っていました。大学で法学部に進んだ時には、もう弁護士になろうと決めていました。



Q2. 弁護士になって特に印象に残っている案件(事件)を教えてください。
A2. 事業再編に伴う反対株主による株式買取価格決定申立事件です。事業再編にあたっては、株主総会の特別決議が必要になり、決議に反対する株主は、自分の持っている株式を会社に買い取ってもらうことができます。その際の株式の買取価格は、原則として会社・株主間で協議して決めるのですが、決まらない場合は、裁判所に算定してもらう(株式買取価格の決定を申し立てる)わけです。この買取価格について、会社法改正に伴い、事業再編のシナジーによって向上する株式価値分を織り込むことが必要になったのですが、その算定方法について、当時はまだ旧商法下での裁判例しかなく、会社法下での裁判例がなかったので、過去の裁判例や文献を精査して、自分で理論を構成し、反対株主側の立場から裁判で主張を戦わせたのがとても面白かったです。

Q3. 弁護士のお仕事の中で嬉しかったことは何ですか。
A3. 事件解決後に、依頼者から感謝の手紙やメールを頂けることが多く、頑張って良かったと思えます。こういった依頼者の声は、自分が嬉しいだけでなく、当方への依頼を検討されている同じような立場の方にも大きな参考になると思うので、当事務所のホームページには、そういった依頼者の声を了解を頂いて掲載しています。ご相談に来られた多くの方が、ホームページに掲載した依頼者の声をご覧になって来てくださり、その方々からもさらに感謝の声を頂けると、とても嬉しいですね。

Q4. 弁護士としてお仕事をする上での信条・ポリシーを教えてください。
A4. スピードとアクセルです。
まず、スピードですが、弁護士は職人肌の人が多く、回答を万全なものにするために時間をかける方が多いと思います。しかし、ビジネスの世界というのは非常にスピーディーです。質問を頂いた段階で、大まかな回答であっても、直ちに回答をすることが大切で、詳細な調査が必要なものは、追って補足すれば良いと思っています。必ず、質問を頂いたその日の内に回答をするよう心がけています。事務所アドレス宛のメールを携帯でも確認できるようにし、いつどんな時でも連絡をとれるような体勢で取り組んでいます。
また、アクセルですが、弁護士は相談に対して法的リスクを説明することが多いと思うのですが、リスクがあるからとストップをかけてしまったら、ビジネスは進まないわけです。リスクを受け入れたうえで、利益を得るために行動しなければいけない場面が出てきます。そこで、弁護士としても法的リスクがあるといってブレーキをかけるのではなく、どうすれば法的リスクを軽減できるか考え、ビジネスにアクセルをかけてあげるようなアドバイスをすることが大切だと思っています。

Q5. 藤井先生は大学在学中に司法試験に合格されていますが、どういった勉強法、想いで司法試験に臨まれましたか。
A5. 私が大学生の頃に、ちょうどロースクール制度が出来ました。しかし、ロースクールを卒業してからでは、弁護士になるのが遅くなってしまうので、大学在学中に司法試験に合格したいと思っていました。予備校にはあまり行かず、過去問を深く掘り下げる勉強をしていていました。大学は法学部だったので、司法試験の勉強と大学の授業が重なる部分が多かったことからも、両立はそれほど大変ではありませんでした。

Q6. 起業法務ページを作成しようと思ったきっかけを教えてください。
A6. 現在の事務所に移籍する前は、企業法務系の大手法律事務所に在籍していたことから、企業法務を専門としているのですが、その中でも、自分自身年齢が若いことから、特に若手起業家のサポートに力を入れています。ネットで情報を探すことの多い若手起業家にとって、役に立つ情報があまりネットに掲載されていないことに気付いたので、私がそのような情報をホームページ上で発信することで、若手起業家の役にも立てるし、自分の存在も知って頂けると思ったのです。

Q7. 弁護士として特に関心のある分野は何ですか。
A7.最近は特にネットビジネスですね。ネットビジネスは始まって歴史が浅く、法の整備がまだ追いついていないので、法的に面白い分野です。また、ネットビジネスを手掛ける若手起業家も多いので、今後ホームページ上での有益な情報の発信にも力を入れていきたいと思っています。

Q8. 弁護士として一番求められる力とは何だとお考えですか。
A8. やはりコミュニケーション能力ではないでしょうか。依頼者と密にコミュニケーションをとることで、常にニーズを察知しなければならないと思います。依頼者は、大まかでいいので今すぐ回答が欲しいのか、調査を尽くした詳細な回答が欲しいのか、リスクを低減させてビジネスを後押しする意見が欲しいのか、営業部門の勇み足にブレーキをかけるような意見が欲しいのか、そこを履き違えると、依頼者は満足できないですからね。

Q9. ページを見ている一般市民の方々に対してメッセージをお願いします。
A9. 弁護士と聞くと、敷居が高く感じられ、遠慮をしてしまう方が多くいらっしゃると思います。しかし、弁護士もサービス業である以上、満足できるサービスを提供できなければいけません。そのためには、市民の方々にシビアな目線でチェックしていただきたいですし、仕事の内容に不満があれば遠慮なく言っていただきたいです。

Q10. ページを見ている法曹界を目指している方に向けてのメッセージをお願いします。
A10. 自分はどういう専門分野を持っていくのか、常に意識してもらいたいです。修習生に将来の展望などを聞いていると、幅広く経験を積んで幅広い分野をやりたいと答える人が多いですが、人間である以上、限界はありますし、依頼者の立場から見れば、「何でもできる」は「何もできない」の裏返しになってしまうのです。自分の強みを作る、積極的に専門性を打ち出していくことで、他の弁護士や事務所と差別化を図るべきだと思います。

<取材法学部生からのコメント>
窓一面に海の広がる素敵な事務所に所属されている藤井先生は、今後の弁護士業界の動向をいち早く察知し、新たな分野をご自分で開拓なさっていて、今後のビジョンもはっきりされている、頭の切れる方という印象を受けました。事務所のホームページに依頼者の声を載せたり、自ら起業法務ページを開設したり、と常に依頼者の立場に立って、物事を考えていらっしゃる魅力的な先生でした。幅広い法的知識を身につけることが弁護士の評価につながると思っていましたが、先生のお話を伺い、弁護士増加に伴った業界の変化に対応するためには、自分の強みを持つことこそが、過当競争で生き抜く術だと分かりました。このインタビューを通じて、法曹界を目指している多くの方にこの事実を知ってもらい、自分の目指す方向性を改めて考えてもらえたら、弁護士業界の未来が少しずつ明るくなるのではないかと思います。
最後になりますが、お忙しい中インタビューをお受けしてくださった藤井先生、ありがとうございました。

慶應義塾大学法学部法律学科2年 阪本奈保

 

 



bengoshiretsuden at 11:04│Comments(0)TrackBack(0)

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