2011年12月07日

<若松法律事務所 坂口俊幸先生>

坂口俊幸先にインタビューをさせて頂きました。photo_sakaguchi


Q1.なぜ弁護士になろうと思われたのですか。
A1.やりがいのある仕事をしたかったからということと、社会に還元、貢献できる仕事をしたかったからです。銀行の仕事も社会的に有用な仕事であることは確かですが、実感できませんでした。権利を侵害されている状況、悩んでおられる方、困ったおられる方の力になれるのであれば、その仕事はやりがいのある仕事だと思い、弁護士になろうと思いました。


Q2.社会人からロースクールに進学するというのは、学費がかかる上に収入が断たれるという意味で、相当な覚悟が必要だったのではないですか。
A2.はい。まずは家族からの理解を得るのが大変でした。妻には説得して渋々許してもらいました。学費と生活費については、早期退職金と奨学金を使いました。成績が良ければ奨学金を返還する必要が無いという制度だったので、一生懸命勉強して、結局全て返還しなくても良いということになりました。アルバイトはする余裕がありませんでしたね。現実的にお金がどれくらいかかるのかということは、本当に何回も何回も計算しました。

Q3. 弁護士のお仕事の中で嬉しかったことは何ですか。
A3.自分を頼りにして相談してくれたり、解決方法を助言したり、裁判を進めるときに頼りにされているなと感じた時です。

Q4. 弁護士になって一番大変だと感じることは何ですか。
A4.自分を知ってもらうことです。自分自身を知ってもらわないと、弁護士の仕事はできないのです。そういう意味で、私のような弁護士がいることを認知してもらうことが一番大変ですね。そうして初めて仕事ができるのです。

Q5. 弁護士としてお仕事をする上で意識していることは、何ですか。
A5.依頼者のためになっているのか、説明が不十分になっていないか、依頼者目線で考えることです。

Q6.弁護士として特に関心のある分野は何ですか。
A6.多くの弁護士は数字に弱いです。決算書、税金などに弱い弁護士が多いのですが、銀行出身という強みを生かして、数字を活かして中小企業支援、会社再生支援、コンサルティングなどの分野を開拓していきたいです。

Q7.今後の弁護士業界の動向はどうなるとお考えでしょうか。
A7.二極分化してゆくと思います。従来通りのやり方では維持できず、新しいサービス手法などが必要になってくるでしょう。
従来の弁護士業務というのは、何か相談を受けたことに対して解決していくという受動的なものでしたが、例えば、会社の経営状況を踏まえた上で、こちら側が積極的に問題点、解決策を提案していくというようなやり方をしていきたいと考えております。

Q8. ページを見ている法曹界を目指している方に向けてのメッセージをお願いします。
A8法律の勉強をしているだけではだめで、世の中のことを広く勉強してほしいと思います。現実、現場に目を向けてください。知識や抽象論だけしかできないのではだめです。

Q9.先生は、社会人出身の学生として、ロースクールに入学されましたが、現状のロースクール制度の良い面と悪い面を、先生の実体験を踏まえて教えて頂ければと思います。
A9.2年から3年という期間で多くのことを習得しなければならず、消化しきれない感じがします。しかし、多くの優秀な教員や実務家の方とふれあうことができ、また、演習時間などが多く設定してあり、法的思考を学ぶ場所としては優れていると思います。

Q10.ロースクールでの時間を有意義に過ごすためには、どのような心構えが必要でしょうか。これからロースクールに進学する学生達に先輩としてアドバイスを頂ければと思います。
A10.2年あるいは3年という期間はあっという間に過ぎてしまします。
長期の学習計画をしっかり立て、時間管理をし、確実にこなしていくことが重要です。次々と課題の提出に追われ、追われまくっている間に3年間は過ぎてしまします。追われるのではなく、計画的に勉強してください。実際に勉強できる時間を算出してみると思ったより余裕はありませんよ。
ロースクールの講義、演習を軽視する方が一部見受けられますが、講義、演習は積極的に参加して法的思考のトレーニングの場所として十分活用してください。

Q11.司法試験受験生に向けて具体的にアドバイスをお願いできますでしょうか。
A11.ロースクールでの勉強は、きちんと準備して真剣に取り組めば非常に興味深いものです。しかし、それはやはり司法試験に向けた受験勉強とは違います。授業の予習復習とは別に、受験対策を自分でしなければなりません。私は司法試験用に予備校の答練にも参加しました。
早めに過去問を検討し、アウトプットを通して、司法試験では何が求められているのかをつかんでください。そこから、自分の勉強を正しく方向付けてください。その上で、試験の勉強を講義の中に繰り込んでいくと良いです。この方向付けを間違ってしまうと、いくら勉強しても成績が上がらないという事態に陥ってしまいます。特に未修は知識で勝負しようと思ったら絶対に負けてしまいます。何が求められているのかをしっかりとつかみ、基本的なことをしっかりと理解する(これがそもそも難しいのですが・・・)ことを通して、説得的な答案を書けるようになってください。


<取材学生からのコメント>
若松法律事務所の坂口先生にお話を伺いました。社会人からロースクールに進学し、弁護士になられ、前職のご経験を生かして弁護士業に取り組んでおられます。まさに司法改革の目指した形ではないでしょうか。
社会人からロースクールへの進学は、多大なリスクを伴い、相当厳しい現実が待ち受けているということを伺い知ることができました。しかし弁護士のお仕事は、先生曰く、「充実感が全く違う」ということで、大きなやりがいを持って弁護士のお仕事に取り組んでおられます。
先生のような経験豊富な社会人出身の弁護士がもっともっと活躍できるような司法制度になるよう願うばかりです。
今回はお忙しい中取材をさせて頂き、本当にありがとうございました。


一橋大学商学部4年 丹野駿吾








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