2012年02月24日

<新和総合法律事務所 坂口禎彦先生>

坂口禎彦先生にインタビューさせて頂きました。photo_sakaguchi


Q1.弁護士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
A1.高校生の頃に冤罪なのに死刑判決を下された事件の再審決定のニュースを聞いて、冤罪がなぜ起こるか、またそれにより無実の人が死刑判決を受ける可能性もあるということに衝撃を受け、そこから弁護士を初めとする法曹に興味を持ち始めました。



Q2.弁護士のお仕事で嬉しかったことを教えてください。
A2.困難な事件を解決できたときや、判決や和解で依頼者の希望がかなえられたときです。ご依頼者様は紛争などで悩み法律事務所の門を叩いてこられ、その相談を受け解決へ導き、ご依頼者様の安心する顔を見ることができたときは嬉しいです。


Q3.弁護士になって一番大変だと感じることについて教えてください。
A3.民事でも刑事でも紛争事件は待ってくれず、計画的に仕事をするようにしていても突然緊急の事件が舞い込むこともあり、休日を返上して仕事することもあるのでそういった点が大変です。


Q4.弁護士としてお仕事をするうえで意識していることは何ですか?
A4.依頼者との関係で、話をよく聞くようにしているのですが、人は誰でも意識的にか無意識的にかはともかく自分にとって都合のいいことを言いがちです。それが嘘ではなくても事実の一面しか見えないことがあります。何が本当に話したいことなのか、法的に問題となることは何なのか、その点を意識してきちんとやっています。


Q5.中国残留孤児や中国人の戦後保障の問題にお関わりということですが、なぜ関わっておられるのでしょうか?
A5.戦後補償については知り合い弁護士から誘われたことがきっかけです。社会的国際的問題でもある戦後補償は、価値観の違いやいろいろな考えもあり、事実が無かったという人もいます。しかし、調査をすれば悲惨な被害実態があることが分かりました。被害者がいて現に人権侵害があればそれは賠償されるべきだと私は思います。それは中国人に限ったことでなく、例えば日本人でも原爆や空襲で被害を受けた方なども補償されるべきだと思います。被害を受けたのは軍人軍属だけではないのです。戦後補償事件は、被害とともに日本側が加害者側であるという側面もあり戦争犯罪の悲惨さをとおして平和の尊さを学びました。また、中国残留孤児についても同じです。残留孤児については、当時の安部内閣が残留孤児に対する生活支援策を実行したので和解しました。それは不十分な点はあったものの、何も無いところからともかく支援策を実施できたことは前進で嬉しく思っています。施策の状況も見て、よりその拡充が図れるように現在も進めているところでもあり、政策形成に関わったという点でも弁護士として大きな喜びを味わうことができた事件でした。


Q6.弁護士として特に関心のあるご分野は何でしょうか。
A6.担当する案件との関係でいろいろ勉強しなくてはならず、私はこの分野だけをやりたいとはできるだけ考えないようにしています。ただ唯一言えば、顧問先の会社との関係で著作権法や会社法務関係は常に関わっていなくてはならないので関心があるといえばあります。


Q7.今後の弁護士業界の動向はどうなるとお考えでしょうか。
A7.弁護士人口が増える一方で、検察・裁判官はほとんど増えていません。弁護士増の結果、弁護士が1人乃至は全くいないと言われるいわゆるゼロワン支部と呼ばれる地域的ひずみは少しずつ是正されてきています。しかし、急激な弁護士増で弁護士の倫理性や能力が問題となり依頼する市民の方に被害が生じるという事態も出始めていると聞きます。やはり何事も拙速に、急激にということは決して良いことではないと思います。基本的知識や法的思考力が十分ではない状態で司法試験の合格者とし資格を与えるのはどうかと思います。運転免許のように誰でも簡単に取得でき活動できるというものではないと思うのです。やはり一定のレベルを維持することは必要でしょう。そのためには弁護士だけでなく法曹三者が協力して現状を踏まえ改めるべき点は改めよりよき制度にしていかなければならないのではないでしょうか。



<取材学生からのコメント>
坂口先生は中国人の戦後補償や残留孤児に関わっておられるということをネット上で知り、なぜ関わっておられるか・どういうことをされているのか非常に興味があり、インタビューでそのことを詳しくお聞きすることが出来ました。社会問題のひとつでもある本問題の解決に関わり、また実際に政策解決へと導き嬉しかったと語られる坂口先生の姿は非常に印象に残っています。私も先生のように、将来自分のことだけでなく社会に貢献できる何かしらの行動をしたいと思います。坂口先生、この度はお忙しい中インタビューにご協力頂き誠にありがとうございました。

早稲田大学法学部2年 相馬英暢




bengoshiretsuden at 11:00│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。