2012年04月26日

<渡邉アーク総合法律事務所 渡邉正昭先生>

photo_watanabe (1)渡邉正昭先生にインタビューをさせて頂きました。

Q1.なぜ、弁護士になろうと思われたのですか?
A1. 小学生のころから歴史や地理など社会科関係の問題に興味があり、次第に法律にも関心を持つようになりました。また、最難関の国家試験である司法試験にチャレンジしてみたい、という気持ちもあり、高校生のころに法律家になることを志望しました。当時から独学で法律やドイツ語の勉強を始めていたのですが、法律の条文ひとつひとつの背景に込められた哲学や歴史、人間関係などを学ぶのがとても楽しく、法律をもっと深く勉強したいと思うようになりました。勉強すればするほど法律家になりたいという志望動機を固めていったのです。
 しかし、早い段階から法律家になることを志望していた一方で、弁護士になろうと思ったのは司法試験合格後でした。法律を扱う仕事はたくさんありますし、裁判官や検察官の仕事もとても魅力的だったのですが、やはり人間関係の問題にとても関心を持っていたので、最終的には生身の身体で他人とぶつかっていける弁護士を志望しました。



Q2. 弁護士のお仕事のどんなところに魅力を感じられますか?
A2. 弁護士業務の魅力はたくさんありますが、一番の魅力は真っ正面から国と議論が出来ることだと思います。他の士業には強い組織関係がありますが、弁護士は「立法・司法・行政に次ぐ四つ目の権力」と言われるように、どの組織にも属することなく、国と対等に議論をすることができます。その分、弁護士同士が協力して自治をしていかなければならないので、弁護士会というものが存在しますが、弁護士会にも様々な社会問題に取り組む活動があり、それらに参加することで、強い影響力を持って社会に働きかけることができます。
 また、もうひとつの魅力は、このような大きな活動ができる一方で、逆にひとりひとりの人間と深くじっくり関わることが出来るのも魅力だと思います。人と肌を接して仕事が出来るといいますか、人間というものについて深く洞察することができるのです。
 弁護士の仕事の魅力については母校の高校の進路ガイダンスでなどでも積極的に伝えているのですが、もっとたくさんの人にその素晴らしさを知っていただけたらと思っています。

Q3.今までどのようなお仕事をされてきましたか?
また、現在どのような仕事をされてきましたか?
A3. 一言で言うと、「人間の問題」です。私は人間に対する探究心がとても強いので、分野を絞るというよりは、様々な人に会うことができる仕事を積極的に行ってきました。すべての問題は人間と人間が対立することであり、その際に、当事者の間に入って「交渉」を行うのが弁護士です。「離婚問題」「労働問題」と言っても、それらは全て夫婦間、家族間、経営者と労働者、という「人間と人間の問題」であり、私は「問題を解決する」ために「交渉をする」というイメージで仕事を行っています。

Q4.弁護士としてお仕事をする上で意識していることは、何ですか?(信条・ポリシーなど)
A4. 法律以外の知識を弁護士業務に取り入れることに関心があります。弁護士の仕事は大きく分けて、裁判所での活動、交渉、相談のこの三つです。この三つはとても密に連動しており、この三つを上手く行う為にはやはり、人間について深く知ることが大切です。人間についての洞察を深めることで交渉や相談が上手くなりますし、裁判も広く見れば交渉の一部と言えるでしょう。人間について知る為に、交渉論や心理学、人間科学、社会科学といった法律以外の分野についてきちんと学び、それらの分野の力を借りながら仕事をしていきたいと思っています。
 また、ネットワークについても関心があります。全ての問題には当事者だけでなく、当事者の周りの人間も関わってきますから、私自身が様々な場所へ赴き、様々な人と積極的に関わることを意識しています。弁護士の活動舞台は事務所や裁判所ではなく、むしろその外にあるとも思っています。

Q5. ページを見ている方々へのメッセージをお願いします。
A5. 市民の皆さんには、まずは当事者同士でよく話し合う、ということを忘れないでほしいと思います。法律や弁護士は問題解決のひとつの手段ですが、安易に法律や弁護士に頼ってしまうのではなく、まずは自分たちで解決しようと試みてみること、つまり、よく話し合ってお互いの考えを理解しようとすることを意識してほしいと思います。お互いに理解しようとすることで会話がうまれ、自分たちなりのルールを確立することもできます。そのようなことを試みた上で、自分たちだけではどうしようもなくなったときに、私たちのところに来ていただきたいと思います。

Q6. 法曹界を目指している方に向けてのアドバイス等をお願いします。
A6. 法律の条文を解釈する際に、条文の文面だけを見ないでほしいと思います。条文の背景には必ずその条文を作った人がいます。そして、その人たちが参考にした歴史や哲学があります。条文とは、人々が英知を出し合って作り上げた結晶なのです。是非、条文を作った人の思いに触れ、条文と対話をしながら勉強をしてほしいと思います。そうすれば、非常に法律が好きなってくると思います。

<取材学生からのコメント>
渡邉先生へのインタビューの中でとても印象的だったことは、先生が「依頼者」「案件」「事件」という言葉を一度もお使いになられなかったことです。このことからも、渡邉先生が依頼者をひとりの「人間」として捉え、とても強い探究心と深い洞察力を持って接しておられること、また、全ての事件を「交渉」として考えておられることがとても伝わってきました。また、Q1.やQ6.でお話し下さった「条文の背景には哲学や歴史、人間関係がある」「条文を作った人と対話をしながら学ぶ」というお言葉も、「人間」を大切になさる渡邉先生ならではの暖かい視点だと感じました。渡邉先生、お忙しい中、インタビューをお受けくださり、誠にありがとうございました。

武蔵大学社会学部2年 柳田香帆




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