<ひまわり法律事務所 上原邦彦先生><郷原総合コンプライアンス法律事務所 郷原信郎先生>

2012年10月03日

<むつひまわり基金法律事務所 石田純先生>

photo_ishida石田純先生にインタビューをさせて頂きました。


Q1. なぜ、弁護士になろうと思われたのですか?
A1. 元々高校生の頃は教師の仕事等にも興味があったのですが、当時自分と同年代の少年が起こした少年事件が社会問題化し、それに伴って、社会的に少年法の存在意義が問われる状況になったことから法律というものに興味を持ち始め、大学に入って法学部に進学しました。この時はまだ具体的に弁護士になりたいという思いはありませんでした。
 大学時代は主に刑事法系の分野に興味があり、ゼミもそのような分野のゼミに所属していました。そのような流れに加えて、もともと人生の一時期を地方で過ごしてみたいという希望もあったので、刑事事件を積極的に扱う都市型公設事務所に就職させていただき、現在に至ります。



Q2.石田先生がお仕事をされている青森県むつ市はどのような土地ですか。
A2.むつ市は人口が6万人ぐらいで、むつ市を含めた下北地域は人口8万人になります。場所は青森の右側に位置しています。今はどうかわかりませんが、事務所ができた当時は本州最北端の事務所だったと記憶しています。また、今問題になっている電力関係の様々な施設があり、今は止まっていますが、大間原発が建設中ですし、むつ市の隣ですが東通原発もあります。さらに、昔から国防上の重要な拠点ということもあり、自衛隊の基地が存在しています。電力関係や自衛隊関係の方達は経済的な面も含めてむつ市にとって大きな存在になっていると思います。。あとは下北地域の特色としては、大間のマグロも含めた観光業もあると思います。
なお、(2012年1月現在)下北地域の弁護士の数は私と法テラスむつの先生、法テラスむつの先生の奥様の三名です。


Q3.東京とむつ市での業務に違いはありますか
A3.私自身は元々東京の中でも足立区という都内の司法過疎地域で仕事をしており、また、司法過疎地域に行くための事務所出身なので、依頼者の方の層を含めそういった意味でのギャップを感じたことはありませんでした。また、言葉の問題もごく一部の高齢者の方が少し聞きとりづらい方もいらっしゃいますが、それほど問題になることもないと感じます。
 また、ご高齢の方で車を運転出来なく、事務所にいらっしゃることが出来ない方もいらっしゃいますので、自分で直接動いてお話を聞きに行かなくてはならないということは東京での業務との違いとしてあります。


Q4. 弁護士のお仕事の中で嬉しかったことは何ですか。
A4. 皆さん同じだと思いますが、やはり、事件が終わったときに依頼者の方から感謝の言葉を述べていただける時だと思います。


Q5. 弁護士になって一番大変だと感じることは何ですか。
A5. 今回のインタビューの目的の一つに独立簡裁の司法過疎地域の弁護士ということがあるかと思いますので、その側面で申し上げると、やはり移動時間になると思います。地裁案件は青森地裁(本庁)になるので、事務所から裁判所まで夏でも2時間、冬だと3時間くらいはかかり、平均して週に2回は地裁(弁護士会の活動も含む)には行っていますので、相当な負担になります。特に執行猶予の可能性が高い刑事事件の判決期日などは、他に用事がなくてもなるべく早く入れますので、5分で終わる判決のために丸一日かけていかなければならない時があり、そういう時は帰ってから仕事をしようと思っても、なかなかはかどりません。もちろん、そのような地域だからこそ、ひまわり基金として弁護士事務所を設立・運営していく意義があるのでしょうし、覚悟はしていましたので、決定的な問題とはいえないとは思います。ただ、なかなか、定着する弁護士があらわれない理由の一つにはなっていると思います


Q6. 弁護士としてお仕事をする上で意識していることは、何ですか。
A6. この仕事に限らず、迅速、丁寧ということが基本になると思います。それに加えて、依頼者の方はもちろん、場合によっては相手方の立場になって物事を考えていくことは事件処理の中で必要だと思います。


Q7. 弁護士として特に関心のある分野は何ですか。
A7. 今でも、法曹を志した理由である少年・こどもに関する事件、それと刑事事件への関心が一番強いですが、弁護士である以上、民事分野において得意分野と言えるような分野を複数持てるようにならなければならないと考えています(現在は日々の業務で精一杯ですが)。
 ひまわり基金の法律事務所の弁護士は数年先の自分の姿がわからないという人が多いと思います。私もそうなのですが、そんな中でも刑事事件とこどもに関する事件に関してはライフワークとして取り組んでいきたいですね。


Q8. 今後の弁護士業界の動向はどうなるとお考えでしょうか。
A8. この点についても、今、司法過疎地域と呼ばれる地域にいる弁護士の視点で申し上げると、私がいる下北地方をはじめ、弁護士を必要としている地域はまだたくさんあるとは思います。ただ、債務整理事件が減少していく中で、そのような地域においてもどのような形で事務所経営をしていくかというのはますます問われていくことになるかと思います。
 事務所経営については事件をどこまで受けるかということが重要になってくることもあると思います。相談者の方が依頼をしたいと言っても、(利益相反以外でも)場合によっては受任することを断らないといけない事件が相当数あるというのが、実際に弁護士になって実感します。
 

Q9. ページを見ている法曹界を目指している方に向けてのメッセージをお願いします。
A9. 古い考えなのかもしれませんが、法曹界を目指す方には、この仕事で生活をしていくという意味で「自分のため」という意識はもちつつも、出来る限り「ひとのため」に頑張りたいという意識をもっていていただければと思います。
 また、バイトやボランティア等何でもいいと思いますが、法曹になる前に色々な社会経験を積むことが、企業法務でも街弁でも役に立つのではないかと思いますので、今のうちに積極的に苦労を買って出た方が良いのではないでしょうか。



<取材学生からのコメント>
青森県むつ市のむつひまわり基金法律事務所の石田純先生にお話をお伺いしました。
石田先生からはむつ市での弁護士としてならではのお話をいくつもお聞きしました。相談のための移動の問題や公設事務所は2年から3年で弁護士が変わるから地域に弁護士が定着しないという問題など、初めて知ることばかりで大変勉強になりました。
石田先生、お忙しい中貴重なお話をありがとうございました。


武蔵大学社会学部2年 尾澤佑紀



bengoshiretsuden at 11:48│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

<ひまわり法律事務所 上原邦彦先生><郷原総合コンプライアンス法律事務所 郷原信郎先生>