2013年02月06日

<守山法律事務所 土井洋佑先生>

土井洋佑先生にインタビューをさせて頂きました。photo1_弁護士バッヂ

Q1. なぜ、弁護士になろうと思われたのですか? 
A1.もともと、企業など組織の中で働くよりも、弁護士のように自分が正しいと考えたことについて、自分で考え、行動に移せる自由な職業に憧れていました。その分責任も重いのですが。弁護士に憧れを持ち始めたのは大学2・3年生の頃です。それまで難しいと感じていた法律が勉強するうちにだんだん面白いなと感じるようになったのです。
困っている人の役に立てる仕事がしたいという想いもあったため、弁護士になって困っている人の役に立てるような仕事をしようと思いました。
(Q弁護士になって初めて分かったことや、思い描いていたイメージとのギャップはありましたか)
思っていたよりもプレッシャーが大きいと実感しています。依頼者とうまく人間関係を築いていくという事は簡単なように見えて、簡単なことではありません。なる前は全く分からなかったのだが、実際に弁護士として働くと依頼者の方と信頼関係を築くことの難しさを痛感します。

Q2. 今までどのようなお仕事をされてきましたか?
また、現在どのようなお仕事をされていますか?
A2.私が勤務している法律事務所は、いわゆる「マチベン」事務所なので、離婚、相続、交通事故、労働事件をはじめとした一般民事事件を多く扱っています。依頼者の多くは一般市民です。また、刑事事件も行っています。
それ以外の特徴的な事件としては、日照権侵害の事案を扱ったことがあります。
(Q日照権侵害ですが争点はどのあたりになるのでしょうか)
なかなかこういった事案は訴訟では認められにくいのが現状です。日光が家に当たらなくなって具体的にどういう損害が発生するのか、実際にうつ病になったりビル風の影響がひどいという供述は依頼者の方からあっても、それをどのように日照の問題と関連付けて法的に立証するかというのは実に難しいところなのです。
(Qそのような困難な事を前にしたときに意識することは)
諦めないことです。勝てないからと言って諦めてしまってはその時点で勝つ確率はゼロ%になってしまいますから。

Q3. 弁護士としてお仕事をする上で意識していることは、何ですか。(信条・ポリシーなど)
A3.依頼者の話に耳を傾けることを心がけています。相談の時、依頼者の方は、法律的に意味のあることだけを話すとは限らず、時には愚痴のようなことも話します。依頼者の想いをすべて吐き出してもらうことも必要なので、そのような話もしっかりと聴いて共感し、依頼者に寄り添うことが大切だと思います。

Q4. 弁護士として特に関心のある分野は何ですか。
A4.特に関心のある分野は、被災者支援です。被災地では法律問題を抱えた被災者が多くおり、被災地復興のために、法律の専門家である弁護士の力は不可欠であると思っています。このような被災者支援、被災地復興のために力になりたいと考えています。
現在は、福島原発事故で愛知県内に避難してきた方々に対する支援活動を行っています。
(Q愛知県内に避難されている方への支援活動とは)
福島原発事故で避難されてきた人たちについて、法律相談を受けたり、損害賠償請求の代理人になるといったことです。これは弁護団としての活動で、現在愛知県内約70人の弁護士が加わっています。現在は依頼を受けた各被災者に大体2・3人くらいの弁護士が担当について、被害状況を把握し、損害賠償請求の申立てをしているという段階です。
(Q他の事案と違うところはどのようなところですか)
日本でもこのような原発事故を経験するのは初めてなので、全く前例や道筋がないのです。訴訟においても、どういう法的根拠を立てるべきか、まだまだ未知なところ多いのが特徴だと思います。
(Q被災地における法的課題とは)
起こり得る法的問題としては、今回の震災だと多くの人が亡くなっていますから相続のこと、他には家が無くなったことによる土地の借地関係などがありますが一番問題なのは、これは報道などもされているところですがいわゆる二重ローンなどの債務問題です。
二重ローンについては、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」というのが作成され、運用されています。現地の弁護士の方が努力して二重ローンに苦しんでいる被災者に対してこのガイドラインの利用を呼び掛けていますが、被災者に周知されずにまだまだ利用の件数が少ないのが現状です。周知の徹底も今後の課題の一つでしょう。

Q5. ページを見ている方々へのメッセージ、法曹界を目指している方に向けてのアドバイス等をお願いします。
A5.弁護士という職業は、社会で発生しているあらゆる問題と密接に関連している職業だと思います。今社会で起きていること、問題になっていることに関心をもち、目を向けることが大切であると思います。そのような問題をテレビや新聞で見た時、他人事だと思わずに、自分で調べたり、自分にできることを考えたりして積極的に取り組んでみてください。

Q6.法律の勉強をしていた時に心がけていたことを教えてください。
A6.私が受験勉強の時に心がけていたのは、こまめに条文を引く、ということです。勉強を進めれば進めるほど、そして、理解が進めば進むほど、法律の勉強というのは条文がとても重要で、全ての出発点であることを実感しました。現在法律の勉強をされている方、これから法律の勉強を始められる方は、面倒くさがらずに、六法に手垢がつくぐらい条文を引くように心がけてみてください。


<取材記者からのコメント>
愛知県の守山法律事務所より土井洋佑先生にお話を伺いました。キャリア1年目の若手の先生という事で、学生に対するアドバイスについてはとてもリアルなご意見を伺うことが出来ました(Q5)。法の勉強ばかりに気を取られると、やはり机上の学習に落ち着いてしまって日々のニュースなどに疎くなってしまいがちではないでしょうか。しかしすべての法的課題も日々の事件から発生している、原発についてもその際たるものだという事、改めて認識させられました。また土井先生は離婚・相続といった業務のほかに日照権侵害についても扱ったことのある先生でいらっしゃいます。このような新しい分野については、実務からのナマの声もまた貴重なものだと思います(Q2)。土井先生、今回はご多忙の中ありがとうございました。

早稲田大学法学部2年 高橋洸佑



bengoshiretsuden at 11:17│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。