<まさき法律事務所 佐藤昌樹先生><青天法律事務所 稲川貴之先生>

2013年03月05日

<小林和恵法律事務所 小林善亮先生>

photo_kobayashi_20130227小林善亮先生にインタビューをさせて頂きました。


Q1. なぜ、弁護士になろうと思われたのですか? 

 大学は経済学部でした。人をある種の機能と見ているところに不満を感じていました。社会思想史のゼミに入り、一方で人間の考え方や生き方の多様性を感じ、他方で社会には様々な不合理さがあることを学びました。ゼミで様々なゲストスピーカの方からお話は聞いていましたが、一企業に入って仕事をするという選択に釈然としない気持ちがありました。弁護士は依頼者という個人に寄り添って、法律という多数決で生まれた仕組みと対峙することができると思って勉強を始めました。




Q2. 今までどのようなお仕事をされてきましたか?

また、現在どのようなお仕事をされていますか?

A2.いわゆる一般民事事件や刑事事件、労働事件(労働者側)など身近な法律問題が多いです。その他には横田基地の騒音公害訴訟、東京・日野市の七生養護学校の教育に政治家や教育委員会が介入した事件などを担当しています。

 七生養護学校の事件は、弁護士登録した2003年に起こった事件です。横田基地の騒音訴訟も弁護士登録1年目から関わっています。いずれも何人もの弁護士で弁護団を組んでいます。10年近く担当していてますが、弁護士としての自分が育てられた事件です。


Q3. 弁護士としてお仕事をする上で意識していることは、何ですか。(信条・ポリシーなど)

A3.)[的なアドバイスに限らず、その人のこれからの人生にとってどういう選択が望ましいのだろうという観点で、相談者・依頼者と一緒に考える。

 ∋案を検討する際も事実を大切にする。

特に2番目の「事案を検討する際の事実を大切にする」ということは、法律論を先に、そこに事実を当てはめたり、法律の要件に必要なことだけ相談者から聞くのではなく、何が行われていたか、事案の背景にどんな経過があったかという「事実」を把握することが大事だと感じています。


Q4. 憲法ミュージカルについて、教えてください。 

A4.一般公募の市民100人が、150時間以上の稽古を重ねて、憲法をテーマにしたミュージカルを上演するという企画です。作品や指導はプロの演出家、舞踏家、音楽家が行います。

 同様の企画は他のところでもありますが、東京・多摩地域では弁護士の呼びかけで2007年(沖縄戦)、2008年(「慰安婦」問題)、2009年(諫早干拓事業)と取り組み、18,000人以上の観客に観ていただきました。

 企画を立ち上げた当時、憲法は古いので変えようという声がありました。弁護士なので、困った方から沢山お話を聞きますが、背景を辿っていくと、きちんと憲法や法律で保護されるべき事が、保護されていません。いまの憲法に書かれていることだって十分実現されていない。「古い」と変えてしまう前に、どんな憲法があって、きちんと必要としている人に、憲法やの光が当たっているか市民と一緒に考えたいと企画をしました。

私が立ち上げた憲法ミュージカルの特徴は、全員が舞台の上に立つ、という所です。

一般市民に出演者募集の呼びかけをし、オーディションを行います。

ですが、このオーディションで落ちる人はいません。

これは演出家であった、田中暢さんの方針で、とにかくいろんな人がいるのが社会であって、その社会をそのまま舞台に上げるたい、とのことでした。「やりたい」と言って企画に

飛び込んでくれた人たちを、落とすような基準を私たちも持ち得ないのです。全ての人がまず尊重されるという、とても憲法的な方針だったと思います。

今はこの憲法ミュージカルは休止していますが、これからも、多くの人が参加できる企画で、憲法と市民との橋渡しが出来たらと思います。


Q5. ページを見ている方々へのメッセージ、法曹界を目指している方に向けてのアドバイス等をお願いします。

A5.どんなに良い憲法や法律があっても、それを生かす市民がいなければ画に描いた餅。ページを見ていただいた方には、どんなことでもまず相談してみてくださいとお願いしたいです。

 弁護士のところには、既存の法制度では救済が困難な人も相談に来ます。法曹を目指す方には、単に目の前の事件を処理するだけでなく、どうしたら同種の事件をなくすことができるのかを考え、時には市民運動や政治的な活動にも取り組む広い視野と意欲を持ってもらいたいです。

 法律家に大事なのは、事実をよく見て、問題となっている本質を掴んで、それをどのように説得力を持って裁判所に提出できるか、というところです。

依頼者の考えや、気持ちを無視して法律がこうなっているから、では全く意味がありません。法律家を目指す人は、人の気持ちを想像できる人でありたいと思います(自戒も含め)。



<取材記者からのコメント>

経済学部から弁護士になられた小林先生。人をある種の機能として見ている所に不満があった、というお言葉は、経済学系を学んでいる私も思わず「確かに。」と思いました。

また、小林先生が10年近く担当している事件から学んだ「自分の経験で物事を判断してはいけない、事実の大切さ」は、人生を生きていく中で、大切なことだなと思いました。

憲法ミュージカルのお話では、オーディションの基準から憲法的な基準が設けてあり、大変感動を受けました。
今は休止ということで、いつかまた復活した際には、私も観にいこうと思います。

人の気持ちを想像できる人でありたいという思いは、私も常に意識していこうと思います。

小林善亮先生、お忙しい中取材に応じていただき、本当に有難うございました。


跡見学園女子大学マネジメント学部2年 薄木翔子
 



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