<弁護士法人小寺・松田法律事務所 堀岡和正先生><高橋功法律事務所 高橋功 先生>

2013年04月02日

<森田陽介法律事務所 森田陽介先生>

森田陽介先生にインタビューをさせて頂きました。photo_morita_20130326

Q1.弁護士になろうと思ったきっかけを教えてください。 
A1.小さいころから,「困っている人の助けになりたい」という気持ちが強く,ぼんやりと人の役に立てる仕事に就きたいと考えていました。理想は宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」で,今でもあの詩を読むと心が熱くなってきます。
学生時代はラグビーばかりやっていましたが,大学卒業後,一念発起し,人助けをできる弁護士を目指してロースクール入学しようと考えました。しかし,学生時代は全くと言っていいほど勉強していませんでしたので,法学部出身であったにもかかわらず,1年浪人してやっと未修コースに入学できました。
ロースクール在学中は,検察官教授の人柄に打たれたことから,検察官に憧れた時期もありましたが,司法修習中,弁護士の職域の広さや委員会等の公益活動にも参加できることを知り,弁護士になることを決意しました。


Q2. 学生時代はどのように過ごされましたか、またゼミ活動はどのようなことをなさいましたか。
A2.大学ではラグビー部に入部し,部活動に明け暮れていました。チームはあまり強くありませんでしたが,学友会(いわゆる体育会)ラグビー部として厳しい練習をしていました。体力と根性には今でも自信があります。
4年生の時には主将を務め,チームを作ることの難しさを嫌というほど体感しました。今振り返ると後悔ばかりで,ああすればチームをもっと強くできたんじゃないかとか,こんなことをしてみたかったとかいろいろ考えます。私はそれまで物事をあまり深く考えない人間だったのですが,ラグビー部の主将を務めてから,その考えが180度変わりました。
どんな組織でも,リーダーは,どのような組織を作りたいのか明確なビジョンを持って,メンバーにそのビジョンを提示し,ビジョン遂行のために断固たる決断をし続けなければいけないのだと思います。今は,このように私なりの考えを持っていますが,当時はチームをまとめることができず,本当にダメな主将でチームメイトには迷惑をかけました。今後は,その経験を生かし,弁護士として,また法律事務所の経営者として,強いリーダーシップを持って活動したいと考えています。

Q3.司法修習時代の経験や思い出について教えてください。
A3.司法修習時代は,検察修習の時の司法解剖が一番印象に残っています。その事件は,母親が6歳の子どもを抱いて線路に入り込み2人揃って死亡したという事件でした。まだ小さい子どもの遺体が解剖される姿は今でも目に焼き付いています。時に人の命を扱う法曹の使命を改めて実感し,責任の重さを知らされた体験でした。

Q4.弁護士になって特に印象に残っている案件(事件)を教えてください。
A4.独立前に勤務していた法律事務所は,群馬で最も大規模な事務所で,様々な案件を担当しましたが,その中で印象に残っている事件を1つあげるとすれば,インターネット上掲示板の名誉毀損事件です。
この事件は,インターネット上の匿名掲示板に依頼者の名誉を毀損する内容の書き込みがなされたもので,書き込みを行った加害者に損害賠償請求を行うという事件でした。
一般に,加害者の住所,氏名が分からなければ裁判を起こすこともできませんが,インターネット上の名誉毀損事件の場合,加害者の情報が全く手元にありません。そこで,まず,いわゆる「プロバイダ責任制限法」という法律に基づいて,プロバイダを相手方にして加害者の情報開示を求める裁判手続を行う必要があります。そして,その裁判で勝訴すれば,プロバイダから加害者の情報を開示してもらえ,この段階で,ようやく加害者相手に損害賠償請求を行うことができます。
私が扱った事件も,勝訴判決に基づき加害者の情報開示を受け,加害者に対して損害賠償請求訴訟を提起することができました。
表現の自由は憲法で保障されている重要な権利ですが,表現によって他人を傷つけてはいけないことは当然です。しかし,今のインターネット掲示板では,匿名性をいいことに,好き放題書き込みがなされているというのが現状ではないでしょうか。インターネット上の掲示板は,不特定多数の人が閲覧することができるのでその被害が甚大であるばかりでなく,掲示板閲覧者は,ともすれば「攻撃されている人にも何らかの落ち度があったんだろう。」などと考えてしまいがちです。もちろん,このような考えは絶対に間違いであり,ほとんどの場合は,何の非もないのに運悪く被害者になってしまっているだけです。加害者は,軽い気持ちで書き込みを行うのかも知れませんが,被害者に生じる被害は甚大であり,卑劣な手段で人の気持ちを傷つける人を私は許すことができません。
匿名掲示板がなくなれば無責任な書き込みも激減するはずですが,現実的ではありませんね。せめて,被害者が被害を回復するために何度も裁判をしなければならないという現在の運用が早期に改善されれば,と思います。
 
Q5先生にとって、弁護士に最も求められると思う力は何でしょうか。
A5.相手を説得する力だと思います。説得する対象は,事件の相手方であったり裁判所であったりしますが,たとえこちらが不利な立場であったとしても,言葉,態度,法的理論,あらゆるものを駆使して相手を説得できるのが良い弁護士だと思います。
私も書面作成時には,書面を受け取る人の立場や気持ちを想像して言葉1つ1つに気を配り,また,書面を送るタイミングなども考えて,なるべく説得力のある文章を作るよう心がけています。

Q6.弁護士として特に関心のある分野は何でしょうか。
A6.関心があるというか,離婚事件には特に力が入ります。離婚事件は,日々の生活に直結する問題ですから,相談者,依頼者は本当に困り切った状態で事務所にいらっしゃいますし,相手方との複雑な感情のもつれを理解するためにも,相談者,依頼者のお話を特にじっくり聞く必要があります。そのような中で,依頼者から,「話を聞いてもらえてすっきりした。」とか「少し気持ちが楽になった。」とか言っていただけると,素直に嬉しいです。私にとって離婚事件は依頼者と信頼関係を築きやすい事件ですし,困っているこの人を何とかして助けたいと考えますので,自然と力が入ります。
 
Q7.休日はどのように過ごされますか? 
A7.なるべく平日に仕事をつめこみ,息子,妻と過ごすようにしています。平日は,なかなか早く帰れず,家族と過ごす時間が取りづらいので。妻も県内で弁護士をしていますが,育児のために勤務時間を短くしてもらっています。 休日は,育児に疲れた妻を癒すことができるように,ゴルフなどには一切行かず,妻のマッサージをして,家事も全てこなし・・・というのができればいいんですけど,実際は,そううまくいくはずもなく,まあ,大変ですね。

Q8.ページを見ている法曹界を目指している方に向けてのメッセージをお願いします。
A8.「断じて行えば鬼神も之を避く」
尊敬する検察官から教わった言葉です。目標に向かって努力すれば,結果は必ずついてくると思います。
私もみなさんに負けないようにがんばります。

<取材スタッフからのコメント>
名誉毀損事件についても詳しくお話しを頂きました。このような事件は,近年大きな問題になっています。どのような状況で加害者の開示請求をすることができるのか,損害賠償を請求できるのかといったことは、普段インターネットを使う私たち自身がもっと法律を知るべきであると実感しました。
休日についても伺いましたが,弁護士の先生のスケジュール管理の大変さは並大抵ではないと実感しました。スケジュール管理の重要さはどの職業でも言えることなので,学生のうちに身につけておきたいです。
森田先生,お忙しい中インタビューにご協力頂き,ありがとうございました。

中央大学文学部3年 岸結香子



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