<神戸合同法律事務所 松山秀樹先生><浦和サライ法律事務所 野木尚郎先生>

2013年05月07日

<河合法律事務所 河合良房先生>

photo_kawai_20130502河合良房先生にインタビューをさせていただきました。

Q1.弁護士になったきっかけを教えてください。
A1.直接的な、あるいは明確なきっかけはありません。ただ、中学生時代から、何となく社会的関心があったこと、困っている人を助けてやりたいななどと思っていたような気がします。また、TV番組に出てくる弁護士(布施辰治さん等)に憧れ、魅力を感じました。他にも、生徒会活動をする中で規則・決まりに興味をもったことや英文法や国文法が好きだったことから「法律」が向いているのかなと考えたことがあります。そして、高校入学前後から「浮ついた希望職種」に見切りをつけて、真面目に法学部・弁護士を考えました。弁護士が一番市民に近い存在と感じていたので、検事や裁判官と迷うこともありませんでした。


Q2.印象に残っている刑事事件を教えてください。
A2..印象に残っている案件はたくさんあります。刑事事件としては、強盗強姦罪事案で、強盗無罪を勝ちとったことです。強盗の共謀はなかったということの立証のために、共犯者4人をそれぞれ福井(裁判所)、鳥取(裁判所)、大阪(少年院)、岐阜(裁判所)で尋問しました。証言の矛盾や位置的関係の矛盾をつくなどして、無罪を勝ちとることができました。大変だったことは、証人がたくさんいて場所的にずいぶん様々な場所へ行ったことや被疑者段階では認めており、起訴後、私が国選弁護人に選任された段階で初めて「私はやってない」と言い出したことなどです。

Q3.印象に残っている民事事件を教えてください。
A3. 民事事件としては、古くはトヨタ自動車と自動車の所有権を争った事案(地裁で勝訴し、高裁で敗訴したという悔しさ、控訴審判決の怖さ・・)、保険金殺人事件における保険会社を相手にして損害賠償を請求した事案(反対尋問が極めて効を奏し、勝利的和解につなげた)、御嵩町の産業廃棄物処理場を巡る事案(産廃業者から10件ほどの訴訟を起こされた。柳川町長の生活等を盗聴した者に対する損害賠償請求もした)、最近では、某弁護士が受刑者から損害賠償請求を受けている事案(関連する事件が20件以上あるし、当該受刑者から脅されている)、関ヶ原町人権裁判(最高裁でも、町の行った戸別訪問は人権侵害であるとの判決が確定した)などが印象に残っています。労働争議事件としても、三重造船、市川造船などには20年近く関わったので印象が深いです。

Q4.弁護士の仕事で大変なことは何ですか?
A4.人間を対象とする仕事であることです。その人々は、ほとんどが悩み、困っているため、視野が狭くなり、物の見方・考え方が偏頗になっていることが多い。そのような方が、私を信頼し、私に委任してくれているのですから、その信頼関係を維持することはなかなか大変だけれど、その反面、私たち弁護士の視野は広くなり、物の見方・考え方が柔軟になるので、弁護士は人間的な成長が極めてはかれる職業だと思います。

Q5.中部弁護士連合会について教えてください。
A5. 2011年度の中部弁護士連合会理事長を務めていました。中部弁護士会連合会は、名古屋高裁管内の6地家裁に対応する愛知、三重、岐阜、福井、石川、富山の6弁護士会の連合会です。日弁連と共に、あるいは弁連や管内弁護士会の様々な課題に取り組むが、弁護士会や所属弁護士の交流・懇親も図っています。また、毎年1回、定期大会を開催し、シンポジウムを実施しています。2011昨年度の私は、毎月の中弁連理事会(名古屋市)、日弁連理事会(東京・1泊)の他、各種会議や市民集会(高齢者問題、司法修習生の給費制問題、国選付添人、法曹人口問題、支部問題・・・)、公設事務所の所長交替式(小浜、輪島、熊野)、夏期研修、各弁連の大会(全国各地)などへ出席し、その他、3・11東日本震災に対する支援、日弁連副会長問題などの議論もしました。

Q6今後の弁護士業界についてどうお考えでしょうか?
A6.あまりに弁護士が増えたので、生活に困る弁護士もでてきているのではないでしょうか。弁護士会の活動を全員でやりたいのですが、活動はほぼボランティア事業なのでそれに手が回る弁護士が少なくなってきました。弁護士があらゆる分野で活動することが少なくなってきているようで質の低下などが心配です。

Q7.ロースクール制度についての意見をお聞かせください。
A7.ロースクールができた時は賛成でした。当時は弁護士が20000人もいなかったのでもっと弁護士が増えればいいなと思っていました。しかし、今はこの制度に疑問を感じています。結局ロースクールができても、学生は実務的な学習ができていません。また、お金がかかり、弁護士になる人の範囲が狭まった気がするので、あの時安易に賛成したのは誤りであったかと思います。日弁連では、ロースクール廃止の意見も出ていますが、基本は維持する前提で見直しを図っています。

Q8.弁護士としての信条・ポリシーを教えてください。
A8.相談、依頼をされる方に本当の解決を与えたい。皮相的な「解決」ではなく、根本的な解決を目指したい。そして、信頼され、感謝されたい。相談、依頼をされる方への対応に十分に気配りをする。 権利は闘ってこそ勝ち獲れるものです。 

Q9.弁護士として関心のある分野は何ですか?
A9.子どもや障がい(特に、知的や精神障がい)のある方の権利に興味があります。これらの方は、自らの権利を自ら守ることが困難であるし、主権者としての権利行使も十分にできていない方と言えます。その方たちをどう守っていくか考えていきたいです。
 
Q10.法曹を目指している学生に向けてのメッセージを教えてください。
A10.弁護士は仕事をしながら成長できる。様々な方と、様々な問題を見聞きするのですから、弁護士の視野は広くなり、物の見方・考え方が柔軟になる。一面的でなく多面的に観るようになる。人間的な成長が極めてはかれる職業です。弁護士は、社会的弱者と言われる方を援助したり、刑事被告人の弁護をするなど国家権力を相手に闘う場面が少なくないので、国家からの自立性・独立性、弁護士自治がとても重要です。弁護士はそのために、様々な活動をしている。そんなことも知って欲しいです。弁護士は、その使命が「基本的人権の擁護と社会正義の実現」であり、そのことに意気を感じて、目指してください。


<取材学生からのコメント>
河合先生のお話から、「視野を広くすること」の大切さを学びました。ものの見方や考え方を柔軟にすることによって、様々な人を助けることができるし、人間的にも成長できるのだと思いました。私も来年から社会人になるので、一歩一歩成長していきたいです。河合先生、貴重なお時間ありがとうございました。

首都大学東京4年 野崎友里





bengoshiretsuden at 13:01│Comments(0)TrackBack(0)

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