今より遥か昔、村を滅ぼさんとする災いあり。幼き村娘に危機が迫るその瞬間、女神が現れ、災いを討ち滅ぼす。その女神は村の女王となり、村の平和と繁栄は守られた。



「何? これ…  おとぎ話しては物騒な話だな。それに文字も固苦しいし、つまんないや」


「これこれ、アチャコ。勝手に棚の書物をいじくりまわすんじゃないよ。」


「はーい」


ここは、ある村の外れにある小さな小屋。私の遊び場。程よく静かで程よく暇を潰せる。絶好の秘密基地。


小屋に住んでいるウィズおじさんも、なんだかんだ言って私を自由に遊ばしてくれるので、私はちょいちょい足を運んでいるのだ。


「ウィズおじさんー、何この本? 災いって何?女神って何?」


「んん? ああーこれはこの村に伝わる伝承じゃよ。かつてこの村が滅びそうになった時にとてもとても強い女性が村を救ったとういう伝説があるんじゃよ。


その女性は女神のように美しい姿じゃった.....あれ?鬼神の如き鬼の姿と聞いたような

いやいや、子供の姿だったともきいたぞむむむ」


「なんだよー、はっきりしないじゃん」



「と、とにかくこの村は女神様に守られているから、今も平和に過ごすことが出来ているってことじゃ。 ほれほれ、もう時間じゃろ? 今日は訓練の日って言っておったろ?」


「えやば!!行ってきます! ウィズおじさん、またねー」


私は大慌てで小屋を出る。今日は訓練の日だった。



村は有事に備えて、定期的に訓練を行うことが義務付けられている。

私が配属されているのは弓部隊。その中でも後方支援の担当なので楽なのだ。


(それにしても弓部隊の女の子につけるあだ名って雑すぎるよなー

なんだよ、アチャミやら、アチャヨって...私もアチャコって呼ばれるし)


私は弓部隊の中でも1番背が小さく、力も弱い。挙句果てには生まれつき髪がピンク色なので余計に幼さが強まっている。


(アーチャー(弓使い)の幼子だから「アチャコ」か...嫌になっちゃう)


1人文句を言いながら訓練場に到着したのだった。


続く